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学習塾のキャンセル料をどう決めるか|いつから、いくら、どう伝えるか

2026年9月20日・Rizaflow編集部

学習塾でキャンセル料をどう決めればよいか、という相談は、たいてい別々の話が1つに混ざった状態で持ち込まれます。授業を1回休んだときの扱い。夏期講習の申し込みを取り消したときの扱い。そして、途中で退塾するときの精算。この3つは根拠になる決まりが違い、教室が自由に決められる幅も違います。とくに3つ目は、契約の期間と金額によっては法律で上限が定められていて、書面に書いてあっても超えて請求できません。ここでは3つを分けたうえで、条文を確かめながら、決める順番を整理します。

塾で「キャンセル料」と呼ばれているものは、3つある

言葉を先に分けます。

・1回の授業を休んだときの扱い。月謝に含まれている授業を欠席した場合の話 ・都度の申し込みで費用が確定するものの取り消し。季節講習、模試、特別講座など ・契約そのものをやめるときの精算。退塾、コースの変更、受講回数の減

このうち3つ目は、教室が金額を自由に決められるとは限りません。学習塾の契約は、期間と金額によっては特定商取引法の特定継続的役務提供に当たる場合があり、その場合は解約に伴って請求できる額に上限が置かれています。

1つ目と2つ目は、契約書と申込書にどう書いてあるかで決まります。ただし、書けば何でも通るわけではありません。順に見ていきます。

まず確かめる。その契約が法律の対象になるかどうか

特定商取引法には、特定継続的役務提供という章があります。同法第四十一条は、この提供を「政令で定める期間を超える期間にわたり提供することを約し、相手方がこれに応じて政令で定める金額を超える金銭を支払うことを約する契約」を結んで行うものと定めています。

具体的な期間と金額は、特定商取引に関する法律施行令に書かれています。同令第二十四条第二項は、金額を5万円と定めています。期間は同令の別表第四で役務ごとに決まっていて、学力の教授については2か月です。

別表第四には、次の2つが別々の項として並んでいます。

・入学試験に備えるため、または学校教育の補習のための学力の教授で、事業者の事業所その他の事業者が用意する場所で提供されるもの。学習塾がここに当たります ・同じ目的の学力の教授で、それ以外の場所で提供されるもの。家庭教師がここに当たります

つまり、期間が2か月を超え、支払う金額が5万円を超える契約は、対象になりうるということです。月謝20,000円1年の契約であれば、両方の線を越えます。多くの学習塾の契約が、この範囲に入ります。

実際に対象になるかどうかは、契約の書き方や支払いの形によって変わります。自分の教室の契約書を手元に置いて、消費者庁が公開している案内や、地域の消費生活センターに確かめてください。

対象になると、決められる額に上限がつく

対象になる契約では、途中でやめる場面の扱いが法律で定められています。特定商取引法第四十九条には、次の定めがあります。

役務提供事業者は、前項の規定により特定継続的役務提供契約が解除されたときは、損害賠償額の予定又は違約金の定めがあるときにおいても、次の各号に掲げる場合に応じ当該各号に定める額にこれに対する法定利率による遅延損害金の額を加算した金額を超える額の金銭の支払を特定継続的役務の提供を受ける者に対して請求することができない。 出典: laws.e-gov.go.jp

読みどころは「損害賠償額の予定又は違約金の定めがあるときにおいても」の部分です。契約書に金額を書いてあっても、上限を超える分は請求できない、という構造になっています。

同条は、上限を2つの場合に分けています。役務の提供が始まった後の解除であれば、すでに提供した分の対価に相当する額と、政令で定める額を合算した額。まだ始まっていない段階の解除であれば、契約の締結と履行のために通常要する費用として政令で定める額です。

塾と家庭教師では、上限の額が違う

政令で定める額は、施行令の別表第四に役務ごとに書かれています。学力の教授については、提供する場所によって額が分かれています。

事業者の事業所で提供されるもの、つまり学習塾の場合は、提供開始後が「2万円又は当該特定継続的役務提供契約における1月分の役務の対価に相当する額のいずれか低い額」、提供開始前が「11,000円」と定められています。

それ以外の場所で提供されるもの、つまり家庭教師の場合は、提供開始後が「5万円又は1月分の役務の対価に相当する額のいずれか低い額」、提供開始前が「2万円」です。

塾の側から見ると、こうなります。月謝が15,000円の教室なら、1月分の対価は15,000円で、2万円より低いので、低いほうが上限になります。月謝が30,000円の教室なら、2万円のほうが低いので、そちらが上限です。

家庭教師を派遣する形と、教室に来てもらう形の両方を運営している場合、同じ会社でも上限が違うことになります。契約書を1種類で済ませている場合は、確認が要ります。

8日間は、書面を受け取った日から数える

もう1つ、押さえておく必要があるのが解除の扱いです。特定商取引法第四十八条は、法定の書面を受領した日から起算して8日を経過するまでは、書面または電磁的記録によって契約を解除できると定めています。この期間の解除については、損害賠償や違約金の支払を請求できないとされています。

数え始める日が、契約した日ではなく書面を受け取った日である点が実務では重要です。書面の交付が遅れれば、その分だけ後ろにずれます。記載が法の求める内容を満たしていない場合の扱いも定められています。

入塾の手続きで渡す書類が、法の求める記載を満たしているかどうかは、一度確かめておく価値があります。自社で作った入会申込書だけで済ませている教室は、特に確認してください。判断は条文と所管の案内に沿って行う必要があるので、消費者庁の案内や、地域の消費生活センター、顧問の専門家に相談するのが確実です。

1回の欠席に料金を取る形には、そもそもなっていない教室が多い

ここから、日々の運用の話に戻ります。

月謝制の教室では、1回の授業を休んだことに対して別途の費用を請求する仕組みになっていないのが普通です。月謝の中に含まれている授業を欠席しただけで、追加で請求する対象がありません。

つまり、塾で「キャンセル料を決めたい」と考えるとき、実際に決めるべきなのは金額ではなく、振替を認めるかどうかです。ここが塾と、施術ごとに料金が決まる業種との最大の違いです。

決めるべき点は次の3つです。

・欠席した回の振替を認めるか、認めないか ・認める場合、何日前までの連絡を条件とするか ・無断で欠席した回を、消化したものとして扱うかどうか

この3つは料金表には載りませんが、家庭にとっては料金と同じ重みを持ちます。月4回の契約で1回休んだとき、それが戻るのか戻らないのかは、4分の1の価値の話だからです。

振替の条件を、料金の話として書く

振替の条件を書くときに、曖昧になりやすい点が3つあります。

1つ目は、期限です。「前日まで」なのか「前日の営業終了時刻まで」なのか「授業開始の2時間前まで」なのか。単に前日と書くと、前日の23時の連絡が前日扱いになります。時刻まで書いてください。

2つ目は、振替をいつまでに消化するかです。期限を設けないと、未消化が積み上がります。当月中、翌月中、学期中、といった線を引く教室が多いようです。ここも書面に書いていなければ後から適用できません。

3つ目は、振替が取れなかった場合の扱いです。教室の枠が埋まっていて振替日を用意できなかったのに、期限が来たから消えるという運用は、家庭の側から見て納得できません。教室の都合で用意できなかった場合は繰り越す、といった但し書きを入れておくと、後の説明が楽になります。

これらは金額の話ではありませんが、退塾のときに必ず持ち出されます。書き方を先に整えておいてください。

季節講習の取り消しには、費用が確定する日がある

都度の申し込みで費用が確定するものは、扱いが変わります。代表が季節講習です。

講習は、家庭が受講するコマ数を申し込み、教室が日程を組み、講師のシフトを押さえます。申し込みの締切を過ぎた時点で、教室の人件費は実質的に確定します。20コマの申し込みに対して20回分のシフトを押さえるので、締切後の取り消しは教室の負担になります。

ここで費用の定めを置くなら、書き方は次の形になります。

・いつまでなら無償で取り消せるか。日付で書く ・それ以降は何割を負担してもらうか。割合で書く ・日程の変更は、取り消しとは別に扱うかどうか

3つ目を書いておくと、家庭の側の行動が変わります。取り消ししかできないと思えば、そのまま来なくなります。変更ができると分かれば、連絡が来ます。

なお、講習が単体で2か月を超え、金額が5万円を超える形になっていれば、それ自体が特定継続的役務提供に当たる可能性があります。夏期講習と冬期講習をまとめて1つの契約にしている場合は、期間の数え方を確かめてください。

模試の代金は、来なくても戻らない

外部の模擬試験を教室で実施する場合、申し込みの締切は実施日よりかなり前にあります。締切を過ぎると受験者数に応じて問題冊子が確定し、代金が発生します。

この場合、欠席した家庭に代金を負担してもらうことになりますが、事前に伝えていなければ説明がつきません。申込書と、申し込み後に渡す控えの両方に、締切の日付と、締切後は代金が発生する旨を書いてください。

1回あたりの模試の代金は4,000円から6,000円程度が一般的な範囲です。金額としては小さく見えますが、説明していない請求は金額の大小に関係なく信頼を損ないます。

教材費の扱いは、授業料とは別に整理する

退塾のときに揉めるもう1つの場所が、教材費です。年度の初めに1年分の教材を渡している教室では、途中でやめた家庭から返金の相談が来ます。

特定商取引法には、役務の提供に際して購入する必要がある商品を関連商品として政令で定める仕組みがあり、関連商品の販売契約についての定めも置かれています。学習塾の教材がどこまで当たるかは、契約の書き方と販売の形によって変わります。

実務上まず整えるべきは、次の点を契約書に明示することです。

・教材費が授業料とは別の費目であること ・いつの時点で購入したことになるのか ・未使用の教材を返品できるのかどうか

書いていなければ、その場の交渉になります。交渉になった時点で、教室の側に手数と気まずさが残ります。

返金が発生するときの、計算の仕方を先に決めておく

退塾の申し出があったとき、教室が最初に困るのは金額ではなく計算方法です。決めていないと、その都度違う答えを出すことになります。

決めるのは次の4点です。

・月の途中で退塾した場合、その月の月謝を日割りにするか、月単位で扱うか ・週2回の契約で、その月に3回受けた段階でやめる場合、提供した分をどう数えるか ・未消化の振替が残っている場合、金額に換算するか、消滅とするか ・前払いしている教材費や施設費を、どこまで戻すか

2つ目が実務では厄介です。月謝は月単位で決まっているのに、提供した役務は回数で数えます。1回あたりの単価を、月謝を月の回数で割った額とするのか、年間の総回数で割った額とするのかで、答えが変わります。月によって授業回数が4回5回で揺れる教室では、差がはっきり出ます。

年間の総授業回数を契約書に書き、それを月数で割った額を1か月分の対価とする、という書き方が分かりやすい形の1つです。どの計算にするかを決めたら、契約書と料金表の両方に同じ考え方で書いてください。

前払いで預かっているお金は、別に把握する

塾の会計では、先に受け取って、後から提供するお金が常に発生します。

・年度初めにまとめて受け取る教材費 ・季節講習の受講料 ・模試の代金 ・入会金や施設維持費

これらは、受け取った時点ではまだ提供が済んでいません。退塾の申し出があったとき、この残高がいくらあるのかを即答できないと、精算の話が進みません。

月謝の入金管理だけを見ている教室では、この残高が見えません。講習の申し込みは別の紙、模試は別の一覧、教材は在庫の表、という形に分かれているからです。

家庭ごとに、いま何をいくら預かっているかが1か所で見えるようにしておくと、退塾の話が出た日に答えが出ます。逆に、見えない状態のまま「あとで計算してご連絡します」と返すと、その計算に数日かかり、その間に家庭の不信が育ちます。

規約を変えたとき、すでに通っている家庭にどう適用するか

振替の条件や取り消しの扱いを見直すと、必ずこの問題が出ます。新しい条件を、いま在籍している家庭にいつから適用するのかという話です。

原則として、契約した時点の条件がその家庭には適用されます。教室の都合で一方的に不利な条件へ変えることはできません。契約書に変更の手続きが書かれている場合でも、書き方によって効力が変わります。

実務上、揉めない進め方は次の形です。

・変更する内容と、変更する日を、事前に文書で伝える ・適用の開始を、年度や学期の切り替わりに合わせる ・すでに発生している振替の権利は、旧の条件のまま消化できるようにする

年度の途中で変えると、同じ教室の中に2つの条件が並行して存在することになり、受付の担当者が判断できなくなります。塾には年度という明確な区切りがあるので、そこに合わせるのが最も手数が少なくて済みます。

変更の内容によっては、法の求める手続きが関わる場合があります。条件を不利に変える方向の改定を検討しているなら、実行の前に消費者庁の案内や専門家に確かめてください。

他の教室の書き方を調べるときに、見るべき4点

規約を作るとき、同業の書き方を参考にするのは自然なことです。ただし、そのまま写すと危うい点が4つあります。

1つ目は、その教室の契約の形が自分の教室と同じとは限らないことです。回数制と月謝制、通塾型と派遣型では、適用される定めが違います。とくに通塾型と派遣型では、政令で定められた額そのものが異なります。

2つ目は、掲載されている内容が現在のものとは限らないことです。ページの更新日を確かめてください。料金改定の前の記載が残っていることがあります。

3つ目は、そのコースや教室が現在も受け付けているかを確かめることです。新規の受付を停止しているコースの規約が、そのまま残っていることがあります。

4つ目は、運営している会社が変わっていないかです。塾の業界では教室の譲渡が起きます。会社が変われば、規約の中身も変わります。

写すのではなく、自分の教室の契約の形に合わせて書き直してください。判断に迷う部分は、条文と所管の案内に戻るのが確実です。消費者庁の案内は消費者庁で確かめられます。

金額より先に、いつからかを決める

キャンセル料の相談で最も多い質問は「いくらにすべきか」ですが、実務で効くのは金額より時点です。

塾の枠は、当日に埋め直せません。他の生徒に振替を打診しても、その日のうちに来られる家庭はほとんどいません。前日に分かれば打診できます。つまり、教室にとっての分岐点は前日と当日の間にあります。

金額を高く設定しても、連絡が早くなるとは限りません。むしろ、費用がかかると分かっている家庭は連絡をためらい、無断欠席に変わることがあります。連絡した場合と、しなかった場合で扱いに差を付けるほうが、行動は変わります。

・前日までの連絡なら、振替を受ける ・当日の連絡なら、その回は消化扱いとする ・連絡がない場合も、消化扱いとする

この形にすると、家庭にとって連絡することに意味が生まれます。金額の設定は、都度の申し込みのものに絞るのが、塾では現実的です。

書く場所は3か所ある

決めた内容は、3か所に同じ文言で置いてください。1か所でも欠けると、後から「聞いていない」という話になります。

1か所目は、契約書と、契約前に渡す説明の書面です。法の求める記載事項がある場合は、それを満たす形にします。

2か所目は、申し込みや予約を受ける画面です。体験や講習の申し込みを受けるページに、その申し込みに関わる取り消しの扱いを書きます。契約書に書いてあるから省く、という判断をしないでください。読む場面が違います。

3か所目は、申し込み後に届く控えです。手元に残る文書に書かれていることが、後から確かめるときの根拠になります。

同じ文言にする理由は、3か所で表現が違うと、どれが正しいのかという争いになるからです。1つの原文を作り、そこから貼り付けてください。

同意させる形にしても、読まれていないことは起きる

申し込みの画面に規約を置き、チェックを入れさせる形は一般的ですが、それだけでは足りません。

実務で効くのは、要点をその場に短く書くことです。長い規約へのリンクに加えて、次の1行を申し込みボタンの近くに置きます。

・「前日の21時までのご連絡であれば、振替を承ります。当日のご連絡と、ご連絡のないお休みは、その回を実施したものとして扱います」

この1行があると、後から説明するときの負担が変わります。読まなかったという主張に対して、読める場所に書いてあったと言えるからです。

チェック欄だけで済ませている申し込みの画面は、この1行を足すだけで改善します。

例外を先に書いておく

塾の家庭を相手にする以上、例外は必ず起きます。書いておくと、その場の判断が減ります。

・インフルエンザなどの感染症で、学校が出席停止を指示した場合 ・学校行事や部活の大会など、学校側の都合で日程が動いた場合 ・公共交通機関の遅延や、警報の発表があった場合 ・忌引き

これらを「やむを得ない事情の場合はご相談ください」の1行でまとめる書き方もありますが、塾の場合は具体的に並べたほうが実務が楽になります。列挙されていれば、受付の担当者が判断できます。まとめてしまうと、毎回教室長に確認が必要になります。

感染症については、学校が出席停止とした期間の扱いを決めておくと、流行期の連絡が減ります。

体験授業の取り消しに、費用を設けない

体験授業の無断キャンセルが続くと、費用を設けたくなります。実際に設けた教室の話を聞くと、無断キャンセルより先に申し込みそのものが減ります。

理由は単純です。塾を探している保護者は複数の教室を比べていて、体験の段階で費用の話が出る教室は候補から外れます。まだ何も受け取っていない段階で負担の話をされることに、抵抗があるからです。

体験の取り消しに対しては、費用ではなく日程で対応するのが現実的です。申し込みから当日までを短くし、前日に一度連絡を入れる。これで来ない割合は下がります。

有料の体験を設けている教室では話が変わりますが、その場合も取り消しの扱いは申し込みの画面に明記してください。有料である以上、支払いの前に条件が見えている必要があります。

保護者に説明するとき、順番を間違えない

退塾や取り消しの精算を電話で説明するとき、話す順番で受け取られ方が変わります。金額から入ると、教室が金額の話をしたがっているように聞こえます。

実務で通りやすいのは、次の順番です。

・まず、いつまでの分を提供したかを確認する ・次に、預かっている前払いの残高を伝える ・そのうえで、契約に基づく精算の内容を伝える ・最後に、入金または返金の方法と時期を伝える

この順番だと、金額が結論として出てきます。逆の順番だと、金額を先に言ってから根拠を並べることになり、言い訳のように聞こえます。

伝えた内容は、その日のうちに文書でも送ってください。電話だけだと、家庭の中で伝わらないことがあります。契約者である保護者と、実際に電話に出た人が違う場合もあります。

請求すると決めた後の、実務の重さ

最後に、見落とされがちな点を書きます。キャンセル料を定めることと、実際に回収することは別です。

月謝を口座振替で受け取っている教室なら、翌月の請求に乗せることは技術的には可能です。ただし、乗せた金額について保護者から問い合わせが来ます。問い合わせに答えるのは教室長で、その時間は授業の合間にしかありません。

3,000円を回収するために30分の説明が必要なら、割に合いません。だから塾では、1回の欠席に対する費用の請求ではなく、振替の可否で調整する形が定着しているわけです。

定めるかどうかを決めるときは、金額の妥当性だけでなく、回収にかかる手数まで含めて考えてください。

納得が得られなかった場合、相談はどこへ行くか

精算の話がまとまらなかった場合、保護者が次に相談する先は、おおむね決まっています。地域の消費生活センターです。

相談を受けたセンターから教室へ確認が入ることがあります。そのとき求められるのは、契約書の写しと、いつ何を説明したかの記録です。ここで記録が出てこない教室は、説明したという主張を裏付けられません。

だから、契約時に渡した書面の控えと、申し込みの控えを送った記録は残しておいてください。紙で保管している場合は、退塾後も一定期間は保存する必要があります。保存する期間と、保存の方法を、個人情報の取り扱いの規程と合わせて決めておくと迷いません。

相談に発展すること自体は、教室に落ち度があることを意味しません。ただ、記録が無い状態で対応すると、時間ばかりかかります。

決める前に、確かめておく場所

キャンセルの扱いは、書面に書いて終わりではありません。申し込みの画面に同じ内容が出ているか、控えに残っているか、期限の前に家庭が思い出せるか。この一続きが揃って初めて、書いた内容が効きます。

他の予約サービスとの違いを確かめるなら、他社との比較に、それぞれが得意とする領域と引き受けない領域が並べて整理されています。いまの仕組みのままでよい場合も書かれているので、先に読むと判断が早くなります。

申し込みを受けた後に何が動くのかは、できることで確かめられます。受付、控えの送付、期限前の連絡がどこまで繋がるかが、キャンセルの扱いを実際に機能させる部分です。決済が必須でない業態に合わせて、予約の受付から次の来店までを一続きにしているという考え方は、月謝で運営し、都度の決済を伴わない塾の形と重なります。

費用は生徒数と連絡の量で変わります。料金で、教室の規模だとどの段階になるかを確かめてください。

業態によって、取り消しの扱いは大きく変わります。業種ごとの使い方に業態別の整理があり、デモを見るから申し込みと控えの流れを実際に確かめられます。契約の前に出る疑問は、よくある質問にまとまっています。

塾のキャンセル料で最後に効くのは、金額の高さではありません。上限の定めを踏まえた設計になっているかどうかと、家庭が期限の前に思い出せる形になっているかどうかです。

Q1. 学習塾の契約は、特定商取引法の対象になりますか?

特定商取引に関する法律施行令では、学力の教授について期間が2か月、金額が5万円と定められています。両方を超える契約は対象になりうるため、月謝制で1年契約の教室は多くが範囲に入ります。実際の判断は契約の書き方によるので、消費者庁の案内や消費生活センターに確かめてください。

Q2. 途中でやめるとき、いくらまで請求できますか?

対象になる契約では、提供開始後は2万円または1か月分の対価に相当する額のいずれか低い額、提供開始前は11,000円が政令で定められています。契約書に金額を書いてあっても、この上限を超える請求はできない構造になっています。家庭教師は別の額が定められています。

Q3. 1回の授業を休んだときのキャンセル料は、いくらにすべきですか?

月謝制の教室では、1回の欠席に別途の費用を請求する仕組みになっていないのが一般的です。決めるべきなのは金額ではなく振替の可否で、前日までの連絡なら振替を受ける、当日と無断は消化扱いとする、といった線引きが実務的です。

Q4. 決めた内容は、どこに書けばよいですか?

契約書と説明の書面、申し込みを受ける画面、申し込み後に届く控えの3か所です。表現が違うとどれが正しいかの争いになるため、原文を1つ作って貼り付けてください。申し込みボタンの近くに要点を1行置くと、後からの説明が大きく楽になります。

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