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接客型の飲食店で電話予約を減らす|仕込みと営業のピークに鳴らさない組み方

2026年9月20日・Rizaflow編集部

接客型の飲食店で電話が問題になるのは、鳴る時間が決まって悪いからです。開店前の仕込みで包丁を握っているとき、19時のピークで3組の料理を同時に仕上げているとき、カウンターの客と話しているとき。そのたびに手を止めて受話器を取れば、料理か接客のどちらかが崩れます。取らなければ、予約を1件逃します。この記事では、飲食店にかかってくる電話を中身ごとに分け、それぞれを電話以外の場所へ移す手順と、あえて電話に残すものの決め方を整理します。

飲食店の電話は、鳴る時間帯が営業の山と重なっている

まず、接客型の飲食店で電話がいつ鳴っているかを考えます。予約の電話は、客が店のことを思い出したときにかかってきます。昼休みの12時台、仕事が終わる17時から18時台、そして店に向かう直前の時間です。

ディナー営業の店の1日に重ねると、次のようになります。

・11時から14時。ランチ営業をしている店では、最も手が離せない時間に昼休みの電話が来る ・15時から17時半。仕込みの時間。下ごしらえで手が汚れている時間に、夕方の予約の電話が集まる ・18時から20時。営業のピーク。当日の空席確認と、遅刻の連絡と、翌日以降の予約の電話が重なる ・21時以降。客が帰り始め、手が空く時間。このころには電話はほとんど鳴らない

つまり、店の手が空く時間と、電話がかかってくる時間が、ほぼ正反対になっています。ここが美容室や整体と違うところです。施術の予約なら、施術と施術の間に数分の空きがありますが、飲食店のピークは2時間続き、その間は途切れません。

加えて、飲食店の電話は店内で鳴ります。カウンター越しに客が料理を待っている前で店主が電話を取れば、客の目の前で手が止まります。厨房の換気扇と食器の音で相手の声が聞き取れず、日時と人数を2回聞き直すこともあります。2分の電話でも、揚げ物や焼き物の火加減を外すには十分な時間です。

だから、飲食店の電話対策は「空いた時間に折り返す」だけでは解決しません。空いた時間が来るのは閉店後で、そのころには客は別の店を予約しています。鳴る電話の数そのものを減らす必要があります。

まず1週間、鳴った電話を時間帯と中身で数える

減らし方を考える前に、自店に何の電話が何時にかかってきているかを数えてください。店主の感覚と、実際の数はずれていることが多いからです。

電話の横に紙を1枚置き、縦に時間帯、横に中身の欄を作ります。中身は次の8つに分けます。

・当日の空席確認。「今から2人入れますか」 ・翌日以降の予約 ・予約の人数変更や時間変更 ・予約の取り消し ・遅刻の連絡や、道が分からないという連絡 ・営業時間、定休日、駐車場、子ども連れの可否などの確認 ・宴会や貸切の相談 ・業者の営業や、関係のない電話

時間帯は、ランチ、仕込み、ピーク、ピーク後の4つで十分です。鳴った電話を取れたかどうかも、丸と罰で記録します。取れなかった電話は、着信履歴から数を拾います。

1週間数えると、たいてい次のような傾向が見えてきます。ピークの時間帯の電話の半分近くが当日の空席確認で、仕込みの時間帯の電話は翌日以降の予約と営業時間の確認が中心になっている。取れなかった電話は、ピークの時間帯に集中している。

この表が、あとで対策の効果を測るときの基準になります。対策を入れて2週間後に、同じ紙で同じように数えてください。数が減っていなければ、対策を当てた場所が違っていたということです。

営業時間や駐車場の確認は、答えを先に置けば鳴らなくなる

中身ごとの対策のうち、最も手が打ちやすいのが確認の電話です。営業時間、定休日、駐車場の有無、子ども連れの可否、個室の有無、カードが使えるか。これらは答えが決まっているので、客が電話をかける前に答えが見つかる場所に置けば、電話は鳴らなくなります。

客が店の情報を探す場所は、だいたい決まっています。

・地図アプリの店舗情報 ・グルメサイトの店舗ページ ・店のホームページやSNSのプロフィール

問題は、この3か所の情報が食い違っていることです。ホームページには定休日が月曜と書いてあるのに、地図アプリには火曜と出ている。臨時休業を SNS には書いたが、地図アプリには反映していない。食い違っている情報を見た客は、確かめるために電話をかけます。

手順は次のとおりです。

・3か所の情報を1枚の紙に書き出し、食い違いを洗い出す ・営業時間は、ランチとディナーを分け、ラストオーダーの時刻まで書く ・駐車場がない場合は、近くのコインパーキングの位置まで書く ・子ども連れ、個室、喫煙、カードの可否は、「可」「不可」で言い切る ・臨時休業や貸切で閉める日は、3か所に同じ日に書く

とくに「子ども連れは可」とだけ書くと、「ベビーカーで入れますか」「子ども用の椅子はありますか」という電話が来ます。入口の段差、子ども用の椅子の数、取り分けの皿の有無まで書いておくと、確認の電話はさらに減ります。

当日の空席確認は、電話を完全にはなくせない

飲食店に特有で、しかも一番厄介なのが、当日の空席確認の電話です。「今から2人入れますか」「20時に4人いけますか」。この電話は、ピークの時間帯に集中してかかってきます。

この電話を予約ページに移すことは、ある程度はできます。当日の予約もネットで受け付け、空いている時間を表示しておけば、見て判断してくれる客もいます。ただ、完全にはなくせません。理由は2つあります。

1つは、当日の空席は刻々と変わるからです。飛び込みの客を案内した瞬間に、画面の上の空きは実態とずれます。ずれた情報を見て来店した客を断ることになれば、電話で断るより印象が悪くなります。

もう1つは、今から行きたい客は、画面を操作するより電話をかけるほうが早いと感じるからです。とくに、店の近くまで来ている客や、年配の常連は電話を選びます。

だから、当日の空席確認の電話は、なくすのではなく扱い方を決めます。

・当日のネット予約は、何時まで受けるかを決める。17時で締め、それ以降は電話と店頭だけにする、など ・ピークの時間帯は、電話を取る担当を1人に決める。店主が厨房にいる店では、ホールの担当が取る ・満席の日は、夕方の時点で SNS や店舗情報に「本日は満席です」と出す

最後の1つは効果が大きい対策です。満席だと分かっていれば、客は電話をかけません。金曜と土曜の夕方に満席の表示を出すだけで、ピークの時間帯に「入れますか」と聞かれて断る電話が減ります。

翌日以降の予約は、電話の外に受け皿を作る

当日の空席確認と違って、翌日以降の予約は電話の外に移しやすい種類の電話です。客は急いでいないので、画面で空いている日時を見て、自分で予約を入れてくれます。

受け皿を作るときに、飲食店ならではの注意点があります。

・予約で聞く項目。人数、日時、名前、連絡先に加えて、コースか席だけか、食べられないもの、利用の目的(誕生日、接待など) ・1回の予約で席を使う時間。コースなら2時間半、席だけなら2時間、と決めておかないと、画面の空き状況が実態と合わない ・受けられる人数の上限。ネットで受けるのは6名まで、それ以上は電話で相談、と線を引く

人数の上限を決めておくのは、大人数の予約は席の組み替えが必要になるからです。カウンターと卓がある店で、8名の予約を画面で自由に受けられるようにすると、座らせる場所がないのに予約が確定してしまいます。

受け皿を作ったら、客がそこへたどり着けるようにします。地図アプリ、グルメサイト、ホームページ、SNS のプロフィールに、同じ予約ページへの入口を置きます。そして電話で予約を受けたときに、「次回はこちらからも予約できます」と伝えるか、会計のときに入口を載せた小さなカードを渡します。

移行には時間がかかります。電話で予約してきた客が、次の回からネットで予約してくれるようになるまで、少なくとも1回の来店を挟むからです。1か月で電話が半分になることを期待せず、3か月かけて翌日以降の予約の電話の割合を下げていく、と考えてください。

「ちゃんと予約できていますか」という電話を、確認の連絡で消す

ネットの受け皿を作ったあとに、新しく増える電話があります。ネットで予約した客からの「予約できているか確かめたい」という電話です。1週間数える表の中身には入れていなかった種類ですが、ネット予約を始めた店ではしばしばこの電話が目立ちます。

この電話が生まれる理由は、飲食店の予約の性質にあります。誕生日や接待、両家の顔合わせのように、当日に席がなかったら困る予約ほど、客は念を入れて確かめたくなります。グルメサイトと店のホームページの両方から予約の入口があると、客は「どちらで取った予約が有効なのか」「店に本当に届いているのか」が分からず、電話で聞くことになります。

この電話は、予約の直後に届く確認の連絡で消せます。確認の連絡に入れる内容は次のとおりです。

・店名、日時、人数、コースか席だけかを、予約ページで入力されたとおりに書く ・「このメールが届いていれば、ご予約は店に届いています」と一文で言い切る ・食べられないものや、誕生日のプレートなどの申し出を受け取ったことを書く ・変更と取り消しのリンクと、当日の連絡先の電話番号を書く

2つ目の一文があるかどうかで、確認の電話の数は変わります。予約の受付を知らせる文面だけでは、客は店の人が見たかどうかを気にします。届いていることを店の側から言い切っておけば、客は電話をかける理由がなくなります。確認の連絡が迷惑メールのフォルダに入ることもあるため、予約ページの完了画面にも「確認のメールをお送りしました。届かない場合は迷惑メールのフォルダをご確認ください」と出しておきます。

誕生日のプレートと持ち込みの相談を、予約の項目に入れる

接客型の飲食店にかかってくる電話のうち、中身が細かく、しかも仕込みの時間帯に集中するのが、祝いごとの相談です。「誕生日なのでデザートに名前を入れてもらえますか」「ケーキを持ち込んでもいいですか」「花束を先に預けておけますか」。1本ずつは短い電話ですが、プレートに入れる名前の綴りを聞き取るのは、換気扇の音の中では意外に手間取ります。

この相談は、答えの多くが店の決まりで決められます。予約ページの項目と、店舗情報の書き方で先回りします。

・予約ページに「お祝いの有無」の項目を作り、プレートを希望する場合は入れる文字を客に打ち込んでもらう。名前の綴りを電話で聞き返す必要がなくなる ・プレートの料金、文字数の上限、何日前までの申し出なら用意できるかを、項目の説明に書く ・ケーキの持ち込みを受けるかどうか、受けるなら持ち込み料と冷蔵庫で預かれるかを、店舗情報に書く ・花束や贈り物を預かれるかどうかも、同じ場所に書く

客が打ち込んだ文字は、そのまま厨房で使えます。電話で聞いた「ゆうか」が「ゆか」だったという行き違いは、祝いの席ではとくに気まずいものです。文字を客自身に書いてもらうのは、電話を減らすだけでなく、当日の間違いを防ぐ手でもあります。

年末の持ち帰り注文は、予約とは別の受け口を作る

ふだんは店内の接客だけをしている飲食店でも、年末になると持ち帰りの注文を受けることがあります。年越しのオードブル、おせちの重箱、正月用の仕出しなどです。この注文は12月に入ってから電話で一斉に入り、ちょうど忘年会の予約と重なります。

持ち帰りの注文の電話は、店内の予約の電話より長くなります。品目、個数、受け取りの日時、受け取る人の名前、支払いの方法と、聞く項目が多いからです。忘年会の予約で埋まった仕込みの時間に、この電話が1日に何本も入ると、店内の営業の準備が遅れます。

年末の持ち帰りを受ける店は、11月のうちに次を決めておきます。

・注文の受け口を、店内の予約とは別の用紙か画面にする。電話で受ける場合も、受ける時間帯を限る ・品目と価格、受け取りの日時の選択肢、注文の締め切り日を、店舗情報とSNSに先に出す ・受け取りの日時は、1時間ごとの枠に分けて上限を決める。12月31日の午前に受け取りが集中するのを防ぐ ・注文を受けたら、控えを客に送り、受け取りの前日に念押しをする

持ち帰りの注文が数件だけなら、電話で受けても大きな負担にはなりません。1週間数えた表とは別に、昨年の12月に持ち帰りの電話が何本あったかを思い出し、多かった店だけが受け口を分ければ足ります。

人数変更と取り消しを、電話以外で受けられるようにする

予約の電話を減らしても、変更と取り消しの電話が残っていれば、ピークの時間帯に鳴る電話はなかなか減りません。変更と取り消しの連絡は、予約の当日や前日の夕方に来ることが多いからです。

変更と取り消しの電話は、店にとって取れないと困る電話でもあります。取れなければ、客は取り消したつもりでも店には伝わらず、無断キャンセルと同じ結果になります。経済産業省の検討会が2018年に公表した無断キャンセルのレポートも、この点に触れています。

顧客の中には、キャンセルしようと思っても連絡がつきにくく、結果として No show になっている場合もあると想定される。そういったケースを防止するため、キャンセル連絡を受けるための体制や仕組みを整備しておくことも不可欠である。 出典: aichi-inshoku.or.jp

同じレポートは、予約の再確認の連絡に取り消しのボタンを付けておく方法も挙げています。

電話以外で変更と取り消しを受けるには、次の3つをそろえます。

・予約の確認の連絡に、変更と取り消しができるリンクを付ける ・前日の念押しの連絡にも、同じリンクを付ける ・客がリンクから変更や取り消しをしたら、店のスマートフォンに通知が届く

3つ目を忘れると、客がリンクから当日の昼に取り消しても、店が気づくのはピークの最中か閉店後になります。空いた席を埋めるには、取り消しが入った時点で知る必要があります。

変更の中でも、人数を増やす変更は、リンクから自由にできないようにしておくほうが安全です。2名から4名への変更は、席の組み替えが要ることがあるからです。減らす変更と取り消しはリンクで受け、増やす変更は電話か店への連絡で受ける、と分けておきます。

道案内と遅刻の連絡は、前日の連絡で先回りする

ピークの時間帯に鳴る電話のうち、当日の空席確認の次に多いのが、「道が分からない」「10分遅れます」という電話です。この2つは、予約をした客からの電話なので、取らないわけにはいきません。

道案内の電話は、店の場所が分かりにくいほど増えます。雑居ビルの地下、路地の奥、看板の出ていない2階。地図アプリでは店の近くまで来られても、入口が見つからずに電話をかけてきます。

前日の念押しの連絡に、次の内容を入れておきます。

・最寄り駅の出口の番号と、そこから店までの歩く時間 ・入口の目印。「1階が薬局のビルの右側の階段」のように、見て分かるもの ・入口の写真へのリンク ・エレベーターがない場合は、その旨

入口の写真は、道案内の電話を減らすのに特に効きます。文字で書いた目印より、写真のほうが迷いません。

遅刻の連絡は、電話そのものは必要な連絡ですが、中身を決めておくと電話が短くなります。前日の連絡に「ご予約の時刻から15分を過ぎる場合はお電話ください」と書いておけば、5分や10分の遅れで電話をかけてくる客が減ります。何分までなら連絡なしでよいのかが分からないから、客は念のために電話をかけるのです。

遅刻の連絡も、電話以外の方法で受けられるようにしておくと、ピークの電話はさらに減ります。前日の連絡の返信で受けるなど、店主が手の空いたときに読める方法を用意しておきます。

電話に残すものを、先に決めておく

電話を減らす作業を進めていくと、どこかで「電話を完全になくしてしまえばよいのでは」という考えが出てきます。ホームページから電話番号を消し、予約はネットだけにする店もあります。

接客型の飲食店では、電話を完全になくすのはおすすめしにくい判断です。電話でなければ受けられない連絡があるからです。

・当日の直前の連絡。遅刻、道に迷った、急な体調不良 ・宴会や貸切の相談。人数、予算、料理の内容、飲み放題の有無など、やり取りが何往復にもなる ・食物アレルギーの詳しい相談。何がどの程度だめなのか、調理器具の共有は大丈夫か ・画面の操作が苦手な常連からの予約

これらは、電話のほうが店にとっても客にとっても早く、正確です。無理にネットに移すと、かえってやり取りの手間が増えます。

だから、電話を減らすときは、残す電話を先に決めてから、それ以外を移すという順番にします。そのうえで、残した電話が鳴る時間帯を絞ります。

・宴会と貸切の相談は、「15時から17時の間にお電話ください」とホームページに書く ・食物アレルギーの詳しい相談も、同じ時間帯に受ける ・当日の直前の連絡だけは、営業中も受ける

こうすると、ピークの時間帯に鳴る電話は、当日の直前の連絡と、空席確認だけになります。この2種類なら、取る担当を決めておけば、厨房の手を止めずに回せます。

留守番電話の文面を、飲食店の電話の中身に合わせる

ピークの時間帯に取れない電話は、留守番電話で受けることになります。ここで、機械の初期設定の「ただいま電話に出ることができません」のままにしている店が多くあります。この文面では、客は伝言を残さずに切り、別の店に電話をかけます。

留守番電話の文面は、飲食店にかかってくる電話の中身に合わせて作ります。

・何の電話にどこで答えているかを最初に言う ・ネット予約の入口がどこにあるかを言う ・当日の遅刻や取り消しの連絡は、伝言を残してもらうよう頼む ・折り返す時間帯を言う

文面の例は次のとおりです。

「お電話ありがとうございます。ただいま営業中のため、電話に出られません。翌日以降のご予約は、店名で検索して出てくる予約ページから、24時間お受けしています。本日のご予約の方で、遅れる場合や取り消しの場合は、この後にお名前とご予約の時刻をお話しください。その他のお問い合わせは、15時から17時の間に改めてお電話をお願いします。」

この文面で、翌日以降の予約の客はネット予約へ、当日の予約の客は伝言へ、それ以外の客は別の時間帯へと振り分けられます。

伝言を残してもらったら、確認する時刻を決めておきます。ピークの時間帯に留守番電話を聞く余裕はないので、19時と20時半の2回だけ、ホールの担当が伝言を確認する、といった形です。当日の取り消しの伝言は、確認が遅れるほど席を埋められなくなります。

折り返しの時間帯を決め、客に見える場所に書く

電話に出られなかった客に折り返すとき、飲食店では時間帯の選び方が特に難しくなります。店の手が空く閉店後は夜の22時を過ぎていて、客に電話をかけられる時間ではありません。

折り返しに使えるのは、次の時間帯です。

・ランチ営業のない店では、仕込みを始める前の14時から15時 ・ランチ営業のある店では、ランチの片付けが終わった14時半から15時半 ・どちらの店でも、開店直前の17時から17時半の短い時間

この時間帯を決めたら、店のホームページと留守番電話の文面に書いておきます。客にとって、いつ折り返しが来るか分からない状態は、別の店を探す理由になります。「15時までに折り返します」と分かっていれば、待ってくれる客もいます。

折り返しの電話で予約を受けるときは、次回からはネットでも予約できることを伝える機会でもあります。「次回からは、こちらのページから24時間ご予約いただけます。確認のメールに入口のリンクを載せておきます」と一言添えれば、その客からの次の電話は減ります。

折り返しの件数が多い店では、折り返しそのものを減らす工夫も考えます。着信履歴に残った番号のうち、伝言のないものには折り返さない、と決めている店もあります。伝言のない着信の多くは、空席確認の電話で、すでに別の店に入っているからです。

業者の営業電話を、ピークの時間帯に鳴らさない

最後に、見落とされがちな電話の種類があります。業者の営業電話です。電気やガスの切り替え、広告の掲載、求人サイト、グルメサイトの有料プラン、決済端末。飲食店には、この種の電話が週に何本もかかってきます。

営業電話は、1週間数えた表で意外に大きな割合を占めていることがあります。とくに、仕込みの時間帯にかかってくることが多く、取ってみたら営業だったという電話で、下ごしらえの手が止まります。

営業電話は、次の方法で減らせます。

・ホームページやグルメサイトに載せる電話番号の横に、「営業のお電話はお断りしています」と書く ・お問い合わせフォームを用意し、取引の提案はそちらで受けると書く ・電話で営業だと分かったら、「フォームからお送りください」とだけ伝えて切る

もう1つ、店の電話番号を、予約用とそれ以外で分けるという方法もあります。予約と当日の連絡を受ける番号だけを客向けの場所に載せ、業者との取引には別の番号を使います。電話回線を増やす費用はかかりますが、ピークの時間帯に鳴る電話を、客からの電話だけにできます。

どの方法をとるにしても、1週間数えた表の中で、営業電話が何割だったかを確かめてから決めてください。1割にも満たないなら、手間をかけて対策する必要はありません。

電話の外に作る受け皿を、1つにまとめられるか

ここまでの対策を並べると、電話の外に作る受け皿は、予約のページ、確認の連絡、前日の念押し、変更と取り消しのリンク、店への通知と、いくつもの部品に分かれています。これらが別々の道具に散らばっていると、客にとっても店にとっても分かりにくくなり、結局電話が一番早い、という状態に戻ります。

予約の受付ツールを使って受け皿を1つにまとめるなら、次の点を確かめてください。

・予約ページで、人数、コースか席だけか、食べられないものを聞けるか ・予約の確認、前日の念押し、来店後の御礼の連絡を自動で送れるか。文面に道案内や入口の写真のリンクを入れられるか ・客が自分で取り消しや変更をできるリンクを付けられるか ・予約や取り消しが入ったら、店に通知が届くか

たとえば、予約完了と前日の念押しと御礼の連絡を自動で送り、客自身が変更と取り消しをできるリンクを付けられる道具があります。予約フォームで聞く項目を店が選べ、連絡の文面も編集できることはできることに載っています。こうした道具は決済が必須でない業態に合わせて、予約の受付から次の来店までを一続きにしているので、店頭で支払ってもらう飲食店でも、電話で受けていた部分だけを移すことができます。

ただし、公開されている機能の一覧には、卓の割り当てやグルメサイトとの空席の連携の記載は見当たりません。当日の空席を複数の外部サイトと自動で揃えたい店は、飲食店向けに作られた予約台帳と比べて選ぶのが確実です。自店に近い使い方は業種ごとの使い方で探し、客が見る予約ページはデモを見るから触って確かめられます。

月額や予約件数の上限は料金に、他の予約サービスとの料金と機能の違いは他社との比較に、今の予約の受け方からの切り替えについてはよくある質問にまとまっています。

Q1. 営業中の電話を留守番電話にすると、予約を逃しませんか?

初期設定の文面のままだと、客は伝言を残さず別の店に電話をかけます。翌日以降の予約はネットの予約ページで受けていること、当日の遅刻や取り消しは伝言を残してほしいこと、それ以外は何時から何時にかけ直してほしいことを文面で伝えれば、客は自分の用件に合った方法を選べます。伝言を確認する時刻も決めておいてください。

Q2. 当日の「今から入れますか」という電話は、どうすれば減りますか?

完全にはなくせませんが、満席の日に夕方の時点で SNS や店舗情報に満席と出すだけでも、断るための電話は減ります。当日のネット予約を何時まで受けるかを決め、それ以降の時間帯は電話を取る担当を1人に決めておくと、厨房の手を止めずに回せます。

Q3. 電話番号をホームページから消してしまってもよいですか?

接客型の飲食店ではおすすめしにくい判断です。当日の遅刻や道に迷った連絡、宴会や貸切の相談、食物アレルギーの詳しい相談は、電話のほうが早く正確です。電話を残す用件と受ける時間帯を決めて番号の横に書き、それ以外の用件を予約ページや前日の連絡に移す形のほうが、客にも店にも負担が少なくなります。

Q4. 電話を減らす効果は、どれくらいで出ますか?

営業時間や駐車場の確認の電話は、情報を揃えた翌週から減り始めます。一方、翌日以降の予約の電話がネットに移るには、客が一度来店して入口を知る必要があるため、3か月ほど見てください。対策を入れる前に1週間、時間帯と中身で電話を数えておき、2週間後に同じ紙で数えて比べると効果が確かめられます。

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