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接客型の飲食店の予約の受け方を決める|電話とネットのどちらに寄せるか

2026年9月20日・Rizaflow編集部

カウンター越しに料理を出し、客と話しながら一皿ずつ進める店では、予約の電話が鳴るたびに手が止まります。 かといって全部をネット予約に移すと、電話でなら自然に聞けていた好みや事情が抜け落ちます。 接客型の飲食店で予約の受け方を決めるときは、電話かネットかの二択で考えないほうがうまくいきます。 この記事では、予約の中身ごとに入口を割り当てる考え方と、その順番を書きます。

接客型の店で予約の電話が重いのは、料理と会話を同時に止めるから

回転を重視する店と、接客を売りにする店とでは、電話一本の重さが違います。 券売機や注文用の端末で回している店なら、電話はホールの誰かが取れば済みます。 一方、カウンターで店主が握る鮨屋、おまかせのコースを出す割烹、一人で切り盛りするビストロやバーでは、電話に出られるのは料理をしている本人か、客と話している担当だけです。

電話を取るということは、その間、目の前の客との会話を切ることを意味します。 揚げ物の火加減から目を離す、次の一皿の盛り付けを止める、会話の途中で「少々お待ちください」と背を向ける。 どれも、この業態が価格に含めている体験そのものを削っています。

電話の所要時間も、接客型の店では長くなりがちです。 日時と人数だけで終わらず、カウンターか個室か、苦手な食材はあるか、何のお祝いか、コースの内容はどうするかと、確認事項が続きます。 一件あたり3分から5分かかる電話が営業中に何本も入れば、厨房の流れは確実に乱れます。

厚生労働省が公開している生活衛生関係営業向けの事例集にも、電話だけで予約を受けている店の課題として、次のような記述があります。 美容業の事例ですが、手を動かす仕事の最中に電話が割り込むという構図は、接客型の飲食店とまったく同じです。

予約は電話受付のみ。顧客からは空き時間が見えにくく、また、応対のため施術が中断することがある 出典: www.mhlw.go.jp

施術を調理や接客に置き換えれば、そのまま接客型の飲食店の話として読めます。 電話が重いのは店主の段取りが悪いからではなく、手と口を同時に使う業態の性質です。

予約の中身を4種類に分けて、どれが電話でしか受けられないかを見る

入口を決める前に、いま受けている予約を中身で分けてみてください。 接客型の飲食店に入ってくる予約は、おおむね次の4種類に分かれます。

・初めての客の、2名から4名程度の予約 ・常連の、次に来る日の予約 ・誕生日や結婚記念日、接待など、目的がはっきりした予約 ・6名を超える会食、貸切、法事のあとの席など、段取りの相談が要る予約

この4つは、確認すべきことの量がまったく違います。 初めての少人数の予約は、日時と人数と連絡先がそろえばほぼ受けられます。 常連の次回は、そもそも来店中に顔を見て話せます。 目的のある予約は、ケーキの持ち込みや花の手配、席の位置といった相談が入ります。 大人数や貸切は、料理の構成、予算、支払い方法、開始時刻の調整まで話が及びます。

電話でしか受けられないのは、実は4つ目だけです。 3つ目も、要望を書く欄と、店からの折り返しを組み合わせれば文字でやり取りできます。 つまり、いま電話で受けている予約の多くは、電話である必要がないものです。

逆に、4つ目までネットで完結させようとすると、段取りの抜けが当日に表面化します。 「8名で、うち2名は途中から合流」「予算は一人1万5千円、飲み物は別で」といった条件は、決まった入力欄にはまず収まりません。 入口の割り当ては、この4種類のどれを、どこで受けるかを決める作業だと考えてください。

まず1週間、電話の中身だけを記録する

割り当てを決めるには、いまの実態を知る必要があります。 感覚では「電話が多い」としか分かりませんが、数えてみると偏りが見えてきます。

記録する項目は4つで十分です。

・かかってきた時刻 ・予約の種類(先ほどの4分類のどれか) ・通話にかかった時間のおおよそ ・出られなかった電話の件数

紙を一枚、電話の横に置いて、正の字で付けていく程度で構いません。 出られなかった電話は、着信履歴から後で拾えます。

一週間分がそろったら、2つのことを確かめます。 ひとつは、営業中にかかってきた電話の割合です。 仕込みの時間帯にかかってくる電話は、手を止める痛みが比較的小さいので、問題は営業中の分です。 もうひとつは、4分類のうち初めての少人数の予約がどれくらいを占めるかです。 ここが多ければ、ネットへ移したときに減る電話も多くなります。

たとえば、週に20件の予約電話があり、うち12件が初めての少人数、平均4分だとすると、週に48分、月にすると3時間を超える時間が、誰でも入力できる内容の聞き取りに使われています。 出られなかった電話がそのうち何件あったかも見てください。 取れなかった電話の客は、多くの場合かけ直さずに別の店を探します。

電話に寄せたままの店で起きること

すべてを電話で受け続ける店で、起きやすいことを整理しておきます。 接客型の店に特有なのは、電話の問題が料理と接客の質に直結する点です。

1つ目は、ピークの時間に電話が集中することです。 客が「今夜行けるか」を考えるのは夕方で、ちょうど店が一番忙しくなる時間と重なります。 出られないか、出ても短く切り上げざるを得ず、どちらも客の印象を落とします。

2つ目は、聞いた内容が紙の予約帳に残らないことです。 営業中に受けた電話は、手元のメモに走り書きされ、閉店後に予約帳へ書き写されます。 この転記の段階で、苦手な食材のメモや、到着が遅れるという一言が落ちます。 翌週に来店した客に、苦手だと伝えたはずの貝を出してしまうのは、たいていこの転記の抜けです。

3つ目は、営業時間外の予約を取りこぼすことです。 定休日や深夜、昼の仕込み前に電話をかけてきた客は、つながらなければ諦めます。 接客型の店は予約してから来る客が中心なので、この取りこぼしは売上に響きます。

4つ目は、店主が一人で抱える構造になることです。 電話で聞いた細かな事情は、受けた本人の頭の中にしか残りません。 店主が休んだ日や、弟子に店を任せた日に、予約の中身が分からなくなります。

ネットに寄せたときに、接客型の店で起きること

反対に、予約をネットに寄せたときの問題も、この業態では独特の形で出ます。

最初に起きるのは、席の並びが崩れることです。 カウンター8席の店で、2名、2名、3名と予約が入ると、残りは1席です。 ここに2名の予約が入る余地はないのに、席数だけで空きを数える仕組みだと受けてしまいます。 並びを詰めて座ってもらえるか、間に1席空けたいかは、店主にしか判断できません。

次に、一斉に始めるコースの開始時刻がばらけます。 18時と20時半の二部制でおまかせを出している店に、18時40分から予約が入ると、その客だけ料理の進みが遅れます。 自由に時間を選ばせる画面のままだと、この事故は防げません。

さらに、要望の欄が空欄のまま届きます。 電話なら「何かのお祝いですか」と自然に聞けるところが、ネットでは客が自分から書かない限り分かりません。 記念日のデザートプレートを用意できる店ほど、この差は大きく感じられます。

最後に、客の顔が見えにくくなります。 電話の声色で「初めてで緊張している」「接待で失敗できない」と察していた情報は、文字の予約には乗りません。 これは完全には補えないので、補えない分を前日の連絡や来店時の一言で拾う設計にします。

カウンター席と二部制は、枠の作り方を先に決める

ネットで受ける範囲を広げる前に、枠をどう切るかを決めておく必要があります。 ここを決めずに画面を公開すると、先ほどの並びと開始時刻の事故が起きます。

二部制の店なら、時間を自由に選ばせず、「一部 18時」「二部 20時30分」のように開始時刻を固定した枠にします。 客が選べるのは部と人数だけにすれば、コースの進行はそろいます。

カウンターの並びは、組数で上限を切るのが扱いやすい方法です。 8席なら「1部あたり3組まで」「1組は4名まで」のように決めておけば、残り1席に2名が入る事故は起きにくくなります。 組数で切ると席が1つ2つ余る日も出ますが、その席は電話や飛び込みの客、常連の急な連絡のために残しておく席と考えます。

個室やテーブル席があるなら、カウンターと別のメニューとして枠を分けます。 客にとっても「カウンターで店主と話したい」「個室で落ち着いて食べたい」は、選ぶ理由がはっきりしています。

枠の設定で迷ったら、ネットに出す枠を全体の半分程度から始めてください。 残りを電話と常連に回しておけば、並びの判断を店主が握ったまま、ネットの予約がどう入るかを確かめられます。 2か月ほど様子を見て、事故が出なければネットの割合を広げます。

苦手な食材と記念日は、フォームで取るか電話で取るか

接客型の店がネット予約に踏み切れない理由として、苦手な食材や記念日を聞けないことがよく挙がります。 これは、聞き方を分ければ解決できます。

苦手な食材は、予約の時点で必ず聞く項目にします。 自由記述の欄を1つ置き、「苦手な食材、食べられないものがあればご記入ください。無い場合は無しとお書きください」と書いておくと、空欄のまま送られることが減ります。 空欄と「無し」を区別できるだけで、確認の電話をかけるべき予約が絞れます。

アレルギーは、苦手とは分けて扱います。 少量でも症状が出る可能性がある場合は、店として対応できる範囲とできない範囲を、予約の画面にあらかじめ書いておきます。 出汁や揚げ油を共有している店は、完全に取り除けないことを先に伝えるほうが、客にとっても判断しやすくなります。

記念日は、選択式の項目にするのが効果的です。 「誕生日」「結婚記念日」「接待・会食」「その他のお祝い」「特になし」から選んでもらい、選んだ人にだけ店から折り返します。 デザートの名入れや花束の手配など、準備が要るものはこの折り返しで詰めます。

折り返しは電話でもメールでも構いません。 重要なのは、店の都合のよい時間、つまり仕込みの時間帯にこちらから連絡できることです。 営業中に鳴る電話を受けるのと、仕込みの合間にかける電話とでは、同じ数分でも重さが違います。

常連の次回予約は、会計のときに押さえる

接客型の店にとって、常連の次回予約は最も価値の高い予約です。 そして、この予約は電話もネットも使わずに取れます。

会計の場面で「次はいつ頃いらっしゃいますか」と聞き、その場で日を決めてもらう。 季節の食材が変わる店なら「来月の半ばから鱧が入ります」と添えるだけで、次の来店の理由ができます。

問題は、その場で決めた予約をどこに記録するかです。 紙の予約帳に書くなら、その日のうちに書き込むこと。 ネット予約の仕組みを使っているなら、店側の画面から入れておくことです。 口約束のまま記録しないと、同じ日にネット経由で満席になり、常連を断ることになります。

常連に「次からはネットで取ってください」と頼む必要はありません。 常連が電話や口頭を好むなら、そのまま受ければよく、店側で台帳に入れるだけです。 ネット予約は、新しい客のために開けておく入口だと考えれば、常連の習慣を変えさせる理由はなくなります。

一方、常連の中にも、夜遅くに思い立って予約したい人はいます。 そうした人には、予約ページの存在を名刺やショップカードで伝えておけば、使いたい人だけが使います。

電話を取る時間を決めて、店の外にも書く

電話を残すと決めたら、次は電話に出る時間を決めます。 接客型の店が電話で消耗するのは、電話そのものより、いつ鳴るか分からないことです。

たとえば、昼の営業がない店なら「お電話でのご予約は15時から17時まで」と決めます。 昼営業がある店なら、ランチの片付けが終わる14時半から、夜の仕込みが本格化する16時までといった具合です。 それ以外の時間は、留守番電話に切り替えるか、出られないときは出ないと割り切ります。

決めた時間は、店の外に書かなければ意味がありません。 店のホームページ、地図サービスの店舗情報、掲載サイトの店舗ページ、店頭の貼り紙、ショップカード。 客が電話番号を見る場所すべてに、電話の受付時間とネット予約の案内を並べて書きます。

「営業中は調理に集中するため、お電話に出られないことがあります」と一言添えると、客の受け取り方が変わります。 接客型の店を選ぶ客は、料理と接客に集中していることを悪く取りません。 むしろ、電話がつながらない理由が分かれば、ネットで予約する動機になります。

取れなかった電話を、ネット予約へ渡す

受付時間を決めても、営業中に電話は鳴ります。 その電話を取りこぼしにしないために、留守番電話の案内を整えておきます。

案内の文面は短く、次の3点だけを入れます。

・いまは営業中で電話に出られないこと ・ネット予約のページがあり、空いている日時がそこで分かること ・6名以上や貸切の相談は、何時から何時に電話をもらえれば受けられること

例として、次のような文面が使えます。

「お電話ありがとうございます。〇〇でございます。ただいま調理中のため、お電話に出ることができません。ご予約は、店名で検索いただくと出てくる予約ページから、空いている日時をご覧いただけます。6名様以上や貸切のご相談は、15時から17時の間にあらためてお電話ください。」

URLを音声で読み上げても、客は覚えられません。 検索すれば見つかる場所に予約ページを置いておくことが前提になります。

あわせて、SMSを送れる電話回線を使っている店なら、着信のあった番号に予約ページの案内を送る方法もあります。 ただし、相手の了承なく広告の性格を持つメッセージを送ることには規制がかかる場合があるため、予約の案内に内容を限り、送り方は契約している通信会社の案内で確かめてください。

大人数と貸切は、電話に残す理由がある

入口を整理する中で、あえて電話に残すべきなのが大人数と貸切です。 ネットで受け付けられる形にしても、結局は電話でのやり取りが発生するからです。

6名を超える予約では、次のような事項を詰める必要があります。

・コースの内容と、一人あたりの予算 ・飲み物を飲み放題にするか、都度注文にするか ・全員が同時に始められるか、遅れて来る人がいるか ・会計を一括にするか、個別にするか ・領収書の宛名

これを入力欄で全部聞こうとすると、フォームが長くなりすぎて、少人数の客まで離脱します。 大人数は予約ページの人数の上限を低めに設定し、上限を超える人数は「お電話でご相談ください」と表示するのが現実的です。

貸切は、そもそも他の予約との調整が絡みます。 すでに入っている予約をずらしてもらえるか、その日の仕入れをどう組むかは、店主が決めることです。 画面で空いている日を選ばせる形にすると、店主の判断を飛ばして話が進んでしまいます。

大人数と貸切を電話に残すと、電話の件数は減っても、1件あたりの中身は濃くなります。 それで構いません。 中身の濃い電話を、決めた時間帯に落ち着いて受けることが、接客型の店の電話の使い方です。

電話に出にくい客層がいることを、前提に置く

電話かネットかを決めるときに見落とされがちなのが、電話をかけることそのものに抵抗がある客の存在です。

日本語での電話に不安がある海外からの客は、その代表です。 接客型の店、とくに鮨や割烹は海外の客に人気がありますが、電話予約しか受けていない店は、最初から選択肢に入りません。 ホテルのフロントに代理で電話を頼む客もいますが、それができない宿に泊まっている客は、ネットで予約できる店を探します。

若い世代の客にも、店に電話をかけることを避ける傾向があると言われています。 記念日の店を探す段階で、ネットで予約できるかどうかが候補を絞る条件になっていることは珍しくありません。

耳の不自由な客にとっても、電話しか入口がない店は予約ができません。 文字で完結する入口を1つ用意しておくことは、客を広げるだけでなく、来られる人を制限しないという意味も持ちます。

海外の客を受けるなら、予約ページの言語だけでなく、キャンセルの条件や苦手な食材の欄が相手に伝わるかも確かめてください。 予約の画面が日本語だけの場合は、店のホームページに英語でキャンセル条件を書き、そこから予約ページへ誘導するといった補い方があります。

前日の確認連絡は、仕入れの締め切りから逆算する

入口を分けたら、受けた予約を当日までどう持つかも決めます。 接客型の飲食店で重要なのは、前日の確認連絡をいつ送るかです。

おまかせのコースを出す店は、人数に合わせて仕入れを決めます。 鮨屋なら市場で買う量、割烹なら仕込む椀種の数が、予約の人数で決まります。 仕入れの発注や買い出しの判断を前日の15時にするなら、確認連絡はそれより前、たとえば前々日の夕方か前日の朝に届いている必要があります。

連絡の中身は、日時、人数、席の種類、苦手な食材の申告内容、キャンセルの条件の5点です。 苦手な食材を連絡に載せておくと、客が「そういえば同行者が甲殻類だめだった」と気付いて返信してくれることがあります。 人数の変更もこの段階で拾えれば、仕入れの無駄が減ります。

電話で受けた予約とネットで受けた予約で、確認連絡の有無が変わらないようにしてください。 ネット予約だけ自動で確認が届き、電話予約には何も届かない状態だと、電話で受けた客のほうが直前の変更や無断キャンセルが多くなります。 電話で受けた予約も、店側で台帳に入れた時点で同じ連絡が届く形にするのが理想です。

キャンセルの条件は、口頭で伝えても文字で残す

おまかせのコースを出す店にとって、直前のキャンセルは仕入れた食材がそのまま損失になります。 キャンセルの条件を決めている店は多いものの、伝え方が入口によって揺れていることがよくあります。

ネット予約なら、予約を確定する前の画面に条件を表示し、確定後の控えにも載せられます。 問題は電話で受けた予約です。 営業中に受けた電話で、キャンセルの条件まで丁寧に説明する余裕はありません。 説明したとしても、客の記憶に残っているとは限りません。

そこで、電話で受けた予約にも、文字の控えを送ることを徹底します。 電話の最後に「確認のメールをお送りしますので、メールアドレスを教えてください」と聞くか、SMSで控えを送ります。 控えにキャンセルの条件を書いておけば、口頭で伝えきれなかった分を補えます。

キャンセル料の金額については、消費者契約法で、同種の契約の解除に伴って事業者に生じる平均的な損害の額を超える部分は無効とされています。 食材の原価や、その席を他の客に回せたかどうかで損害の額は変わるため、金額を決めるときは根拠を説明できる形にしておいてください。 個別の扱いに迷う場合は、消費生活センターや弁護士など専門の窓口に確認するのが確実です。

店の規模ごとに、寄せ方の組み合わせは変わる

ここまでの考え方を、店の形ごとに当てはめると次のようになります。 あくまで一例なので、先ほどの1週間の記録と照らし合わせて調整してください。

店の形 ネットで受けるもの 電話で受けるもの 会計時に押さえるもの
カウンター8席の割烹、二部制 各部3組までの少人数 6名以上、貸切、当日の空き確認 常連の次回
30席のビストロ、自由な時間 4名までのテーブルとカウンター 6名以上、個室の相談 常連の次回、記念日の再訪
予約中心のバー、店主一人 開店から2時間分の席 受けない(留守番電話で案内) 常連の次回

カウンター中心の割烹は、並びと開始時刻を店主が握り続ける必要があるので、ネットの枠を絞ります。 テーブル席が多いビストロは、時間を選ばせても厨房が回るため、ネットの範囲を広くとれます。 店主が一人で立つバーは、電話を思い切って受けないという判断も成り立ちます。 その場合は、飛び込みの客のための席を残しておくことで、電話がないことの不便を補います。

どの形でも共通しているのは、4種類の予約を1つの入口に押し込まないことです。 中身に合った入口を割り当てれば、電話の件数は減り、残った電話は中身の濃いものだけになります。

予約の道具に任せられる範囲と、店主の手に残る範囲

最後に、ネットの予約の仕組みを入れたときに、何を任せられて何が残るのかを整理します。 ここでは、小さな店向けの予約システムが公開している機能を例に、接客型の飲食店に当てはめてみます。

任せられるのは、受けた後の連絡の流れです。 予約が確定したときの控え、前日の確認連絡、来店後のお礼の連絡を自動で送り、文面は店ごとに書き換えられる形のものがあります。 電話で受けた予約を店側で入れたときにも同じ連絡が届くかどうかは、導入前に必ず確かめておきたい点です。 客が自分で日時の変更や取り消しができる案内を控えに入れておけば、直前のキャンセルを電話で受ける手間も減ります。 できることには、予約フォームの項目を増やしたり減らしたりする設定や、来店の履歴とメモを残す顧客管理、メールの開封を確かめる機能が並んでいます。

苦手な食材や記念日の選択肢は、フォームの項目として加えられます。 一方、カウンターの並びを判断して「この2名は受けられない」と決めるような、席の組み合わせの制約を扱う機能は、公開資料には記載が見当たりませんでした。 接客型の店では、時間枠とメニューで枠を切り、並びの判断は店主が残す運用と組み合わせるのが現実的です。

飲食店を含め、どの業態でどう使えるかは業種ごとの使い方で一覧になっており、デモを見るから客側の予約画面と店側の管理画面をログインなしで触れます。 二部制の開始時刻をどう見せるか、要望の欄がスマートフォンでどう表示されるかは、実際に触ってみると判断しやすくなります。

費用の面では、2026年9月時点の料金で、月50件までの予約を無料で受けられるプランがあり、月300件までのプランが税込月3,300円となっています。 ネットの枠を全体の半分から始めるなら、まず無料の範囲で入口を作り、予約の入り方を見てから判断するという進め方がとれます。 事前のクレジット決済は必要な店だけが上位のプランで有効にする形で、決済が必須でない業態に合わせて、予約の受付から次の来店までを一続きにしているのが特徴です。 現金や店頭のカード決済で会計している接客型の店なら、決済の機能を持たずに予約と連絡だけを整えられます。

他の予約サービスと料金や機能を並べて確かめたい場合は、公開情報をもとに作られた他社との比較があります。 乗り換えの手順や、電話でのサポートの有無といった細かな点はよくある質問にまとまっています。 どの道具を選ぶにしても、先に決めるべきなのは入口の割り当てです。 4種類の予約をどこで受けるかが決まっていれば、道具はその割り当てを実行する手段として選べます。

Q1. 接客型の飲食店は、予約を全部ネットに移したほうがよいですか?

全部を移す必要はありません。初めての少人数の予約はネットに向いていますが、6名を超える会食や貸切は、予算や料理の構成を相談する必要があるため電話のほうが確実です。常連の次回予約は会計のときに口頭で押さえられます。予約の中身ごとに入口を分けると、電話の件数を減らしながら、店主の判断が要る部分は手元に残せます。

Q2. カウンター席の並びが崩れないようにネット予約を受けるには、どうすればよいですか?

席数ではなく組数で上限を切るのが扱いやすい方法です。8席のカウンターなら1部あたり3組まで、1組は4名までと決めておくと、残り1席に2名が入るような事故が起きにくくなります。余った席は電話や飛び込み、常連のために残しておき、ネットに出す枠は全体の半分程度から始めて様子を見ます。

Q3. 苦手な食材やアレルギーは、ネット予約でどう聞けばよいですか?

苦手な食材は自由記述の欄を必須にし、無い場合は「無し」と書いてもらう形にすると、空欄と区別できて確認漏れが減ります。アレルギーは苦手とは分け、出汁や揚げ油の共有など店として取り除けない範囲を、予約の画面にあらかじめ書いておきます。判断が要る申告があった予約にだけ、仕込みの時間帯に店から折り返します。

Q4. 営業中にかかってくる電話は、どう扱えばよいですか?

電話に出る時間帯を決め、それ以外は留守番電話で案内するのが現実的です。案内では、調理中で出られないこと、予約ページで空いている日時が分かること、6名以上の相談は何時に電話をもらえれば受けられるかを短く伝えます。電話の受付時間は、ホームページや地図サービスの店舗情報、店頭など、電話番号が載っている場所すべてに書いておきます。

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