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美容室で電話予約を減らす|施術中に鳴らさないための組み方
2026年9月10日・Rizaflow編集部
ハサミを持った手で受話器は取れません。カラー剤を塗っている途中で席を離れるわけにもいきません。それでも電話は鳴ります。美容室の予約システムを調べている店主の多くは、機能が欲しいのではなく、この状況をどうにかしたいと思っています。電話を全部やめる話ではありません。鳴っている電話には種類があり、種類ごとに減らし方が違います。ここでは電話の中身を分解して、施術中に鳴る回数を実際に下げる順序を組み立てます。減らす順番を間違えると、予約だけが減って手間が残る、という結果になります。
鳴っている電話の中身を、1週間だけ数える
最初にやることは、道具選びでも設定でもありません。電話の内容を数えることです。レジ横に紙を1枚置いて、電話を切ったあとに正の字を足していきます。分類は5つで足ります。
・新規の予約 ・既存客の次回予約 ・予約の変更や取り消し ・確認だけの問い合わせ(営業時間、場所、駐車場、料金、所要時間) ・営業や勧誘の電話
1週間続けると、店主の想像と違う姿が出てきます。多くの美容室で、この5つのうち「予約そのもの」は全体の半分程度です。残りは確認と変更と勧誘で、そのほとんどは同じ答えを繰り返しています。
数え終わったら、内訳ごとに減らし方を当てていきます。確認の電話は情報を先に置けば消えます。変更の電話は手続きの入口を作れば移せます。勧誘は取り次ぎ方を決めれば止まります。新規の予約は減らすものではなく、別の入口へ移すものです。
分解せずに「電話を減らす」と考えると、いちばん減らしてはいけない新規の予約から減ってしまいます。分解にかかるのは1週間と紙1枚だけです。
人を増やして受ける、という選択肢は現実的ではない
電話に出られないなら受付を置けばよい、という発想は、美容室の規模では成り立ちません。日本政策金融公庫が生活衛生関係営業を対象に行っている調査は、そもそも常時雇用の従業員が概ね20人以内の事業者を前提にしています。
従業員の過不足感について、「不足」と回答した企業の割合は30.6%と、前年調査(2024年)を2.8ポイント下回った。 出典: jfc.go.jp
同じ調査の業種別の内訳を見ると、美容業で「不足」と答えた割合は20.0%、「適正」が76.9%です。人が足りないと訴えている店は少数派で、いまの人数で回っていると答えた店が大半を占めます。
この数字の読み方が大事です。人手が足りているのではなく、いまの人数を前提に営業日と席数を組んでいる、というのが実態です。施術者は施術で埋まっていて、電話のために手を空けている人はいません。追加で1人雇えば人件費は月に十数万円単位で増えます。その負担を、電話の取りこぼしを防ぐためだけに負うのは割に合いません。
つまり打ち手は「受ける体制を厚くする」ではなく「受ける必要のある電話を減らす」しかありません。ここから先は、その減らし方を順番に見ていきます。
施術中に受話器を取ると、失うのは時間だけではない
電話が施術を止めるコストは、中断した数分では測れません。3つの損失が同時に発生します。
1つ目は、目の前のお客様の体験です。カットの途中で「少々お待ちください」と離れられた側は、自分の時間が軽く扱われたと感じます。長い施術ほど、この積み重ねが効きます。2時間のカラーの間に3回中断されれば、その店の印象は決まります。
2つ目は、手指の衛生です。美容室は薬剤とお客様の頭皮を扱う仕事です。施術の手で受話器を触り、そのまま戻ることはできません。手を洗い直す工程が毎回入るので、実際の中断は電話の通話時間より長くなります。
3つ目は、判断の精度です。カラー剤の放置時間を計っている最中や、パーマのロッドを巻いている最中に電話が入ると、時間の管理が飛びます。1回の飛びが仕上がりに直結する工程では、電話は単なる邪魔ではなく事故の原因になります。
・中断そのものより、戻るまでの復帰時間が長い ・施術中のお客様が見ている。印象は必ず残る ・薬剤の時間管理と電話は両立しない
この3つを踏まえると、「手が空いたときだけ取る」という運用には無理があります。美容室では、手が空いている時間そのものが少ないからです。
電話が鳴る時刻には、はっきりした山がある
数えてみると、電話は1日に均等に鳴っていません。美容室では山が3つできます。
開店の直後、10時から11時台。この時間は当日の予約と、前日の夜に思いついた予約が集中します。ところが開店直後は最初のお客様の施術に入っているので、いちばん出られない時間帯でもあります。
夕方の17時から19時台。仕事帰りの人が動く時間です。この時間も指名の枠が埋まりやすく、店内は最も忙しくなっています。
そして日曜の夜と月曜。休みの日に予定を立てた人が、翌週の予約を入れようとします。月曜が定休日の店では、ここで完全に取りこぼします。留守番電話に入れる人はごく一部で、大半はそのまま別の店を探します。
山の位置が分かると、打ち手の優先順位が決まります。定休日と閉店後に予約を受けられる状態を作るのが最優先で、営業時間内の対応はその次です。営業時間内の電話は、少なくとも「かけ直せば通じる」相手ですが、閉店後の電話は二度とかかってきません。
手順1、答えを先に置いて確認の電話を消す
いちばん簡単に減らせるのが、確認だけの電話です。営業時間、定休日、場所、駐車場の有無、メニューの料金、所要時間の目安。これらは毎回同じ答えを返しています。
置き場所は3か所です。店の情報を載せているページ、地図サービスの店舗情報、そして電話の自動応答です。3か所そろって初めて効きます。ページにだけ書いても、電話をかける人はページを見ていません。
特に効くのが、駐車場と所要時間です。美容室にかかってくる確認の電話は、この2つに集中します。「近くに停められますか」「カラーだと何時間くらいですか」の2問に、ページの見やすい場所で答えているだけで、確認の電話は目に見えて減ります。
料金については、幅を持たせて書くのが現実的です。髪の長さや状態で変わる以上、1つの数字では書けません。「カット+カラーで所要時間は150分前後、料金は長さにより幅があります」と書いておけば、少なくとも所要時間の質問は止まります。
手順2、予約の入口を電話の外に用意する
確認を減らしたら、次は予約そのものです。ここで重要なのは、単に「ネットでも受けます」と告知するのではなく、電話をかける理由をなくすことです。
電話をかける理由の筆頭は、空き状況が分からないことです。予約の入口を作っても、空き枠が見えなければ「一応電話で聞いてみよう」となります。空き枠がそのまま見える形になっていて、選んだ瞬間に確定する。ここまで作って初めて、電話の代わりになります。
もう1つ、確定の控えが文字で残ることも条件です。電話で予約した人は「言った」という記憶が残りますが、ネットの予約は形が残らないと不安が残り、確認の電話が発生します。予約直後に日時とメニューと担当者を書いた控えが届けば、この電話は消えます。
・空き枠が見える ・選んだ瞬間に確定する ・控えが文字で残る
この3つがそろわない入口は、電話を減らしません。むしろ入口が増えた分だけ管理が増えます。
美容室で特に注意が要るのが、メニューの見せ方です。項目が細かく分かれすぎていると、選べずに電話へ戻ります。逆にひとまとめにしすぎると、来店してから追加が発生して所要時間が崩れます。実務的な落としどころは、よく出る組み合わせを最初から1つのメニューとして並べることです。カットとカラー、カットと縮毛矯正、といった形で先に用意しておけば、お客様は迷いません。
もう1点、担当者を選べるかどうかも電話の量を左右します。指名で通っている人は、担当を指定できない予約の画面を見た瞬間に電話へ切り替えます。指名の枠を画面で持てるかどうかは、単なる機能の差ではなく、着信件数に直接効く条件です。
手順3、変更と取り消しを電話の外でできるようにする
見落とされやすいのが、変更の電話です。予約はネットで取れるのに、変更は電話でしか受け付けない店は珍しくありません。これでは電話は減りません。
変更の連絡は、お客様の側にとっても心理的な負担があります。「申し訳ない」という気持ちがあるので、電話をかけるのが億劫になり、結果として連絡そのものが遅れます。前日の夜に「明日行けない」と分かっていても、電話は翌朝になる。朝になれば、その枠はもう埋められません。
文字で変更や取り消しができる形にしておくと、連絡は早くなります。深夜でも送れるからです。店にとっては、前日の23時に取り消しの連絡が入るほうが、当日の朝10時に入るよりはるかに救いがあります。
ただし、変更を無条件に自由にすると、直前の変更が増えます。「前日の20時まではご自身で変更できます。それ以降はお電話をお願いします」のように、締め切りを設けて残りを電話に回す設計にすると、両方の都合が合います。
手順4、留守番電話のメッセージを作り直す
留守番電話を「出られないときの言い訳」として使っている店が多いのですが、これは案内の場所として使えます。よくあるのは、次のような内容です。
ただいま電話に出ることができません。ご用件をお話しください。
これでは何も減りません。次のように作り直します。
ありがとうございます。ただいま施術中のため、電話に出ることができません。 ご予約とご変更は、24時間いつでもネットの予約ページから承っております。空き状況もそちらでご覧いただけます。 当日のご連絡やお急ぎのご用件は、このあとの発信音のあとにお名前とご用件をお話しください。手が空き次第、折り返しご連絡いたします。
3つの仕事をしています。出られない理由を伝えること、代わりの入口を案内すること、そして残すべき用件を限定することです。特に3つ目が効きます。「当日のご連絡やお急ぎのご用件」と限定すると、それ以外の人は自分でネットへ回ります。
音声は短くします。20秒を超えると、最後まで聞かれません。案内したい内容が多いときは、音声で全部を伝えようとせず、要点だけにとどめて残りはページに任せます。
もう1つ、切り替える時間帯の設計があります。営業時間中ずっと留守電にするのではなく、施術が詰まる時間帯だけ切り替える形にします。開店から11時台、そして17時から19時台。この2つの山の間は人が出て、山の中は留守電に任せる。こうすると、出られる時間帯にかけ直してくれる人が一定数出てきます。
留守電を使い始めた最初の1か月は、残されたメッセージの内容も記録してください。予約が多いのか、変更が多いのか、確認が多いのか。ここに残っている用件は、まだ入口が足りていない用件です。次に手を打つ場所が、そのまま見えてきます。
手順5、折り返す時間を決めて、それを公開する
留守電に残してもらう運用にしたなら、いつ折り返すかを決めます。決めずにいると、手が空いたときに慌ててかけ直すことになり、結局は施術の合間が削られます。
現実的なのは、1日に2回か3回、時間を固定することです。開店前の準備の時間、昼の休憩の時間、閉店後の片付けの時間。この3つのどこかに置きます。決めたら、留守電の音声と店のページに書きます。「お電話の折り返しは、13時台と19時以降にまとめてご連絡しております」と書いてあれば、待つ側も納得します。
書いていないと、10分後にかけ直さないだけで不誠実だと受け取られます。時間を明示することは、店を守る手続きでもあります。
折り返しの回数が多すぎると感じるなら、それは手順1から3が足りていない合図です。折り返しが必要な電話は、本来かなり少なくなるはずです。
営業や勧誘の電話を、どう止めるか
美容室には、商材や広告の勧誘電話が定期的にかかってきます。数え始めると、これが想像以上の比率を占めていることに気づきます。
止め方は2つあります。1つは、名乗り方を決めることです。電話を取ったスタッフが最初に「ご予約でしょうか」と聞く運用にすると、勧誘側は用件を言わざるを得なくなり、そこで切れます。もう1つは、断りの文言を決めておくことです。
恐れ入ります。営業のお電話はお受けしておりません。失礼いたします。
判断をスタッフに委ねると、断りきれずに長引きます。文言を決めて紙に書いて電話の横に貼っておく。それだけで通話時間が短くなります。
留守番電話に切り替えている時間帯が長い店では、勧誘は自然に減ります。折り返さないからです。これは電話を減らすことの副次的な効果として大きい部分です。
残す電話を、先に決めておく
減らす話ばかりを進めると、必要な電話まで閉じてしまいます。美容室で残すべき電話は3種類です。
1つ目は、当日の遅刻と体調不良の連絡です。急ぐ用件で、しかも店側が次の予約をどうするか即座に判断する必要があります。文字だと気づくのが遅れます。
2つ目は、年配のお客様からの予約です。スマートフォンでの操作が難しい層は確実に存在します。この層を切ると、単価が高く来店の間隔も安定した顧客を失います。
3つ目は、初めての相談です。「白髪染めでかぶれたことがあるのですが対応できますか」「介護をしていて時間が読めないのですが」といった相談は、文字でのやり取りより電話のほうが早く済みます。
・当日の急ぎの連絡 ・電話でないと難しいお客様 ・施術できるかどうかの相談
この3つが通る状態を保ったまま、それ以外を減らす。これが目指す形です。電話番号をページから消してしまう店がありますが、上の3つを閉じることになるので勧められません。番号は載せたうえで、そのすぐ横に「ご予約とご変更はこちらから」と別の入口を並べておくのが、いちばん角が立たない置き方です。並べる順序は、予約の入口を先、電話番号を後にします。順序を逆にすると、目に入った番号から先にかけられます。
「電話のほうが早い」というお客様への伝え方
常連ほど、電話で済ませようとします。長く来てくれている相手に「ネットにしてください」とは言いにくいものです。
伝え方には型があります。禁止ではなく、相手の利点として伝えます。
いつもありがとうございます。実は施術中でお電話に出られないことが多く、お待たせしてしまって申し訳ありません。 ご予約のページですと空いている時間がそのままご覧いただけますので、〇〇様のご都合に合う日をその場でお選びいただけます。 一度だけ、お会計のときにご一緒に登録してしまいましょうか。
3つの工夫があります。店の都合ではなく相手の待ち時間の話にしていること、空き枠が見える利点を具体的に言っていること、そして最初の登録を店側が手伝うと申し出ていることです。
最初の1回を店内で一緒にやってしまうのが最も確実です。自宅でやってくださいと渡した紙は、ほぼ使われません。会計の待ち時間の1分で終わります。
スタッフがいる店で、電話の扱いを揃える
複数人で回している店では、誰が取るかを決めていないことが混乱の元になります。手が空いている人が取る、という運用は、忙しい日には誰も取らない運用と同じです。
決めることは3つです。取る人(その日のシフトで施術に入っていない人、もしくは受付担当)、取らない時間帯(薬剤の塗布中とカット中は全員が取らない)、そして記録の形です。
記録は特に重要です。電話で受けた予約や変更が、その人の頭の中にしかない状態を作らないこと。取った直後に台帳へ書き込む、書き込むまでは次の作業に移らない。この順序を守らないと、二重予約と伝達漏れが出ます。
伝達漏れは、忙しい日にまとめて起きます。人の記憶に頼っている店ほど、繁忙期に事故が集中する構造になっています。
1日の組み方そのものを、電話に合わせて変える
入口の工事が終わっても、営業時間内に鳴る電話はゼロにはなりません。そこで、鳴ったときに困らない1日の組み方を作ります。美容室の1日は工程の連続なので、電話に応じられる隙間は実は予測できます。
隙間ができるのは3か所です。薬剤の放置に入った直後、シャンプーをアシスタントに渡した直後、そして会計が終わって次のお客様が来るまでの間。この3か所に、留守電の確認と折り返しを寄せます。逆に、カットに入っている時間とカラー剤を塗っている時間は、何があっても取らないと決めます。
予約の枠を作るときに、この隙間を意識して並べると効きます。長時間のメニューを午前に置くと、放置時間が午前の中ほどに来るので、開店直後の山で入った留守電をそこで処理できます。短時間のメニューを連続で並べた日は隙間がほとんど生まれないので、その日は折り返しを閉店後に寄せる。曜日ごとに組み方を変えるだけで、電話に追われる感覚はかなり下がります。
・薬剤の放置中、シャンプー中、会計後の3か所が隙間 ・カット中と塗布中は取らないと決め切る ・長時間メニューを午前に置くと、午前の折り返しの場所が生まれる
隙間の位置は、店の作りとスタッフの人数で変わります。1週間、実際にどこで手が空いたかを書き出してみると、自分の店の隙間の形が見えてきます。
予約と関係なさそうな電話も、たどると予約に行き着く
減らす対象から外されがちなのが、業者や取引先からの電話です。材料の発注、ディーラーの訪問の日程、リネンの回収、税理士からの確認。これらは予約ではありませんが、営業時間内に鳴っている点は同じです。
ここは相手が固定されているので、手が打ちやすい部分でもあります。発注は電話をやめて注文の画面に切り替える、訪問の日程は文字でやり取りする、と決めて相手に伝えるだけで済みます。取引先は業務時間内にかけてくるので、施術のいちばん忙しい時間と完全に重なります。
もう1つ、間違い電話と、以前入っていた店にかけてくる電話も一定数あります。テナントを引き継いだ店では、前の入居者宛の電話が数年続くことがあります。これは減らせないので、短く切る文言を決めておくのが唯一の対処です。
・取引先とのやり取りは、こちらから文字に寄せられる ・発注や日程は電話でなくてよい相手がほとんど ・間違い電話は減らせない。切る文言を決める
こうして分けていくと、最後に残るのは本当に電話でなければならない用件だけになります。目安として、最初に数えた着信のうち半分から3分の2は、電話以外の手段に移せる性質のものです。
電話を減らそうとして、かえって手間が増える型
順序を間違えた店で起きる失敗には、いくつか決まった型があります。
1つ目は、入口だけ作って告知しない型です。予約のページを用意したのに、来店時に何も言わない。3か月経っても着信が減らず、「ネット予約は効果がない」と結論づけてしまいます。実際は使われていないだけです。
2つ目は、入口を作りすぎる型です。掲載サイト、自店のページ、メッセージアプリ、電話。4つ全部を並行して受けると、確認する場所が4か所になります。電話は減っても、画面を見て回る時間が増えて、合計の手間は変わりません。
3つ目は、変更だけ電話に残す型です。予約はネット、変更は電話。この形にすると、着信の中身が変更の連絡ばかりになります。しかも変更の電話は用件が複雑で、通話時間が新規予約より長くなります。減ったのは件数だけで、拘束される時間は減りません。
4つ目は、留守番電話に切り替える時間を長くしすぎる型です。営業時間中ずっと留守電にすると、当日の遅刻や体調不良の連絡が届かなくなります。当日の連絡が届かないと、空いた枠を埋める判断も遅れます。留守電に寄せるのは、施術が詰まっている時間帯に限るのが安全です。
減らせたかどうかを、数字で確かめる
最後に、効果の測り方です。手応えではなく数字で見ます。
見る数字は2つで足ります。1つは1日あたりの着信件数。最初に数えた1週間と同じ方法で、3か月後にもう1週間だけ数えます。もう1つは、予約全体のうち電話以外から入った件数の割合です。
順調な場合、確認の電話は最初の1か月で減り、予約の入口の移行は3か月かけて進みます。変更の連絡が移るのはさらに遅く、半年かかることもあります。常連ほど習慣が固まっているためです。
減らない場合、原因はたいてい告知です。入口を作っただけで、来店時に案内していない。名刺サイズのカードを作って会計時に渡す、鏡の前に小さく掲示する、といった地味な手が効きます。
もう1つの原因は、ネットで予約しようとした人が途中でやめて電話をかけていることです。予約の画面が分かりにくい、メニューが選びづらい、担当者を指定できない。この場合、電話の件数は減らず、しかも入口を増やした分だけ管理が増えます。自分で一度、お客様の立場で最後まで予約を取ってみると分かります。
電話の外に受け皿を作るときに、確かめておく場所
電話を減らす作業は、受け皿の出来に依存します。受け皿を選ぶ段階で見ておく場所を挙げます。
まず、いま使っているものを変える必要が本当にあるのかどうかです。空き枠が見えて控えが届く形になっているなら、変えずに告知を増やすほうが早く効きます。機能の単位で並べた他社との比較で、自分の店で詰まっている部分が解決されるかどうかだけを見てください。
次に、変更と取り消しを客側の操作でどこまで許せるかです。締め切りの時刻を設定できるか、メニューによって条件を変えられるか。この種の設定の有無はできることにまとまっています。ここが弱いと、変更の電話は減りません。
費用は、電話が減ったことで浮く時間と並べて考えます。1日30分の中断が消えれば、月に10時間を超えます。料金の金額を、その時間で施術できる件数と比べてみてください。
同じ電話でも、業態によって内容は違います。当日の飛び込みが主体の業態と、指名で予約が積み上がる業態では、残すべき電話が変わります。業種ごとの使い方で、施術の時間が長い業態の組み方を確認しておくと、判断が早くなります。
実際の操作感は、触らないと分かりません。留守電で案内した先が使いにくければ、お客様は電話に戻ってきます。デモを見るから、初めて訪れた人の立場で最後まで進んでみてください。
既存のお客様をどう移すか、電話で受けた予約をどう入れるかといった実務の疑問はよくある質問にあります。
電話を減らす取り組みは、受付だけを切り離しても完結しません。予約の後の連絡や次回の案内まで文字で届く形になっていると、そもそも電話をかける場面が減ります。決済が必須でない業態に合わせて、予約の受付から次の来店までを一続きにしている形を選ぶと、施術中に鳴る回数は入口の対策だけを打ったときよりも下がります。
Q1. 電話番号をページから消してしまえば、電話は減りますか?
減りますが、勧められません。当日の遅刻や体調不良の連絡、電話でないと予約が難しいお客様、施術できるかどうかの相談まで閉じてしまいます。番号は残したまま、確認と変更と新規予約を別の入口へ移すのが順序です。
Q2. 留守番電話に切り替えると、失礼になりませんか?
音声の作り方次第です。出られない理由(施術中であること)、代わりの予約の入口、折り返しの時間帯の3つを入れておけば、放置しているという印象にはなりません。逆に「ご用件をどうぞ」だけの音声は不親切に受け取られます。
Q3. 常連さんが電話をやめてくれません。どう伝えればよいですか?
禁止ではなく利点として伝えます。施術中で出られず待たせてしまうこと、ページなら空き時間がその場で見えることを説明し、会計の待ち時間に一度だけ一緒に登録してしまうのが確実です。紙を渡すだけでは、ほぼ使われません。
Q4. 電話を減らす効果は、どのくらいで出ますか?
確認の問い合わせは1か月ほどで減ります。新規予約の入口が移るのに3か月、変更や取り消しの連絡が移るのは半年程度かかります。3か月経っても着信が減らない場合は、告知が足りていないか、予約の画面の途中で離脱している可能性があります。