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美容室の回数券とチケットを管理する|残数の数え方と、期限の決め方
2026年9月10日・Rizaflow編集部
トリートメントの回数券を出したい。ヘッドスパの4回券を作りたい。美容室でこう考えたとき、値段の決め方より先に片付けるべきことがあります。残数をどう数えるか、期限をいつにするか、そして途中でやめたいと言われたらどうするかです。この3つを決めずに売り始めると、半年後に台帳と現物が合わなくなり、お客様との間で言った言わないになります。ここでは、回数券を売る前に決めておくべきことを、順番に並べます。
回数券は割引の道具ではなく、前受けの仕組みである
回数券を「まとめ買いで安くする仕組み」と捉えていると、管理の設計を間違えます。実態は、まだ提供していない施術の代金を先に受け取ることです。
この違いは、店の帳簿に現れます。5回券を2万円で売った時点では、店の売上は発生していません。まだ1回も施術していないからです。売上として計上できるのは、実際に施術をしたときです。売った時点で店にあるのは、預かっているお金です。
この位置づけを理解しておかないと、2つの問題が起きます。
1つ目は、資金繰りの誤解です。回数券が売れた月は現金が増えます。この現金を、その月の利益と勘違いして使ってしまうと、後の月に施術だけが残って現金が入らないという状態になります。
2つ目は、店をたたむときや、しばらく休むときの問題です。使われていない回数券は、店が負っている約束です。約束が残ったまま営業をやめると、大きなもめごとになります。
・売った時点では、まだ売上ではない ・現金は増えるが、それは預かっているもの ・使われていない残数は、店が負っている約束
会計の具体的な処理は、扱う金額や店の形態によって変わります。顧問の税理士がいるなら、回数券を始める前に一度相談してください。
残数の「1回」が何を指すのかを、先に決める
回数券で最も多いもめごとは、残数の数え方の食い違いです。ここを曖昧にしたまま売ると、必ず起きます。
美容室で問題になる場面を挙げます。
トリートメントの5回券を売ったとします。お客様が来店して、カットとトリートメントをしました。ここで1回減ります。ここまでは問題ありません。
次に、同じ人が来て、カラーの後にトリートメントをしました。カラーの後のトリートメントは、単品のトリートメントより工程が短いことがあります。それでも1回減らすのか。
さらに、髪の長さで所要時間が変わるメニューを回数券にした場合。ロングの人とショートの人で、同じ1回として数えてよいのか。
こうした場面を、売る前に決めておきます。決め方は2つあります。
・回数で数える … 内容にかかわらず1回は1回。分かりやすいが、長い人ほど得になる ・金額で数える … チケットに金額を持たせて、施術ごとに差し引く。公平だが、説明が複雑になる
美容室では、回数で数える形が扱いやすくなります。ただしその場合、対象のメニューを1つに限定してください。「トリートメントの5回券」であって、「好きなメニューに使える5回券」にしないことです。後者にすると、高いメニューにばかり使われます。
メニューを混ぜると、残数は数えられなくなる
回数券を作るとき、使える範囲を広げたくなります。売りやすくなるからです。しかし、広げるほど管理が難しくなります。
「どのメニューにも使える10回券」を作った店で何が起きるか。お客様は、いちばん高いメニューに使います。当然の行動です。結果として、店は1回あたりの単価を大きく下回る施術を提供することになります。
さらに、残数の記録も複雑になります。何に使ったかを記録しないと、後から見て何が起きたのか分かりません。
対象を絞る方法は3つあります。
・メニューを1つに固定する(トリートメントのみ、ヘッドスパのみ) ・同じ価格帯のメニューに限定する ・追加のオプションとしてのみ使えるようにする
3つ目は、美容室では特に相性が良い形です。カットやカラーは通常の料金で受け取り、そこに付けるトリートメントだけを回数券にする。こうすると、来店の回数そのものが増え、本体の売上も一緒に上がります。
回数券を主なメニューに使えるようにすると、来店の回数は増えないまま単価だけが下がります。この違いは大きいので、設計の段階で意識してください。
紙のチケットで起きることを、知っておく
紙のチケットは、作るのが簡単で、渡したときに実物があるという安心感があります。その代わり、決まった問題が起きます。
まず、紛失です。「無くしたので再発行してほしい」という申し出は必ず来ます。再発行するかどうかを決めていないと、その場で判断することになり、人によって答えが変わります。
次に、持参忘れです。来店したときにチケットを持っていない。この場合に施術をするかどうか。断ると角が立ち、受けると記録が残りません。
3つ目は、書き換えです。押印やパンチで消していく形だと、判別しにくいものがあります。悪意がなくても、数え間違いは起きます。
4つ目は、譲渡です。紙のチケットは誰でも使えます。本人以外が持ってきたときにどうするか。
・紛失したときに再発行するか ・忘れてきたときに施術をするか ・残数の記録を、店側にも残しているか ・本人以外が持ってきたときに受けるか
このうち3つ目が要です。紙のチケットだけで管理していて、店側に控えが無いと、紛失や食い違いのときに確かめる手段がありません。紙でやる場合でも、台帳に残数を書く欄を必ず作ってください。
電子で持つときに、決めることが変わる
回数券を電子で管理すると、紛失と書き換えの問題は消えます。代わりに、別のことを決める必要が出ます。
まず、お客様側から残数が見えるかどうかです。見えるようにすると、問い合わせが減り、使い切ろうという動機も生まれます。見えないようにすると、店に聞くしかなくなり、電話が増えます。
次に、予約のときに残数を使う指定ができるかどうかです。予約の時点で「回数券を使う」と選べれば、来店時のやり取りが減ります。
3つ目は、残り1回になったときの扱いです。残り1回で予約が入ったとき、その予約が取り消されたら残数は戻るのか。ここが自動で処理されないと、手作業で戻すことになり、忘れます。
4つ目は、記録がどこまで残るかです。いつ、何に、誰が使ったか。この記録が残らないと、後から確かめられません。
予約の受け付けから来店後の連絡までを1か所で扱えるかどうかは、こうした細かい連動に効いてきます。何をどこまで扱えるかはできることのページに機能ごとに書かれているので、回数券や来店の記録の項目を先に見てください。
有効期限を決めるときに、法令上の線がある
回数券に期限を付けるかどうかは、店の判断です。ただし、期限の長さによって、法令上の扱いが変わる可能性があります。ここは知らずに進めると後で困る部分です。
資金決済に関する法律は、数量に応じた対価を受け取って発行され、その提供を請求できるものを、前払式支払手段として扱っています。回数券はこの形に当てはまり得ます。
同じ法律には、適用しない場合が定められています。
次に掲げる前払式支払手段については、この章の規定は、適用しない。 二 発行の日から政令で定める一定の期間内に限り使用できる前払式支払手段 出典: laws.e-gov.go.jp
ここで言う「政令で定める一定の期間」は、資金決済に関する法律施行令で6月と定められています。つまり、発行の日から6か月以内に限って使えるものは、この章の規定の対象から外れる形になっています。
期限を6か月より長くする、あるいは期限を設けない場合は、対象になる可能性があります。その場合、使われていない残高が一定の額を超えた基準日には、届出や保全の措置が求められます。基準となる額は同じ施行令で1,000万円と定められています。
小さな美容室で、この額に届くことはまずありません。ただし、店舗を増やしていく計画があるなら、頭の片隅に置いておいてください。自分の店の売り方が当てはまるかどうかで迷うときは、金融庁の案内を確認するか、専門家に相談してください。
期限をいつに置くか、実務として決める
法令の話とは別に、実務として何か月にするかを決めます。
短くしすぎると、使い切れずに終わり、次から売れなくなります。長くしすぎると、店の負っている約束がいつまでも残ります。
決め方の軸は、そのメニューの来店の間隔です。
・月に1回来る前提のヘッドスパの5回券 … 使い切るのに5か月。期限は6か月から8か月 ・2か月に1回のトリートメントの4回券 … 使い切るのに8か月。期限は10か月から1年 ・毎週来る前提の短いメニュー … 期限は3か月でも足りる
使い切るのに必要な期間に、1回から2回ぶんの余裕を足す。これが目安です。余裕が無いと、体調を崩したり忙しかったりした人が使い切れません。
期限は、券面と店側の記録の両方に書きます。口頭だけで伝えると、必ず食い違います。売るときに、期限の日付を相手と一緒に確認してください。
期限が近づいたときに知らせるかどうかも決めておきます。知らせれば来店に繋がりますが、知らせずに失効させると信頼を失います。残り1回で期限の1か月前になったら連絡する、という形にしておくと、両方が守れます。
期限が過ぎた券を、どう扱うか
期限が過ぎたものを、そのまま無効にするかどうか。ここは店の姿勢が出る場面です。
厳格に無効にすると、そのお客様は離れます。金額が大きいほど、恨みも残ります。
一方で、無条件に延長すると、期限そのものが意味を失い、いつまでも約束が残ります。
現実的な形は、条件付きの救済です。
・期限から3か月以内なら、延長を受け付ける ・延長は1回まで ・延長の申し出は本人から ・延長する場合、残りの期間は3か月
この線を決めて、売るときに伝えておきます。伝えてあれば、期限が過ぎた後の話し合いが揉めません。伝えていないと、その場での交渉になり、断りにくい状況で判断することになります。
もう1つ、店側の都合で使えなかった期間の扱いを決めておいてください。長期の休業、担当者の退職、店の移転。こうした事情で来られなかった期間は、期限から差し引くのが筋です。この点を明記しておくと、いざというときに争いになりません。
譲渡と返金を求められたときの備え
回数券を売ると、必ずこの2つを聞かれます。
譲渡については、認めるかどうかを決めます。家族に使わせたいという申し出は特によくあります。認めると来店が増える面もありますが、施術の記録が分断されます。母親の名前で買った券を娘が使うと、髪の履歴がどちらのものか分からなくなります。
美容室では、次の形が扱いやすくなります。
・原則として本人のみ ・同居の家族に限って認める(購入時に申し出があった場合) ・その場合、使う人ごとに記録を分ける
返金については、より慎重に決めます。引っ越し、体調、店への不満。理由はさまざまです。
決めておくのは、返金する場合の計算方法です。「使った回数ぶんを通常料金で計算して、残りを返す」という形が一般的です。回数券は通常より安いので、この計算だと返す額は購入額から大きく減ります。この点を、売るときに説明しておいてください。説明していないと、返金の場面で「そんな計算は聞いていない」となります。
計算の方法と、手数料を取るかどうかを、券面か店内の掲示に書いておきます。書いてあることが、そのまま判断の根拠になります。
エステの施術を回数券にする場合は、別の法令が関わる
美容室でも、フェイシャルや脱毛のような施術を扱っている店があります。この場合、扱いが変わる可能性があります。
特定商取引に関する法律は、特定継続的役務提供という枠を設けています。政令で定める役務を、政令で定める期間を超えて提供し、政令で定める金額を超える対価を受け取る契約が対象です。
政令では、人の皮膚を清潔にし若しくは美化し、体型を整え、又は体重を減ずるための施術を行うことが、対象の役務の1つとして挙げられています。期間は1月、金額は5万円と定められています。
対象になると、書面の交付、中途解約に応じること、解約時に請求できる額の上限などが定められます。解約時の上限は、提供開始後であれば2万円か契約残額の10分の1に相当する額のいずれか低い額と定められています。
通常のカットやカラーがこの役務に当たるかどうかは、施術の内容によります。判断は個別の事情によるので、断定はできません。エステに近い施術を長期の回数券で売ろうと考えているなら、始める前に消費者庁の案内を確認するか、専門家に相談してください。ここを外すと、後から契約そのものが揺らぎます。
予約と残数を、つないでおく
回数券の管理でいちばん手間になるのは、予約と残数が別々に管理されている状態です。
つながっていないと、こうなります。予約が入る。来店する。会計のときに「回数券をお持ちですか」と聞く。相手が出す。押印する。台帳の残数を書き換える。この一連が全部手作業です。忙しい日には、台帳の書き換えが飛びます。
つながっていれば、予約の時点で「回数券を使う」と選べます。来店時には、すでに使うことが分かっています。施術が終われば残数が減ります。
さらに、予約の一覧を見たときに、その日の何件が回数券の利用かが分かります。この情報は、その日の現金の入りを見積もるのに要ります。回数券の利用が多い日は、施術はあるのに現金が入りません。
・予約の時点で、利用の意思を受け取れるか ・残数が自動で減るか ・取り消したときに戻るか ・その日の利用件数が一覧で見えるか
この4つが揃っているかどうかで、月末の突き合わせにかかる時間が変わります。道具ごとの違いは他社との比較のページで項目別に並べられているので、回数券や来店の記録という観点で見比べてください。
会計のときの手順を、紙に書いて貼っておく
回数券の運用は、会計の場面に集中します。ここでの手順がスタッフ間で揃っていないと、記録が崩れます。
決めておく手順は5つです。
・回数券の利用かどうかを、必ず口に出して確認する ・残数を、その場で相手に伝える ・減らした後の残数を、記録に残す ・残り1回になったら、その場で次の券を勧めるかどうかを決めておく ・期限が近い場合は、日付を伝える
2つ目が抜けやすい部分です。残数を伝えないと、相手の記憶と店の記録がずれます。「あと2回のはずだった」という食い違いは、ここから生まれます。
5つの手順を紙に書いて、レジの横に貼っておいてください。新しく入ったスタッフでも、同じ対応ができます。
回数券を使った日の売上の扱いも、決めておきます。その日の現金は増えませんが、施術はしています。レジの締めでこれをどう記録するかを決めておかないと、日ごとの数字が読めなくなります。
売るときに、いつ勧めるか
回数券をいつ勧めるかで、売れ方が変わります。
初めて来た人に勧めるのは、避けたほうが無難です。まだ店を気に入るかどうかも分かっていない段階で、まとめ買いを勧められると、売り込みの強い店だと受け取られます。
適しているのは、2回目か3回目の来店です。店を気に入って、通う意思ができている段階です。ここで勧めると、自然に受け取られます。
もう1つ適しているのは、単発で高いメニューを受けた直後です。トリートメントを1回受けて、効果を実感している状態なら、続けたいという気持ちがあります。
勧め方は、金額の得を前面に出さないほうが続きます。
続けていただくと変化が出やすい施術なので、回数でお持ちいただく形もございます。
得だけで買った人は、使い切ったら終わりです。続ける意味に納得して買った人は、次も買います。
売った後に、その人が実際に来ているかを見てください。買ったまま来ていない人がいるなら、勧め方が売り込みになっている可能性があります。
値引きの幅を、どこまでにするか
回数券の価格をどう決めるか。ここも感覚で決めると、後から苦しくなります。
まず押さえるのは、値引きの原資がどこにあるかです。回数券で値引きできる理由は3つあります。
・来店の回数が確定するので、空席が減る ・集金が一度で済むので、会計の手間が減る ・現金が先に入る
このうち、いちばん大きいのは1つ目です。単発なら来るかどうか分からない人が、確実に来ます。ただし、この効果は使い切ってもらって初めて実現します。使われない券は、値引きだけして来店が増えない状態です。
値引きの幅は、1割から2割の範囲に収まる店が多く見られます。3割を超えると、通常料金で通っている人との差が大きくなりすぎます。同じ施術に2つの価格が並んでいると、通常料金で来ている常連に説明ができません。
もう1つ、材料費のかかる施術では、値引きの幅を狭くしてください。トリートメントは薬剤を使うので、1回あたりの原価が発生します。原価が変わらないのに価格だけ下げると、回数券が売れるほど利益が減る構造になります。
・材料費のかからない施術 … 値引きの幅を広く取れる ・材料費のかかる施術 … 幅は狭くする。原価を先に引いて考える ・時間の長い施術 … 席が長く埋まるので、幅は狭くする
値段を決めたら、1回あたりの金額を券面に書いておいてください。返金や解約の話になったときに、この金額が計算の土台になります。
スタッフの歩合と、回数券の関係を決めておく
スタッフに歩合を出している店では、回数券が計算をややこしくします。売った人と、施術をする人が違うことがあるからです。
決めるべきは2つです。
1つ目は、売った時点で歩合を付けるか、使われた時点で付けるかです。売った時点で付けると、販売する動機が強くなりますが、使われずに終わったものにも歩合が出ます。使われた時点で付けると、実態に合いますが、売った人が報われません。
2つ目は、施術をした人に何を付けるかです。回数券で受けた施術は、その日の現金を生みません。通常のメニューと同じ扱いにすると、その日の売上と歩合が合いません。
現実的な形は、金額を分けることです。
・売った時点では、販売の実績として記録するが歩合は付けない ・使われた時点で、施術をした人に1回あたりの金額で歩合を付ける ・売った人には、使い切られた時点で別枠の実績を付ける
この形にすると、売りっぱなしにする動機が消えます。売った人が、その人に来てもらうところまで気にするようになります。
歩合の計算をするために、誰が売って誰が使わせたかの記録が要ります。この記録が残らない仕組みだと、月末に手作業で突き合わせることになります。
回数券をやめる、あるいは内容を変えるとき
始めるときより難しいのが、やめるときと、内容を変えるときです。
新しく売るのを止めるだけなら簡単です。問題は、すでに売った券が残っていることです。この残数は、店が負っている約束なので、勝手に無効にはできません。
やめるときの手順は次のとおりです。
・新規の販売を止める日を決める ・すでに持っている人の残数を全部数える ・残数を使い切れる期間を確保する(期限が先でも、その期限までは受ける) ・持っている人に、新規の販売を止めることと、いつまで使えるかを個別に伝える
3つ目を軽く見ないでください。期限まで受けるのが筋です。期限より早く打ち切ると、返金の話になります。
内容を変えるときも同じです。値段を上げる、対象のメニューを変える、期限の長さを変える。いずれも、変更の前に売った券には旧の条件が適用されます。新旧の条件が並走する期間が発生するので、記録の中でどちらの条件の券かが区別できる必要があります。
区別が付かない仕組みだと、変更のたびに紙のメモで管理することになります。回数券を長く続けるつもりなら、この点を最初に確認してください。
残数の一覧を、月に1回だけ見る
回数券を運用し始めたら、月に1回、全体の残数を見る時間を作ってください。5分で終わります。
見るのは3つです。
1つ目は、店全体で使われていない残数の合計です。これが店の負っている約束の量です。増え続けているなら、売れているのに使われていない状態です。
2つ目は、期限が3か月以内に迫っているものです。ここに該当する人には、連絡する価値があります。
3つ目は、購入から2か月以上、一度も使っていない人です。買ったまま来ていない人は、そのまま離れる可能性が高くなります。
・使われていない残数の合計 ・期限が迫っているもの ・買ったまま使っていない人
3つ目に該当する人には、催促ではなく確認として連絡します。「お使いいただけていないようですが」と書くと責めているように読まれるので、空いている日を並べて選びやすくするだけにとどめてください。買ったのに来られない理由は、たいてい店の側にはありません。忙しい、体調が優れない、忘れている。このどれかです。忘れているだけの人には、連絡が届いた瞬間に予約が入ります。
一覧を見る日は、月末ではなく月の初めに置いてください。月末は締めの作業と重なるので、必ず後回しになります。
この3つが一覧で出せるかどうかが、道具の実力の差になります。1件ずつ開いて確かめる形だと、人数が増えたときに見なくなります。
回数券を始める前に、確かめておく場所
最後に、実際に始める前に確認しておく点を挙げます。
まず、回数券そのものを扱える仕組みかどうかです。予約は扱えても、残数の管理は別の道具、という組み合わせだと、突き合わせの手間が残ります。
次に、期限を券ごとに設定できるかどうかです。全部が同じ期限になる仕組みだと、メニューごとに変えられません。
3つ目は、取り消したときに残数が戻るかどうかです。ここが自動でないと、手作業で戻すことになり、必ず忘れます。
4つ目は、お客様側から残数が見えるかどうかです。見えれば問い合わせが減ります。
段階によって使える項目が変わることもあるので、料金のページで違いを見てから決めてください。実際の画面での扱いはデモを見るから触るのが早く、会計の流れも確かめられます。業態ごとの組み立て方は業種ごとの使い方のページにまとまっており、施術を重ねて通ってもらう形の設計が書かれています。細かい挙動で迷ったときはよくある質問のページを先に見てください。
回数券は、売った瞬間から店が約束を負う仕組みです。値段を決める前に、数え方と期限と、やめたいと言われたときの扱いを決める。この順番を守れば、後から揉めることはほとんどありません。
Q1. 回数券の有効期限は、何か月にするのが適切ですか?
そのメニューの来店の間隔から逆算してください。月に1回来る前提の5回券なら使い切るのに5か月かかるので、余裕を足して6か月から8か月が目安です。なお、発行の日から6か月以内に限って使えるものは資金決済に関する法律の対象から外れる形になっており、期限を長くする場合は扱いが変わり得ます。
Q2. 使える対象のメニューは、広くしたほうが売れますか?
売れやすくはなりますが、管理が難しくなります。どのメニューにも使える形にすると、お客様はいちばん高いメニューに使うため、1回あたりの単価が下がります。カットやカラーは通常料金で受け、追加のトリートメントだけを回数券にする形が、来店の回数と単価の両方を守れます。
Q3. 途中で返金してほしいと言われたら、どうすればよいですか?
計算の方法を売るときに伝えておくことが前提です。一般的には、使った回数ぶんを通常料金で計算し、残りを返す形になります。回数券は通常より安いため、この計算では返す額が購入額から大きく減ります。この点を事前に説明していないと、返金の場面で必ず揉めます。
Q4. 紙のチケットと電子の管理では、どちらがよいですか?
紙は渡したときの実感がある反面、紛失や持参忘れ、書き換えの問題が起きます。電子ならこれらは消えますが、取り消したときに残数が戻るか、お客様側から残数が見えるかを確認する必要があります。紙で続ける場合も、店側の台帳に残数を書く欄は必ず作ってください。