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美容室の予約の受け方を決める|電話とネットのどちらに寄せるか

2026年9月10日・Rizaflow編集部

美容室の予約システムを調べ始めるとき、多くの店主が最初に見るのは各社の機能一覧です。ところが機能を並べても決まりません。決まらない理由は単純で、自分の店がいま予約をどこで取りこぼしているかを数えていないからです。電話が鳴ったのに出られなかった件数、夜中に空き状況を調べた人が問い合わせずに離れた数、指名の枠が埋まっていて別の日を提案できなかった回数。この3つは、道具を入れる前に手元の記録から見えます。ここでは、受け方を「電話」「掲載サイト」「自店の予約ページ」「店頭の次回予約」の4つに分けて、美容室という業態でどこに歪みが出るのかを順に見ていきます。読み終えたときに、次に変える場所が1か所に絞れている状態を目指します。

美容所は27万を超えた。1店あたりの取りこぼしが効く市場になっている

まず外側の数字から確認します。厚生労働省の衛生行政報告例では、生活衛生関係施設のうち美容所の数が毎年増え続けています。

「理容所」は 110,297 施設で、前年度に比べ 2,171 施設(1.9%)減少し、「美容所」は 274,070 施設で、4,181 施設(1.5%)増加している。 出典: mhlw.go.jp

令和5年度末で美容所は274,070施設、前年度から4,181施設増えています。理容所が1.9%減っているのと対照的です。人口が増えていない中で店の数だけが増えているので、1店が抱える顧客は薄くなっていきます。

この数字が予約の受け方に効いてくるのは、次の一点です。近所に選択肢が多いほど、お客様は「電話がつながらなかった」「空き状況が分からなかった」という段階で簡単に別の店へ移ります。かつては多少つながりにくくても、指名しているスタイリストがいれば待ってもらえました。徒歩圏に競合が数店ある地域では、その前提が崩れています。

さらに、増えている美容所の多くは小規模です。日本政策金融公庫の生活衛生関係営業の調査は、常時雇用の従業員が概ね20人以内の事業者を対象にしています。つまり業界の標準は数人規模で、電話番を専任で置く体制ではありません。受付のためだけに人を雇う選択肢が現実的でない以上、受け方そのものを設計し直すしかない、というのがこの市場の前提になります。

予約の入口は4つある。まず自分の店の割合を数える

受け方を決める作業は、いまの割合を数えるところから始まります。美容室の予約の入口は、おおむね次の4つに整理できます。

・電話(営業時間内、営業時間外の留守番電話を含む) ・掲載サイト経由のネット予約 ・自店の予約ページやアプリからのネット予約 ・店頭での次回予約(施術後にその場で押さえる)

ここにメッセージアプリでのやり取りが加わる店もあります。数え方は難しくありません。直近1か月の予約台帳を開いて、1件ずつどこから来たかを書き足すだけです。手書きの台帳でも1時間ほどで終わります。

数えると、たいてい店主の感覚とずれます。「うちはまだ電話が多い」と思っていた店で、実際は掲載サイトが半分を超えていた例はよくあります。逆に「もうネットが中心」と思っていた店で、常連の変更連絡がすべて電話に集中していて、鳴る回数自体は減っていなかった例もあります。

割合を出したら、次はそれぞれの入口の「単価」と「再来率」を見ます。掲載サイト経由の新規は初回のクーポン価格で来ることが多く、単価が低く出ます。店頭の次回予約は単価が高く、当日キャンセルもほとんど出ません。同じ1件でも、入口によって店に残るものがまるで違います。件数だけを見て「ネット予約が増えたから順調」と判断すると、実際には単価の低い層に置き換わっているだけ、という状態を見落とします。

電話に寄せたままだと、どこで取りこぼすか

電話を主な入口にしている店で起きている取りこぼしは、大きく3つです。

1つ目は施術中の不在応答です。美容室の施術は長く、カットだけでも60分前後、カラーを含めば2時間を超えます。その間、手はほぼ塞がっています。薬剤を塗っている最中、ハサミを入れている最中に受話器は取れません。1人で回している店では、営業時間の大半が「出られない時間」です。

2つ目は営業時間外です。仕事帰りに「そろそろ切りたい」と思い出すのは夜です。ところが多くの美容室は20時前後に電話を締めます。思い出した瞬間に予約できない構造になっていて、翌朝には忘れられます。留守番電話に入れてもらう運用にしていても、留守電にメッセージを残す人は年々減っています。

3つ目は、空き状況を確認したいだけの電話に応じきれないことです。「今週の土曜の午後、空いていますか」という問い合わせは、答えるだけなら10秒ですが、台帳を開いて指名スタイリストの枠まで確認すると1分以上かかります。それが1日に何度も入ると、施術の集中が切れます。

・電話を取れない時間帯が、営業時間の中に構造的に存在する ・予約の意思が生まれる時刻と、電話を受けられる時刻がずれている ・「確認だけ」の電話が、施術の手を止めている

この3つはどれも、スタッフの努力や気配りでは埋まりません。組み方の問題です。

ネットに寄せたときに、美容室で起きること

では全部ネットに寄せればよいかというと、美容室にはネット予約と相性の悪い部分があります。相性の悪さを知らずに切り替えると、当日の現場が壊れます。

いちばん大きいのはメニューの選択です。飲食店の席予約と違い、美容室の予約は「何をするか」で所要時間が2倍から3倍変わります。お客様は自分の髪に必要な施術を正確には選べません。「カラーだけ」で予約が入ったのに、来店してみたら根元だけでなく毛先の色も抜けていて、追加の工程が必要になる。この差が30分積み重なると、その後の予約が全部後ろにずれます。

次に指名です。同じ「カット」でも、担当者によって所要時間が違います。経験の浅いスタッフは同じメニューでも時間がかかり、ベテランは巻きで終わります。全員同じ枠幅で公開すると、片方は常に遅れ、片方は空き時間を持て余します。

3つ目は、施術と施術の間の重なりです。カラーやパーマには薬剤の放置時間があり、その間は別のお客様の施術に入れます。この「重ねられる時間」を表現できない予約の枠を作ると、実際には受けられるはずの予約を断ることになります。逆に何も考えずに重ねると、放置時間が終わったお客様を待たせます。

ネットに寄せるという判断は、この3つを枠の設計で吸収できるかどうかにかかっています。吸収できないまま公開すると、予約は増えても現場が回らなくなります。

メニューの分け方が、そのまま予約枠の精度になる

枠の精度を上げる作業は、メニューの整理から始まります。美容室のメニュー表は、料金の掲示としては完成していても、時間の設計としては未整理なことが多いものです。

やることは3つです。まず全メニューに所要時間を割り当てます。次に、単独では成立せず必ず他と組み合わせるメニュー(トリートメント、ヘッドスパの短時間版など)を、単独メニューから外して追加項目にします。最後に、組み合わせたときの合計時間を実測して、単純な足し算より短く済む組み合わせを見つけます。カットとカラーを同じ来店でやる場合、シャンプーは1回で済むので、単純な合計より15分ほど短くなります。

・カットのみ、60分 ・カラーのみ、120分(うち放置25分) ・カット+カラー、150分(放置時間は同じ) ・縮毛矯正、180分から210分

数字は店とスタッフの技術で変わるので、自分の店で実測した値を使ってください。実測は難しくありません。1か月の間、伝票に開始と終了の時刻を書き足すだけです。感覚で置いた時間は、たいてい実際より短く見積もられています。

所要時間を整理すると、副産物として料金の見直しの材料も出てきます。時間あたりの粗利が極端に低いメニューが見つかることがあり、それは受け方ではなく値付けの問題です。

スタイリスト指名を、どこまで予約の形に持ち込むか

指名の扱いは、美容室の予約設計でいちばん判断が分かれる場所です。指名を細かく反映するほど、お客様にとっては正確ですが、店にとっては枠が埋まりにくくなります。

指名を強く反映する設計では、Aさんの枠が満席になった時点で、その時間帯は予約を受けられません。店全体としては席が空いているのに、です。逆に指名を弱くして「スタッフはお任せ」の枠を厚くすると、席の稼働は上がりますが、指名で来ていた常連が離れます。

現実的な折衷は、時間帯で分けることです。平日の昼間は指名を細かく受け、土日の混む時間帯は「お任せ枠」を一定数用意する。あるいは新規のお客様の枠だけをお任せにして、常連の指名は電話や店頭で直接受ける。どちらが合うかは、指名売上の比率で決まります。指名比率が高い店ほど、指名を正確に反映しないと予約の意味がなくなります。

もう1つ、アシスタントの扱いも設計に入れます。シャンプーやブローをアシスタントが担当する店では、スタイリストの手が空いていてもアシスタントが埋まっていれば受けられません。人ではなく工程で枠を持つ考え方が必要になり、ここは道具によってできることが大きく違う部分です。各社が何を枠として扱えるのかは、できることのページで扱える単位を確かめてから比べると早く済みます。

掲載サイトと自店の予約ページは、役割が違う

美容室の集客で悩ましいのが、大手の掲載サイトとの付き合い方です。ここは感情的になりやすい話題ですが、役割を分けて考えると整理できます。

掲載サイトの役割は、店を知らない人に見つけてもらうことです。検索して比較する新規のお客様は、掲載サイトに集まっています。そこに載せないという判断は、新規の入口を1つ閉じるということです。

自店の予約ページの役割は、一度来た人がもう一度来るときの入口になることです。すでに店を知っている人が、掲載サイトを経由して予約する必要はありません。それでも経由してしまうのは、単に他の入口を知らないからです。

費用の考え方も違います。掲載サイトは掲載料や送客の手数料がかかる仕組みで、金額や課金の方式は各社の公開ページで確認が必要です。プランは改定されるため、比べるときは必ず最新の料金表を見てください。自店の予約ページは固定の月額で、予約が増えても単価は上がりません。新規は掲載サイト、再来は自店、という分担にすると、増えた再来分に手数料が乗らなくなります。

移行の手順は乱暴にやらないことです。掲載サイトをいきなり止めると新規が止まります。まず自店の予約ページを用意し、来店時のカードやレシート、メッセージの返信に予約先を書き添えて、再来だけを少しずつ移します。半年かけて比率が入れ替われば十分です。

店頭の次回予約は、いちばん強い入口

見落とされがちですが、施術後にその場で次回を押さえる形は、どの入口よりも強い性質を持っています。無断キャンセルがほとんど出ず、単価が下がらず、送客の手数料もかかりません。

強い理由は、提案の根拠がその場にあることです。「今日の状態だと、根元が気になり始めるのは6週間後あたりです」という説明は、髪を見ながらでないとできません。時間が経つほど、この根拠は薄れます。

次回予約を運用に乗せるには、受け方の側に2つの条件が要ります。1つは、施術後の会計時に空き枠がすぐ見えること。台帳を奥から持ってきて開く動作が入ると、忙しい日には省略されます。もう1つは、その場で押さえた予約を後から変更しやすくすること。「予定が分からないから」と断られるのは、変更が面倒だと思われているからです。前日まで無料で変更できると先に伝えるだけで、受け入れられ方が変わります。

店頭で押さえた予約が、後からお客様自身の手元で確認できる形になっていると、さらに安定します。控えが紙のカードだけだと、財布の中で忘れられます。

台帳を1つにする。二重予約は入口が複数あるときに起きる

入口を増やすと、必ず出てくるのが二重予約です。掲載サイトの管理画面、自店の予約ページ、電話で書き込んだ紙の台帳。この3つが別々に存在すると、同じ枠を2回売ってしまいます。

二重予約は謝って済む失敗ではありません。片方のお客様には必ず断りの連絡をすることになり、その相手が新規だった場合、二度と来ません。

対策は、台帳を1つに決めることです。どこから予約が入っても、最終的に見る場所は1つにする。掲載サイト側の予約を自動で取り込めるかどうかは、道具によって差が大きい部分です。取り込めない場合は、店側で転記する運用になります。転記が発生する運用は、忙しい日に必ず飛びます。転記の有無は、比較の段階で必ず確かめてください。

・予約を書く場所が2つ以上あるなら、二重予約は時間の問題で起きる ・自動で取り込めない入口は、締め切り時刻を決めて手で写す ・写す作業を後回しにしない。当日中に必ず反映する

電話をゼロにしない。残す電話を決める

ネット予約に寄せる話をすると、電話を廃止する話だと受け取られることがありますが、美容室で電話を完全に閉じるのは現実的ではありません。

残すべき電話は3種類あります。当日の遅刻連絡、当日の体調不良によるキャンセル、そして高齢のお客様からの予約です。いずれも、緊急性が高いか、文字での手続きが難しいかのどちらかです。

減らせる電話は、それ以外のすべてです。空き状況の確認、次回の予約、日時の変更、道順の質問、営業時間の確認。これらは文字で答えられ、しかも同じ答えを何度も繰り返しています。

判断の材料として、1週間だけ電話の内容を記録してみると輪郭がはっきりします。正の字で数えるだけで構いません。多くの店で、予約以外の用件が全体の半分近くを占めます。その半分は、掲示や自動応答で処理できます。

受付の締め切りを、いつに置くか

当日予約をどこまで受けるかは、美容室では材料と準備の都合で決まります。カラーの薬剤は施術の直前に調合しますが、混む日は事前に段取りを組んでいます。直前の予約を無制限に受けると、その段取りが崩れます。

締め切りの置き方には3つの型があります。

・当日の受付を閉じる型(前日の何時までで締める) ・当日でも施術開始の2時間前までは受ける型 ・メニューごとに締め切りを変える型(カットは直前まで、縮毛矯正は前日まで)

3つ目がいちばん現場に合いますが、設定できる道具は限られます。少なくとも、短時間メニューと長時間メニューで締め切りを分けられるかどうかは、選ぶときの確認項目に入れてください。

締め切りを厳しくすると、当日の飛び込み需要を捨てることになります。逆に緩くすると、準備の時間が削られます。空き枠が多い曜日だけ締め切りを緩めるという運用もあり、ここは自分の店の稼働率を見て決める話です。

受け方を変えると、キャンセルの出方も変わる

入口を電話からネットへ移すと、キャンセルの性質が変わります。電話で予約した人は、声で店主とやり取りしているので、行けなくなったときの連絡率が高くなります。ネットで数分で取った予約は、心理的な結びつきが弱く、黙って来ない形になりやすい傾向があります。

これは道具の欠点ではなく、予約が簡単になったことの裏側です。手間が減れば、取り消す側の心理的な負担も減ります。

打ち手は、受け方を変えるのと同時に入れます。予約が入った直後に控えを文字で送ること、前日に自動で連絡すること、キャンセルの条件を予約の画面に書いておくこと。この3つは、ネット予約を始めるときにセットで用意するものです。後から足そうとすると、その間に無断キャンセルが積み上がります。

前日の連絡は、送る時刻の設計が要ります。夜遅くに送ると、その日のうちに反応が返ってきません。店の締め作業の前に届いて、変更の連絡を受けられる時刻に置くのが基本です。

顧客の情報を、どこに貯めるか

美容室は、来店ごとに情報が増える商売です。使った薬剤、前回の履歴、アレルギーの有無、好みの長さ、話しかけてよいかどうか。これらが1か所にまとまっていると、担当が代わっても同じ体験を返せます。

問題は、この情報が予約と別の場所にあることです。予約は掲載サイト、カルテは紙、連絡先はスタッフの携帯。この状態だと、予約の一覧を見ても「この人は誰か」が分かりません。

顧客の情報を扱う以上、取り扱いの決まりも要ります。誰が見られるか、退職したスタッフの端末に残らないか、といった点は、個人情報保護委員会が公開している事業者向けの案内で基本の考え方を確認できます。個人の携帯電話に顧客の連絡先が入ったまま人が入れ替わる状態は、規模の小さい店ほど起きやすく、そして起きたときに困ります。

・予約と顧客の記録が同じ場所にあるか ・スタッフごとに見える範囲を分けられるか ・辞めた人の端末に情報が残らない形になっているか

切り替えるときに失敗する型

受け方を変える作業で、うまくいかない店にはいくつか共通の型があります。

1つ目は、全部を同時に変える型です。掲載サイトを止め、電話を減らし、新しい予約ページを公開する。これを同じ月にやると、何が原因で予約が減ったのか分からなくなります。変えるのは1か月に1つです。

2つ目は、告知をしない型です。新しい予約の入口を作っても、お客様は知りません。来店時に一言添える、レシートに書く、店頭に掲示する。この地味な作業を3か月続けて、ようやく比率が動きます。

3つ目は、スタッフに使い方を伝えない型です。店主だけが新しい画面を触れて、他のスタッフは従来どおり紙に書く。すると台帳が2つに戻ります。導入の初日に、全員で1度は入力してみる時間を取ってください。

4つ目は、費用だけで選ぶ型です。月額の安さで選んだ結果、指名や所要時間を表現できず、現場が手作業で埋めることになる。埋めるのは店主の時間なので、月額との差は簡単に逆転します。

1人で回す店と、スタッフが複数いる店で、詰まる場所は違う

同じ美容室でも、規模によって受け方の弱点は変わります。ここを混ぜて考えると、他店の成功例が自分の店で再現しません。

1人で回している店の弱点は、時間帯そのものです。営業中は手が塞がり、営業後は疲れています。予約の確認や連絡を「あとでまとめてやる」と決めていると、その「あと」が閉店後の23時になり、翌日の朝に見落としが出ます。1人店では、人が介在しない自動の連絡をどれだけ増やせるかが、そのまま余力になります。指名の設計は不要なので、代わりにメニュー別の所要時間と締め切りだけを丁寧に作ります。

スタッフが3人から6人いる店の弱点は、情報の共有です。誰かが電話で受けた予約が、他の人に見えていない。休みの日のスタッフ宛に変更の連絡が入り、当日まで誰も気づかない。人数が増えるほど、予約の情報が人に紐づいて散ります。ここでの打ち手は、自動の連絡ではなく、全員が同じ画面を見る状態を作ることです。

・1人店の課題は時間。人手ではなく自動化で埋める ・複数人の店の課題は共有。1つの台帳に集約して埋める ・両方に共通するのは、入口を増やしすぎないこと

規模が変わる過渡期、たとえばアシスタントを1人採用した直後は、両方の課題が同時に出ます。この時期に受け方を大きく変えると混乱するので、採用の3か月前か、落ち着いた3か月後にずらすのが無難です。

変えた効果は、3つの数字で測る

受け方を変えたあと、うまくいったかどうかを感覚で判断すると、たいてい間違えます。見る数字を先に決めておいてください。

1つ目は、営業時間外に入った予約の件数です。電話だけだった頃はゼロだった数字なので、増えた分がそのまま取りこぼしの回収分になります。夜の21時から翌朝9時までの間に入った件数を、月ごとに並べます。

2つ目は、電話が鳴った回数です。減っていなければ、入口を増やしただけで負担は変わっていません。正の字で数えるだけで十分です。目安として、ネット予約を始めて3か月で件数の3割から4割が移れば、順調に切り替わっています。

3つ目は、再来までの日数の中央値です。受け方を整えると、次回の案内が届くようになり、間隔が縮みます。逆にこの数字が伸びているなら、予約は取れていても関係が薄くなっています。平均ではなく中央値で見るのは、久しぶりに来た1人が平均を大きく動かすためです。

この3つは、どれも道具の管理画面を見なくても手元で数えられます。数えられる形にしておくと、次に変える場所も自分で決められるようになります。

受け方を決めるために、先に確かめておく場所

ここまでの整理を踏まえて、道具を比べる段階に入るときに見ておく場所を挙げます。

まず、いま使っているものと何が違うのかです。乗り換える理由がないなら、そのまま使い続けるのが正解です。各社との違いを機能の単位で並べた他社との比較を見て、自分の店で詰まっている場所が解決されるかどうかだけを確かめてください。解決されないなら、変える必要はありません。

次に、扱える単位です。指名、所要時間、放置時間の重なり、メニューごとの締め切り。この記事で挙げた要素のうち、どれを枠として持てるのかはできることに整理されています。表現できない要素は、必ず人の手で埋めることになります。

費用は、月額だけでなく予約が増えたときの増え方まで見ます。件数で課金が上がる仕組みだと、繁忙期に費用が跳ねます。料金で固定なのか従量なのかを確かめてから、掲載サイトの手数料と並べて比べてください。

業態ごとの使い方は、同じ「予約」という言葉でも中身が違うことの確認に使えます。業種ごとの使い方には、施術の時間が長い業態と、席を短時間で回す業態で、枠の作り方がどう変わるかが分かれて書かれています。美容室は前者に属します。

画面の見え方は、説明を読むより触ったほうが早く分かります。会計しながら片手で空き枠を出せるかどうかは、実際に操作しないと判断できません。デモを見るから、店頭で使う場面を想定して触ってみてください。

細かい疑問は先に潰しておきます。既存の予約をどう移すか、掲載サイトの予約をどう扱うか、スタッフの人数が変わったらどうなるか。この種の質問はよくある質問にまとまっています。

最後に、決め方の順序をもう一度整理します。入口ごとの件数を数える、取りこぼしが出ている入口を1つ特定する、その入口の問題を解決する道具だけを比べる、1か月に1つだけ変える。この順序を守れば、機能一覧の前で迷う時間はほとんどなくなります。予約の受付から次の来店までを一続きに設計しておくと、入口を変えたときの影響も追いやすくなります。決済が必須でない業態に合わせて、予約の受付から次の来店までを一続きにしている形を選べば、美容室のように施術後の関係が続く商売では、入口の設計と再来の設計を別々に考えずに済みます。

Q1. 電話予約とネット予約は、どのくらいの比率にするのが普通ですか?

決まった正解はありません。指名比率が高い店ほど電話と店頭が残り、新規中心の店ほどネットに寄ります。まず直近1か月の予約を入口ごとに数えて、自分の店の現状を出してください。数えた結果と店主の感覚は、たいてい2割から3割ずれています。

Q2. 掲載サイトをやめて自店の予約ページだけにしても大丈夫ですか?

いきなり止めるのは勧められません。掲載サイトは新規の入口、自店ページは再来の入口と役割が違います。まず自店ページを用意して再来だけを移し、新規の入り方が変わらないことを半年ほど確認してから、掲載の継続を判断してください。

Q3. 予約枠の所要時間は、どうやって決めればよいですか?

感覚ではなく実測で決めます。1か月の間、伝票に施術の開始と終了の時刻を書き足すだけで十分です。感覚で置いた時間は実際より短いことが多く、そのずれが1日の後半の遅れになって表れます。スタッフごとに差があるなら、担当別に分けてください。

Q4. 二重予約を防ぐには、何を変えればよいですか?

予約を書き込む場所を1つに決めることです。掲載サイトの予約を自動で取り込めない場合は、締め切りの時刻を決めて当日中に必ず写す運用にします。転記を翌日に回すと、その間に入った予約とぶつかります。

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