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カイロプラクティック院のスタッフごとの予約枠|指名と手空きをどう見せるか
2026年9月15日・Rizaflow編集部

施術者が2人以上いるカイロプラクティック院で予約枠を作り直そうとすると、美容室向けに書かれた解説がほとんど役に立ちません。指名の考え方も、枠の上限の決まり方も、この業態は別の理屈で動いているからです。ベッドが何台あるか、施術のあと何分寝かせるか、その施術を誰が入れてよいのか。この3つが枠の形を決めます。ここでは、スタッフごとの枠をどう組み、どこまで外に見せるかを、順番に決められる形に並べます。
枠は「空いている時間の表示」ではなく「誰の手が空いているか」
まず前提を1つ入れ替えてください。予約枠は、営業時間の中の空き時間を並べたものではありません。「この時間、この人の手が空いている」という約束の一覧です。
1人で回している院では、この2つは同じ意味になります。院長の手が空いている時間が、そのまま院の空き時間です。施術者が2人になった瞬間に、この2つは分離します。同じ14時に、院長は埋まっていて、もう1人は空いている。このとき院の予約ページに「14時 空き」と1行だけ出すのか、「14時 山側担当 空き」と担当まで出すのか。この選び方が、その後の運用をほぼ決めます。
担当まで出さない形にすると、受ける側の裁量が残ります。誰に入れるかを院の側で決められるので、手空きを埋めやすい。ただし、来た人が「前回と違う人だった」と感じる場面が必ず出てきます。カイロプラクティックは、前回どこをどう動かしたかを踏まえて次を組み立てる施術です。担当が変わることの意味が、カットや整髪より重い業態だということを、設計の前提に置いてください。
担当まで出す形にすると、来る側は安心します。前回と同じ人を選べるからです。その代わり、院の側で枠を動かせなくなります。院長の枠だけが埋まり、新人の枠が空いたまま1日が終わる、という形が固定化します。
どちらが正解かは、通院の型で決まります。1回で終わる人が多い院なら、担当を出さない形でも不満は出ません。同じ人が8回、10回と通う院では、担当を出さないことのほうが不満の原因になります。自分の院の平均来院回数を数えてから、この分岐を選んでください。
枠の上限は、施術者の数ではなくベッドの数で決まることがある
美容室ならセット面の数、飲食店なら席数。カイロプラクティック院で同じ役割を果たすのは、施術ベッドの数です。
ここが見落とされやすいのは、施術者を1人増やすときです。人を採ったのだから枠が2倍になる、と考えて予約ページの枠を倍にする。ところがベッドが1台しかなければ、同じ時間に2人を入れることはできません。枠の上限は、施術者の数とベッドの数の、小さいほうで決まります。
さらにカイロプラクティック院では、ベッドの種類が枠を縛ることがあります。ドロップ機構の付いた台、特定の器具を使う台、うつ伏せで骨盤を見るための台。手技の内容によって使う台が決まっている院では、「ベッドは3台あるが、この施術に使える台は1台だけ」という状態が普通に起きます。この場合、同じ時間に入れられるその施術は1件です。
だから枠を組む前に、紙に表を1枚書いてください。縦に施術メニュー、横に台の種類。どのメニューがどの台を使うかに印を付ける。印が1つしかない行があれば、そのメニューは同時に1件しか受けられません。この表を作らずに枠を倍にすると、予約は入るのに当日に回らない、という形で必ず表面化します。
部屋が分かれている院では、もう1つ縛りが増えます。個室が2部屋で施術者が3人いる場合、3人目は施術に入れません。ベッドの数だけでなく、そのベッドが置かれた空間の数も数えてください。カーテンで仕切っているだけの院では、同じ時間に別の人の施術が聞こえます。自費の問診で込み入った話をする業態なので、この点を気にする人は一定数います。同じ時間に2件を入れないという判断を、あえて取っている院もあります。
施術のあとに寝かせる時間を、枠に含めるか外に出すか
カイロプラクティック院の枠が、他の業態と決定的に違うのがここです。施術が終わったあと、そのまま数分から10分ほど横になってもらう院があります。急に起き上がらないほうがよいという判断で、実務として広く行われている手順です。
この時間をどう扱うかで、枠の見え方が変わります。
施術者の手は、この間空いています。次の人の問診に入れます。ところがベッドは埋まっています。つまり「施術者は空いているがベッドは空いていない」という、他の業態ではあまり起きない状態が毎回発生します。
扱い方は3つあります。
・寝かせる時間も含めて1件の枠にする。30分の施術に10分足して、枠は40分で取る。いちばん安全で、当日の遅れが出にくい ・施術の枠は30分で取り、寝かせる場所を別の椅子やソファに移す。ベッドを空けられるので、台数の少ない院ではこちらが効く ・施術者の枠とベッドの枠を別々に持つ。理屈は正しいが、管理の手間が増えるので、施術者が4人以上いる院でないと割に合わない
1人院から2人体制になったばかりの院には、2つ目を勧めます。台数がボトルネックになりやすい規模だからです。ただし、休んでもらう場所を作るには待合の広さが要ります。物理的に無理なら、1つ目に戻ってください。
枠の長さを決めたら、その長さを守れているかを2週間だけ記録してください。予約の枠は40分で取っているのに、実際は毎回50分かかっている。この差は、1日6件で60分の遅れになります。夕方の枠に入れた人が、毎日待たされることになります。
手技の流派が違うと、同じメニュー名でも所要時間が変わる
施術者ごとに所要時間が違う。これはどの業態にもある話ですが、カイロプラクティック院では原因が違います。技術の習熟度だけでなく、学んだ手技の系統が違うからです。
手を使って関節を動かす系統、専用の器具で刺激を入れる系統、台の機構を使う系統。それぞれ手順の長さが違います。同じ「骨盤の調整」というメニュー名でも、施術者Aは25分、施術者Bは40分かかる、ということが普通に起きます。
ここで多くの院がやるのが、平均を取って枠の長さを揃えることです。これは両方にとって悪い結果になります。Aの枠には空白の時間が残り、Bの枠は毎回はみ出します。
正しいのは、施術者ごとに同じメニューの所要時間を変えられる形にすることです。予約の道具を選ぶときに、この点は確かめてください。メニューごとに時間を決められる道具は多いのですが、「施術者ごとに、同じメニューの時間を変える」ところまでできるかは、道具によって分かれます。できない道具を使っている院は、メニュー名を分けるという回避策を取ることになります。ただしメニュー名が増えると、予約ページを見る側が選べなくなります。
所要時間の差を放置したときに何が起きるかも、押さえておいてください。差が大きい施術者を指名した人だけが、毎回待たされます。待たされた記憶は、施術の満足度より長く残ります。指名が減っていく原因が施術の中身ではなく枠の長さだった、という例は珍しくありません。
資格によって、入れられる枠が分かれる院がある
柔道整復師や、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師の資格を持つ施術者と、そうでない施術者が同じ院にいる場合、枠の設計に法律の線が入ります。
あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律は、その業務を免許を受けた者に限っています。さらに同じ法律には、次の定めがあります。
何人も、第一条に掲げるものを除く外、医業類似行為を業としてはならない。ただし、柔道整復を業とする場合については、柔道整復師法(昭和四十五年法律第十九号)の定めるところによる。 出典: laws.e-gov.go.jp
つまり、院の中に並んでいるメニューのうち、誰でも入れるものと、資格を持つ人しか入れないものが分かれます。ここを予約の枠で担保しないと、予約の画面の上では入れられる形になっているのに、当日その人が担当できない、という事故が起きます。
対処は単純です。メニューごとに、担当できる施術者を指定できる形にしてください。資格が要るメニューは、資格を持つ施術者の枠にしか出さない。この設定ができない道具を使っている場合は、そのメニューを予約ページから外し、院内での案内だけにするほうが安全です。
複数の資格を持つ人が1人だけいる院では、その人の枠が実質的な上限になります。その1人が休む日は、そのメニューの枠を閉じる。シフトと連動しないと、この閉じ忘れが起きます。
なお、メニュー名と広告の書き方にも同じ法律の制限が関わります。この点は枠の設計とは別の話になるので、メニューを作り直すときに改めて確認してください。判断に迷う部分は、所管の窓口や専門家に確認するのが確実です。
指名の割合を数えてから、設計を始める
ここまでが物理的な制約の話です。ここからは、誰に入れるかの設計に入ります。
最初にやることは1つだけです。直近3か月の予約を、指名ありと指名なしに分けて数える。それだけです。
指名ありが8割を超えている院と、3割しかない院では、取るべき設計が正反対になります。
指名が8割を超えている院では、担当を外に出さない選択肢はありません。来る人は誰に見てもらうかで予約しているので、担当の見えない予約ページは使われません。この場合の課題は、指名が特定の1人に集中することです。
指名が3割の院では、担当を出さないほうが枠が埋まります。院として受ける形にして、誰を当てるかは院の側で決める。この形なら手空きを潰せます。ただし、通院回数の多い人が増えてくると、指名の割合は自然に上がります。3か月ごとに数え直して、割合が変わったら設計も見直してください。
数え方で1つ注意があります。予約の画面で担当を選べるようになっていない院では、そもそも指名の数が記録に残りません。この場合は、来院時に「前回と同じ人がよい」と言われた回数を、受付でしばらく数えてください。感覚で「半分くらい」と答えるのと、実際に数えるのとでは、たいてい結果がずれます。
担当の指定がない予約を、どの施術者に回すか
指名なしで入った予約を、その場で誰に割り当てるか。ここに明文の決まりがない院は、必ず院長に寄ります。受付が迷ったときに、いちばん安全な選択をするからです。
決めておくべき優先順位は3つです。
・その時間に手が空いていて、かつその日の担当件数がいちばん少ない施術者に入れる ・前回来院したときの担当が分かっている場合は、指名がなくてもその人に戻す ・初回の人は、初回対応を任せられる施術者に固定する
2つ目が、この業態では特に効きます。指名という言葉を使っていなくても、来る側は「前と同じ人」を期待していることが多いからです。予約時に指名の欄を埋めなかったことと、誰でもよいと思っていることは、別です。前回の担当を記録に持っていて、指名なしの予約に自動で当てられる形にしておくと、この期待を外しません。
3つ目は、初回の問診に時間がかかる業態だからです。初回は施術より問診と説明が重く、慣れていない施術者が入ると20分は余計にかかります。初回だけは院長か、経験のある施術者に寄せる。この設計は、指名の集中を助長するように見えますが、初回で通院の意思が決まる業態では合理的です。
院長に集中したとき、値段を下げる前にやること
施術者を増やしたのに院長の枠だけが埋まる。この状態はほぼ全ての院が一度通ります。
いちばん取られやすい対策が、新人の施術料を下げることです。これは短期的には枠が埋まりますが、副作用が2つあります。1つは、安いから選んだ人が、その施術者が値上げした時点で離れること。もう1つは、院として「この人の施術は院長より価値が低い」と表明したことになり、後から戻せなくなることです。
値段を触る前に試す手が3つあります。
・院長の枠を、意図的に減らす。週のうち1日を院長の予約を受けない日にして、その日は新人だけで回す。予約する側は、空いている枠から選ぶしかなくなる ・初回だけ院長が入り、2回目以降は新人に引き継ぐ形を、最初に説明しておく。引き継ぎを前提として伝えてあれば、担当が変わっても不満になりません ・新人の枠の時間を長めに取る。同じ料金で10分長く見てもらえる形にすると、値段を下げずに選ばれる理由を作れます
1つ目がいちばん効きますが、売上が一時的に落ちるので踏み切りにくい手です。その場合は、2つ目から始めてください。引き継ぎの説明を初回にしておくかどうかだけで、2回目の担当変更に対する反応がまったく変わります。
女性の施術者を指定したいという要望も、この業態では定期的に出ます。妊娠中や産後の来院、体に触れられることへの抵抗。理由はさまざまですが、確実にある需要です。予約の画面で施術者を選べるようにしておけば、電話で聞き直す手間が消えます。選べる形にしていない院では、この要望が予約の前の問い合わせとして電話に来ます。
シフトと予約枠は別物。どこで連動させるかを決める
働く時間の表と、予約を受ける枠は、同じものではありません。連動させる場所を1か所だけ決めてください。
シフトに合わせて枠が自動で開く形にすると、管理は楽になります。ただし、シフトに入っているからといって、その全時間が施術に使えるわけではありません。事務作業、掃除、器具の準備、勉強会。これらの時間まで予約枠として開いてしまうと、予約が入るたびに手で閉じることになります。
現実的なのは、シフトの中に「予約を受ける時間」を明示的に持つ形です。10時から19時まで勤務で、そのうち予約を受けるのは10時から13時と15時から18時。この区切りを先に作ってから、枠を開く。
急な休みのときに、入っている予約をどうするかも先に決めてください。カイロプラクティック院では、担当を差し替えれば済む場合と、差し替えると意味を失う場合があります。通院の途中の人ほど、後者に寄ります。連絡の文面を2種類用意しておいてください。別の施術者で受けられる場合の案内と、日程を変えてもらう案内です。当日に文面を考えると、必ず言葉が足りなくなります。
施術者が辞めるとき、予約と通院中の人がどう動くか
枠の設計で、最後に決めておくべきことがこれです。指名を受けている施術者が辞めるとき、その人に付いている予約と、通院の途中の人がどう動くか。
先に決めておくべきは3つです。
・退職の何日前から、その人の枠を閉じるか。目安は30日前です。すでに入っている予約は残し、新規の受付だけを止める ・通院の途中の人に、誰が引き継ぐかを事前に伝えるか。伝えないまま最終日を迎えると、次の予約を取る場面で初めて知ることになる ・回数券が残っている人の扱い。券は院に対して発行したものなので、担当が変わっても使えることを、先に文章で伝えておく
3つ目を放置すると、退職の連絡と同時に券の払い戻しを求められます。券の規約に「担当者の指定はできません」と書いてあるかどうかを、この機会に確認してください。
引き継ぎの記録も同じです。その人がどこをどう動かしていたかが記録に残っていなければ、引き継いだ施術者は初回からやり直すことになります。施術の記録を個人のノートに書いている院では、退職と同時にそれが消えます。記録を院の側で持つ形にしておくかどうかは、枠の設計と同じくらい重い判断です。
出張と訪問を併せている院は、移動時間を枠の中に持つ
院の中だけでなく、出張や訪問の施術を併せている院では、枠の設計にもう1つ層が乗ります。移動時間です。
施術40分の訪問に、片道30分の移動が付くと、その施術者はその時間帯に100分拘束されます。院の予約ページの上では「訪問40分」としか見えていない。この差を枠に反映しないと、訪問から戻った直後に院内の予約が入っていて、必ず遅れます。
対処は2つです。訪問のメニューを作るとき、所要時間に移動の往復を含めた長さで登録する。あるいは、訪問を受ける曜日と時間帯を固定して、その帯には院内の予約を開かない。後者のほうが単純で、崩れません。訪問先が地域的に散らばっている院では、訪問の日を曜日で固定し、同じ方面をまとめて回る形にしているところが多いはずです。
出張専門の施術者がいる場合は、その人の枠を院の枠とは別に持ってください。院内のベッド数の制約を受けないので、上限の考え方が違います。同じ画面で同じように扱うと、ベッドの計算が合わなくなります。
予約の入口が複数あると、担当の割り当てが崩れる
枠を丁寧に組んでも、入口が複数あると同じ場所で崩れます。
院の予約ページ、電話、掲載サイト、来院時のその場での次回予約。多くの院はこの4つを同時に使っています。このうち、担当を選べるのは自院のページと来院時の2つだけ、という状態になりがちです。電話と掲載サイトから入った予約は、担当が空欄のまま台帳に載ります。
空欄のまま載ると、前の節で決めた優先順位が働きません。受付が手で割り当てることになり、忙しい日ほど院長に寄ります。せっかく組んだ設計が、入口の1つによって無効になるわけです。
やるべきことは2つです。1つは、担当の空欄をその日のうちに埋める手順を作ること。朝の開院前に、前日入った予約の担当を全部埋める。5分で終わります。もう1つは、電話で受けるときに担当を必ず聞くことです。「ご希望の担当はございますか」と一言足すだけで、空欄は大きく減ります。
掲載サイトから入る予約については、担当の指定ができないサイトも多いため、院の側で埋めるしかありません。掲載サイトを主な入口にしている院ほど、担当の割り当てが院長に偏りやすい構造になっていることは、知っておいてください。
刻む単位は、いちばん短い施術メニューに合わせる
最後に、設計で陥りやすい型を1つ挙げます。枠を細かく刻みすぎることです。
15分刻みで枠を出せば、予約する側が選びやすくなる。そう考えて刻むと、逆のことが起きます。30分の施術を15分刻みの枠に載せると、10時15分に予約が入った時点で、10時と10時30分の枠が両方使えなくなります。細かく刻むほど、埋まり方が悪くなるのがこの構造です。
刻む単位は、いちばん短いメニューの長さに合わせてください。30分のメニューが最短なら、30分刻み。ここに45分のメニューを混ぜると、15分の空白が定期的にできます。その空白を埋めるために15分のメニューを作るか、あるいはメニューの長さを30分と60分の2本に揃えるか。後者のほうが、運用はずっと軽くなります。
出す枠の数も、全部を出す必要はありません。1日8件受けられる院でも、外に出すのは6件にして、2件は当日の飛び込みと急な悪化に備えて残しておく。この形を取っている院は多く、実務としては理にかなっています。ぎりぎりまで枠を開けると、通院中の人が急に悪化したときに入れる場所がなくなります。
何日先まで枠を出すかで、通院中の人の居場所が決まる
枠の刻み方と並んで決めておくべきなのが、どこまで先の枠を外に出すかです。
通院計画のある業態では、来院した日にその場で次の予約を取る人が多くなります。週2回を4週続ける計画なら、最初の日に8回分をまとめて押さえたい人もいます。ところが予約ページで30日先までしか枠を開いていないと、後半の予約が取れません。取れなかった分は「また電話します」になり、そのまま来なくなる人が出ます。
出す範囲は、いちばん長い通院計画の期間に合わせてください。計画が3か月なら、90日先まで開ける。ただし、そこまで開けると、シフトが未確定の期間まで枠が出ることになります。ここが悩みどころです。
解決は、出す範囲を来院者の種類で分けることです。初めての人が使う予約ページは30日先まで。通院中の人の次回予約は、院の側で90日先まで入れられるようにする。外に見せる範囲と、院の中で入れられる範囲を別に持つ、ということです。この2つを分けられるかどうかは、道具によって差が出ます。
先の予約が入っているほど、当日の取り消しは減ります。逆に、次の予約が入っていない人ほど、次に来る確率が落ちます。枠をどこまで出すかは、見た目の設定ではなく、通院が続くかどうかに直接効く判断です。
組み直した結果は、2回目の来院率にいちばん出る
枠を組み直したら、3か月後に4つの数字を見てください。
・施術者ごとの稼働率。開けた枠のうち、実際に埋まった割合 ・指名ありの予約の割合が、施術者ごとにどう動いたか ・当日のはみ出し時間の合計。枠の長さが実態と合っているかが出る ・初回の人が2回目に来た割合
4つ目が、枠の設計の成否をいちばん正確に映します。初回の担当を誰に固定したか、2回目の引き継ぎをどう説明したかが、この数字に出ます。ここが下がっているなら、枠の形ではなく、引き継ぎの伝え方に問題があります。
これらの数字を出すのに時間がかかるようなら、記録の持ち方から見直してください。担当ごとの稼働を数えるには、予約1件ごとに誰が担当したかが残っている必要があります。紙の台帳で運用している院では、この集計に半日かかります。半日かかる集計は、続きません。
ベッドと資格と指名を数え終えてから、道具を見る
ここまでの内容を、決める順番に並べ直します。ベッドと部屋の数を数えて上限を出す。寝かせる時間を枠に含めるか決める。施術者ごとの所要時間を測る。資格で分かれるメニューを洗い出す。指名の割合を数える。そのうえで、担当を外に出すかどうかを決める。この6つを終えてから、道具の設定に入ってください。順番を逆にして、道具の設定から入ると、道具のできることに枠が引きずられます。
道具の側で何ができるかはできることに整理されています。施術者ごとに時間を変えられるか、メニューごとに担当を限定できるかは、ここで確認できます。業態によって外せない条件が違うので、業種ごとの使い方も合わせて見ておくと、自院に近い形を見つけやすくなります。
ほかの道具との違いをどこで見るべきかは他社との比較にまとまっています。費用の考え方は料金にあり、施術者が増えたときに費用がどう動くかを、契約の前に確かめられます。実際の枠の見え方はデモを見るから触って確認できるので、受付に立つ人と一緒に見てください。細かい条件の確認はよくある質問で足りることが多いはずです。
枠の設計で押さえるべきことは、結局のところ1つに集約されます。決済が必須でない業態に合わせて、予約の受付から次の来店までを一続きにしている形を取れるかどうかです。誰がいつ担当したかが記録に残り、次の来院のときに同じ人へ戻せる。この一続きが切れていると、指名の設計も引き継ぎの説明も、その場かぎりの対応になります。
Q1. 施術者を1人増やしたら、予約枠は2倍にしてよいですか?
枠の上限は、施術者の数とベッドの数の小さいほうで決まります。ベッドが1台しかなければ、人が2人になっても同じ時間に2件は受けられません。さらに手技によって使う台が決まっている院では、そのメニューに使える台の数がそのまま上限になります。メニューと台の対応表を1枚作ってから、枠の数を決めてください。
Q2. 施術後に寝かせる時間は、予約枠に含めるべきですか?
台数の少ない院では、施術の枠は実施時間で取り、休んでもらう場所を別の椅子やソファに移すほうがベッドを空けられます。待合の広さが足りない場合は、寝かせる時間まで含めて1件の枠として取ってください。含めない設計にして場所も用意しないと、次の予約が入っているのにベッドが空かないという形で毎日詰まります。
Q3. 院長に指名が集中します。新人の施術料を下げるべきですか?
値段を触る前に3つ試してください。院長の予約を受けない日を週に1日作る、初回だけ院長が入り2回目以降は引き継ぐ形を最初に説明しておく、新人の枠の時間を長めに取る。特に引き継ぎを事前に伝えておくかどうかで、2回目の担当変更への反応が大きく変わります。値下げは戻せないため、最後の手段にしてください。
Q4. 指名のない予約は、誰の枠に入れればよいですか?
優先順位を3つ決めておいてください。その日の担当件数がいちばん少ない施術者に入れる、前回の担当が分かっていれば指名がなくてもその人に戻す、初回の人は初回対応を任せられる施術者に固定する。2つ目が特に効きます。指名欄を埋めなかったことと、誰でもよいと思っていることは別だからです。