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脱毛サロンのキャンセル料をどう決めるか|いつから、いくら、どう伝えるか

2026年9月10日・Rizaflow編集部

前日の夜に取り消しの連絡が入った。90分の枠がまるごと空く。規定は作ってあるが、この人は3回目の来店で、これまで一度も遅刻がない。請求するか、今回は見送るか。脱毛サロンのキャンセル料が難しいのは、金額を決める話ではなく、いつから取るのか、誰にも同じように当てられるのか、という運用の話だからです。ここでは光脱毛を扱う店に絞って、決めるべき項目を順に並べます。

脱毛サロンのキャンセル料には、2つの型がある

まず、脱毛の店で使われている形は2つに分かれます。金銭を請求する型と、コースの回数を1回消化した扱いにする型です。

金銭型は、飲食や宿泊と同じ考え方です。取り消しの時期に応じて、施術の代金の一部を請求します。都度払いで受けている店では、この形が自然に成立します。

回数消化型は、コースの契約を結んでいる人に対して使われます。すでに代金は受け取っているので、追加で請求するのではなく、契約の中に含まれている回数を1回使ったものとして扱います。

・金銭型……都度払いの店。取り消しの時期に応じて代金の一部を請求する ・回数消化型……コース契約の店。回数を1回使ったものとして扱う ・併用型……コースの人は回数消化、都度払いの人は金銭

多くの脱毛サロンはコースの契約が中心なので、実際には回数消化型が主流になります。ただしこの型は、金額を決めるより難しい部分があります。あとの節で順に見ます。

コース契約の店が、金銭を請求しにくい理由

コースの契約を結んでいる人から、当日の取り消しを理由にあとから現金を請求するのは、実務として無理があります。理由は3つです。

1つ目は、そのお金を受け取る場面がないことです。次に来店したときに施術の前に払ってもらう形になりますが、支払いのために来店した人ではないので、その場で断られれば施術に進めません。

2つ目は、契約のときに渡す書面に書いていない請求は、根拠が弱くなることです。脱毛の契約は特定商取引法でいう特定継続的役務提供にあたることが多く、契約の内容は書面で明示する義務があります。書面に書いていない負担をあとから足すと、揉めたときに説明できません。

3つ目は、金額が小さいことです。1回あたりの実質的な単価を計算すると、コースの総額を回数で割った額になります。取りに行く手間と、関係を壊す危険に見合いません。

だからこそ、コース契約の店では回数消化型が選ばれます。追加の請求ではなく、契約の中で完結するからです。

都度払いの店なら、金銭型で組める

都度払いで受けている店や、部位ごとに1回ずつ受け付けている店では、金銭型が使えます。この場合、決めるのは金額と時期の2つです。

金額の決め方には、いくつかのやり方があります。施術の代金に対する割合で決める形。定額で決める形。枠の長さに応じて変える形です。

・割合で決める……当日は代金の50パーセント、前日は30パーセント、といった形 ・定額で決める……時期に関わらず一律の額にする形 ・枠の長さで変える……全身の枠と部位だけの枠で額を変える形

脱毛は枠の長さの差が大きい業態です。120分の全身と20分のワキだけを同じ額にすると、長い枠を飛ばされたときの損が回収できません。枠の長さで変える形が実態に合います。

金額を決めるときの、法律上の考え方

キャンセル料の金額には、上限の考え方があります。消費者契約法は、解除に伴う損害賠償や違約金の定めについて、次のように規定しています。

当該消費者契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定める条項であって、これらを合算した額が、当該条項において設定された解除の事由、時期等の区分に応じ、当該消費者契約と同種の消費者契約の解除に伴い当該事業者に生ずべき平均的な損害の額を超えるもの、当該超える部分 出典: laws.e-gov.go.jp

要点は、平均的な損害の額を超える部分は効力を持たない、という点です。ここでいう平均的な損害とは、その店が同じような取り消しを受けたときに通常生じる損のことです。脱毛サロンの場合、当日に取り消された枠が埋まらないことが多いので、その枠で得られたはずの粗利が損の中心になります。

さらに、同じ条文の第2項では、金額の根拠について説明を求められたときに応じる努力義務も定められています。金額を決めるときに、なぜその額なのかを自分の言葉で説明できるようにしておくと、この点でも安心です。個別の事案でどこまでが適正かは事情によって変わるので、規定を作る段階で消費者行政の窓口や専門家に確かめてください。

回数消化型の、決めるべき中身

回数消化型を選ぶ場合、決める項目は金銭型より多くなります。

1つ目が、何回分を消化するか。無断で来なかった場合に1回、当日の連絡は0.5回、という段階を作っている店もありますが、0.5回という単位は契約の書面上で扱いにくいので、実務としては1回か0回のどちらかにするほうが揉めません。

2つ目が、部位ごとの契約でどう数えるか。全身のコースと、顔だけのコースを両方持っている人が飛んだ場合、どちらの回数を減らすのか。予約していた施術の内容に対応する回数を減らすのが自然ですが、その旨を書面に書いていないと、あとから説明できません。

3つ目が、期限との関係です。回数が減れば、期限内に消化できる回数も減ります。消化した扱いにするなら、その分だけ期限に近づくことを、通知の中で伝えておきます。

・消化する回数は1回か0回。0.5回のような単位は作らない ・複数のコースを持つ人について、どの回数を減らすかを書面に書く ・消化した記録を、その人の履歴に必ず残す ・残りの回数と期限を、消化のあとに本人が確認できるようにする

何時間前から取るか。線は3つのどこかに引く

時期の線は、実務では3つのどれかに落ち着きます。

1つ目が、当日の取り消しだけを対象にする形。前日までなら自由に変更できます。いちばん緩い設定です。

2つ目が、前日の営業終了時刻を境にする形。前日の閉店までに連絡があれば対象外、それ以降は対象。脱毛の店ではこの形が多く使われます。

3つ目が、48時間前を境にする形。厳しい設定ですが、枠が長い店や、待っている人が多い店では成立します。

どこに引くかは、飛んだ枠を埋め直せるかどうかで決まります。脱毛は当日に埋めるのが難しい業態なので、埋め直しの余地を残そうとすると線は早いほうへ動きます。ただし早くしすぎると、変更のたびに料金が発生する店だと受け取られて、予約そのものが減ります。

「前日まで」ではなく、時刻で書く

線を引いたら、書き方を決めます。ここで多くの店がつまずきます。

「前日まで」という書き方は、解釈が分かれます。前日の23時59分までなのか、前日の営業終了までなのか。客は前者だと思い、店は後者だと思っていると、必ずぶつかります。

書くなら時刻まで書きます。「来店日の前日、午後7時まで」という形です。営業時間が曜日で変わる店なら、「来店日の前日の営業終了時刻まで」と書いたうえで、予約が確定したときの通知に、その予約に対応する具体的な時刻を入れます。

・「前日まで」と書かない。時刻まで書く ・曜日で営業時間が変わる店は、通知の中で具体的な時刻を示す ・連絡の手段も書く。電話だけなのか、ページの操作でもよいのか ・時刻を過ぎた場合の扱いも、同じ場所に書く

連絡の手段を書いていない店も多い。営業時間外に取り消しの操作ができる形なら、締め切りの時刻を実質的に遅くできます。閉店後に思い立った人が、その場で操作できるからです。

例外にする条件を、先に決めておく

脱毛には、店の都合で施術を見送る条件があります。日焼けの直後、光に反応する薬を飲んでいる場合、予防接種の直後、体調の不良。VIOを含む契約では生理と重なった場合も含まれます。

これらの理由で来られない人に、キャンセル料や回数の消化を当てるかどうか。ここを決めていないと、その場の判断になります。

考え方は2つあります。1つは、施術を受けられない条件に当たる場合は対象外にする形。もう1つは、事前に連絡があれば対象外、当日の連絡や無断は対象、とする形です。

後者のほうが運用しやすい。理由は、施術を受けられない条件に当たっているかどうかを、店が当日に確認できないからです。日焼けは見れば分かりますが、来ていない人の日焼けは見られません。

・例外を「理由」で作らず、「連絡の時刻」で作る ・施術を受けられない条件は、予約の前に読める場所に置く ・生理の予定と重なりそうな人には、予約の段階で日程を寄せる案内をする ・災害や交通の途絶は、別枠で対象外にする

理由で例外を作ると、理由の真偽を店が判断する立場になります。判断できない以上、そこを基準にしないほうが公平に運用できます。

中途解約の精算と、どうつながるか

回数消化型を使う店が必ず確認しておくべきなのが、中途解約との関係です。

脱毛の契約が特定継続的役務提供にあたる場合、契約者は将来に向かって解約する権利を持ちます。解約したときの精算は、提供済みの役務の対価と、法令で定められた上限の範囲の額を合わせた形になります。エステティックの区分では、役務の提供が始まったあとの上限は、2万円か契約の残額の10パーセントのいずれか低い額と定められています。

ここで問題になるのが、キャンセル料として消化した回数を「提供済み」として数えるかどうかです。実際には施術をしていないのに提供済みとして精算すると、返す額が減ります。この扱いが妥当かどうかは、契約の書面にどう書かれているか、消化の運用が適正だったかによって変わります。

・消化した回数を、解約時の精算でどう扱うかを先に決める ・その扱いを、契約時の書面に書く ・消化した日付と理由の記録を、必ず残す ・判断に迷う部分は、消費者行政の窓口や専門家に確かめる

記録が残っていないと、解約の相談になったときに何も示せません。予約と契約の記録が同じ場所にあるかどうかが、ここで効いてきます。

クーリング・オフの期間中は、別に考える

契約を結んだ直後の期間についても、扱いを分けて考えます。特定継続的役務提供では、契約の書面を受け取った日から起算して8日の間、書面や電磁的記録による解除ができるとされています。

この期間中に予約が入り、その予約が取り消された場合、通常のキャンセル料の規定をそのまま当てることには慎重であるべきです。制度の趣旨と衝突する可能性があるためです。

実務としては、契約の直後の初回の施術については、キャンセル料や回数の消化を当てない運用にしている店が多い。初回は日程が固まりにくく、契約したその場で決めた仮の日付であることも多いからです。

未成年の契約での扱い

保護者の同意を得て契約している未成年の客について、キャンセル料の請求先をどう考えるか。ここも先に決めておきます。

請求の連絡を本人にだけ入れて、保護者が知らないまま話が進むと、あとで大きな問題になります。回数消化型であっても同じです。契約の内容が変わる話なので、保護者に届く経路を確保しておく必要があります。

・契約時に、連絡が届く保護者の連絡先を確認する ・回数の消化や請求が発生したときの通知先を、契約の書面に書く ・本人への連絡だけで完結させない ・具体的な扱いは、契約の内容と個別の事情で変わるため、専門家に確かめる

伝える場所は、4つある

規定を作っても、読まれていなければ効きません。置く場所は4つで、4つとも埋めます。

1つ目が契約のときに渡す書面。ここが根拠になります。2つ目が予約が確定したときの通知。契約から時間が経った人にも、予約のたびに目に入ります。3つ目が来店の前日のリマインド。ここには締め切りの時刻だけを短く入れます。4つ目が店内の掲示です。

・契約時の書面……根拠になる場所 ・予約確定の通知……予約のたびに目に入る場所 ・前日のリマインド……締め切りの時刻だけを短く ・店内の掲示……来店したときに目に入る場所

4つに書く内容が食い違っていないかを確かめてください。書面には「前日まで」、通知には「当日の午前中まで」と書いてあるような食い違いが実際に起きます。予約の受付から来店したあとの連絡までを同じ場所で扱う形にしておけば、文面を1か所直せば全部に反映されます。できることには、受付と通知をどこまで一続きに扱えるかがまとまっています。

予約が確定したときの通知に、何を書くか

4つの場所のうち、いちばん効くのが予約確定の通知です。書く内容を短く決めておきます。

日時と所要時間。施術する部位。取り消しと変更の締め切りの時刻。締め切りを過ぎた場合の扱い。連絡の手段。この5つで足ります。

長い規約の全文を貼らないでください。読まれません。5つを短く書いて、詳しい内容へのリンクを1つ置く形が、実際に読まれる形です。

遅刻の扱いを、取り消しと分けて決める

脱毛サロンで、キャンセル料と同じくらい相談が多いのが遅刻の扱いです。この2つを同じ規定にまとめている店がありますが、分けたほうが運用しやすい。

理由は、脱毛の施術時間が部位の数で決まっているからです。20分遅れて来た人に全身の照射をすれば、次の予約の人が待たされます。かといって全部を断るのも極端です。現実的なのは、遅れた分だけ照射する部位を減らして、その回を1回として数える形です。

・遅刻は取り消しとは別の規定にする ・遅れた時間に応じて、照射する部位を減らす ・部位が減っても、その回は1回として数えることを先に伝える ・何分の遅れから部位を減らすのかを、時間で書く

「その回は1回として数える」という部分を先に伝えていないと、施術が終わったあとに揉めます。予約が確定したときの通知に、所要時間と一緒に一行入れておくのが確実です。

変更と取り消しを、同じ扱いにしない

取り消しと、日程の変更は、店にとっての損の大きさが違います。取り消しは枠が空いたまま終わりますが、変更は別の日に来てもらえます。

同じ扱いにしている店では、変更したい人が取り消しを選びます。どうせ同じ料金なら、いったん消してから取り直すほうが早いからです。その結果、店は先の予定が読めなくなります。

・締め切りの後でも、日程の変更なら扱いを軽くする ・変更できる回数に上限を置く。何度も動かされると枠が読めない ・変更の受付を、操作だけで完結させる ・変更した記録を、その人の履歴に残す

変更の上限は、脱毛では特に意味があります。来店の間隔が決まっている業態なので、変更を繰り返されると次の予約の日程まで崩れます。1つの予約について変更は2回まで、といった線を引いている店が多い。

掲載サイトから入った予約に、自店の規定を当てられるか

集客の掲載サイトを併用している店では、そこから入った予約の取り消しの扱いに注意が要ります。掲載サイト側にも独自の規定があり、店の規定と食い違うことがあるからです。

食い違ったまま運用すると、客はどちらを見ればよいか分からなくなります。掲載サイトに「前日まで無料」と書いてあり、店の規定が「48時間前まで」だった場合、客は前者を信じます。

・掲載サイト側の規定を、実際に確認する ・食い違っているなら、店の規定を掲載サイト側に合わせるか、掲載を見直す ・掲載サイト経由の予約と、店の受け口からの予約で、扱いを変えるなら明記する ・2回目以降は店の受け口に移してもらい、規定を1つにそろえる

長い目で見れば、規定を1つにそろえるほうが運用は軽くなります。経路ごとに違う規定を運用すると、受付のたびに確認が必要になります。

例外を認めた記録を、必ず残す

規定を作っても、実際には見送る場面が出ます。それ自体は問題ありません。問題になるのは、見送った記録が残らないことです。

記録がないと、同じ人に何度も見送っていることに誰も気づけません。スタッフが複数いる店では、別の人がまた見送ります。結果として、その人だけ規定が存在しない状態になります。

・見送ったときも、その旨をその人の履歴に残す ・誰の判断で見送ったかを書く ・見送った回数が一定を超えたら、扱いを変える ・記録を残す場所は、予約の記録と同じ場所にする

判断する人を決めることも要点です。スタッフが判断してよい範囲と、店主に回す範囲を先に分けておくと、その場で止まりません。分けていない店では、判断できないスタッフがその場で対応できず、後日の連絡になり、伝えるのが気まずくなって、結局そのまま流れます。

分け方は難しくありません。交通の途絶や店の都合による変更のように、事実がはっきりしている場合はスタッフの判断で見送ってよい。体調や事情による申告で、同じ人が繰り返している場合だけ店主に回す。この2つに分けておけば、その場で判断できない件は月に数件に収まります。回す先が決まっていれば、スタッフは客を待たせずに「確認して連絡します」と言えます。

請求すると決めたときの、手順

金銭型を採用している店が、実際に請求する場面での手順も決めておきます。

その場で決めるのではなく、手順にしておくことが要点です。手順がないと、店主の気分や、その日の忙しさで対応が変わります。同じ状況で別の対応をした事実が1回でも出ると、規定そのものが機能しなくなります。

・取り消しが締め切り後に届いた時点で、自動の通知で扱いを伝える ・請求の額と根拠を、その通知に書く ・支払いの方法と期限を示す ・支払いがない場合の扱いを、あらかじめ決めておく

いちばん重要なのは1つ目です。締め切り後の取り消しに対して、その場で自動的に扱いが伝わる形にしておく。人が判断してから連絡する形にすると、判断が遅れ、伝えるのが気まずくなり、結果として運用されないまま終わります。

請求しないと決めた店が、代わりに置くもの

キャンセル料を取らないという判断も、まったく問題ありません。取らないと決めた店が代わりに置くべきものは3つです。

1つ目は、締め切りの時刻です。料金は取らないが、この時刻までに連絡してほしい、という線は引いておきます。これがないと、当日の連絡が普通になります。

2つ目は、繰り返した場合の扱いです。回数が続いた人に対して、予約の取り方を変える、次の予約を先に押さえない形にする、といった対応を決めておきます。

3つ目は、記録です。料金を取らないからこそ、誰が何回飛んでいるかを数えておく必要があります。数えていないと、対応を変えるべき人が誰なのか分かりません。

契約前のカウンセリング枠は、対象にしない

無料のカウンセリングを予約した人が来なかった場合、キャンセル料を請求できるか。ここは対象から外すのが実務の通例です。

理由は3つあります。1つ目は、まだ契約が成立していないので、料金を定める根拠になる書面がないこと。2つ目は、無料と案内している枠に対して料金を請求する形になるので、案内の内容と矛盾すること。3つ目は、他店のカウンセリングと同時に予約している人が一定数いて、選ばれなかっただけの人に請求することになるからです。

・契約前の枠は、キャンセル料の対象にしない ・その代わり、前日の連絡を厚くして来店の確度を上げる ・来なかった人への再案内は1回まで。それ以上は追わない ・カウンセリング枠の飛び方は、契約後の予約とは別に数える

カウンセリングの枠は60分ほど取る店が多く、飛ばれたときの損は小さくありません。ただしここを料金で締めると、申し込みそのものが減ります。締めるのではなく、前日の連絡と、行けなくなったときに押すだけで取り消せる入り口を用意するほうが返りが大きい。

金額を上げても、無断は減らないことがある

キャンセル料を上げれば取り消しが減る、という考え方は、部分的にしか当たりません。

料金が効くのは、来られることが分かっていて、面倒だから連絡しない層に対してです。忘れている層には効きません。忘れている人は、料金の存在も忘れています。言い出しにくい理由で連絡が止まっている層にも効きません。むしろ料金が高いほど、連絡するのが怖くなって無断になります。

・忘れている層には、料金は効かない。連絡の設計で減らす ・言い出しにくい層には、料金は逆効果になることがある ・料金が効くのは、連絡を面倒がっている層 ・上げる前に、いまの取り消しがどの層から出ているかを分ける

料金を上げる判断をするなら、その前に取り消しの内訳を数えてください。内訳を見ないまま上げると、来ていた人まで減ります。

規定を変えるとき、既存の契約者にどう当てるか

すでに契約している人がいる状態で規定を変える場合、新しい内容をそのまま当てられるとは限りません。契約のときに渡した書面の内容が、その人との約束だからです。

実務としては、新しい規定は新規の契約から当てて、既存の契約者には従来の内容を続けるのが安全です。既存の人にも当てたい場合は、内容を説明して同意を得る手順が要ります。

・新しい規定は、新規の契約から当てる ・既存の契約者に当てるなら、説明と同意の手順を踏む ・いつから変わるのかを、変更の1か月以上前に告知する ・契約ごとに、どの版の規定が当たるのかを記録に残す

来店の間隔が2か月ある業態なので、告知から次の来店までに時間がかかります。1週間前の告知では、ほとんどの人が知らないままになります。

決めたあとに、何を数えるか

規定を決めたら、それが実際にどう働いているかを数えます。見るのは4つです。

取り消しが届いた時刻の分布。締め切りの前に集まっているのか、後に集まっているのか。後に偏っているなら、締め切りの時刻が実態と合っていません。

締め切り後の取り消しに対して、規定を当てた件数と、見送った件数。見送りが多いなら、規定が現実に合っていないか、伝え方が足りていません。

規定を当てたあと、その人が次に来店したかどうか。当てた結果として関係が切れているなら、伝え方を変える必要があります。

取り消しの経路。ページの操作で取り消された件数と、電話で来た件数。操作で取り消せる形にしているのに電話が多いなら、入り口が見つかっていません。

この4つは、予約と通知と来店の記録が同じ場所にあって初めて出てきます。決済が必須でない業態に合わせて、予約の受付から次の来店までを一続きにしている形なら、取り消しが届いた時刻も、その後の来店も、同じ画面の中に並びます。紙の台帳では、取り消された予約は線を引いて消されるので、時刻どころか件数も残りません。

規定の中身より、規定が守られているかどうかを見られる状態のほうが先です。道具を比べる段階なら、他社との比較で受付だけを担うものと来店の後まで見るものの違いを確かめてください。費用の見当は料金、他の業態での組み方は業種ごとの使い方、画面の動きを触るならデモを見るが早い。規定を作るときに出てくる細かい疑問はよくある質問に並べてあります。

最後に順番を置きます。型を選ぶ。時刻で線を引く。4つの場所に同じ内容を書く。例外を理由ではなく時刻で作る。この4つが済んでいれば、その場で迷う場面はほとんどなくなります。

Q1. コース契約の脱毛サロンで、キャンセル料は現金で請求できますか?

実務としては難しい形です。すでに代金を受け取っているため受け取る場面がなく、契約時に渡す書面に書いていない負担をあとから足すと根拠が弱くなります。多くの店は、現金の請求ではなくコースの回数を1回消化した扱いにする形を選んでいます。都度払いの店なら金銭型が使えます。

Q2. キャンセル料の金額に、上限はありますか?

消費者契約法は、解除に伴う違約金のうち、同種の契約の解除で事業者に通常生じる平均的な損害の額を超える部分を無効としています。脱毛の場合は、埋まらなかった枠で得られたはずの粗利が損の中心になります。個別の事情で変わるので、規定を作る段階で消費者行政の窓口や専門家に確かめてください。

Q3. 生理や日焼けで来られない人からも、キャンセル料を取るべきですか?

理由で例外を作ると、その理由が本当かどうかを店が判断する立場になります。判断できない以上、例外は理由ではなく連絡の時刻で作るほうが公平に運用できます。締め切りまでに連絡があれば対象外、それ以降は対象、という形です。施術を受けられない条件そのものは、予約の前に読める場所に置いてください。

Q4. 締め切りは「前日まで」と書けばよいですか?

時刻まで書いてください。前日の23時59分までだと考える人と、前日の営業終了までだと考える人に分かれ、必ずぶつかります。曜日で営業時間が変わる店なら、予約が確定したときの通知に、その予約に対応する具体的な時刻を入れる形にすると誤解が起きません。

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