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エステサロンのスタッフごとの予約枠|指名と手空きをどう見せるか

2026年9月11日・Rizaflow編集部

エステサロンで「スタッフごとの予約枠」を作ろうとすると、途中で必ず行き詰まります。施術者が空いているのに部屋が埋まっている、部屋は空いているのに機械が別の客に使われている。人の予定表を並べただけでは、受けられる枠が出てきません。ここでは、エステの枠が何によって決まっているのかを分解したうえで、指名をどう扱い、手空きの時間をどこまで客に見せるかを順に決めていきます。

エステの枠は、人が空いているだけでは成立しない

美容室の予約枠は、おおむね施術者の予定表と一致します。席は人数分あり、シャンプー台は共用でも回ります。エステは違います。1つの枠が成立するには、少なくとも3つの資源が同時に空いている必要があります。

・施術する人 ・個室、またはベッドとカーテンで区切られた区画 ・その施術に使う機器

このうち最も少ないものが、その時間に受けられる客の数の上限になります。施術者が3人いても個室が2つなら、同時に受けられるのは2人です。ハンドの施術だけなら3人目を入れられますが、機械を使うコースが重なった瞬間に詰まります。

枠を設計するときに最初にやるべきなのは、この3つを別々に数えることです。紙に3行書いて、それぞれの数を入れてください。多くの店で、頭の中では人数だけを数えていて、部屋と機器が数に入っていません。だから予約表の上では入るのに、当日になって回らないという事態が起きます。

いま何が最初に埋まっているかを、1週間の予定表で確かめる

どれが足を引っ張っているかは、店によって違います。1週間分の予約表を印刷して、時間帯ごとに次の3つを数えてください。

・その時間に稼働していた施術者の数 ・その時間に使われていた部屋の数 ・その時間に使われていた機器の数

土曜の14時から18時のように、混む時間帯だけで構いません。3つのうち、上限に張り付いている項目が1つ見つかります。それがボトルネックです。

ここを間違えると、対策が全部空振りします。部屋が足りていないのにスタッフを増やしても、枠は1つも増えません。逆に、部屋が余っているのに枠を絞っている店では、施術者の休憩の入り方を変えるだけで2枠から3枠増えることがあります。

もう1つ数えてほしいのが、断った予約の数です。電話で「その時間は埋まっています」と答えた回数を、1週間だけ正の字で記録してください。断った時間帯とボトルネックの時間帯が一致していれば、そこに手を入れる価値があります。一致していなければ、枠の問題ではなく集客の問題です。

機器が1台しかない店で、枠がどう詰まるか

エステの機器は高額です。ハイフ、キャビテーション、ラジオ波、光の照射機。どれも複数台を揃えられる店は多くありません。1台しかない機器を使うメニューは、その機器の予定表がそのままメニューの上限になります。

厄介なのは、機器には連続で使えない事情があることです。冷却が必要な機種、ジェルの補充や交換に時間がかかる機種、照射のカートリッジに寿命がある機種があります。カタログ上の施術時間だけで枠を刻むと、実際には間に合いません。

やるべきことは2つです。1つは、機器ごとに「施術時間+次に使えるようになるまでの時間」を実測すること。ストップウォッチで1回測れば済みます。もう1つは、その合計時間を枠の単位として持たせることです。30分の照射に10分の準備と片付けが要るなら、枠は40分で刻みます。

機器を資源として持たせられる予約の仕組みなら、この制約はそのまま設定できます。持たせられない場合は、機器を使うメニューをスタッフ枠のほうに紐づけて、事実上その機器を扱える人を1人に固定する運用でしのぐことになります。ただしこの方法は、その人が休んだ日にメニュー全体が止まるという副作用を持ちます。

部屋が2つあっても、同じ2つではない

部屋を数えるとき、数だけを見ると設計を誤ります。エステの個室は、たいてい中身が違います。

・シャワーが付いている部屋と、付いていない部屋 ・大きな機器が据え置きになっている部屋と、何も置いていない部屋 ・ベッドが2台入る部屋と、1台しか入らない部屋 ・防音がしっかりしている部屋と、隣の音が抜ける部屋

痩身の後にシャワーを使うメニューは、シャワー付きの部屋でしか受けられません。据え置きの機器を使うメニューは、その部屋に固定されます。つまり、部屋は2つあっても、あるメニューにとっては1つしかないのと同じです。

やることは、部屋ごとに使えるメニューの一覧を作ることです。施術者とメニューの表を作ったのと同じ要領で、部屋とメニューの表を作ります。この2枚が揃うと、枠が成立する条件が機械的に出せるようになります。予約の仕組みの側に部屋を資源として持たせられるなら、そのまま設定に移せます。持たせられない場合は、部屋を担当者の一種として登録しておく方法で代用できます。

もう1つ、部屋の割り当てを誰が決めるかも先に決めてください。当日その場でスタッフが判断していると、シャワー付きの部屋を先に埋めてしまい、後から入った痩身の客を入れられなくなります。予約を受ける時点で部屋が決まる形にしておくのが確実です。

施術時間の外側に、必ず要る時間がある

エステの枠でいちばん見落とされるのが、施術の前後です。客が来てから帰るまでの間に、施術以外の時間がかなり入ります。

・受付とカルテの記入 ・着替え、貴重品の預かり ・カウンセリングと当日の体調確認 ・施術 ・シャワー、着替え、パウダールームでの支度 ・会計、次回の予約

90分のコースが、実際には120分の枠を占めるのは普通のことです。加えて、店側にも次の客までにやることがあります。ベッドの消毒、タオルとシーツの交換、使った器具の洗浄、床の拭き上げ。これが10分から15分

枠を作るときは、この2種類の時間を分けて持たせてください。客が占有する時間と、施術者が拘束される時間と、部屋が使えない時間は、それぞれ長さが違います。シャワーを浴びている間は施術者の手が空くので、その時間に別の客のカウンセリングを入れられる店もあります。3つを同じ長さで刻んでいる限り、この余地は見つかりません。

エステの指名は、美容室の指名と意味が違う

指名の扱いを決める前に、エステでの指名が何を指しているかを整理しておく必要があります。

美容室の指名は、仕上がりの好みに対する指名です。エステの指名は、体に触れられる相手に対する指名になります。下着姿になり、うつ伏せで顔を伏せ、施術中は動けません。誰に任せるかの重みが違います。加えて、痩身やフェイシャルは10回20回のコースで通うので、同じ人が担当し続ける前提で契約が始まっていることが多い。

この違いが、2つの実務上の結果を生みます。1つは、指名が固定されやすいこと。一度決まると、他の施術者に移りにくくなります。もう1つは、担当が変わったときの反応が強く出ることです。美容室なら「今日は別の人でもいいです」となる場面で、エステでは「では今日はやめておきます」になり、そこから解約の相談に進むことがあります。

だから枠の設計では、指名を集客の道具ではなく、契約を維持するための仕組みとして扱ってください。指名料で差をつけるより、担当が確実に取れる状態を保つほうが、店の収入に効きます。

指名の割合ではなく、固定されている度合いを数える

指名率という言い方をよく聞きますが、エステで見るべきなのはそこではありません。見るべきは、同じ客が同じ人に何回続けて入っているかです。

コース契約者の一覧を出して、直近5回の担当者を並べてください。全部同じ人になっている客が何割いるかを数えます。この割合が高い店は、その人の枠が埋まった瞬間に予約が入らなくなる構造を抱えています。割合が低い店は、担当を替えても回るので、枠の設計に自由が利きます。

この数字が高い店で、次に確かめるのは偏りです。1人の施術者に固定客が集中していないか。集中している場合、その人が辞めたり産休に入ったりしたときに、店の売上のどれくらいが動くかを計算しておいてください。3割を超えているなら、いまのうちに担当の分散を始める必要があります。

分散のやり方は、無理に担当を替えることではありません。コースの中の一部の工程だけを別の人が担当する形を作り、客に他の施術者を知ってもらうところから始めます。

施術者の1日の上限は、時間ではなく体力で決まる

痩身のハンド施術を1日に何件までできるか。これを労働時間から逆算すると、必ず無理な枠が出来上がります。全身のリンパやオイルのトリートメントは、施術者の体力を大きく使います。4件を超えると質が落ちる、という話は現場でよく聞きます。

対処は、枠の側に上限を持たせることです。「1日に受けられる痩身コースは3件まで」という条件を、時間割とは別に持たせます。時間の上では入るけれど、それ以上は入れさせない。この設定ができる仕組みなら設定で済みますが、できない場合は、その施術者の予定表に最初からダミーの予定を置いて埋めておく方法があります。

同時に、重い施術と軽い施術の並び順も決めておきます。全身の後にすぐ別の全身を入れない、間にフェイシャルか機械を使うメニューを挟む、といった順番の制約です。これは枠の設定というより、予約を受けるときの並べ方の判断になります。誰が予約を受けても同じ判断ができるように、順番の原則を紙に書いておいてください。

有資格者でなければ持てない枠が、あるかどうか

エステティシャンには国家資格がありません。民間の認定はありますが、それがなければ施術できないという法律上の仕組みはない。一方で、やってはいけないことの線ははっきりしています。

医師でなければ、医業をなしてはならない。 出典: laws.e-gov.go.jp

この一行が、エステの施術範囲の外側の壁になっています。針を使う、皮膚を傷つける、医療用の機器で照射する。こうした行為は医業にあたり、エステサロンで行うことはできません。店として扱えるメニューが決まれば、そのメニューを誰が担当できるかも決まります。

そのうえで、店内の技術認定を作るかどうかが枠の設計に効いてきます。同じ「フェイシャル」でも、扱える機器と工程が人によって違うのが普通です。この差を枠に反映させないと、予約は入ったのに担当できる人がいない、という事態が起きます。

やり方は単純です。メニューの一覧と施術者の一覧を縦横に並べた表を作り、担当できるところに丸を付けます。この表がそのまま、誰の枠にどのメニューを出すかの設計図になります。新しい機器を入れたときは、この表を更新するまで予約を公開しない。それだけで、当日の取り違えは起きなくなります。

カウンセリングの枠を、施術の枠と分けて持つ

エステの新規客は、いきなり施術には入りません。カウンセリングがあり、体の状態を確認し、コースの説明があり、そのうえで施術に入ります。初回の所要時間は、2回目以降の1.5倍から2倍になることが多い。

これを同じ枠で受けていると、初回の客が入った日だけ予定が崩れます。初回専用の枠を、時間の長いものとして別に作ってください。作る位置も重要です。閉店間際に初回を入れると、説明の途中で時間切れになります。午前中か、午後の早い時間に置くのが妥当です。

カウンセリングだけを単独で受ける枠も、分けて持つ価値があります。施術を伴わないので部屋も機器も使わず、短い時間で済み、契約に繋がる可能性が高い。この枠を用意していない店は、相談したいだけの客を体験メニューに押し込むことになり、結果として施術の枠を1つ潰します。

新人の枠を、どこから開けていくか

新しく入った施術者の枠は、開けても埋まりません。指名が付いていないうえに、エステでは技術の差が結果に出るので、客が選ぶ理由がないためです。ここで慌てて価格を下げると、後から戻せなくなります。

順番として現実的なのは、次の3段階です。

・第1段階は、他の施術者が担当している客の一部の工程を持つ。クレンジングや仕上げのパックといった、結果への影響が小さい部分から入る ・第2段階は、体験メニューと、短いフェイシャルの単発を持つ。ここで新規の客と1対1で向き合う時間を作る ・第3段階で、コースの担当を持つ。ここまで来て初めて、独立した枠として公開する

各段階の期間を先に決めておくと、本人にも見通しが立ちます。「3か月で第2段階」といった目安を伝えておけば、いつまで補助なのかという不安が消えます。

枠の設計としては、第2段階の間だけ「新人が担当する枠」を時間帯を限って出す形が扱いやすい。平日の昼など、埋まりにくい時間帯に置きます。ここで大事なのは、その枠に入った客に対して、担当が誰になるかを予約の時点で明示しておくことです。当日になって知らされると、指名の店では不信につながります。

2人がかりの施術を、枠としてどう持つか

エステでは、1人の客に2人の施術者が同時に付くことがあります。全身を2人で施術する形、ヘッドと足を同時に施術する形、機械を当てながら別の部位をハンドで施術する形。所要時間が短くなり、単価も上げられるので、扱っている店は少なくありません。

この枠は、予約の仕組みの上では扱いにくい形です。多くの仕組みは「1つの予約に1人の担当」を前提にしているため、2人目をどう押さえるかが問題になります。回避の仕方は3つあります。

・2人組を1つの担当として登録する。「ペア施術」という名前の枠を作り、その枠が埋まったら両方が塞がる形にする ・メニュー側の所要時間を実際の2倍で持たせ、片方の予定表だけを埋める。もう1人の予定は手作業で押さえる ・その施術を受けられる曜日と時間を最初から限定し、その時間だけ他の予約を入れない

3つのうち最初の形がいちばん崩れません。ただし、ペアを組む2人の休みが違う日は枠を出せなくなるので、シフトを組む段階でペアの日を先に決めることになります。

業務委託や面貸しの施術者がいると、枠の持ち主が変わる

店に業務委託の施術者が入っている場合、枠の考え方が変わります。雇用している場合と違い、店側が時間を細かく指定できる立場ではないためです。

実務としては、枠の公開の仕方を分けます。委託の施術者については、本人が入れる時間を申告してもらい、その範囲だけを店の枠として出す。予約が入ったら本人に通知が飛ぶ形にしておき、店側が勝手に予定を動かさない。

ここで注意が要るのは、コース契約との関係です。客と契約しているのは店なので、委託の施術者が抜けたときも提供の義務は店に残ります。特定の施術者しか担当できないメニューをコースに組み込むと、その人が抜けた瞬間に提供できなくなります。委託の人に依存するメニューは、単発で売り、コースには入れない。この線引きを先にしておくと、後で困りません。

なお、委託と雇用のどちらにあたるかは、契約書の名前ではなく実態で判断されます。時間や進め方を細かく指示している場合の扱いについては、断定を避け、労働基準監督署や社会保険労務士に確認してください。枠の設計の話とは別の問題として、先に整理しておくべき点です。

予約の入口が複数あると、枠は必ずずれる

枠をどれだけ丁寧に設計しても、入口が複数あるとずれます。電話、店頭での次回予約、掲載サイト、自店の予約ページ、メッセージアプリ。エステでは、この5つが同時に動いている店が珍しくありません。

ずれ方は決まっています。掲載サイトに出している枠と自店の枠を別々に管理していると、同じ時間に2件入ります。店頭で次回を取ったが台帳への転記が漏れると、その時間に別の予約が入ります。どちらも、部屋と機器が1つしかないエステでは、当日その場で解決できません。

対策は1つです。枠の正の記録を1つに決めて、他の入口から入った予約もそこへ集めること。掲載サイトを併用するなら、そこに出す枠の数を最初から絞り、自店側と重ならない時間帯に限定する方法もあります。

そして、店頭での次回予約をその場で記録に入れる形にしてください。会計のときに紙のカードを渡して終わりにすると、必ず転記が漏れます。会計の画面でそのまま次回の枠を押さえられる形なら、この漏れは構造的に起きなくなります。

手空きの時間を、どこまで客に見せるか

枠を公開すると、店の内側が見えます。土曜の14時が3枠とも空いていることが分かると、繁盛していないように見えるのではないか。この不安から、公開する枠を絞る店があります。

判断の基準は、その枠が実際に埋まる見込みがあるかどうかです。埋まる時間帯なら、絞っても問題ありません。埋まらない時間帯を隠すのは、予約を受ける機会を捨てているだけです。

現実的な折衷案が3つあります。1つは、公開する枠の数を時間帯ごとに変えること。空いている時間帯でも表示は2枠までにして、埋まったら次を出す。2つめは、担当者名を出さずに時間だけ公開すること。誰が空いているかは見せず、店として受けられる時間だけを見せます。3つめは、直近2日以内の枠だけ広く公開し、それ以降は絞ることです。

どれを選ぶにせよ、決めた条件を書き出して固定してください。日によって公開の仕方を変えていると、常連が「いつも空いていない店」だと認識してしまいます。

空いてしまった枠を、どの順番で埋めるか

当日のキャンセルで枠が空いたとき、誰に声をかけるか。この順番を先に決めておくと、その場の判断が要らなくなります。

順番の候補は次の通りです。

・コース契約者で、期限が近く残数が多い人 ・すでに次回の予約が入っていて、前倒しできる人 ・以前に「キャンセルが出たら教えてほしい」と言っていた人 ・体験の申し込みが保留になっている人

エステでは1つめが強く効きます。期限までに使い切れない客にとって、急な枠は歓迎されます。しかも店から見れば、前受けした分の消化が進むので、未消化の残高が減ります。

声のかけ方も決めておきます。全員に一斉に送ると、先着で埋まったあとに断りの連絡をする手間が出ます。上から順に個別に送り、返事の期限を短く切るほうが、結果として手間が少なくなります。

シフトと枠は、どちらを先に決めるか

シフトを組んでから枠を出す店と、枠を出してからシフトを合わせる店があります。エステでは前者が基本になります。部屋と機器という物理的な制約があるので、人を先に決めないと枠の数が確定しないためです。

ただし、前者だけで回すとシフトが硬直します。翌月のシフトが確定するまで翌月の予約が受けられず、コース契約者の「2週間後の同じ時間」が取れなくなる。エステの客は周期で通うので、これは取りこぼしに直結します。

折衷として、次の形が現実的です。定期的に来る客の枠を先に固定し、それを前提にシフトを組む。空いた部分を新規と体験に開放する。つまり、コース契約者の予定を先に置き、シフトをそこに合わせるということです。この形にするには、誰がいつ来る予定かが一覧で見える必要があります。予約の記録と契約の残数が別の場所にあると、この作業は毎月の重い手作業になります。

施術者が辞めたとき、コース契約者の枠がどうなるか

美容室と決定的に違うのがここです。エステのコース契約は、店と客の間で結ばれています。担当していた施術者が辞めても、契約は残ります。残った回数を提供する義務も、店に残ります。

だから、辞める話が出た時点でやることが3つあります。1つは、その人が担当しているコース契約者の一覧を出すこと。何人が、あと何回、いつまでの期限で残っているかを把握します。2つめは、引き継ぐ担当者を決めて、辞める前に一度は同席させること。いきなり別の人になるより、確実に離脱が減ります。3つめは、引き継ぎ後に最初の1回が終わるまで、その客の予約が入っているかを追いかけることです。

このとき、担当者の予定表しか記録がない状態だと、辞めた人の予定表ごと情報が消えます。契約と残数と次回の予定が客ごとに紐づいていれば、担当を付け替えるだけで済みます。枠の設計をするときは、この場面を想定して「担当は枠に付ける情報であって、契約に付ける情報ではない」という形にしておいてください。

枠を細かく刻みすぎたときに起きること

15分刻みで枠を出すと、予約は取りやすくなります。ただしエステでは、この細かさが裏目に出ることがあります。

理由は2つです。1つは、細かく刻むと施術と施術の間に半端な空白が量産されること。45分の空白は、どのメニューにも使えません。2つめは、部屋と機器の制約と噛み合わないことです。人の予定表だけを細かく刻んでも、部屋が90分単位で埋まっていれば、刻んだ意味がありません。

現実的なのは、その店の主力メニューの所要時間を基準にして、その約数で刻むことです。主力が90分なら、30分刻み。60分なら、30分刻みか20分刻み。刻みを細かくするのは、短いメニューを増やしたいときだけにしてください。

刻みを決めたら、次に受付の締め切りを決めます。何時間前まで受け付けるか。エステは準備が要るので、直前の予約を受けると回りません。2時間前を目安に、機器を使うメニューはもう少し長めに取るのが安全です。

変えた後に、何を見て判断するか

枠の設計を変えたら、次の3つの数字を月ごとに追ってください。

・部屋の稼働率。開いている時間のうち、部屋が使われていた時間の割合 ・断った予約の件数。減っているかどうか ・同じ担当者に入り続けている契約者の割合

1つめが上がっていれば、ボトルネックの見立てが合っていました。上がっていないのに断りが減っていないなら、直したところが原因ではありません。3つめは、担当の分散が進んだかどうかの答えになります。

この3つを出すには、予約と担当と契約の残数が同じ場所にある必要があります。予約は紙の台帳、担当はシフト表、契約はエクセルという分かれ方をしていると、集計そのものが月末の作業になり、続きません。何をどこまで持たせられるかはできることにまとまっていて、他の仕組みとの違いを条件ごとに並べたものが他社との比較にあります。

料金の段がどこで変わるかは料金で確認できます。担当ごとの枠が実際にどう見えるかはデモを見るで画面のまま試せます。エステ以外の業態で枠の作り方がどう変わるかは業種ごとの使い方に、運用に入ってからの細かい点はよくある質問に整理されています。決済が必須でない業態に合わせて、予約の受付から次の来店までを一続きにしている形であれば、担当の付け替えや次回の案内は、枠の設定と同じ場所で完結します。

枠の設計は、人の予定表を並べる作業ではありません。人と部屋と機器のうち、いちばん少ないものを見つけて、そこに合わせて他を組み直す作業です。順番を逆にすると、どれだけ細かく設定しても当日の予定は崩れ続けます。

Q1. スタッフごとに枠を分けると、かえって予約が入りにくくなりませんか?

入りにくくなる場合があります。分けた枠の合計が、店として受けられる数を下回るときです。エステでは部屋と機器の制約があるため、人ごとに枠を割ると片方が余ります。担当を出さずに店としての空き時間だけを公開し、担当は受けた後で割り振る形にすると、この目減りを避けられます。

Q2. 指名料を取るべきでしょうか?

エステでは、指名料より担当の固定を優先するほうが収入に効きます。コースで通う客は同じ人に任せる前提で契約していることが多く、指名料をかけると別の店に移る理由を作ることになります。取る場合は、金額よりも、いつどの画面で伝えるかを先に決めてください。

Q3. 1日に入れられる施術の件数は、どう決めればよいですか?

労働時間から割り算せず、施術ごとの負荷で決めます。全身のハンド施術は体力を大きく使うため、4件を超えると質が落ちるという話が現場ではよく出ます。件数の上限を枠の条件として持たせ、重いメニューが連続しない並べ方の原則も紙に書いておいてください。

Q4. 担当していたスタッフが辞めるとき、まず何をすればよいですか?

その人が担当しているコース契約者の一覧を出し、残数と期限を把握するところから始めます。契約は店と客の間にあるので、担当が抜けても提供する義務は残ります。引き継ぐ人を決めて辞める前に一度同席させ、引き継ぎ後の最初の予約が入るまで追いかけてください。

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