guide
まつげエクステサロンのキャンセル料の決め方|いつから、いくら、どう伝えるか
2026年9月11日・Rizaflow編集部
まつげエクステサロンでキャンセル料を決めようとすると、金額そのものより、何を根拠にするかで手が止まります。材料はほとんど減っていない、来ていない人にお金を請求するのは気が引ける、他店の掲示を真似ただけでは自分の言葉で説明できない。ここでは、失っているものを分解するところから始めて、いつから取るか、いくらにするか、どこに書いて、どう同意を得るかまでを順に決めていきます。
キャンセルで失っているものを、正しく数える
まず、何を失っているのかを言葉にします。ここが曖昧なままだと、金額を決めても説明できません。
まつげエクステで失われる主なものは時間です。付け放題であれば120分前後、リペアでも60分前後を確保しています。その時間に他の方を入れることはもうできません。
材料はほとんど減りません。エクステもグルーもテープも、使っていなければ次の方に使えます。飲食店のように仕込んだ食材が無駄になる構造とは違います。ここを混同して「材料費がかかっている」と説明すると、実態と合わなくなります。
一方で、見えにくい損失があります。その枠を希望した別のお客様を、すでに断っている可能性です。土曜の午前のように埋まりやすい時間帯では、これが現実に起きています。
さらに、一人で回している店では代替が利きません。スタッフが複数いれば、空いた時間に別の施術を入れられる場合もありますが、まつげサロンは一人あたりの施術時間が長く、しかも同時に複数人を進められない施術です。空いた枠は、そのまま空いたままになります。
これらを合わせると、失っているのは「その時間に売上を立てる機会」そのものです。この理解が、金額の根拠になります。
法律は、何を上限としているか
キャンセル料を自由に決められると考えるのは危険です。消費者契約法は、解除に伴う損害賠償の予定について、無効となる範囲を定めています。
当該消費者契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定める条項であって、これらを合算した額が、当該条項において設定された解除の事由、時期等の区分に応じ、当該消費者契約と同種の消費者契約の解除に伴い当該事業者に生ずべき平均的な損害の額を超えるもの 出典: laws.e-gov.go.jp
読むべき箇所は2つあります。1つは「平均的な損害の額を超えるもの」が対象になっていること。もう1つは「解除の事由、時期等の区分に応じ」と書かれていることです。
後半が実務では重要です。いつ取り消したかによって損害の大きさは変わる、という前提が条文の中にあります。1週間前の取り消しと、当日の取り消しを同じ金額にすることは、この考え方と噛み合いません。時期で区分を作るのが自然な形になります。
具体的な金額が有効かどうかは、個別の事情で判断が分かれます。金額の設定や請求の可否について踏み込んだ判断が必要な場面では、専門家や所管の窓口に確認するのが確実です。ここでは、根拠を持って決めるための考え方までを整理します。
平均的な損害を、自分の店で見積もる
条文の言う「平均的な損害」を、自分の店の数字に置き換えます。難しい計算は要りません。
出すのは、その枠で通常得ている売上です。付け放題の枠であれば、その施術の料金がそのまま近い値になります。ここから、実際に使わなかった材料の分を差し引きます。まつげエクステの材料費は施術料金に対して大きな比率ではありませんが、使っていない以上は差し引く筋が通ります。
次に、その時間帯が埋まりやすいかどうかを見ます。平日の午後のように、もともと空きが出やすい時間帯であれば、失った機会は小さくなります。土曜の午前のように待っている方がいる時間帯であれば、失った機会は大きくなります。
そして、直前の取り消しであれば埋め直せる可能性がほぼゼロになる、という時間の要素を加えます。3日前であれば別の方が入る余地がありますが、当日の朝に空いた2時間を埋めるのは現実的ではありません。
この3つを掛け合わせると、時期ごとの区分が自然に出てきます。数字を1円単位で正確に出す必要はありません。説明できる筋道があることが大切です。
いつから取るかの線を引く
多くの店で採用されているのは、3段階の区分です。無料の期間、一部を頂く期間、全額に近い額を頂く期間です。
まつげサロンで現実的な線は、前日の営業終了までを無料とする形です。それ以降になると、空いた枠を埋める時間が実質的に残りません。
当日の取り消しは、時間帯によってさらに分ける考え方もあります。午前中の連絡であれば午後の枠を動かせる余地がありますが、直前の連絡ではその余地がありません。ただし、細かく分けすぎると伝わらなくなります。区分は3つまでに収めるのが実務的です。
連絡なく来店がなかった場合は、当日の取り消しと同じか、それ以上の扱いにする店が多くあります。ここを分けておく意味は、金額そのものより、連絡してもらうことに価値があると示す点にあります。連絡さえあれば軽くなる、という設計にしておくと、無断で流れる件数が減ります。
無料の期間を短くしすぎないことも大切です。3日前から料金が発生する設定にすると、予約すること自体が重くなり、そもそも予約が入らなくなります。
メニューによって、扱いを変える
まつげサロンでキャンセル料を一律にすると、必ず無理が出ます。枠の長さが違いすぎるからです。
オフのみは30分前後、リペアは60分前後、付け放題は120分前後。まつげパーマを扱っている店では、さらに別の時間帯が加わります。失う時間が4倍違うのに、同じ扱いにする理由がありません。
現実的なのは、所要時間で線を引くことです。「所要時間90分以上のメニューについては、当日のお取り消しに料金を申し受けます」という書き方であれば、メニューが増えても書き直す必要がありません。
短い枠のメニューについては、キャンセル料を設けない選択もあります。オフのみの30分枠に対して請求する手間と、そこで生まれる気まずさを比べると、割に合わない場面が多くなります。
指名で受けている店では、担当者を確保している事情も加わります。この場合は、時間の長さに加えて、その担当者がその時間に他の施術を入れられたかどうかも考慮に入ります。
金額の形を決める
金額の表し方には、施術料金に対する割合で決める形と、定額で決める形があります。
割合で決める形は、メニューによって金額が変わるので、失った時間の長さと連動します。50%や100%といった数字を使う店が多く、時期による区分とも組み合わせやすい形です。
定額で決める形は、伝えやすい利点があります。ただし、まつげサロンのようにメニューごとの料金差が大きい業態では、短いメニューに対して重すぎたり、長いメニューに対して軽すぎたりします。
もう1つ、初回の割引を使った予約の扱いを決めておきます。割引後の金額を基準にするのか、通常料金を基準にするのか。ここを書いていないと、請求の場面で必ず揉めます。割引後の金額を基準にするほうが、説明しやすくなります。
金額を書くときは、税込か税抜かを明記します。書いていないと、請求の際に食い違います。
例外を、先に書いておく
キャンセル料の規定は、例外を書いた瞬間に受け入れられやすくなります。逆に、例外のない規定は身構えられます。
まつげサロンで例外にすべき場面は、他の業種より明確です。
・目やまぶたに炎症、腫れ、傷がある場合 ・発熱など、体調不良で来店が難しい場合 ・公共交通機関の遅延や運休、災害、悪天候 ・忌引きなど、やむを得ない事情
1つ目は、まつげサロンに固有の事情です。ものもらいや結膜炎がある状態では施術ができません。これは店の側から見ても施術を断る理由であり、そこにキャンセル料を課すのは筋が通りません。むしろ、無理に来ないでいただくために、明示しておく必要があります。
書き方は次のようになります。「目に炎症や腫れがある場合は、安全のため施術をお受けできません。この場合のお取り消しに料金は頂きません。お日にちをあらためてご案内いたします」
この一文があるかないかで、当日の連絡のしやすさが変わります。書いていない状態では、言えば料金を取られると思って黙る人が出ます。
なお、症状についての判断は店では下せません。気になる症状がある場合は眼科の受診をご検討ください、という案内にとどめるのが安全です。
規定の文面を組み立てる
要素が揃ったら、実際の文面にします。順番が結果を左右します。かからない範囲を先に書き、次に区分を示し、最後に例外を置きます。
ご予約の変更・お取り消しについて
ご都合が変わりましたら、できるだけお早めにご連絡をお願いいたします。前日の営業終了時刻までは、ご予約の変更・お取り消しに料金はかかりません。
所要時間90分以上のメニュー(つけ放題、他店オフを含むご予約、まつげパーマとの組み合わせ等)については、下記のとおり承っております。 ・当日のお取り消し 施術料金の50% ・ご連絡なくご来店がなかった場合 施術料金の100% ・割引をご利用の場合は、割引後の金額を基準といたします(金額はすべて税込)
目やまぶたに炎症・腫れ・傷がある場合、発熱等の体調不良、公共交通機関の遅延や災害など、やむを得ない事情によるお取り消しには料金を頂きません。安全のため、無理のないご判断をお願いいたします。
この文面の要点は3つです。無料の範囲を最初に置くこと、対象のメニューを所要時間で示すこと、例外を具体的に列挙することです。「所要時間90分以上」と書いておけば、メニューを追加しても規定を書き換えずに済みます。
書いた規定を、どこに置くか
決めた内容は、お客様が実際に目にする場所に置かなければ意味がありません。置き場所は5か所あります。
1つ目は、予約の入口です。予約を確定する手前に表示し、確認したうえで進んでもらう形にします。ここが最も重要で、同意の記録が予約と一緒に残ります。
2つ目は、予約確定の連絡です。日時と場所の案内に添えて、変更と取り消しの手順とあわせて書きます。
3つ目は、前日のリマインドです。ここでは全文を書く必要はありません。「ご都合が変わった場合は前日の営業終了までにご連絡ください」の一文で足ります。
4つ目は、店内の掲示です。受付やベッドの近くに小さく貼っておきます。
5つ目は、Googleのビジネスプロフィールや店の紹介ページです。予約を検討している段階の人が見る場所です。
このうち、1つ目だけが同意の記録になります。他の4か所は周知のためのものです。掲示だけで運用している店は、請求の場面で根拠が薄くなります。
同意の記録を、予約に紐づける
規定を読んだうえで予約した、という事実が残っているかどうかが、実務では大きな差になります。
予約の入口で同意を取る形にしておけば、いつ、誰が、どの内容に同意したかが記録として残ります。規定を改定した場合も、いつの版に同意したかが分かる形にしておくと安全です。
紙のカルテに同意欄を設ける方法もありますが、来店していない方の分は残りません。無断キャンセルへの対応を考えると、来店前に同意が取れている形のほうが理にかなっています。
電話で予約を受けている場合は、口頭で伝えたことを予約の記録に残します。「取り消しの扱いについて口頭で説明済み」と一行残すだけでも、何もないよりは強くなります。
実際に請求するときの手順
規定を作っても、請求するかどうかは別の判断です。ここも先に決めておかないと、その都度悩むことになります。
請求すると決めた場合の手順は、感情を挟まない形にします。当日中に一度連絡し、事実を確認します。その上で、請求の連絡は翌営業日に、あらかじめ用意した文面で送ります。
文面は事務的にします。「本日14時にご予約いただいておりました件につきまして、ご案内いたします。ご予約時にご確認いただいた規定に基づき、施術料金の50%を申し受けます。お支払い方法についてご案内いたします」
支払いの方法も先に決めておきます。次回の来店時に加算するのか、振込を案内するのか。次回来店時とした場合、その方が来なければ回収できません。この点を含めて、どこまで追いかけるかを決めておきます。
請求しないという判断も、立派な運用です。長く通っている方の初めての取り消しであれば、請求せずに規定の存在だけを伝える形もあります。大切なのは、その場の気分ではなく、あらかじめ決めた基準で判断することです。
事前のお支払いを求めるかどうか
キャンセル料を確実に回収する方法として、予約時の事前決済やデポジットがあります。まつげサロンで導入するかどうかは、慎重に考える必要があります。
導入の利点ははっきりしています。無断キャンセルが大きく減り、回収の手間が消えます。
一方で、まつげエクステは当日に金額が変わりやすい施術です。他店のオフが必要になった、本数を増やした、リペアの予定が付け替えになった。事前に全額を決済していると、差額の調整が毎回発生します。
現実的な形は、全員に課すのではなく、対象を絞ることです。過去に無断キャンセルがあった方、初回で高額なメニューを予約された方などに限って適用します。あるいは、金額の一部だけを予約金として受け取る形にします。
決済を必須にすると、予約そのものが減る面もあります。まつげサロンは近隣に選択肢が多い業態なので、入口の重さが直接影響します。決済が必須でない業態に合わせて、予約の受付から次の来店までを一続きにしている形であれば、必要な相手にだけ事前のお支払いを求める運用が組めます。
遅刻したときの扱いも、あわせて決める
キャンセル料の規定を作るときに、遅刻の扱いを書き忘れる店が多くあります。実際には、こちらのほうが頻度が高い場面です。
まつげエクステには調整の余地があります。残り時間に合わせて本数を減らす、上まつげのみにする、付け放題をリペアに切り替える。だから、遅刻をそのままキャンセル扱いにする必要はありません。
書き方の例です。「15分以上遅れる場合は、施術内容を変更させていただくことがあります。30分を超える場合は、お日にちをあらためてご案内する場合がございます。その場合は当日のお取り消しと同じ扱いといたします」
内容を変更した場合の料金も決めておきます。本数を減らした分だけ安くするのか、予約したメニューの料金を頂くのか。ここが曖昧だと、施術後の会計で気まずくなります。
他店の掲示を写すと、説明できなくなる
規定を作るとき、近隣の店や大手の掲示をそのまま写す方法が手軽に見えます。ただし、写した規定は請求の場面で使えません。
理由は単純です。なぜその金額なのかと聞かれたときに答えられないからです。相手の店とは、枠の長さも、料金も、埋まりやすさも違います。写した数字は、自分の店の損害とは無関係な数字です。
もう1つ、写した規定はメニュー構成と合いません。まつげパーマを扱っていない店の規定を写せば、そのメニューの扱いが抜けます。他店オフを受けている店とそうでない店では、枠の長さの前提が変わります。
参考にするのは構成までにとどめます。区分の作り方、書く順番、例外の並べ方。数字は自分の店の枠から出します。30分もあれば計算できる作業です。
予約の入口では、読まれる形にする
規定を予約の入口に置いても、読まれなければ同意としての意味が薄くなります。置き方に少し気を配ります。
長い文章を小さく詰め込むと、誰も読まずに進みます。要点を3行にまとめて先に見せ、詳しい条文は開いて読める形にしておくと、目に入る確率が上がります。
3行にするなら、こうなります。前日の営業終了までは無料であること。当日の取り消しには料金がかかること。目のトラブルや体調不良は例外であること。この3つが伝われば、実務上はほぼ足ります。
確認のチェックを入れてもらう形にする場合は、文言を具体的にします。「同意する」だけでなく「変更・お取り消しの規定を確認しました」としておくと、何に同意したのかが明確になります。
初回の方だけに表示して、再来の方には省く、という設計にすると読まれなくなります。規定は改定されることがあるため、毎回表示する形のほうが安全です。
取り消しの連絡が来たときの、返し方
規定と同じくらい効くのが、取り消しの連絡を受けたときの返信です。ここでの対応が、次の来店があるかどうかを分けます。
料金がかからない期間の連絡であれば、返す内容は短くします。「ご連絡ありがとうございます。承知いたしました。またご都合のよいときにご予約ください」。責める言葉を入れないことが唯一の要点です。
料金がかかる期間の連絡であれば、規定を示したうえで、次の予約を先に案内します。「ご連絡ありがとうございます。当日のお取り消しとなりますので、規定に基づき施術料金の50%を申し受けます。あらためてのご予約はこちらから承っております」。請求の話だけで終えると、その方は戻ってきません。
例外に当たる場合は、こちらから明示します。「体調不良とのことですので、料金は頂きません。お大事になさってください」。相手から申し出させるのではなく、店から言うほうが伝わります。
こうした返信を毎回その場で考えると、内容がぶれます。3種類の文面を書き置きしておけば、施術の合間でも同じ品質で返せます。
回数券や継続の契約がある場合
回数券や、月ごとの継続の契約を扱っている店では、取り消しの扱いがもう一段複雑になります。
回数券を使った予約を取り消した場合、1回分を消費したものとして扱うかどうかを決めておきます。ここを書いていないと、当日の取り消しのたびに判断が揺れます。金額ではなく回数で処理する形にすると、計算は単純になります。
継続の契約では、その月に来られなかった分を翌月に繰り越すかどうかが論点になります。繰り越しを認めると、後半に予約が集中して枠が足りなくなることがあります。繰り越しの上限を決めておくのが現実的です。
いずれの場合も、契約の内容によって扱いが変わる部分があるため、金額や返金に踏み込む場面では専門家への確認をお勧めします。書いておくべきなのは、取り消しの際にどう処理されるかを、契約の時点で示しておくことです。
決めたあと、運用が崩れる場所
規定を作った店でも、しばらくすると運用が崩れます。崩れる場所は決まっています。
1つ目は、例外を認めすぎることです。事情を聞くたびに免除していると、規定が事実上なくなります。例外は、あらかじめ書いた項目に限る、と決めておきます。
2つ目は、常連の方だけ特別扱いすることです。気持ちとしては自然ですが、それが知られると規定の意味が薄れます。特別扱いをするなら、その基準も自分の中で決めておきます。
3つ目は、伝える場所が古くなることです。規定を変えたのに、店内の掲示だけ古いままになっている。この状態で請求すると、どちらが正しいのかで揉めます。変更したら5か所すべてを直す、と手順にしておきます。
4つ目は、記録を残さないことです。請求した件も、免除した件も記録に残しておかないと、次に同じ方が来たときの判断ができません。
初回と再来で、線を変えるべきか
規定を作るとき、初めての方と通っている方で扱いを分けるかどうかで迷う場面があります。結論としては、規定そのものは分けず、運用で差をつけるのが扱いやすい形です。
規定を分けると、書く内容が倍になり、伝える場所も倍になります。読む側にとっても、自分がどちらに当たるのか分かりにくくなります。
代わりに、請求するかどうかの判断で差をつけます。長く通っている方の初めての取り消しであれば、規定の存在を伝えたうえで今回は頂かない、という運用ができます。この判断の基準を自分の中で決めておけば、その都度悩まずに済みます。
一方で、初回の方に対しては規定どおりに運用したほうが結果的に良いことが多くなります。初回の無断キャンセルは、複数の店を並行して押さえている場合に起きやすく、ここで曖昧にすると同じことが繰り返されます。
判断の材料になるのは、その方の来店の履歴です。何回来ているか、前回はいつか、過去に取り消しがあったか。予約の記録にこれが残っていれば、施術の合間でも数秒で判断できます。記憶に頼っている限り、判断は日によってぶれます。
見直しの周期を決めておく
一度決めた規定を、そのまま何年も使う必要はありません。店の状況が変われば、適した線も変わります。
見直すきっかけは3つです。メニューの構成が変わったとき、料金を改定したとき、そして取り消しの発生の仕方が変わったとき。
見るべき数字は、取り消しの件数そのものではありません。前日までの連絡ありの取り消しと、当日の取り消しと、無断の件数を分けて見ます。無断が減って連絡ありが増えているなら、規定と案内が効いています。
これらの数字は、予約が1か所に集まっていて、取り消しの記録が残る形になっていなければ出せません。紙の台帳では、消した予約は消えたままです。
決め方の順番を、最後にまとめて置く
ここまでの内容を、実際に手を動かす順番に並べ直します。
まず、自分の店の枠あたりの売上を出します。次に、その時間帯が埋まりやすいかどうかを見ます。この2つから、時期による区分を3つ作ります。所要時間90分を境にメニューを分け、割合か定額かを決めます。例外を4項目書き、文面を組み立てます。そして5か所に置き、予約の入口で同意を取ります。
この手順で決めた規定は、聞かれたときに理由を説明できます。他店の掲示を写しただけの規定との違いは、そこにあります。
道具の側で何ができるかはできることに整理されています。予約の入口で同意を取れるか、取り消しの記録が残るかは、道具によって差が出る部分です。すでに別の予約の道具を使っている場合は他社との比較で確認できます。導入にかかる費用は料金に載っています。
まつげサロンのように枠が長く、代替の利かない業態がどう受けているかは業種ごとの使い方にまとまっています。規定の表示や同意の取り方を実際の画面で見たい場合はデモを見るから確認できます。規定の置き場所や同意の取り方でよく出る疑問はよくある質問に集まっています。
最初の一歩としては、無料の範囲を決めて書くことを勧めます。金額を決める前に、かからない範囲を明示するだけで、直前の取り消しは減ります。取られるかもしれないと思って黙る人が、期限内に連絡してくるようになるからです。
Q1. キャンセル料はいくらに設定するのが妥当ですか?
その枠で通常得ている売上から、使わなかった材料の分を差し引いた額が出発点になります。消費者契約法は、平均的な損害の額を超える部分を無効としており、取り消しの時期による区分も前提にしています。当日と前日で同じ金額にするより、時期で分けたほうが説明しやすい形になります。
Q2. 目のトラブルで来られない方にも請求すべきですか?
炎症や腫れがある状態では施術そのものができないため、請求しない扱いにしている店が多くあります。むしろ、無理に来店されないよう、料金を頂かないことを先に書いておくほうが安全です。症状についての判断は店では下せないので、気になる場合は眼科の受診を勧める案内にとどめます。
Q3. 規定を店内に貼っておけば請求できますか?
掲示は周知のためのもので、同意の記録にはなりません。予約を確定する手前で規定を表示し、確認したうえで進んでもらう形にすると、いつ誰がどの内容に同意したかが予約と一緒に残ります。電話で受けた場合は、口頭で説明した旨を予約の記録に一行残しておきます。
Q4. 事前決済を入れれば無断キャンセルはなくなりますか?
減りますが、まつげエクステは当日に内容と金額が変わりやすいため、全員に課すと差額の調整が毎回発生します。過去に無断キャンセルがあった方や、初回で長時間のメニューを予約された方に限って適用する形が現実的です。予約の入口が重くなると、予約そのものが減る点も考慮が要ります。