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Jicooの無料の範囲|どこまで使えて、どこから有料か

2026年9月3日

jicoo 無料プラン、と検索してたどり着く記事の多くは、いま読むと前提が合っていません。無料プランの名前が2026年8月27日に変わり、同じ日に無料で使える範囲も一部が削られたからです。結論から書くと、無料で使える段階はいまもあり、予約数もページ数も無制限のままです。ただし「無料でAPIが使える」「無料でルーティングが組める」と書いてある記事は、改定日をまたいだ時点で誤りになりました。この記事では、いまの無料の範囲を、運営会社が公開している料金ページとヘルプセンターの記載だけで整理します。どこまでが無料で、どこから金額が発生し、無料をやめたときに何が起きるのかまで見ていきます。

無料の話に入る前に、確認しておくことが1つある

料金表を読み比べる前に、先に片付けておくべき点があります。ここを飛ばすと、比較そのものが無駄になります。

ProプランとMaxプランは、いま新規で申し込めない

2026年8月27日付で公開された料金プラン改定のお知らせに、次の一文が入っています。

※ Proプラン・Maxプランは新規のお申し込み受付を終了しております。プラン管理画面では、対象のプランに「旧プラン(新規受付終了)」と表示されます。 出典: jicoo.com

つまり、検索して出てくる比較記事のうち、「Proプランなら月額いくらでこれができる」「Maxプランに上げればここが解決する」と書いてあるものは、そのプラン自体に申し込めません。読んで検討しても、申し込みの段階で選択肢に出てこない、という状態です。すでに契約している事業者については、公式のよくあるご質問に「ご契約中のお客様は継続してご利用いただけます。ご契約時点で利用できた機能もそのまま維持されます」と明記されているので、いま使っている分には影響しません。影響を受けるのは、これから検討する側だけです。

比較記事を読むときの判別方法は簡単で、プラン名を見るだけです。Pro や Max という名前が出てきたら、その記事は2026年8月27日より前に書かれたものだと判断できます。同じ記事に書かれている無料プランの範囲も、同じ日付で更新されていない可能性が高い、と考えるのが安全です。

無料プランの名前は Free から Individual に変わった

無料プラン自体は残っています。改定のお知らせには「無料プランの名称を『Free』から『Individual』に変更いたしました。名称の変更のみで、お客様のご契約や登録情報の移行手続きは発生しません」「引き続き無料でご利用いただけます。課金が自動的に開始されることはありません」と書かれています。

名前だけの変更であれば大した話ではないのですが、実際には同じ日に、無料で使える機能が3つ減っています。この点はあとで詳しく見ます。まずは、名前が変わったせいで「Freeプランが廃止された」と読み違えないようにしておく、というところが出発点です。無料プランは廃止されていません。名前が変わり、範囲が狭くなりました。

現在の4段階と、その金額

金額と、課金の単位

改定後のプラン構成は4つです。Individual、Team、Business、Enterprise の順に並びます。

Individual は「¥0」で、公式の説明は「個人の基本的な日程調整に」です。Team は「¥1,200」で「チームの日程調整、ルーティング、決済、外部連携を集約」と説明され、料金ページ上では「人気のプラン」と表示されています。Business は「¥1,600」で「Security Rule、監査ログ、チーム全体の制限を含むBusinessプラン」です。Enterprise は金額表示がなく「お問い合わせ」で、対象は30人以上のチーム、または高度なセキュリティ要件がある場合とされています。

ここで見落とされやすいのが課金の単位です。料金表記は「月額 / ユーザー」です。つまり1,200円は1人あたりの金額で、3人で使えば月3,600円、5人なら月6,000円になります。店舗の予約システムでよくある「1店舗いくら」の考え方とは違います。スタッフ全員が自分のカレンダーを持って個別に予約を受ける形なら人数分がそのまま乗りますし、受付担当が1人だけで全員分をさばくなら1人分で済みます。どちらの運用にするかで、月額は何倍も変わります。

初期費用については、ヘルプに「有料プランのご契約にあたっては初期費用は不要となり、ご契約開始日から1ヶ月、もしくは1年サイクルでのご契約となります」と書かれています。初期費用はかかりません。

税込か税抜かは、公式サイトの中で表記が割れている

金額を見るときに、もう1つ気をつける点があります。同じ公式サイトの中で、税の扱いの記載が一致していません。

料金ページでは、各プランの金額の直後に「(税抜)」と表示されています。一方、特定商取引法に基づく表示のページには「Jicooの有料プランの販売価格は、料金ページをご確認ください。料金ページはこちら(表示価格は税込)」と書かれています。片方が税抜、もう片方が税込です。どちらが正しいかは、公開されている資料からは判断できませんでした。

実務上は、税抜だった場合を想定して予算を組んでおくのが無難です。1,200円が税抜なら、消費税を足すと1,320円になります。5人で使えば月6,600円、年間で79,200円です。この差は無視できる大きさではないので、契約前に問い合わせて確定させる価値があります。

年払いの割引率は出ているが、年額は出ていない

料金ページの上部には「年払い」「20%割引」「月払い」の切り替えがあり、「年払い 20%割引」と表示されています。ただし、年払いを選んだ場合の実際の年額(円)は、料金ページ上には表示されていませんでした。表示されているのは月額の1,200円と1,600円だけです。

支払いサイクルについては、ヘルプに「有料プランお申込日を基点として1年単位・1ヶ月単位で決済を致します。その後、自動更新となり1年単位・1ヶ月毎に決済を致します」と説明があります。月払いなら申込日と同じ日付で毎月更新、年払いなら翌年の同じ日付が更新日です。自動更新である点は押さえておく必要があります。

なお、請求書払いを希望する場合は条件が付きます。ヘルプによると、請求書払いは年払いのみ(Teamプラン)、契約日から30日以内の振込、シート数は2名以上、法人アカウントのみでフリーアドレスは不可、とされています。個人事業で1人で使う場合、支払い手段はクレジットカードに限られる形になります。

無料(Individual)でどこまで使えるか

件数とページ数には上限が無い

無料の範囲を見るとき、店舗側がまず気にするのは件数です。この点では、無料プランはかなり寛容です。

料金ページの機能比較表で「無制限」と明記されているのは3項目あります。予約ページ数が無制限、予約数が無制限、チームユーザー数が無制限です。しかもこの3つは全プラン共通で、無料でも有料でも同じです。月に何件受けても、無料のまま追加費用は発生しません。

これは、月間予約件数で段階を切っている店舗向けの予約システムとは、まったく違う設計です。多くの予約システムは無料プランに月50件前後の上限を置き、超えたら有料へ、という形を取ります。こちらは件数では課金せず、人数(シート)と機能で課金する設計です。件数が多くて人数が少ない業態にとっては、この設計が有利に働く場面があります。

料金ページのよくあるご質問にも「個人向けの無料プラン (Individual) であれば1on1の調整で利用することができます。利用期限は特にございません」と書かれており、試用期間ではなく恒久的に無料で使える位置づけです。

数で決まっている上限は3つ

無制限ではない項目もあります。無料プランで数値の上限が設定されているのは、次の3つです。

1人あたりのカレンダー接続数が3です。Team、Business、Enterprise はいずれも6なので、無料では接続できるカレンダーが半分になります。仕事用と個人用の2つを繋いで空き時間を管理する程度なら足りますが、複数の予定表を横断して重複を避けたい場合は詰まります。

Jicooコネクト(外部接続メンバー数の上限)は0です。Team が10、Business が20、Enterprise が無制限です。無料では外部の人を接続メンバーとして扱えません。

監査ログの保持日数は無料では設定がありません。Team が30日、Business と Enterprise が366日です。誰がいつ何を変更したかを追う必要がある規模になると、ここが効いてきます。1人か2人で回している段階では、ほとんど関係のない項目です。

無料で使える機能

機能比較表で Individual にチェックが入っている項目を、性質ごとに並べます。

予約の受け方については、1対1の日程調整、候補提案型の日程調整、予約リクエスト(事前承認制)、投票機能が使えます。事前承認制が無料の範囲に入っているのは実務上大きい部分です。初回の相手だけ内容を確認してから確定させたい、という運用が無料で組めます。キャンセル、日程変更、リマインドも全プランで使えます。

リマインドメールについては、ヘルプに「リマインドメールは、初期設定では予約の開始時間の1時間前に送信されます」「リマインドする時間を日単位・時間単位・分単位で設定できます。また、リマインドメールを複数回設定(最大5回)することが可能です」と書かれています。送信先は予約のホストとゲストの両方です。無断キャンセルを減らす基本の手立てが無料で使える、という点は評価できる部分です。前日と当日朝の2回といった組み方も、無料の範囲でできます。

外部サービスとの接続も、主要なものは無料に入っています。Googleカレンダー、Outlookカレンダー、Apple iCloudカレンダー、Zoom、Google Meet、Microsoft Teams、HubSpot、Notion、そしてMCP / AIエージェント連携が全プランです。自社サイトやブログへの埋め込み機能も全プランで使えます。タイムゾーン対応と複数カレンダーアカウント連携も無料です。

サポート面では、ヘルプページとチャットサポートが無料でも使えます。ゲスト側については、料金ページのよくあるご質問に「ゲストは会員登録不要で利用することができます。予約をする際に、名前とメールアドレスの入力をする形になります」と書かれています。客側に会員登録を求めない形は、予約の途中離脱を減らします。

無料では使えない範囲

次に、機能比較表で Individual 欄が空欄になっている項目です。数が多いので、性質ごとに分けます。

客への連絡まわり

リマインドは無料で使えますが、その前後が有料です。実施後フォローアップメール(御礼メール)は Team プラン以上で、ヘルプにも「実施後フォローアップメールの送信の機能は、Teamプラン以上でご利用いただけます」と明記されています。予定が終わったあとに自動でお礼と次回案内を送る流れは、無料では組めません。

通知のカスタマイズも Team 以上です。説明文には「予約受付時、リマインド、キャンセル等の通知内容や送信タイミングをカスタマイズすることができます」とあります。無料では、通知の文面と送信タイミングは既定のままになります。

メール本文への画像挿入も Team 以上です。2026年8月20日のプロダクトアップデートに「受付完了メール・リマインドメール・実施後フォローアップメールの定型文に、画像を挿入できるようになりました」「上記3種類のメールの定型文の編集画面に『画像を追加』を追加しました(Team プラン以上)」と書かれています。案内メールに地図やクーポン画像を入れる運用は、有料からになります。

なお、SMS通知はプランではなくアドオンで、「¥33 / 通」と表示されています。1通あたりの従量です。

予約の受け方を細かく制御するもの

無料では、予約枠の制御がほとんど効きません。空欄になっているのは次の項目です。

予約前後のバッファ時間、複数の所要時間オプション、ゲストによる予約の変更・キャンセル、キャンセル・日程変更の受付期限、受付回数・時間の制限。いずれも Team 以上です。

このうち、実店舗にとって影響が大きいのはバッファ時間です。説明文は「ミーティングの前後に自動でバッファ時間を確保し、予約が連続して詰まるのを防ぎます」となっています。施術や清掃の時間を挟みたい業態では、これが無いと枠が背中合わせで埋まってしまいます。無料で運用するなら、枠の長さ自体を実所要時間より長めに設定して、その中に片付け時間を含めておく、という回避になります。

ゲストによる予約の変更・キャンセルが無料で使えない点も、運用の手間に直結します。客が自分で日程を動かせないなら、変更の連絡は全部こちらに来ます。1日1件でも、月に30件の対応が発生します。

セミナー型予約ページ(席数指定)も Team 以上です。ヘルプには「Jicooでは、セミナーや説明会、教室など複数のゲストの予約の受付が可能です。また、予約ページに1枠単位で残席数を表示することができます」と書かれていますが、機能比較表では Individual が空欄です。定員を決めて複数人を1枠に入れる教室型の運用は、無料ではできません。

担当者自動割り当て、ホストが複数人の予約ページ(AndまたはOr条件)、代理での日程調整、設備割り当ても Team 以上です。複数スタッフで回す形は、実質的に有料からになります。

見え方と、データの持ち出し

デザインのカスタマイズと、ブランド表示の非表示が Team 以上です。ヘルプには「予約ページやメール内のJicooブランドを非表示にすることができます。チーム設定>Jicooブランディング で設定を変更することが可能です」とありますが、機能比較表では無料は空欄です。無料のままだと、予約ページとゲスト向けメールに提供元のブランド表示が残ります。予約ページは客が申し込む直前に見る画面なので、ここを自分の店の見え方に揃えたい業態では、この一点で有料へ上がる判断になります。

CSV形式のエクスポートも Team 以上です。説明文は「予約フォームの回答や予約情報をCSV形式でエクスポートできます。分析、レポート作成、外部システムへの受け渡しに活用できます」となっています。無料では、予約データを外へ出せません。これは、あとで別のシステムへ移りたくなったときに直接効いてくる項目です。無料で長く運用するほど、蓄積したデータを取り出す手段が無い状態が続きます。

このほか、入力フォームのカスタマイズ、ファイルアップロード、検索機能、分析機能、CRM機能、予約完了時リダイレクト、フォローアップ機能、キーワードでのブロック判定、Salesforce連携、reCAPTCHA連携、AIチャットサポート、予約ページ共通管理、メンバーの権限管理も、いずれも無料では使えません。

2026年8月27日の改定で、無料から外れたもの

ここが、古い記事といまの状態が最も食い違う部分です。改定日を境に、無料プランから3つの機能が外れました。

ルーティング機能(画面上はエラーが出ない)

ルーティング機能の提供プランが Team 以上になりました。公式のお知らせには、無料プランで何が起きるかが具体的に書かれています。

フォームへの回答受付は引き続きご利用いただけますが、回答内容に応じた自動的な振り分けが行われなくなります。回答者は、予約ページ・外部URL・条件に応じたメッセージへ自動的に遷移しなくなり、通常の「送信完了」ページに遷移します。エラー画面が表示されるわけではないため、フォームは一見すると正常に動作しているように見えます。 出典: jicoo.com

この「エラー画面が表示されるわけではない」という部分が厄介です。フォームは送信できるので、運営側から見ると壊れていません。しかし、条件に応じて予約ページへ飛ばす仕組みだけが止まるので、客は「送信完了」で終わり、そのまま予約に進みません。フォームから予約への導線を組んでいた場合、気づかないまま取りこぼしが続く形になります。

設定内容と過去の回答データは削除されない、とも書かれています。あとで Team へ上げれば復活します。ただし、止まっている期間の取りこぼしは戻りません。

APIキーとREST API

APIキーとREST APIも Team 以上になりました。お知らせには「発行済みのAPIキーでのAPIリクエストは、エラー(HTTP 403)となります」「APIキーの新規発行もご利用いただけません」と書かれています。

こちらは、ルーティングと違って明確にエラーが返るので、動かなくなったことはすぐ分かります。自社の別システムと繋いでいた場合は、改定日をまたいだ時点で連携が止まります。発行済みのAPIキーと予約・フォームのデータは削除されない、とされています。

外部接続(改定日以降の新規登録が対象)

外部接続も Team 以上になりましたが、こちらだけ条件が違います。お知らせには「ご提供プラン:Teamプラン以上(改定日以降に新規ご登録いただいた無料プランが対象)」「改定日より前から無料プランをご利用のお客様は、引き続き外部接続をご利用いただけます」と書かれています。

つまり、2026年8月27日より前から無料で使っていた事業者は、そのまま外部接続を使い続けられます。新しく無料で登録した事業者は使えません。同じ無料プランでも、登録時期で使える範囲が違う状態になっています。他の人が書いた「無料でここまでできた」という記事が自分の環境と合わないときは、この登録時期の差が原因のことがあります。

14日間のトライアルをどう位置づけるか

無料アカウントには、上位プランのトライアルが付いています。料金ページには「無料アカウントにはBusinessプランの14日間トライアルが付いています。トライアル終了後は自動的に無料プランに戻ります」と書かれ、よくあるご質問には「アカウント登録から14日間はBusinessプランをクレジットカードなしでトライアル利用できます」とあります。

クレジットカードの登録が不要で、終わったら自動的に無料へ戻る形なので、うっかり課金される心配はありません。ただし、注意すべき点が1つあります。トライアル中はBusinessの機能で運用が組めてしまうため、無料へ戻った瞬間に、組んだ仕組みの一部が止まります。バッファ時間、ゲストによる変更・キャンセル、実施後フォローアップメール、通知のカスタマイズは、いずれも無料では使えません。

トライアルの使い方としては、「上位プランで理想の形を組む」よりも、「無料で使える項目だけで運用を組んでみて、足りない部分を14日間で確かめる」順番の方が実務に合います。前者だと、14日後に運用の作り直しが発生します。

割引の制度もあります。創業3年以内のスタートアップ企業向けに Team プランを6か月間無償で提供するプログラムと、教育機関向けに Team プランを85%割引で提供するプログラムが案内されています。該当するなら、無料で粘るより条件がよくなります。

無料のまま決済を受けられるか

受けられません。機能比較表の「決済機能の追加」は Individual が空欄で、Team 以上です。無料のままでは、予約時にお金を受け取る流れは組めません。

有料へ上げた場合の仕組みも確認しておきます。決済そのものを提供しているのではなく、Stripe に接続する形です。公式には「予約フローに決済機能をシームレスに統合。Stripeアカウントを連携し、有料コンサルティングやトレーニングの支払いを予約時に要求できます」と説明されています。

代金の流れは、ヘルプに「ゲストが支払ったサービス購入費はホストのStripeアカウントに直接入金されます」「入金されたお金は、Stripeアカウントで登録された銀行口座に定期的に自動送金されます」「通常の送金スケジュールは支払いがあった日から7〜10日となりますので、開催日前に費用を集金できます」と書かれています。代金を運営が預かる形ではありません。

手数料については「事前決済には、Stripeの手数料3.6%の手数料がかかります」という記載がある一方、「手数料はアカウントやご利用の地域によって異なりますので予めご了承ください」という注記も併記されています。この率は接続先の決済サービスに支払うもので、上乗せされる独自手数料ではない旨も明記されています。確定値として計算に入れるのではなく、自分のアカウントの条件で確かめる必要がある数字です。現地決済(店舗で受け取る形)を選べば、この手数料は0%です。

接続時の注意点も、ヘルプにいくつか明記されています。「既にアカウントがある場合でもJicoo用に新規でサブアカウントの作成が必要となります。既存のサブアカウントは利用できませんのでご注意ください」「Stripeの事前決済は適格請求書(領収書)に対応していません」「Stripe連携を一度解除すると、仕様上同じアカウントでの再連携(復元)はできず、新規設定が必要となりますのでご注意ください」の3つです。特に、適格請求書に対応していない点は、法人客を相手にする業態では事前に確認しておく必要があります。

無料をやめるとき、有料をやめるときに起きること

無料の範囲を検討するなら、出口も見ておく価値があります。

有料から無料へ戻す場合、解約という手続きは無く、料金ページから無料プランを選ぶ形になります。特定商取引法に基づく表示には「Jicooの有料プランは、契約期間内であればいつでも解約することが可能です。解約後、次回更新タイミング以降の請求は行われません」と書かれています。契約期間の途中で戻しても、次回更新日までは有料プランが適用され、更新日に無料へ切り替わります。

返金はありません。ヘルプに「ご請求についてはプランの変更や退会に伴う日割りでの返金はございません」、特商法ページに「決済完了後のお客様都合によるキャンセルおよび返金は受け付けておりません。解約は次回更新以降の請求を停止する手続であり、決済済み期間の返金を行うものではありません」と明記されています。年払いを選んだ直後に方針が変わっても、その年の分は戻りません。

無料へ戻したときに起きる変更も、ヘルプに一覧で書かれています。有料の機能を使っている予約ページが無効化される、チームロゴが削除される、カレンダー連携が強制解除される(それに伴いロケーションからGoogle Meetが削除される)、Webhookが無効化される、Salesforce連携とSMS連携が削除される、オーナー以外のユーザー権限が管理者に変更される、の6点です。

このうち、実運用への影響が最も大きいのはカレンダー連携の強制解除です。カレンダーが外れると、空き時間の判定が止まります。無料へ戻した直後に再接続を忘れると、埋まっている時間帯にも予約が入る状態になります。設定自体は残ると書かれているので、戻したあとで有効化し直すことはできますが、切り替えの当日は確認が必要です。

なお、チームを削除して退会した場合は扱いが違います。「有料プランを契約中にチームを削除して退会した場合は、その時点から有料プランがご利用頂けなくなります」と書かれています。更新日まで使えるのは、無料へ変更した場合だけです。

店舗の予約に当てはめると、どこが合ってどこが合わないか

ここまでの内容を、店舗の予約という前提に置き直します。

このサービスの位置づけは、トップページのキャッチコピーが「チームの成長を加速する日程調整ツール」「すべてのミーティングを資産に変える」であることからも分かるとおり、ミーティングの日程調整です。予約ページの型も、1 on 1、グループ、投票、仲介の4つで、採用面談や商談を想定した構成になっています。

この設計は、オンライン相談や個別レッスンのように「1人の相手と時間を合わせる」形の予約とは相性がよく、しかも件数が無制限なので、月に何件受けても無料のままです。逆に、実店舗の予約で必要になる要素のいくつかは、無料の範囲に入っていません。バッファ時間、客側での変更・キャンセル、定員制の枠、スタッフの割り当てが、いずれも Team 以上です。この4つのうち2つ以上が必要なら、無料での運用は現実的ではありません。

シフト管理という名称の機能は、公開資料では確認できませんでした。予約システム紹介ページに「人材紹介やシフト管理など、あなたが仲介役となる調整に」という「仲介」型の説明はありますが、勤怠管理やタイムカードに相当する記載は見当たりません。ゲストが特定のスタッフを指名して予約する機能そのものの説明も、明示的には確認できませんでした。予約ページ数が無制限なので、担当者ごとにページを分ける運用は可能です。ただしその場合、客はスタッフごとに別のURLを開くことになります。

独自ドメインの割り当ても、公開資料では確認できませんでした。カスタマイズできるのは、提供元ドメイン配下のチームURLと予約ページURLです。ヘルプには「チームURL を変更すると、コピーしたすべてのリンクが機能しなくるため、利用中のURLを更新する必要があります」という注意も書かれています。順番待ちリスト(キャンセル待ち)に相当する機能も、料金ページの機能比較表とヘルプセンターの記事一覧のいずれにも見当たりませんでした。

比較の軸を整理すると、無料で判断するときに見るべきなのは機能の数ではありません。件数課金か人数課金か、という設計の違いです。1人で月200件受けるなら人数課金が有利で、5人で月50件受けるなら件数課金が有利になります。予約システムを並べたときにどの軸で差が出るのかは他社との比較にまとまっています。

店舗の予約に必要な要素が無料でどこまで入っているかも、システムによって線の引き方が違います。国内には、無料の段階で月50件まで、有料の第1段が月3,300円(税込)で月300件、その上が月7,700円(税込)で月1,000件とスタッフ10名、という形で件数と人数の両方を段階に組み込んだ作りもあります。年契約なら月あたり2,750円6,600円まで下がり、上限を超えた分は100件ごとに1,100円で足せます。有料プランは最初の3か月が半額です。スタッフ指名とシフト管理、独自ドメイン、オンライン面談URL、GA4は月7,700円の段階から使えます。どの機能がどの段階に入るかは料金できることで並べて確認できます。

決済の作りも、比較の対象になります。店舗が決済代行会社と自分で加盟店契約を結び、代金が店舗の口座へ直接入る形であれば、運営が代金を預からないため、入金までの待ち時間も返金の可否も店舗側で完結します。この形を取る場合、接続先は決済代行会社に限られ、海外の決済サービスには対応していない、という違いも出ます。事前決済を必ず使いたいのか、現地払いで足りるのかを先に決めておくと、比較する対象が絞れます。

業態によって、無料で足りるかどうかの答えは変わります。週1回の教室と、毎日枠が埋まるサロンでは、必要な制御の量が違います。業態ごとの組み方は業種ごとの使い方に整理されており、実際の画面の流れはデモを見るで確認できます。導入前に出やすい疑問はよくある質問にまとまっています。

判断の順番だけ最後に置いておきます。まず、予約を受ける人が何人になるかを数える。次に、無料で使えない4項目(バッファ時間、客側での変更・キャンセル、定員制、スタッフ割り当て)のうち、自分の業態でいくつ必要かを数える。最後に、その必要な機能を使うために月額を人数分払うのと、件数課金のシステムに移るのと、どちらが安いかを計算する。この3つが揃えば、無料で粘るべきか上げるべきかは自動的に決まります。機能比較表を先に全部読むより、この順番の方が早く着きます。

Q1. Jicooの無料プランは、いまも使えますか?

使えます。ただし2026年8月27日の料金改定で、名称が「Free」から「Individual」に変わりました。公式のお知らせには「名称の変更のみで、お客様のご契約や登録情報の移行手続きは発生しません」「引き続き無料でご利用いただけます。課金が自動的に開始されることはありません」と書かれています。利用期限もありません。ただし同じ日に、無料で使える機能が3つ減っています。

Q2. 無料プランで、予約は月に何件まで受けられますか?

上限はありません。料金ページの機能比較表では、予約ページ数、予約数、チームユーザー数の3つが「無制限」と明記されており、これは全プラン共通です。件数では課金しない設計で、課金の単位は「月額 / ユーザー」つまり人数(シート)です。無料で数値の上限があるのは、1人あたりのカレンダー接続数が3、外部接続メンバー数が0、監査ログの保持が無し、の3項目です。

Q3. 2026年8月27日の改定で、無料から外れた機能は何ですか?

ルーティング機能、APIキーとREST API、外部接続の3つで、いずれもTeamプラン以上になりました。外部接続だけは条件があり、改定日より前から無料プランを使っている場合は引き続き利用できます。注意が必要なのはルーティングで、公式に「エラー画面が表示されるわけではないため、フォームは一見すると正常に動作しているように見えます」と書かれています。気づかないまま取りこぼしが続く可能性があります。

Q4. 無料プランで、予約時にお金を受け取れますか?

受け取れません。機能比較表の「決済機能の追加」はIndividualが空欄で、Teamプラン以上です。有料へ上げた場合は、Stripeに接続する形になります。代金はホストのStripeアカウントに直接入金され、そこから登録銀行口座へ「支払いがあった日から7〜10日」で自動送金されます。なお公式ヘルプに、Stripeの事前決済は適格請求書に対応していない旨が明記されています。

Q5. 有料から無料に戻すと、何が起きますか?

公式ヘルプに6点が挙げられています。有料機能を使っている予約ページの無効化、チームロゴの削除、カレンダー連携の強制解除、Webhookの無効化、Salesforce連携とSMS連携の削除、オーナー以外の権限変更です。影響が大きいのはカレンダー連携の強制解除で、再接続しないと空き時間の判定が止まります。また日割りを含めて返金は一切なく、次回更新日までは有料プランのまま使えます。

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