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リラクゼーションサロンの回数券とチケットを管理する|残数の数え方と、期限の決め方
2026年9月13日・Rizaflow編集部
回数券を出している店で、残数の数え方と有効期限の決め方をきちんと設計しているところは多くありません。多くは、他店を見て似た形で始め、運用しながら細かい取り決めを足していきます。それでも回るのは、売った直後の数か月だけです。1年を超えたあたりから、期限切れの相談、残数の食い違い、返金の求めが順に出てきます。回数券は先にお金を受け取る仕組みなので、後から条件を変えるのが難しい。ここでは、もみほぐしやボディケア、アロマトリートメントを扱う店に絞って、売り方の型、期限の考え方、残数の持ち方を順に置いていきます。
回数券は、先にお金を受け取る仕組みである
最初に押さえておくことがあります。回数券を売った時点では、店はまだ何も提供していません。受け取っているのは、後で施術を行う約束に対する前払いです。
この形は、店にとって都合がよい面と、そうでない面の両方を持ちます。
都合がよいのは、現金が先に入ることと、来店の理由を作れることです。10回ぶんを買った人は、使い切るまでは他の店に行きません。来店の周期も安定します。
都合が悪いのは、売った瞬間に将来の仕事が確定することです。10回ぶんを5万円で売れば、この先10回ぶんの時間を5万円で提供する義務が生まれます。値上げしても、その10回には反映できません。人手が足りない時期に一度に使われても、断りにくい。
この二面性を理解したうえで、条件を先に決めておくのが回数券の設計です。売ってから決めることは、ほとんどできません。
枚数で売るか、時間で売るか
最初の分かれ道です。この業態には2つの型があります。
1つ目は、枚数で売る形です。「60分コース5回券」のように、コースと回数を固定します。分かりやすく、数えるのも簡単です。
2つ目は、時間で売る形です。「600分のチケット」のように、分数を貯金する形にします。60分を10回でも、90分を6回と60分を1回でも使えます。
リラクゼーションサロンでは、後者が向く場面が多くなります。理由は、同じ人が日によって違う長さを選ぶからです。繁忙期は90分、余裕がないときは40分。この使い分けができると、券が使い切られる速度が上がります。
・枚数で売る……分かりやすい。コースを変えられない ・時間で売る……柔軟に使える。計算と表示が必要になる
時間で売るなら、残りの分数がその人にすぐ分かる形が要ります。「あと170分です」と即答できないと、この形は運用できません。紙の台帳では厳しく、ここが道具を選ぶ理由になります。
券の単価とコースの単価が違うときの差額
時間で売る形にすると、必ず問題になるのが差額です。
60分あたり5,000円のコースを、券では4,500円相当で売ったとします。この人が90分のコースを受けたとき、券から90分を引くのか、通常価格との差額をもらうのか。決めていないと、その場で計算することになります。
分かりやすいのは、券は分数だけを消費するという形です。90分受けたら90分引く。差額のやり取りは発生しません。券を買った時点で単価が決まっているという理解になります。
もう1つは、コースごとに引く分数を変える形です。指名やアロマのように単価の高いコースは、実際の時間より多く引きます。60分のアロマを受けたら75分引く、という形です。計算は複雑になりますが、店の取り分は守れます。
どちらでも構いませんが、券を売るときに紙に書いて渡してください。口頭で説明したことは、半年後には双方とも覚えていません。
有効期限をどう決めるか
期限を決めるとき、店主が気にするのは「短くして怒られないか」という点です。ただ、期限の長さは店の都合だけで決まる話でもありません。
前払いで受け取る仕組みには、法令上の位置づけがあります。
二 発行の日から政令で定める一定の期間内に限り使用できる前払式支払手段 出典: laws.e-gov.go.jp
ここでいう政令で定める一定の期間は、資金決済に関する法律施行令で6か月と定められています。つまり、発行から6か月を超えて使えるものと、6か月以内のものでは、制度上の扱いが変わります。
自分の店の回数券がこの仕組みに当たるかどうか、当たるとしてどの規定が適用されるかは、券の作り方や運用によって判断が分かれます。ここは推測で決めずに、所管の窓口や専門家に確認してください。一般的な説明は金融庁にあります。
実務としては、期限を6か月にしている店と1年にしている店の両方があります。決める前に、自分の店の回数券がどちらの扱いになるかを確かめておくのが安全です。
期限を長くするほど、店の負担が積み上がる
法令の話とは別に、経営としての判断があります。
期限が長いほど、お客様には親切に見えます。ただし、その間ずっと「まだ提供していない施術」が積み上がります。10回券を30人が持っていて、平均で4回ずつ残っていれば、120回ぶんの施術が予約もされないまま宙に浮いていることになります。
この状態には2つのリスクがあります。1つは、値上げしたときに、古い単価の施術を提供し続けることです。もう1つは、期限が近づいた人が一斉に使いに来ることです。期限が同じ月に集中していると、その月だけ現金の入らない予約で埋まります。
期限を決めるときは、来店の周期から逆算するのが実務的です。3週間に1回来る人が10回使い切るには、およそ7か月かかります。周期の1.5倍ほどの余裕を見て期限を置けば、無理なく使い切れて、宙に浮く期間も長くなりすぎません。
期限が切れたときの扱いを、先に決めておく
必ず起きるのが、期限切れの相談です。「あと2回残っているのですが、先月で切れてしまって」という電話です。
その場で判断すると、担当した人によって答えが変わります。店主は延長を認め、スタッフは断る。これがいちばん悪い形です。
決め方は3つあります。
・そのまま無効にする。券面と説明に明記しておく ・一定の条件で延長する。延長は1回だけ、3か月まで、など ・残りを通常価格との差額で使えるようにする
3つ目は折衷案です。4,500円で買った1回ぶんを、通常価格5,000円との差額500円を払って使ってもらう。店の損失が小さく、相手も納得しやすい形です。
どれを選んでもよいのですが、券を売るときに書いて渡してください。そして、期限の1か月前に案内を送る仕組みを作っておくと、そもそも切れる人が減ります。切れてから揉めるより、切れる前に来てもらうほうが双方にとってよい結果になります。
契約の内容によっては、別の枠組みが関わることがある
回数券が「一定期間にわたって継続的に役務を提供する契約」の形に近づくと、別の制度が関わることがあります。
一 人の皮膚を清潔にし若しくは美化し、体型を整え、又は体重を減ずるための施術を行うこと(二の項に掲げるものを除く。)。 出典: laws.e-gov.go.jp
これは特定継続的役務提供の対象として掲げられている役務の1つで、期間が1か月を超え、金額が5万円を超えるものが対象になると定められています。
自分の店で提供している施術がこの記述に当たるかどうかは、実際に行っている内容によって判断が分かれます。統計の上でも、この業態は隣の業態と区別されています。
リラクゼーション業(手技を用いるもの) 手技を用いて心身の緊張を弛緩させるための施術を行う事業所をいう。 出典: soumu.go.jp
日本標準産業分類では、この区分の説明の中で、エステティックを業とする事業所と、医業類似行為を業とする事業所は別の区分に置かれると示されています。もみほぐしを主体とする店と、痩身や美肌を掲げている店では、位置づけが変わりえるということです。
とはいえ、産業分類の区分と、個々の制度が適用されるかどうかは別の話です。自分の店の回数券がどう扱われるかは、店ごとに事情が違うので、所管の窓口や専門家に確認してください。一般的な説明は消費者庁にあります。
対象になる場合は、書面の交付や中途解約の扱いなど、決められた手続きが関わってきます。10回券を6万円で売るような設計をしているなら、売り始める前に一度確認しておく価値があります。
譲渡と家族の利用を、どこまで認めるか
「友人に1回ぶん使わせたい」「家族と分けて使いたい」という相談は、必ず来ます。
認めると、来店の裾野が広がります。使ってみた家族が通うようになることもあります。一方で、施術の記録が誰のものか分からなくなります。この業態では体の状態を記録して次に活かすので、券の名義と受ける人がずれると、記録が使えなくなります。
現実的な線引きは、こうなります。
・同居の家族までは認める。ただし受ける人ごとに記録を分ける ・第三者への譲渡は認めない ・認める場合も、初回は問診を必ず取る
3つ目が抜けやすい。券を持っている人の連れだからと問診を省くと、体調や持病を確かめないまま施術することになります。券の話と、安全の話は別です。
返金を求められたときに、何を答えるか
引っ越し、体調、店への不満。理由はさまざまですが、返金の相談は必ず来ます。
事前に答えを持っていないと、その場の空気で決めることになります。断れば揉め、応じれば前例になります。
決めておくのは2つです。1つは、返金に応じるかどうか。もう1つは、応じる場合の計算方法です。
計算でよく使われるのは、使った回数を通常価格で計算し直して、残りを返す形です。5万円で10回券を売り、3回使っている場合、通常価格6,000円で3回ぶんは1万8千円。差し引き3万2千円を返す計算になります。割引ぶんは受け取っていないことになるので、店の損失は限定されます。
ただし、この扱いをどう定めてよいかは、契約の内容や適用される制度によって変わります。条件を作る段階で、所管の窓口や専門家に確認しておいてください。決めた内容は、必ず書いて渡します。
残数は、書いた数字ではなく履歴から出す
運用でいちばん事故が多いのがここです。
紙の台帳や券面に「のこり3回」と書く形は、書き換え忘れが必ず起きます。忙しい日に施術だけ行って、書き換えを忘れる。次に来たときには、誰も正しい数を知りません。
正しい持ち方は、履歴です。いつ何回ぶんを売り、いつ何回ぶんを使ったか。この2種類の記録があれば、残数は引き算で出ます。書いた数字を信じる必要がありません。
履歴で持つと、他にも分かることが増えます。
・売ってから使い切るまでの平均日数 ・売った人のうち、使い切らずに期限を迎えた割合 ・回数券を持っている人と持っていない人で、来店の周期がどれだけ違うか
3つ目は、回数券を続けるかどうかの判断に直結します。周期が変わっていないなら、割引をして単価を下げただけということになります。
券面の紙を出すかどうか
紙の券を出す店と、記録だけで管理する店があります。
紙には利点があります。財布に入っているので、存在を忘れません。残りが減っていくのが見えるので、使い切ろうという気持ちが働きます。人に見せて話題にしてもらえることもあります。
欠点は、紛失です。無くしたと言われたときの扱いを決めていないと、その場で困ります。店側に履歴が残っていれば再発行できますが、紙だけで管理していると、水掛け論になります。
現実的なのは、紙を出しつつ、記録は店側でも持つ形です。紙は相手のためのもの、記録は店のためのものと役割を分けます。紛失時は記録から再発行し、その旨を履歴に残します。
券面には4つ書いてください。発行日、有効期限、残りの回数または分数、そして条件の要約です。条件を書く場所がなければ、別紙を1枚添えます。
指名料と延長料金は、券に含めるか
決め忘れやすい項目です。券で施術を受けた人が指名した場合、指名料をどう扱うか。10分延長した場合の料金はどうするか。
含めない形が一般的です。券はコースの本体に対するもので、指名料と延長料金は都度いただく。この形にすると計算が単純になり、セラピストへの配分も分かりやすくなります。
含める形にすると、指名で回っているセラピストの実績が回数券に埋もれます。誰が指名されたかが集計から見えなくなるので、歩合の計算が難しくなります。
どちらにしても、券を売るときに口で伝え、券面か添付の紙に書いてください。当日に「指名料は別なんですね」と言われる場面をなくすためです。金額が小さいだけに、意外なほど印象を左右します。
業務委託のセラピストがいる店の按分
セラピストに歩合で支払っている店では、回数券は計算を複雑にします。
問題は、売った人と施術した人が違うことです。10回券を売ったのはAさんで、実際に施術するのはBさんとCさん、という状況が普通に起きます。
考え方は2つあります。
1つは、売った月に売上を全額計上して、売った人に販売の歩合を付ける形です。計算は簡単ですが、施術した人の実績には売上が立ちません。使われるたびに人件費だけが出ていく月が生まれます。
もう1つは、使われた回ごとに売上を分割して立てる形です。5万円の10回券なら、1回使われるたびに5,000円を計上します。実態に近く、施術した人にも実績が付きます。計算は複雑になりますが、履歴で管理していれば自動で出せます。
後者を選ぶなら、道具の側で回数券の消費を1回ずつ記録できることが前提になります。ここは選ぶ前に確かめてください。
回数券と月額制は、目的が違う
回数券を検討していると、月額制と比べたくなります。似ているようで、目的がまったく違います。
回数券は、まとめ買いです。買った時点で回数が決まっていて、使い切ったら終わります。相手にとっては「安く買った」という感覚で、店にとっては現金が先に入ります。
月額制は、通う習慣を作るものです。毎月決まった額を払い、決められた範囲で使う。使わなかった月も課金されるので、相手には損の感覚が生まれやすい。一方、店にとっては収入が読めます。
リラクゼーションサロンでは、回数券のほうが定着しています。理由は、体の状態が季節や仕事の忙しさで変わるからです。繁忙期は月に3回来て、落ち着けば月に1回になる。この変動を月額制で受け止めるのは難しく、使わない月の不満が積もります。
・回数券……変動を受け止められる。使い切ったら終わる ・月額制……収入が読める。使わない月の不満が出る
両方を出す店もありますが、条件が2種類になると説明も管理も倍になります。どちらか一方から始めるほうが、運用は安定します。
使い切れないと言われる前に、進み具合を見せる
回数券を売って困るのは、期限が切れた後の相談です。切れる前に手を打てば、ほとんど起きません。
有効なのは、進み具合をその都度伝えることです。施術の会計のときに「これで6回目ですね。残り4回、期限は3月までです」と一言添える。これだけで、相手は自分のペースを把握できます。
把握できると、行動が変わります。残り4回で期限まで2か月なら、月に2回来ようという計算が働きます。伝えていないと、気づいたときには残り4回で期限まで2週間です。
伝えるためには、その場で残数と期限がすぐ出せる必要があります。台帳をめくって数えている間に会計が止まるようでは、毎回は言えません。会計の画面にそのまま出ている形が理想です。
・会計のたびに残数と期限を口で伝える ・期限の1か月前に、残っている人へ案内を送る ・残り2回になった人には、次の2回ぶんの日程を提案する
3つ目まで踏み込むと、使い切りと次の購入が同じ流れになります。
値段は、割引率ではなく1回あたりの単価で考える
回数券の価格を決めるとき、「10%引き」といった割引率から入る店が多いのですが、この決め方は後で困ります。
考えるべきなのは、1回あたりの単価がいくらになるかです。通常6,000円のコースを10回で54,000円にすれば、1回あたり5,400円です。この5,400円で、材料費と人件費と家賃を賄えるかを確かめます。
歩合でセラピストに支払っている店では、ここが特に効きます。歩合が売上の40%なら、5,400円のうち2,160円が出ていきます。通常価格なら2,400円なので、差は240円。1回あたりでは小さく見えますが、月に100回使われれば2万4千円の差になります。
割引率で決めると、この計算をしないまま値段が決まります。単価で決めれば、いくらまで下げられるかが最初に見えます。
回数券を出さないという選択もある
すべての店に回数券が要るわけではありません。出さないほうがよい場面もあります。
1つは、予約が埋まっている店です。回数券は来店の頻度を上げる仕組みなので、そもそも枠が足りていない店では、通常価格の新しいお客様を断って割引の施術を入れることになります。
もう1つは、単価を上げたい時期です。回数券を売ると、その回数ぶんは古い単価で固定されます。値上げを考えているなら、売るのを一度止めるという判断もあります。
3つ目は、管理する手が足りない店です。残数と期限の管理は、思っているより手間がかかります。管理できないまま出すと、食い違いの負担だけが残ります。
・予約が埋まっている……枠を割引で埋めることになる ・値上げを考えている……古い単価が長く残る ・管理の手がない……食い違いの負担だけが残る
出すと決めたら、条件を書いて渡し、残数を履歴で持つ。この2つが揃わないうちは、出さないほうが損失は小さくなります。
売るタイミングは、施術の後にする
最後に、売り方の話です。
回数券を勧める場面として最も成果が出やすいのは、施術の直後です。体が軽くなったと感じている状態で、次の周期の話をして、そこに券の案内を添える。理由がつながっているので、押し売りになりません。
逆に、来店した直後の受付で勧めるのは避けてください。まだ何も受けていない相手に前払いを求める形になり、警戒されます。
勧めるときの言い方も、値引きから入らないほうがうまくいきます。「3週間ごとに来られるなら、券のほうが手間もかかりません」という形で、周期の話として出す。値段の話は後から添えるだけで足ります。
割引率は、1回ぶんが無料になる程度が目安として使われています。10回ぶんの価格で11回使えるなら、実質の割引は9%ほどです。これ以上深く割ると、通常価格で来ている人との差が開きすぎます。
条件を書いた紙を、1枚だけ作る
回数券をめぐる揉め事のほとんどは、条件を口で伝えていたことが原因です。売るときには双方が納得していても、半年後には記憶が食い違います。
作るのは1枚です。券を売るときに渡して、同じ内容を店にも残します。
書くのは6つです。
・回数または分数と、金額 ・有効期限 ・使えるコースの範囲と、指名料や延長料金の扱い ・期限が切れたときの扱い ・譲渡と家族の利用について ・途中でやめたいと言われたときの扱い
この6つが書いてあれば、後から出てくる相談の大半はその紙を見せれば済みます。書いていないことについては、その場で判断することになり、判断した内容が前例として積み上がります。
紙は1枚で足ります。裏面に細かい字を並べる必要はありません。読まれない条件は、書いていないのと同じです。
未使用の残りを、経営としてどう見るか
回数券の売上は、入ってきた月の売上ではありません。まだ提供していない施術に対する預かりです。
ここを分けて見ていないと、売れた月の数字が良く見えて、使われる月の数字が悪く見えます。月ごとの比較ができなくなり、判断を誤ります。
月末に3つの数字を出してください。
・その月に売った回数券の金額 ・その月に使われた回数券の金額 ・月末時点で残っている未使用の金額
3つ目が、店が抱えている将来の義務です。この金額が増え続けているなら、券が売れているのに使われていないということで、いずれ一斉に使われる時期が来ます。減っているなら、使い切って買い直す循環が回っています。
税務上の扱いについては、契約の内容によって判断が変わります。顧問の税理士に確認してください。一般的な情報は国税庁にあります。
休業や閉店のときに、何が起きるか
考えたくない話ですが、条件を作る段階で触れておく価値があります。
長期の休業や閉店をするとき、未使用の回数券は残ります。金額が大きいほど、対応の負担も大きくなります。
対応の選択肢としては、休業前に使い切ってもらう案内を出す、未使用ぶんを返金する、といった形が考えられます。どれを取るにしても、未使用の残高がいくらあるかを即座に出せることが前提です。履歴で管理していれば、この数字は1分で出ます。書いた数字で管理していると、集計そのものができません。
平時に必要ないように見える機能が、いちばん困る場面で効いてきます。残高の集計を出せるかどうかは、道具を選ぶときに1度だけ確かめておいてください。
仕組みを見直すときに、確かめる場所
売り方と期限と残数の持ち方が決まったら、それを動かせるかを確かめます。
まず、回数券の残数を履歴から出せるかどうかです。数字を手で書き換える形しか持てない道具では、ずれが必ず起きます。できることを開いたら、まずこの項目を探してください。
次に、時間で売る形に対応できるかどうかです。600分のチケットから90分を引くという使い方は、回数だけを数える作りでは表現できません。業態ごとの売り方は業種ごとの使い方に整理されています。
期限が近い人への案内を出せるかどうかも見ておきます。期限切れの揉め事は、切れる前の1通で大半が消えます。この機能の有無は道具によって差が出るので、他社との比較で該当する欄を見比べてください。
実際の操作は触ってみるのが確実です。デモを見るから、回数券を1つ売って1回使うところまで通してみてください。使うときの操作が3手を超えると、忙しい日には省略されます。省略された時点で、履歴の管理は崩れます。
費用は、残数の食い違いで負担している金額と並べます。1回ぶん5,000円の食い違いが月に2件あれば、年に12万円です。料金の年額をその金額と見比べれば、続けるかどうかが決まります。導入時に既存の回数券をどう移すかはよくある質問にまとまっています。
回数券は、売った瞬間に将来の仕事を確定させる仕組みです。だからこそ、残数と期限が誰の目にも同じように見えている状態が要ります。決済が必須でない業態に合わせて、予約の受付から次の来店までを一続きにしている作りなら、券の残りと次の予約が同じ流れの中で扱えるので、使い切る前に次の日程が決まります。
Q1. 回数券の有効期限は何か月にすればよいですか?
来店の周期から逆算してください。3週間に1回来る人が10回使い切るには約7か月かかるので、その1.5倍ほどの余裕を見るのが実務的です。ただし前払いの仕組みには法令上の位置づけがあり、発行から6か月を超えるかどうかで扱いが変わる場合があります。決める前に所管の窓口や専門家に確認してください。
Q2. 枚数で売るのと時間で売るのは、どちらがよいですか?
リラクゼーションサロンでは時間で売る形が向く場面が多くなります。同じ人が日によって40分と90分を使い分けるためで、使い切る速度が上がります。ただし残りの分数を即答できる仕組みが前提です。紙の台帳では運用が難しいので、残数を履歴から出せる形にしてください。
Q3. 期限が切れた回数券は、どう扱えばよいですか?
売る時点で決めて、書いて渡してください。そのまま無効にする、条件付きで1回だけ延長する、通常価格との差額を払って使ってもらう、の3つが実務的な選択肢です。あわせて期限の1か月前に案内を送る仕組みを作ると、そもそも切れる人が減ります。
Q4. 家族に回数券を使わせてほしいと言われたら?
同居の家族までは認め、第三者への譲渡は認めない、という線引きが実務的です。認める場合も、受ける人ごとに施術の記録を分け、初回の問診は必ず取ってください。券を持っている人の連れだからと問診を省くと、体調や持病を確かめないまま施術することになります。