他社との比較

リザービアから乗り換える|移す前に決めておくこと

2026年9月4日・Rizaflow編集部

「リザービア 乗り換え」で検索する店主は、たいてい2つのどちらかの状態にいます。月額に対して予約の件数が釣り合わなくなってきたか、使っていない機能に払い続けている感覚が積もってきたか。どちらの場合も、決めかねているのは「移すこと」そのものではなく、移したときに何が壊れるか分からない点です。

乗り換えで失敗する店は、道具の選び方で失敗するのではありません。9割は移す前の段取りで決まります。契約がいつ切れるのか。いま入っている予約をどう扱うのか。顧客のデータを持ち出せるのか。予約ページのURLを貼ってある場所をすべて把握しているのか。この記事では、リザービアから他の予約システムへ移す前に決めておく項目を、公式サイトで確かめられる情報の範囲で並べます。確かめられなかった部分は、確かめられなかったとそのまま書きます。

乗り換えを考え始めるきっかけは、だいたい決まっている

予約システムの乗り換えは、機能に不満が出て起きることは意外と少ないものです。多くは、店の状態と料金の形が合わなくなったときに始まります。よく聞くのは次の3つです。

月額と予約件数が釣り合わなくなった

リザービアの料金は、2026年9月2日時点で公開されている料金表によると、初期費用が100,000円、月額費用はスタッフ人数で3段階です。スタッフ1人から4人までが15,000円、5人から9人までが18,000円、無制限が21,000円。料金表の注記に「表示価格はすべて税抜表記です」と明記されているので、いずれも税抜の金額です。

この形は、予約件数が多い店ほど有利になります。件数がいくら増えても月額が変わらないからです。逆に、件数が少ない月や、休業が増えた時期には固定費だけが残ります。月額15,000円(税抜)で月30件なら1件あたり500円、月300件なら1件あたり50円です。同じ金額でも、意味がまったく違います。

乗り換えを考え始めるのは、この1件あたりの数字が客単価に対して重く感じられたときです。まずは自分の店の直近3か月の予約件数を数えて、1件あたりに割ってください。この数字が出ていないうちは、乗り換えの是非を判断できません。

使っていない機能に払っている感覚が積もった

リザービアはサロン向けの機能が幅広く用意されています。クーポンサイト連携、POS連携、順番待ちシステム、スタッフ専用ページ、多言語対応、チケット機能。サロン運営に必要なものがひととおり揃っています。

ただし、機能が多いことは、すべての店にとって長所とは限りません。1人でやっている店で、指名もクーポンサイトも使っていない場合、必要なのは「二重予約が起きないこと」と「予約が入ったらすぐ分かること」の2つだけです。それだけのために、サロン向けフル機能の価格帯を払い続けるかどうか。ここで迷いが出ます。

オプションを足していると、この感覚はさらに強くなります。クーポンサイト連携が月3,000円、LINE予約が月4,500円、オプション相談が月4,500円(いずれも税抜・1店舗あたり)。LINE予約を足せば、いちばん下の段でも月額は19,500円(税抜)です。

スタッフの人数が変わった

月額の段はスタッフ人数で切られています。しかもフリー枠はスタッフ数1名としてカウントされると注記されています。この数え方があるので、スタッフが1人増えただけで段が上がることがあります。

逆に、スタッフが減って1人体制に戻ったときも、料金の形が合わなくなります。指名もシフトも要らなくなったのに、複数スタッフを前提にした価格帯に残っている状態です。人数の増減は、料金の形を見直す自然なきっかけになります。

まず「そのまま使い続けたほうがいい場合」を先に置く

乗り換えの記事だからといって、移すことを勧めるのは筋が違います。いまのままがいい場合を先に確定させておくと、判断が早くなります。次に当てはまるなら、移さないほうが得です。

クーポンサイト連携が集客の柱になっている

リザービアにはBMSというクーポンサイト連携のオプションがあります。クーポンサイト、Google、LINE、電話の予約をひとつの画面で管理でき、各媒体の予約が連動するのでダブルブッキングを防げると記載されています。

新規客の大半がクーポンサイト経由という店にとって、この連動は運用の背骨です。媒体側のカレンダーと自社の予約表を人が突き合わせる作業に戻ると、二重予約の危険が跳ね上がります。この連携が集客の柱になっているなら、移す理由は相当強くないと割に合いません。

なお、BMSの契約先はクラウドマーケット社となると料金の注記に明記されています。連携そのものの契約が別会社になっている点は、乗り換えを検討するときにも押さえておく必要があります。予約システムを移しても、クーポンサイト側の契約は別の話として残ります。

POS連携で会計と顧客が繋がっている

リザービアはA'staff Cloud SmartとSalon Answerとの連携が公式サイトに記載されています。A'staff Cloud Smartとの連携では予約管理と会計管理・顧客管理が繋がり、別店舗利用の顧客データも自店舗で見られるとされています。Salon Answerとの連携では、予約確認、売上集計、顧客管理に対応し、店舗間でのカルテ共有や本部機能での店舗ごとの比較、合算売上の確認ができるとされています。

この繋がりができている店で予約システムだけを差し替えると、会計側との連携が切れます。複数店舗を持っていて、本部で数字をまとめている場合は特にそうです。予約だけを軽くしたつもりが、経理と顧客管理の作り直しに発展します。

順番待ちの運用が回っている

関連サービスの「サロンウェイト」を使って順番待ちを回している場合も、そのままのほうが安全です。オンラインやLINEで順番待ちを受け付けられ、来店しなくても順番待ちができる。LINEで順番待ち状況をリアルタイムに通知し、順番が来たときに呼び出し通知を送れる。受付端末はiPad、レシートプリンターはTM-m30Ⅱ-HまたはTM-m30Ⅲ-H(USB接続)を使う、という構成が公式サイトに記載されています。

端末を買い揃えて、スタッフが操作に慣れている状態は資産です。順番待ち中心の店が、時間指定の予約を前提にした仕組みへ移ると、受付の考え方から作り直すことになります。

スタッフ指名が売上の中心にある

スタッフ専用ページの機能では、スタッフごとに対応できるメニューを設定でき、アシスタントはホームページに表示するが予約は受け付けないといった細かい設定もできます。専用のスタッフ指名URLを作って、スタッフ個人のSNSや名刺に貼る使い方も示されています。

指名の売上比率が高い店では、この指名URLが方々に散らばっています。名刺、Instagramのプロフィール、店内のPOP。移すということは、それを全部差し替えるということです。差し替え漏れは、そのまま予約の取りこぼしになります。

移す前に決めておくこと

ここからが本題です。移すと決めたら、次の5つを先に確定させてください。順番も大事です。上から順に潰します。

契約がいつ切れるのか

リザービアの料金の注記には、契約の単位が明記されています。

契約期間は一年毎の自動更新となります 出典: rsvia.co.jp

つまり月単位で止められる契約ではありません。1年単位で回っています。ここが乗り換えの日程を決める起点になります。

一方で、解約の手続き方法、申し出の期限、違約金の有無、最低契約期間の扱いは、いずれも公開資料では確認できませんでした。公式サイトに利用規約や解約の案内ページが見当たらなかったためです。したがって、この4点は問い合わせて文書で確認する項目になります。とくに「いつまでに申し出れば次の更新に入らないか」は、確認しないまま動くと1年分の費用を余計に払うことになります。

乗り換え作業に取りかかる前に、この期限を紙に書いてください。逆算して、いつまでに新しい仕組みを立ち上げるかが決まります。

データを持ち出せるかどうか

解約時のデータ持ち出しについては、公開資料では確認できませんでした。顧客データや予約履歴をCSVなどで出力できるか、解約後にどれだけの期間データが保持されるかについて、公式サイトに記載は見つかっていません。

公式サイトで確認できたのは、予約集計機能で経路別やクーポン別の予約数を見られること、POS連携で顧客管理や売上集計を行えることまでです。

実務としては、次のように動くのが安全です。まず、持ち出せる形式を問い合わせで確認する。出力できるなら、解約の申し出をする前に一度出力しておく。出力できないなら、最低限の情報を手作業で控える。控える項目は、氏名、連絡先、来店履歴の日付とメニュー、注意事項の4つです。全部は無理でも、直近1年に来た常連客の分だけでも手元に残しておくと、移った先での再構築がまるで違います。

予約ページのURLを、どこに貼ってあるか

これが乗り換えでいちばん漏れる項目です。予約ページのURLは、思っているより多くの場所に貼られています。

店のホームページ、Googleビジネスプロフィール、Instagramのプロフィール欄、LINE公式アカウントのリッチメニュー、スタッフ個人のSNS、名刺、店内のPOP、過去に送ったメールの文面、印刷済みのショップカード。スタッフ指名URLを配っている店なら、さらに人数分だけ増えます。

移す前に、この一覧を紙で作ってください。作らずに移すと、必ずどこかが古いURLのまま残ります。古いURLが生きていれば旧システムに予約が入り続け、死んでいれば客が予約できずに離脱します。どちらも損失です。

決済をどう切り替えるか

リザービアのオンライン決済「サロンペイ」を使っている場合、切り替えには時間の制約があります。公式サイトに記載されている条件を整理します。

代金の入金は月2回で、15日締めの月末振込、月末締めの翌月15日振込です。振込の最低入金額は1万円で、満たない場合は翌締め日に繰り越されます。振込ごとに振込手数料250円が差し引かれます。1回の決済の下限は50円(税込)、上限は11万円(税込)です。過去の決済のキャンセルは決済日から180日以内なら可能で、キャンセル時はお客様のクレジットカードへ直接返金され、店舗へは次回振込分から該当額が差し引かれます。

ここから読み取るべきことが2つあります。1つ目は、解約後も返金が発生しうる期間が残るということです。決済日から180日以内の返金に備えて、いつまで窓口を残すかを決めておく必要があります。2つ目は、代金がいったんリザービア側を経由して店舗へ支払われる形なので、切り替えの前後で入金のタイミングが変わるということです。最後の入金がいつ届くのかを確認してから、次の決済手段の稼働日を決めてください。

LINEとGoogleの連携を、どう作り直すか

リザービアではLINE連携予約がLINEミニアプリとして提供されていて、リッチメニューからの予約、リマインド通知、LINE限定クーポンの作成、スタンプカードの管理ができるとされています。「Googleで予約」にも対応していて、Google検索からサロン予約ができ、予約手数料は0円(初期費用・月額費用は別途)と記載されています。

この2つは、移した先で同じことができるとは限りません。同じことができる場合でも、設定は最初からやり直しになります。LINEのリッチメニューは作り直し、Googleビジネスプロフィールの予約リンクも差し替えです。スタンプカードのポイント残高をどう引き継ぐかは、引き継げないことが多い部分なので、移行前に客へ告知するか、別の形で埋め合わせるかを決めておいてください。

移す手順を、時系列で組む

決めることが決まったら、順番に並べます。慌てて一斉に切り替えると、必ず穴が空きます。次の5段階で組むと、穴が空いても戻せます。

1. いまの受け方を、そのまま書き出す

最初にやるのは、新しい仕組みを探すことではありません。いまの受け方を全部書き出すことです。メニューの一覧と所要時間、スタッフごとの対応メニュー、営業時間と受付の刻み、予約を受け付ける期間、キャンセルポリシーの文面、リマインドの送信タイミングと文面、設備の数と重複の制限。

この書き出しは、そのまま新しい仕組みの設定書になります。同時に、いま使っていない機能があぶり出されます。書き出してみると、「この機能は入れたけれど一度も使っていない」というものが必ず出てきます。それが分かれば、移した先で何を求めなくていいかが決まります。

2. 同じ受付が再現できるかを、実際の画面で確かめる

書き出した内容を持って、移り先の候補を触ります。資料の機能一覧だけで判断しないでください。同じ言葉で書かれていても、挙動が違うことがよくあります。

とくに確かめるのは、予約の刻み(15分刻みか30分刻みか)、メニューごとの所要時間の設定、複数メニューを同時に取れるか、設備の重複制限、営業時間外の例外設定、キャンセル可能な期限の設定です。この6つが再現できないと、移した後で運用を変えることになります。実際の画面での挙動はデモを見るのような試用ページで確かめるのが確実です。

3. 並走する期間を決める

いきなり切り替えず、両方を動かす期間を作ります。目安は2週間から1か月です。この期間は、新しい仕組みで新規の予約を受け、旧システムには入っている予約だけを残します。

並走期間の目的は2つです。1つは、新しい仕組みで実際に予約が入るかを確かめること。もう1つは、スタッフが操作に慣れる時間を作ることです。予約システムの乗り換えでいちばん多い失敗は、スタッフが新しい画面を使いこなせないまま切り替え日を迎えることです。

4. 旧システムでの受付を止める日を決める

並走期間の途中で、旧システムの新規受付を止めます。既に入っている予約は消さず、最後の1件が終わるまで残します。

止める日を決めるときは、いちばん先の予約がいつかを確認してください。3か月先まで予約を取っている店なら、旧システムは3か月動かし続けることになります。契約の更新日と、この最終予約日の関係を突き合わせて、日程を決めます。ここが合わないと、更新日をまたいで1年分の費用が発生します。

5. 客への告知を、予約が入る場所すべてで出す

切り替えの2週間前から告知を出します。出す場所は、手順3で作ったURLの一覧と同じです。ホームページ、Googleビジネスプロフィール、SNS、LINE、店内、そして会計時の口頭。

告知の文面は短くして構いません。予約の取り方が変わること、いつから新しいページになること、いま入っている予約はそのまま有効であること。この3点だけです。長い説明は読まれません。とくに常連客は、予約の取り方を体で覚えているので、口頭で一度伝えるのがいちばん効きます。

移したあとに壊れやすいところ

切り替えが終わっても、しばらくは監視が要ります。壊れやすいのは、決まって次の3つです。

古いリンクが残っている

告知を出しても、古いURLは残ります。誰かのブログに紹介されている、まとめサイトに載っている、印刷物が街に出回っている。全部は回収できません。

対策は、旧システムの契約が切れる前に、旧の予約ページから新しいページへ案内を出しておくことです。旧システムでそれができるかどうかは仕様によりますが、少なくともホームページ側には、新旧どちらから来ても新しいページに行き着く導線を作っておいてください。

リマインドが飛ばない、または二重に飛ぶ

並走期間に起きやすいのがこれです。両方の仕組みでリマインドが有効になっていると、同じ客に2通届きます。逆に、切り替えのときに新しい側の設定を忘れると、1通も飛びません。

切り替えの当日に、テストの予約を1件入れて、予約完了の通知とリマインドが実際に届くかを自分の携帯で確認してください。設定画面で有効になっていることと、実際に届くことは別です。

常連客が予約の取り方を戻せない

新しい予約ページが使いにくいと、常連客は電話に戻ります。電話に戻ると、予約システムを入れた意味が半分消えます。

移した直後の2週間は、電話での予約が増えたかどうかを数えてください。増えているなら、新しい予約ページのどこかで詰まっています。多いのは、メニューの名前が変わって分からなくなった、必須項目が増えた、スマートフォンで文字が小さい、の3つです。

乗り換える前に試せる、途中の選択肢

移すと決める前に、もう一段だけ検討の余地があります。乗り換えは手間も費用もかかる作業なので、それより軽い手で済むなら、そのほうが得です。次の3つを先に潰しておくと、そもそも移す必要がなかったと分かることがあります。

オプションだけを外す

料金が重いと感じている原因が、基本料金ではなくオプションであることは珍しくありません。クーポンサイト連携が月3,000円、LINE予約が月4,500円、オプション相談が月4,500円(いずれも税抜・1店舗あたり)です。3つ全部を付けていれば、基本料金に月12,000円が乗っています。

このうち、実際に予約が入っている経路はどれかを数えてください。予約集計機能で経路別の予約数を見られるので、直近3か月の内訳を出します。ほとんど予約が入っていない経路のオプションを外すだけで、月額が下の段の店と同じ水準まで下がることがあります。

ただし外す前に、その経路が新規客の入口になっていないかを確認してください。件数が少なくても、そこから来た客の単価が高い、あるいはリピートに繋がっているなら、金額だけで切ると損をします。経路別の件数と、その経路の客が再来しているかどうかを並べて見ます。

スタッフの段を見直す

月額の段はスタッフ人数で決まります。そしてフリー枠はスタッフ数1名としてカウントされます。この数え方があるので、実際に予約を受けている人数と、システム上で登録している人数がずれていることがあります。

退職したスタッフが登録に残っていないか。予約を受け付けないアシスタントが人数に入っていないか。フリー枠が本当に必要か。この3点を棚卸しすると、段が1つ下がる可能性があります。1人から4人の段と5人から9人の段では、月額の差は3,000円(税抜)です。年間で36,000円、税込では39,600円ほどの差になります。

なお、公式サイトのスタッフ専用ページの説明では、アシスタントはホームページに表示するが予約は受け付けない、という設定ができるとされています。この設定が人数の計上にどう影響するかは、公開資料では確認できませんでした。段の変更ができるタイミングも含めて、問い合わせで確認する項目になります。

使い方の相談を先に投げる

サポートは電話、メール、チャットで対応し、導入前後にマンツーマンの研修があると記載されています。電話でのお問い合わせ受付は平日10:00〜18:00です。契約者向けのセミナーも定期開催されていて、2026年9月にはご契約店舗様限定のGoogle集客セミナーの告知ページが公開されています。

不満の内容が「使いこなせていない」であれば、乗り換えても同じことが起きます。設定が複雑で手が回っていないのか、機能があることを知らなかったのか。この切り分けは、サポートに一度相談すれば付きます。相談してもなお足りない部分が残るなら、そのときに移せばいい。順番として、相談のほうが先です。

乗り換えにかかる費用と時間を、先に見積もる

移すと決めたら、かかるものを数えます。金額だけでなく、時間も費用です。ここを甘く見積もると、繁忙期に作業が食い込んで店が回らなくなります。

二重にかかる期間の費用

並走期間は、両方の月額が発生します。2週間から1か月の並走なら、1か月分は重なると考えてください。移り先の初期費用がかかる場合は、それも同じ時期に出ます。

さらに、契約の更新日と最終予約日の関係によっては、旧システムを数か月残すことになります。3か月先まで予約を取っている店なら、最後の予約が終わるまでの3か月分です。この重複分を先に足して、乗り換えの総額を出してください。月額の差額だけを見て「安くなる」と判断すると、初年度は逆に増えることがあります。

差額が回収できるまでの月数を計算すると、判断が数字になります。月額の差が5,000円で、重複と初期費用の合計が50,000円なら、回収まで10か月です。この期間が許容できるかどうかが、実務上の分かれ目になります。

設定にかかる時間

移り先の初期設定は、店の規模によりますが、メニューが20種類でスタッフが3人なら、丸1日は見ておく必要があります。メニュー名と所要時間、料金、スタッフごとの対応可否、営業時間と受付の刻み、キャンセルポリシー、リマインドの文面。これを1つずつ入れます。

手順1で書き出した内容がそのまま設定書になるので、書き出しを丁寧にやっておくほど、この作業は速くなります。逆に書き出しを飛ばすと、設定しながら「この場合はどうする」を考えることになり、時間が倍以上に伸びます。

作業する日は、定休日か、予約の少ない日を選んでください。営業しながら片手間でやると、必ず設定漏れが出ます。

スタッフが慣れるまでの時間

見落とされやすいのがここです。新しい画面に慣れるまで、スタッフには時間がかかります。予約の確認、変更、キャンセルの3つの操作を、全員が迷わずできる状態になるまで、実際に触る時間が要ります。

並走期間の初日に、全員で30分だけ触る時間を作ってください。実際の予約を1件入れて、確認して、時間を変更して、キャンセルする。この一連を全員が1回ずつやれば、大半の不安は消えます。マニュアルを配るより、1回触ってもらうほうが速いと言われています。

移り先を選ぶときに、料金表のどこを見るか

最後に、次の仕組みを選ぶときの見方を整理します。金額の大小ではなく、料金の形を見てください。

上限が何で切られているか

料金の段が何で区切られているかで、店の伸び方との相性が決まります。スタッフ人数で区切られていれば、人を増やしたときに段が上がります。予約件数で区切られていれば、予約が増えたときに上がります。機能で区切られていれば、必要な機能が出てきたときに上がります。

リザービアはスタッフ人数で区切る形です。人数が動かない店にとっては、件数がいくら増えても月額が変わらないので有利に働きます。逆に、人の出入りがある店では、段が上下します。

自分の店で、これから増えるのは人なのか件数なのか。そこを決めてから料金表を見ると、比べる場所がはっきりします。上限の単位と、超えたときの扱いは料金のような料金ページで確認できます。件数で区切る形なら、たとえば無料の枠が月50件、次の段が月300件、その次が月1,000件といった段になっていて、上限を超えた分は100件ごとに追加、というように、超過したときの費用が事前に読めるものを選ぶと予算が組みやすくなります。

決済の代金が、誰を経由するか

乗り換えで見落とされがちなのが、この部分です。予約システムが決済を扱うとき、代金の流れは大きく2つに分かれます。

1つは、運営会社がいったん代金を預かり、締め日ごとに店舗へ振り込む形です。リザービアのサロンペイはこの形で、月2回の入金、最低入金額1万円、振込手数料250円という条件が公開されています。店側が決済事業者と個別に契約しなくてよい反面、入金までに時間がかかり、返金は次回入金から差し引かれます。

もう1つは、店舗が自分で決済代行会社と加盟店契約を結び、代金が店舗の口座へ直接入る形です。この形なら、代金は店舗に直接入り、返金も店舗が行うので、予約システムの運営が代金を預かることがありません。締め日や手数料は、決済代行会社との契約条件で決まります。そのかわり、加盟店の審査は店舗自身で通す必要があります。なお、決済代行会社は仕組みごとに対応先が決まっていることが多く、たとえばテレコムクレジットには対応するがStripeとSquareには対応しない、といった違いがあります。いま使っている決済手段をそのまま持ち込めるとは限らないので、ここは事前に確認してください。

現金と店頭決済が中心で、事前決済は使わない店なら、決済の機能は無理に付けないという選択もあります。何ができて何ができないかはできることのような機能一覧で確認し、業種ごとの向き不向きは業種ごとの使い方のような整理を見ると近い例が見つかります。

途中でやめられるかどうか

一度乗り換えを経験すると、次に選ぶときの基準が変わります。「入れやすさ」より「抜けやすさ」を見るようになります。

見るべきは3点です。契約の単位が月なのか年なのか。解約の手続きが画面から自分でできるのか、連絡が要るのか。解約のときに顧客データを出力できるのか。この3点が公開されているかどうかが、そのサービスの姿勢を表します。公開されていれば、少なくとも判断できます。公開されていなければ、契約前に文書で確認する項目になります。

複数の候補を並べて、この3点がどう違うかを見比べると、料金の総額だけでは見えなかった差が出てきます。他社との比較のような比較ページと、契約や解約の条件をまとめたよくある質問のような質問集を突き合わせて確認すると、抜けやすさの差が見えてきます。乗り換えを一度やった店なら、この差の重さは実感として分かるはずです。

Q1. リザービアの解約はいつまでに申し出ればよいですか?

料金の注記に「契約期間は一年毎の自動更新となります」と記載があり、1年単位の契約であることは公表されています。ただし解約の申し出期限、手続き方法、違約金の有無は公開資料では確認できませんでした。次の更新に入らないための期限は、乗り換えの日程を決める起点になるので、必ず問い合わせて文書で確認してください。

Q2. 顧客データを持ち出して新しい予約システムに移せますか?

解約時のデータ持ち出しの可否は、公開資料では確認できませんでした。CSV出力やデータ引き渡しに関する記載は公式サイトで見つかっていません。出力できるかを先に問い合わせ、できるなら解約を申し出る前に出力してください。できない場合は、氏名、連絡先、来店履歴、注意事項の4項目だけでも手作業で控えておくと再構築が楽になります。

Q3. 移行中は両方の予約システムを動かしたほうがいいですか?

2週間から1か月ほど並走させるのが安全です。新規の予約は新しい側で受け、旧システムには既に入っている予約だけを残します。並走の目的は、新しい仕組みで実際に予約が入るかを確かめることと、スタッフが操作に慣れる時間を作ることです。ただしリマインドが二重に飛ばないよう、設定は片側だけ有効にしてください。

Q4. オンライン決済を使っている場合、切り替えで気をつけることは?

サロンペイでは代金の入金が月2回、最低入金額1万円、振込手数料250円、決済のキャンセルは決済日から180日以内という条件が公開されています。解約後も返金が発生しうる期間が残るため、いつまで窓口を残すかを決めておく必要があります。最後の入金がいつ届くかを確認してから、次の決済手段の稼働日を決めてください。

Q5. 移したあとに予約が減ることはありますか?

古いURLが残っていると、そこから来た客が予約できずに離脱します。予約ページのURLを貼ってある場所を移行前に紙で一覧にして、すべて差し替えてください。また移した直後の2週間は電話予約が増えていないかを数えます。増えているなら新しい予約ページのどこかで客が詰まっているので、入力項目や表示を見直してください。

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