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整体院の回数券とチケットを管理する|残数の数え方と、期限の決め方

2026年9月13日・Rizaflow編集部

回数券を出したいが、残りの数え方でもめたくない。あるいは、すでに出しているものの、紙のカードを紛失したと言われるたびに施術者の記憶で処理している。整体院の回数券は、他の業態の券とは性質が違うところがあり、そこを踏まえずに設計すると、あとから帳尻が合わなくなります。整体 院 予約 システムを整えるときに回数券をどう組み込むかは、券の枚数や割引率よりも先に、期限と残数と前払いの扱いをどう決めるかで決まります。この記事では、売る前に決めておくことと、日々の運用でずれる場所を順に見ていきます。

整体院の回数券は、通い終わりがある業態で売る券である

美容室やネイルサロンの回数券は、髪が伸びる、爪が伸びるという理由で来院が続くことを前提にできます。整体院は違います。痛みが引けば、来る理由は本人の中から消えます。ここが、整体院の回数券が他の業態と決定的に違う点です。

10回の券を売って、5回目で症状が落ち着いた人がいたとします。この人にとって、残りの5回は必要のないものになりました。ここから先の展開は3つです。無理に理由を作って通ってもらうか、残数を放置したまま来なくなるか、返金を求められるか。どれも院にとって良い結果ではありません。1つ目は信用を削り、2つ目は帳簿に負債が積み上がり、3つ目は現金が出ていきます。

この構造を理解したうえで券を設計するかどうかで、結果が変わります。整体院の回数券は「割引で先にお金をもらう仕組み」ではなく「通う期間の見通しを、院と来院者で共有するための道具」として組むほうが噛み合います。回数は施術の計画から逆算して決め、その回数が終わった時点で通院が一区切りつく形にする。この設計なら、余った回数の問題は最初から起きません。

券を売る目的を、資金繰りに置くか通院の継続に置くか

回数券を出す理由は、たいてい2つのどちらかです。1つは、まとまった現金が先に入ることです。開業して間もない院や、設備を入れた直後の院では、これが切実な理由になります。もう1つは、通院が途切れるのを防ぐことです。整体院で症状が戻る人の多くは、間隔が空きすぎた人だからです。

この2つは、券の設計を逆方向に引っ張ります。資金繰りが目的なら、回数は多いほど、期限は長いほど売りやすくなります。継続が目的なら、回数は施術計画に合わせて絞り、期限は短くしたほうが機能します。両方を同時に取ろうとすると、20回で期限1年、といった券ができあがります。これは使い切れません。

どちらを取るかは経営判断です。ただ、資金繰りを目的に大きな券を売った院は、翌年に同じことをする必要が出ます。前年に受け取った分の施術を今年提供しているので、今年の売上が立ちにくくなるからです。この繰り返しに入ると抜けられません。目的を先に決めて、それを院内で共有してから設計に入ってください。

何回の券にするかは、施術の計画から逆算する

整体の通院は、痛みを抑えることを優先する時期、良い状態が保てる期間を伸ばしていく時期、崩れを防ぐために間隔を空けて来てもらう時期に分かれます。券の回数は、このうちどこまでを含めるかで決めます。

最初の時期だけを含める券であれば、4回から6回が目安になります。週に1回から2回の間隔なので、期限は2か月あれば足ります。この券は「まず様子を見る」という位置づけになり、初めての人にも勧めやすい形です。

2つ目の時期まで含めるなら、8回から12回になります。間隔が伸びていくので、期限は6か月前後が必要です。ここまで含める券は、初回の人には重すぎます。数回通って、通う価値が本人の中で固まってから提案するものです。

3つ目の時期は、券ではなく別の形にしたほうが機能します。月に1回の来院を12回分の券にすると、期限を1年以上にせざるを得ず、途中で生活が変わって使い切れなくなります。この段階の人には、月ごとの会費という形のほうが噛み合います。

「何回で治る」と言って券を売らない

回数券を勧めるとき、最も出やすい言葉が「あと5回くらいで良くなりますよ」です。これは売り文句としてよく効きます。同時に、危うい言葉でもあります。

国家資格として定められている施術と、民間の資格で行われている施術では、法令上の位置づけが分かれます。券の説明として治癒や効能を約束する形を取れば、表示や広告のきまりに触れる可能性が出てきます。自分の院で行っている施術がどちらに当たるかは、行為の内容と在籍する有資格者によって判断が変わるため、所管の保健所や専門家に確認してください。関連する情報は厚生労働省にまとまっています。

言い換えの方向は決まっています。結果を約束せず、通う間隔と回数の見込みだけを伝える形です。「この状態であれば、週1回を4回続けて、そこで一度確認したいところです」という書き方なら、約束しているのは施術の提供であって結果ではありません。券の説明書きも同じ書き方に揃えます。口頭では言っていないのに、券に印刷された文言が結果を約束していた、という食い違いが起きないようにしてください。

前払いで受け取ったお金は、まだ売上ではない

10回券を6万円で売った日、口座には6万円が入ります。しかし、この時点で提供したものは何もありません。会計上は、施術を提供するごとに売上が立ち、それまでは預かっている状態です。

この感覚がないまま回数券を出すと、資金の見え方を誤ります。月の入金が増えているのに、実際にはこの先の施術を先に受け取っただけ、という月が続くからです。券の販売額を売上として捉えていると、翌月以降に「働いているのに入金が増えない」という状態になり、原因が分からなくなります。

対策は単純で、券の販売額と、券を消化した分を分けて数えることです。券がいくら売れたか、そのうちいくら分がまだ使われずに残っているかを、月末ごとに出します。この残っている金額が、院が抱えている提供義務の総額です。この数字が数十万円を超えてきたら、期限の設計を見直す時期に来ています。予約と施術の履歴が同じところに残っていれば、この計算は自動で出せます。

消費税の扱いは、券を売った時と使った時で違う

消費税の考え方についても、券を売った時点ではなく使われた時点で扱う枠組みがあります。国税庁は商品券やプリペイドカードについて、次のように整理しています。

商品券など物品切手等を用いる取引では、物品切手等の購入は非課税とされ、後日、物品切手等を使って実際に商品を購入したり、サービスの提供を受けた時が課税の時期となります。 出典: nta.go.jp

自分の院で発行して自分の院でしか使えない回数券が、この枠組みにそのまま当てはまるかどうかは、券の作り方や実際の運用によって判断が変わるところです。金額を表示した券なのか、施術の回数だけを表示した券なのかでも扱いが違ってきます。ここは税理士に確認してください。

実務として押さえておきたいのは、券の販売日と消化日の両方を記録に残しておくことです。どちらの扱いになるにしても、いつ売っていつ使われたかが分からなければ処理できません。紙のカードに判子を押すだけの運用では、この記録が残りません。決算のたびに手作業で集計し直すことになります。

有効期限を何か月にするか

整体院の回数券の期限は、券の回数と想定する間隔から機械的に決まります。週1回で6回の券なら、6週間で使い切る計算です。ここに、来られない週が何回かあることを見込んで、3か月を期限にします。想定の2倍から2.5倍が目安です。

期限を長くするほど売りやすくなります。同時に、使い切れない券が増え、院が抱える提供義務が積み上がります。さらに、期限が長い券は通院の間隔を守る力を失います。「まだ半年あるから」と間隔が空き、症状が戻り、通う気が失せるという流れに入ります。

期限を短くする場合は、伝え方が重要になります。券を渡す時に口頭で言うだけでは伝わりません。券面と、予約の確認の連絡と、残数を見せる場所の3か所に期限を書きます。期限が近づいたら知らせる仕組みも必要です。1か月前2週間前に連絡が出る形にしておけば、期限切れでもめる件数は大きく減ります。

期限が切れたときの扱いを、先に決めておく

期限が切れた券をどうするかは、券を売る前に決めて書いておく必要があります。決めていないと、来院者ごとに違う対応になり、そのばらつきが不信を生みます。

取り得る形はいくつかあります。期限を過ぎた分は無効とする形、手数料を取って延長できる形、期限内に来られなかった事情によって個別に判断する形などです。どれを選ぶにしても、条件を文字にして、券を渡す時点で示しておいてください。契約の内容によっては消費者保護に関するきまりが関わることもあるため、条件の妥当性については専門家や消費生活の窓口に確認してください。案内は消費者庁から辿れます。

整体院で実際に多いのは、体調を崩して通えなかった、という事情です。整体に通っている人は、そもそも身体に不調を抱えています。入院や手術で数か月動けなくなることは珍しくありません。この場合に一律で無効にすると、事情を説明した本人には理不尽に映ります。事情がある場合の延長を条件に入れておくほうが、揉め事は少なくなります。

途中で症状が落ち着いた人から、返金を求められたとき

整体院の回数券で最も判断が難しいのが、この場面です。症状が良くなったので残りは要らない、返金してほしい、という申し出です。良くなったのは施術の成果であって、失敗ではありません。それでも返金の話になります。

まず、返金の扱いを条件に書いてあるかどうかで対応が変わります。書いていない場合は、その場の判断になり、対応がばらつきます。書いてある場合でも、その条件が有効かどうかは契約の内容によって判断が分かれることがあるため、専門家に確認してください。

現場としての落としどころは、返金の前に別の使い道を提示することです。残った回数を、家族が使えるようにする。あるいは、間隔を空けたメンテナンスの来院に充てられるようにする。この2つを提示すると、多くの場合は納得されます。それでも返金を求められた場合に備えて、割引前の通常価格で使った分を計算し直す方式にするのか、券の単価で計算するのかを決めておいてください。この計算方法の違いで、返す金額は数千円から1万円以上変わります。

家族で使い回したいと言われたときの線引き

整体院では、家族での利用が他の業態より多く発生します。親が自分の腰痛で通い始めて、子どもの姿勢を見てほしいと連れてくる。夫婦で交互に来る。こうした形が自然に起きます。

券を家族で使えるようにするかどうかは、経営としては使えるようにしたほうが有利です。使い切れない券が減り、来院者が増え、紹介も生まれます。問題は記録です。券は親の名義で、施術を受けたのは子ども、という組み合わせが発生すると、誰の施術記録に何を残すのかが曖昧になります。

分け方は決まっています。券の持ち主と、施術を受けた人を別々に記録します。券の残数は持ち主に紐づけ、施術の記録は受けた本人に紐づけます。この2つを混ぜると、あとから「誰が何回受けたのか」が分からなくなります。予約を受ける画面で、券の名義人と施術を受ける人を別々に入力できるかどうかは、道具を選ぶときに確かめる項目です。

産後や妊娠中の人に売る券は、期限の考え方が変わる

産後の身体を見ている整体院では、券の期限が別の理由で問題になります。産後に通い始めた人は、通える時期が本人の意思では決まらないからです。子どもを預けられるかどうか、里帰りがいつまでか、職場に戻るのがいつか。この3つで来院できる期間が決まります。

6回の券を売って、3回目で里帰りが終わって遠方に戻る、という展開は珍しくありません。ここで期限だけを理由に無効にすると、産後という時期の記憶と結びついて悪い印象が残ります。産後の来院者は口コミの起点になりやすい層でもあるので、この扱いは慎重に決めてください。

現実的な形は、産後や妊娠中の人向けの券については期限を長めに取るか、期限そのものを設けずに枚数だけで管理する形です。かわりに、預かっている提供義務が長く残ることになるので、その分は残数の集計に必ず含めます。また、妊娠中の来院については、施術の可否そのものが週数や経過によって変わります。券を売る時点で「体調によって通えない時期がありうること」を条件に書き添えておくと、あとから事情を説明する手間が減ります。身体の状態についての判断は、かかりつけの医療機関に確認してもらう形にしてください。

券に含めるもの、含めないものを分ける

券に含めるのは、基本の施術1回分だけにするのが管理しやすい形です。ここに追加のものを混ぜ始めると、残数の計算が複雑になります。

整体院で判断が要るのは、延長と、部位を追加した施術と、物販です。40分の基本施術に対して、その日だけ20分延ばした場合、券を1枚使うのか1.5枚使うのか。ここを決めていない院は、施術者ごとに違う処理をしています。

推奨は、延長は券の外に出して現金で受け取る形です。券は「基本の施術1回」という単位を崩さず、追加分は別会計にします。この形なら、券の残数は誰が見ても分かります。物販についても同じで、券で買えるようにすると残数の意味が変わってしまいます。券は施術のためのものだと決めて、例外を作らないほうが後々楽になります。

保険を扱う施術を併設している院の分け方

柔道整復師が在籍していて、保険の適用がある施術と自費の施術を両方行っている院では、券の扱いをさらに厳密に分ける必要があります。保険で扱う施術と、自費のメニューを同じ券で消化できる形にしてはいけません。

分け方の基本は、券は自費のメニューにのみ使えるものと定め、その旨を券面と説明の両方に書くことです。予約を受ける段階でも、保険の施術と自費のメニューを別の項目として立てます。同じ予約の中で両方を行う場合は、券が消化されるのは自費の分だけであることを、記録上も明確に分けます。

この線引きは、記録の残り方に直結します。あとから確認を求められたときに、どの施術に対して何を受け取ったのかを説明できる形になっているかどうかが問われます。判断に迷う点は、加入している保険者や所管の窓口に確認してください。

残数は、書いた数字ではなく履歴から出す

紙のカードに判子を押していく方式は、来院者にとっては分かりやすい形です。運用としては弱点があります。カードを持ってくるのを忘れた人が来た日に、記録が残らないからです。

「今日は忘れたので、次回まとめて押します」という処理が1回入ると、そこから先の数字は記憶に頼ることになります。施術者が複数いる院では、別の施術者がその日の分を知らないまま次の判子を押します。数か月後に「残り3回のはずが2回になっている」という指摘が出て、証拠が無いので院が折れる、という流れになります。

正しい数え方は、券の残数を数字として持つのではなく、来院の履歴から引き算で出すことです。何回分の券を売ったか、その券で何回の施術を行ったか。この2つの記録があれば、残数は計算で出ます。カードは来院者向けの控えとして続けてよく、正の記録は履歴のほうに置きます。予約の記録と券の消化が同じところに残る形であれば、この引き算は自動で出せます。記録の残し方はできることで券と履歴の欄を確かめてください。

残数が合わなくなるのは、決まった3つの場面

履歴で管理しても、ずれるときはずれます。整体院でずれが起きるのは、次の3つの場面です。

1つ目は、予約が入っていたのに当日来なかった場合です。券を消化するのかしないのかを決めていないと、施術者の判断で処理が分かれます。回数券の条件に、無断で来なかった場合の扱いを書いておいてください。書いていない券で消化すると、必ずもめます。

2つ目は、施術の途中で中止した場合です。整体では、施術中に体調の変化が出て中断することがあります。この日を1回と数えるかどうかを、その場で施術者が判断すると院内でばらつきます。中断の理由によって扱いを分けるのか、一律にするのかを先に決めます。

3つ目は、券を売った当日にそのまま1回使う場合です。販売と消化を同時に記録しないと、翌日には「10回買ったのに9回しか残っていない」ように見えます。販売の記録と消化の記録を、その場で両方入れる手順にしてください。

券を売る場面は、施術のあとに固定する

券を勧める場面を施術の前に置くと、来院者は身構えます。まだ施術を受けていないので、判断する材料が無いからです。ここで勧められると、売り込まれた印象だけが残ります。

施術のあとに、その日の身体の状態を説明する場面があります。そこで、今後の通院の見通しを話し、その一部として券の話をします。この順序であれば、券は説明の一部であって売り込みになりません。初回の人にいきなり大きな券を勧めるのではなく、まず小さな券から提案するほうが、断られたときの気まずさも残りません。

勧める人を決めておくことも必要です。施術者が勧めるのか、受付が勧めるのか。施術者が自分の施術の直後に勧めると、断りにくい空気が生まれます。受付で会計をする流れの中に置くほうが、来院者は判断しやすくなります。院の人数によっては施術者が全部行うことになりますが、その場合でも、施術台の上ではなく会計の場面に移してから話す形にしてください。

券が止まった人を、どの時点で見つけるか

券を売ったあとに院がやるべき最大のことは、券が止まっている人を見つけることです。残数があるのに来ていない人は、そのまま放置すると期限切れになります。期限切れは院の収入としては残りますが、来院者との関係は終わります。

見つける基準は、想定していた間隔の2倍です。週1回の券なら2週間、2週間に1回の券なら1か月です。この期間を超えて予約が入っていない人を、月に1回洗い出します。手作業でやるなら、券を売った人の一覧に最終来院日を並べるだけで見えます。

連絡の文面は、券の話から入らないでください。「回数券の期限が近づいています」という連絡は催促に読まれます。身体の状態を尋ねるところから入り、来られるようであれば枠を案内する、という順序にします。券の残りは、その連絡の末尾に事実として1行添えるだけで足ります。

回数券を出さないという判断もある

ここまで書いてきた管理の手間を見て、券を出さないという選択も十分に成立します。整体院で券を出さずに継続を作る方法は、大きく2つあります。

1つは、次回の予約を施術の直後にその場で取る形です。券が無くても、次の日時が決まっていれば来院は続きます。この方式で継続率を保っている院は多くあります。管理するものが予約だけなので、残数の争いも期限の説明も要りません。

もう1つは、月ごとの会費にする形です。月に何回まで、という枠を決めて毎月受け取ります。回数券と違って残数が繰り越されないので、管理は単純です。ただし、こちらは継続的な契約になるため、解約の条件や告知の方法を定めておく必要があります。契約の枠組みについては専門家に確認してください。

券と会費と都度払いのどれを選ぶかは、その院の来院者の層で決まります。高齢の来院者が多い院では、まとまった前払いに抵抗がある人が一定数います。単価と通院期間の見込みを並べて、自分の院に合う形を選んでください。業態ごとの組み方は業種ごとの使い方に整理されています。

施術者が複数いる院で、券の按分をどうするか

施術者に歩合を払っている院では、券の売上をいつ、誰の分として計上するかを決める必要があります。券を売った施術者に販売時点で付けるのか、実際に施術した施術者に消化時点で付けるのかで、金額の流れが変わります。

販売時点で付けると、券を売るのが上手い施術者に有利になります。売ったあとの施術を別の施術者が担当した場合、施術した側には何も入りません。消化時点で付けると、この不公平は消えます。かわりに、券を勧める動機が施術者から失われます。

多くの院が採る形は、販売に対する分と消化に対する分を分ける方式です。販売した施術者には販売分の一部を、施術した施術者には消化分を割り当てます。割合の決め方に正解はありませんが、決めたら書面にして、施術者に見える形にしてください。曖昧なまま運用すると、券の話をしなくなる施術者が出ます。給与や委託の扱いについては、労務の専門家に確認してください。

休業や譲渡のときに、残っている券がどうなるか

長期の休業や閉院は、いつか必ず来ます。整体院は施術者の身体が資本なので、本人が怪我や病気で施術できなくなる可能性が他の業態より高い業態です。この時に残っている券をどうするかを、先に考えておく必要があります。

最低限やるべきなのは、未使用の残数と金額を、いつでも出せる状態にしておくことです。紙のカードだけで管理していると、誰にいくら分の提供義務が残っているのかを集計できません。休業を決めてから数えるのでは間に合いません。

そのうえで、休業の告知をいつ、どの手段で行うかを決めておきます。券を持っている人の連絡先が名簿にそろっていなければ、告知は届きません。券を売る時点で連絡先を必ず預かる運用にしておいてください。これは券の管理というより、予約の受け方の問題です。

仕組みの側で確かめる場所

回数券を扱う道具を選ぶときに見る場所は、多くありません。券の残数を履歴から出せるか、期限を券ごとに設定できるか、名義人と施術を受けた人を分けられるか、期限が近づいたときに知らせを出せるか。この4つです。

このうち3つ目と4つ目は、対応していない道具が少なくありません。券の機能があると書かれていても、実際には枚数を手で入力するだけ、という作りのことがあります。どこまでできるかは実際の画面で確かめるのが確実です。デモを見るで券を1つ作り、消化して、残りがどう表示されるかを見てください。設定でつまずきやすい箇所はよくある質問にまとまっています。

費用の見方は、券の管理に使っている時間から出します。残数の照合と期限の確認に月4時間使っているなら、時給換算で2,500円として月1万円です。これと料金の月額を並べます。もめ事が1件減ることの価値は金額では出ませんが、これも判断材料に入ります。道具ごとの違いは他社との比較で券まわりの欄を見比べてください。

Q1. 整体院の回数券は、何回のものにするのがよいですか?

施術の計画から逆算して決めてください。痛みを抑える時期だけを含めるなら4回から6回で期限は3か月前後、状態を保つ時期まで含めるなら8回から12回で期限は6か月前後が目安です。月に1回のメンテナンスの段階まで券にすると期限が長くなりすぎて使い切れないため、その段階は月ごとの会費など別の形にするほうが噛み合います。

Q2. 症状が良くなったので残りは要らない、と言われたらどうしますか?

返金の条件を券を渡す時点で書面にしておくことが前提です。そのうえで、返金の前に家族が使えるようにする案と、間隔を空けたメンテナンスに充てる案を提示すると多くは納得されます。それでも返金となる場合に備えて、割引前の価格で計算し直すのか券の単価で計算するのかを先に決めておいてください。

Q3. 残数が合わないと言われたとき、何を根拠にすればよいですか?

来院の履歴です。券を何回分売ったかと、その券で何回の施術を行ったかの2つの記録から引き算で出します。紙のカードの判子は来院者向けの控えとして残してよいのですが、正の記録は履歴のほうに置いてください。カードを忘れた日が1回あるだけで、判子の数は根拠になりません。

Q4. 回数券を出さずに、通院を続けてもらう方法はありますか?

あります。施術の直後にその場で次回の予約を取る形が最も単純で、残数の管理も期限の説明も要りません。もう1つは月ごとの会費にする形で、繰り越しが無いぶん管理は楽になります。ただし継続的な契約になるため、解約の条件や告知の方法を定めておく必要があり、枠組みは専門家に確認してください。

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