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整体院のスタッフごとの予約枠|指名と手空きをどう見せるか

2026年9月14日・Rizaflow編集部

施術者が2人、3人と増えたのに、予約が院長のところにばかり集まる。他の施術者の時間は空いているのに、来院者からは「その日は埋まっています」と見える。整体院で施術者ごとの枠を持ち始めた院が、最初にぶつかるのがこの状態です。整体 院 予約 システムで枠を人ごとに分けるかどうかは、単なる設定の話ではなく、その院が誰に付いた商売なのかを可視化する作業になります。この記事では、整体院で枠を人ごとに持つときに決めることと、決めないまま進めた場合に何が起きるかを順に見ていきます。

整体院の枠は、ベッドの数ではなく手の数で決まる

エステや脱毛のサロンでは、機械が1台しかないために枠が詰まる、という詰まり方をします。整体院ではこれが起きません。施術は施術者の手で行われるので、機械の順番待ちという概念がないからです。かわりに、施術者が施術している間はその施術者が完全に占有されます。

この違いが、枠の作り方を変えます。ベッドを3台入れても、施術者が1人なら同時に埋められるのは1台です。ベッドを増やして枠を増やそうとした院が、増やしたベッドを物置にしている、という光景はよく見ます。整体院で枠を増やす方法は、施術者を増やすか、1人あたりの施術時間を短くするかの2つしかありません。

例外は、施術後に休んでもらう時間がある院です。施術が終わったあと10分ほど横になってもらう運用であれば、その間に別のベッドで次の人の施術を始められます。この場合はベッドが2台あることに意味が出ます。自分の院の施術がどちらの形かで、ベッドと枠の関係が変わります。まずここを確かめてから、施術者ごとの枠の話に入ってください。

院長への指名が偏ったままだと、枠は増やせない

施術者を雇ったのに売上が伸びない。この相談で最も多い原因が、指名の偏りです。院長が開業して数年で作った来院者は、全員が院長の施術を受けて通っています。そこに新しい施術者を入れても、既存の来院者は院長を選び続けます。

構造として当然のことですが、この状態を放置すると院の上限が院長1人分で固定されます。院長の枠が埋まり、他の施術者の枠が空いている状態で「予約が取れない」という声が出ます。新規の人は入れず、既存の人は間隔が空き、施術者は暇なので辞めていきます。

先に決めるべきなのは、院長の枠をどこまで開けておくかです。院長の枠を全部開けている限り、偏りは解消しません。院長の枠のうち何割かを、あらかじめ埋めておく形にします。事務の時間、教育の時間、新規の相談の時間として押さえておくのです。開いている枠が減れば、既存の来院者の一部は他の施術者に流れます。ここで施術の質に差があれば戻ってきますが、差が無ければそのまま定着します。この移し替えを意図的にやらない院は、いつまでも院長1人分のままです。

偏りは割合ではなく、翌月の埋まり方で測る

指名の偏りを数字で見るときに、指名率を出しても判断できません。整体院ではほぼ全員が誰かを指名して来るので、指名率は9割を超えます。見るべきは別の数字です。

翌月の同じ週について、施術者ごとの埋まり具合を並べてください。院長が8割埋まっていて、他の施術者が3割であれば、偏りは深刻です。この差が2週間先、3週間先でも同じように出ているなら、来院者は院長の枠が空くのを待っています。待てる人は待ちますが、待てない人は他の院に行きます。

もう1つ見るのは、指名を変えた人の数です。ある施術者から別の施術者に移った人が、月に何人いるか。この数がゼロに近い院は、施術者の間で来院者が動かない構造になっています。動かないこと自体は悪くありませんが、その状態で施術者が辞めると、その人の来院者がまとめて消えます。動く仕組みを作っておくことが、辞めたときの備えになります。

施術者ごとに得意な症状が違うことを、どう扱うか

整体院では、施術者によって得意な領域が分かれます。腰と股関節を見るのが得意な人、肩と首を見るのが得意な人、産後の身体を扱える人、スポーツの動作を見られる人。この違いは、美容業の技術の差とは性質が違います。

この違いを予約の枠に持ち込むかどうかは、判断が分かれるところです。持ち込む場合は、来院者が症状を選ぶと、対応できる施術者の枠だけが表示される形になります。合う人に当たる確率は上がりますが、選択肢が減るので予約が取りにくくなります。持ち込まない場合は、誰でも予約できるかわりに、当日になって「この症状は別の者のほうが」という組み替えが発生します。

現実的なのは、予約の段階では症状を聞くだけにして、割り振りは院の側で行う形です。予約を受ける画面に症状や気になる場所を入力する項目を置き、それを見て院が担当を決めます。決まった担当を確認の連絡で伝えます。この形なら、来院者は施術者の得意分野を知らなくても適切な人に当たり、枠は全員分が開いたままになります。

資格が要る施術と、そうでない施術で枠の種類が分かれる

整体院に、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師といった国家資格を持つ施術者が在籍している場合、その人にしかできない施術が出てきます。この場合、枠は単に人ごとに分かれるのではなく、施術の種類ごとに持てる人が変わります。

たとえば、有資格者が1人しかいない院で、その人にしかできないメニューを予約に出すと、そのメニューの枠はその人の空き時間そのものになります。この人が休むと、その日はそのメニューが受けられません。予約を受ける画面で「この施術はこの人だけ」という条件を表現できないと、受けられない予約が入ります。

無資格の施術者が行える範囲については、実際に行っている行為の内容によって判断が分かれるところです。院として何を誰に行わせるかは、所管の保健所や専門家に確認してください。関連する案内は厚生労働省にまとまっています。枠の設計としては、メニューごとに担当できる施術者を指定できるかどうかを、道具を選ぶときに必ず確かめてください。ここができない道具を使うと、受付が毎回目視で確認することになります。

保険を扱う時間と、自費の時間を同じ枠に混ぜない

柔道整復師が在籍していて保険の適用がある施術を行っている院では、その施術と自費のメニューを同じ枠として扱わないほうが管理が楽になります。所要時間が違い、記録として残すものが違い、受付でやることも違うからです。

保険の施術は、1人あたりの時間が短く、来院の頻度が高くなります。自費の施術は時間が長く、頻度は低くなります。この2つを同じ枠の長さで並べると、どちらかに合わせた時間が無駄になります。枠の長さをメニューごとに変えられる形にして、同じ施術者の1日の中で長い枠と短い枠が混在できるようにしてください。

もう1つ分けるべきなのは、記録です。保険の施術については、あとから確認を求められたときに説明できる記録が必要になります。この記録と、自費のメニューの施術記録を同じ欄に混ぜると、どちらの分なのかが分からなくなります。予約の段階で施術の種類が分かれていれば、記録も自然に分かれます。

新人の施術時間は、同じメニューでも長くかかる

60分のメニューを、経験10年の施術者は60分で終えます。入って半年の施術者は、同じメニューに75分かかります。検査に時間がかかり、説明に時間がかかり、片付けに時間がかかるからです。

ここを同じ枠で回すと、新人の担当日だけ後ろの予約が押します。押した分は次の人の待ち時間になり、待たせた分だけ評価が下がります。新人にとっては、慣れる前に評判を落とすことになります。

対策は、施術者ごとに枠の長さを変えることです。同じ60分のメニューでも、新人の枠は75分として押さえておく。慣れてきたら段階的に縮めていきます。この設定ができるかどうかは道具によって差が大きい部分です。メニューの時間が全員一律にしか設定できない道具では、新人の枠だけ手動で塞ぐという運用になります。手動での運用は、忘れた瞬間に破綻します。設定で吸収できる形を選ぶほうが確実です。

初回の人を、誰に当てるか

新規で来る人の担当を誰にするかは、院の方針そのものです。院長が全部受ける形にすると、初回の満足度は上がります。同時に、その人は院長に付きます。他の施術者に回すと、初回で判断されるので難易度は上がりますが、指名が分散します。

多くの院が採る折衷は、初回のカウンセリングと検査を院長が行い、その後の施術を担当の施術者に引き継ぐ形です。院長が身体の状態を説明することで信用が立ち、施術は別の人が行うので枠が空きます。この形を取るには、初回の枠を通常より長く持つ必要があります。2人が関わる分、時間がかかるからです。

初回の枠を1日に何件まで受けるかも決めておいてください。整体院の初回は、既存の来院者の2倍近い時間がかかります。1日に3件も4件も入れると、その日の施術者は消耗します。1日2件までと決めて、それ以上は翌日以降に回すほうが、結果として全体の質が保てます。

引き継ぎができない院では、指名が固定される

指名が動かない院には、共通点があります。施術の記録が施術者の頭の中にしか無いことです。担当が代わったときに、前回何をしたかが分からない。すると、来院者は最初から説明し直すことになります。この負担を嫌って、来院者は同じ施術者を選び続けます。

記録が残っていれば、担当が代わっても続きから始められます。「前回は右の股関節の可動域を見て、そこから腰にかけて施術しています」と最初に言えれば、来院者は引き継がれていると感じます。ここが成立するかどうかが、指名を分散できるかどうかを決めます。

記録に残すのは、施術の内容だけでは足りません。その人が何を気にしているか、どの説明の仕方が伝わったか、どこまでの強さで施術しているか。この3つが残っていないと、担当を替えた初回で違和感が出ます。記録を残す欄が自由記述だけの道具だと、書く人によって残る情報がばらつきます。項目が決まっている形のほうが、引き継ぎには向きます。記録の残し方はできることで施術記録の欄を確かめてください。

受付を誰がやるかが、枠の数を縛る

施術者が2人いて、2人とも施術に入っている時間帯は、電話に出る人がいません。整体院で最も多い取りこぼしがここです。施術中に鳴った電話は、かけた側からすれば「営業していない」のと同じです。

この問題は、枠の設計と直結します。2人とも同時に埋めれば、その時間の電話は全部落ちます。1人を常に空けておけば電話は取れますが、枠が半分になります。専任の受付を置ければ解決しますが、人件費が乗ります。

現実的な解決は、電話に頼らない予約の入口を作ることです。予約を受ける画面があれば、施術中に入った予約はあとから確認すれば済みます。電話は残しますが、出られなかった分は留守番電話で受けて、施術の合間にかけ直します。留守番電話の案内に、画面から予約できることを1行入れておけば、かけ直しの件数も減ります。この形にすれば、2人とも施術に入っている時間を作れるようになり、枠が実質的に増えます。

手空きの時間を、どこまで来院者に見せるか

施術者ごとに枠を分けると、誰がいつ空いているかが来院者から見えるようになります。これは便利であると同時に、見え方の問題を生みます。1人だけ枠が真っ白な施術者がいると、その人は人気が無いと受け取られます。

見せ方には選択肢があります。全員の空きをそのまま出す形、指名を選ばずに時間だけで予約できる形、当日まで担当を伏せる形。整体院では、2つ目の「時間だけで予約して担当は院が決める」形が機能しやすいという特徴があります。来院者が求めているのは特定の施術者というより、身体を見てもらうことだからです。もちろん、指名を明示したい人のために、指名して取る導線も残しておきます。

もう1つの見せ方の問題は、直近の空きです。翌日の枠が全部空いていると、流行っていないように見えます。かといって隠すと予約が入りません。ここは、直近の枠を全部出すのではなく、時間帯を絞って出す形にすると印象が変わります。埋まっている時間帯と空いている時間帯が混在して見えるほうが、自然に映ります。

指名料を取るかどうか

指名料を設けると、指名の偏りに価格差が付きます。院長を選ぶ人は1,000円多く払い、他の施術者を選ぶ人は基本料金のまま、という形です。これで偏りが多少は動きます。

ただし整体院では、この方法が噛み合わないことがあります。来院者が施術者を選ぶ理由が、好みではなく身体の状態に対する信頼だからです。腰痛が続いている人にとって、1,000円の差で施術者を替えるという判断にはなりません。指名料は、偏りを直す手段としては弱く働きます。

指名料が意味を持つのは、施術者の技術や経験に明確な段階を設けている院です。この場合、指名料ではなく施術の料金そのものを段階で分けるほうが分かりやすくなります。上位の施術者は8,000円、標準の施術者は6,000円という形です。この形にすると、予約の画面で料金と担当が同時に示されるので、来院者は迷いません。

予約ページに施術者の紹介を出すときに、書けることの範囲

施術者ごとに枠を分けると、来院者に「誰を選べばよいか」を示す必要が出ます。多くの院は、予約の画面に施術者の写真と紹介文を並べます。ここで、書ける内容に注意が要ります。

あん摩マッサージ指圧、はり、きゅうの業とその施術所については、広告できる事項が法律で限定されています。

あん摩業、マツサージ業、指圧業、はり業若しくはきゆう業又はこれらの施術所に関しては、何人も、いかなる方法によるを問わず、左に掲げる事項以外の事項について、広告をしてはならない。 出典: laws.e-gov.go.jp

同じ条文には、施術者である旨と氏名や住所について広告する場合であっても、その内容が施術者の技能や施術方法、経歴に関する事項にわたってはならないという定めも置かれています。有資格者が在籍している院で、その施術について案内を出す場合は、この範囲が関わってきます。整体やカイロプラクティックとして行っている施術がこの範囲に含まれるかどうかは、実際の行為の内容によって判断が分かれるところなので、所管の保健所や専門家に確認してください。

実務上の落としどころとしては、施術者の紹介に技能や実績を書き込むのではなく、担当できる時間帯と、対応できるメニューの種類だけを並べる形が無難です。来院者が選ぶために必要な情報は、実はこの2つで足ります。誰がどれだけ優れているかは、来院してもらえば伝わります。

女性の施術者を希望されたときの受け方

整体院では、女性の施術者を希望される場面が一定の割合で発生します。身体に触れる施術であり、着替えを伴うことがあり、うつ伏せや仰向けの姿勢を取るためです。産後の来院者や、初めて整体に来る人からの希望が多くなります。

この希望を、来院してから受けると対応できません。その日に女性の施術者が出勤していなければ、断るか、無理に受けて不満を残すかのどちらかになります。予約の段階で受け取れる形にしておく必要があります。

作り方は2つです。1つは、予約の画面に希望を書ける欄を置いて、院の側で担当を調整する形です。もう1つは、女性の施術者の枠を指名できる形にして、来院者に直接選んでもらう形です。前者は枠が閉じないので運用しやすく、後者は確実性が高くなります。女性の施術者が1人しかいない院では、後者にすると枠が薄く見えるという副作用があるため、前者から始めるほうが無難です。

いずれの形でも、希望が通らない日があることは先に伝えてください。予約が確定してから当日に「本日は男性の施術者のみです」と伝えると、来院そのものを取りやめる人が出ます。確認の連絡の段階で担当を明示しておけば、変更の相談がそこで済みます。

1日に受けられる件数は、時間ではなく施術者の身体で決まる

営業時間が10時間あり、施術が60分なら、計算上は1人あたり10件入ります。整体でこれをやると、施術者が数か月で潰れます。手技で全身を扱う施術は、施術者の側の消耗が大きいからです。

現実的な上限は、施術の内容によりますが、1人あたり1日6件から8件のあいだに置いている院が多くあります。この数字を超えて入れた日は、後半の施術の質が落ちます。落ちた施術を受けた人は、たまたまその時間に予約した人です。その人にとっては、その院の実力がそれです。

上限は枠として明示的に持ってください。予約の画面で1日あたりの受付件数に上限を設定できる形にしておき、上限に達したらその日は締める。上限が無いまま「入れられるだけ入れる」運用にすると、繁忙期に必ず超えます。超えたことに気づくのは、施術者が体調を崩したあとです。

上限は施術者ごとに変えて構いません。経験のある施術者は8件、入って半年の施術者は5件、という設定が自然です。この設定も、施術者ごとに枠の長さを変えられる道具でなければ、手作業での調整になります。

シフトと枠は、どちらを先に決めるか

先にシフトを決めて、そこから枠を出す。この順序が基本です。逆にすると、枠を開けたのに人がいない、という状態が起きます。

問題は、シフトが何週間先まで確定しているかです。整体院では、施術者のシフトが2週間先までしか決まっていない院が多くあります。すると、3週間先の予約が受けられません。ところが整体の来院間隔は、状態が落ち着いてくると3週間や1か月になります。次回の予約をその場で取ろうとした人が、取れずに帰ることになります。

最低でも6週間先までは、施術者ごとの出勤が決まっている状態を作ってください。決まっていない部分については、暫定の予定として枠を開けておき、変更が出たら個別に連絡する運用にします。全部を確定させるまで開けない、という運用は、次回予約を取る文化のある整体院とは相性が悪くなります。

なお、施術者ごとに枠を持つと、その人が何時間働いているかが数字として見えるようになります。労働時間の把握については、次のように定められています。

事業者は、第六十六条の八第一項又は前条第一項の規定による面接指導を実施するため、厚生労働省令で定める方法により、労働者(次条第一項に規定する者を除く。)の労働時間の状況を把握しなければならない。 出典: laws.e-gov.go.jp

予約の枠と労働時間の記録は別のものなので、枠の記録をそのまま勤怠として使えるわけではありません。ただ、施術が連続して入り続けている施術者を早く見つけられる、という点では役に立ちます。具体的な労務の扱いについては、社会保険労務士などの専門家に確認してください。

施術者が辞めるときに、通院中の人がどうなるか

整体院で施術者が辞めるとき、その人が担当していた来院者の一部は離れます。これは避けられません。減らせるのは、離れる割合のほうです。

まずやるべきなのは、辞めることが決まった時点で、通院中の人の一覧を出すことです。その施術者が担当している人のうち、直近3か月に来院している人が対象です。この人たちについて、次の担当を先に決めます。決めてから伝えるのと、伝えてから決めるのでは、残る割合が変わります。

次に、引き継ぎの時間を作ります。辞める前の最後の数週間で、次の担当と一緒に施術に入る回数を作れれば、来院者の不安は大きく減ります。時間が取れない場合でも、施術の記録を次の担当が読める形で残してもらいます。

そして、辞める本人がどこで働くのかを確認しておく必要があります。近隣で開業する場合、来院者がそちらに移ることが起こります。雇用や委託の契約に定めがあるかどうかも含めて、扱いは専門家に確認してください。予約の記録や来院者の情報を持ち出せない形にしておくことは、道具の側で対応できます。施術者ごとに見られる範囲を分けられるかどうかを、他社との比較で権限の欄から確かめてください。

枠を細かく刻みすぎると、何が起きるか

施術者が3人いて、メニューが5種類あり、時間の刻みが15分単位。この設定にすると、来院者から見える予約の画面が選択肢だらけになります。整体院の来院者には高齢の方も多く、この画面では最後まで進めません。

刻みは、実際の施術時間に合わせて粗くしてください。60分の施術が中心なら、開始時刻の刻みは30分で足ります。15分刻みにしても、実際にはその時刻から始められないので、選べる枠のほとんどが埋まっているように見えます。選択肢が多くて、しかもほとんど選べない。これが最も離脱を生む画面です。

メニューの数も同じです。予約の画面に出すメニューは3つか4つに絞り、細かい違いは来院してから相談する形にします。整体院のメニューは、施術を受ける前の人には違いが分かりません。「骨盤矯正コース」と「全身調整コース」を並べても、どちらを選べばよいか判断できないからです。迷ったときに選べる標準のメニューを1つ用意しておくのが、離脱を減らす最も簡単な方法です。業態ごとのメニューの並べ方は業種ごとの使い方に整理されています。

変えたあとに、何を見て判断するか

施術者ごとの枠に切り替えたら、3か月は同じ設定で回してください。整体院の来院周期は数週間から数か月なので、1か月では変化が見えません。

見る数字は3つです。1つ目は、施術者ごとの稼働率です。院長と他の施術者の差が縮まっているかを見ます。2つ目は、新規の人が最初に当たった施術者の分布です。院長に集中しているなら、割り振りの方針が機能していません。3つ目は、担当を替えた人がその後も通い続けているかどうかです。替えた直後に来なくなる人が多いなら、引き継ぎの記録が足りていません。

この3つが動かない場合、原因は枠の設定ではなく、来院者への伝え方にあることが多くあります。担当が代わることを、誰がどのタイミングで伝えるか。ここが曖昧だと、来院者は不安になります。枠の見え方はデモを見るで施術者を2人立てて試すのが早く、設定で迷いやすい箇所はよくある質問に整理されています。費用については、施術者を1人増やして稼働が2割上がったときの売上と、料金の年額を並べれば判断できます。

Q1. 施術者ごとに枠を分けると、かえって予約が入りにくくなりませんか?

なることがあります。選択肢が増えるぶん、予約の画面で迷う人が出るためです。整体院では、時間だけを選んで予約でき、担当は院の側で決める形にしておき、指名したい人のために指名の導線も別に置く形が機能しやすくなります。刻みは30分程度に粗くして、メニューも3つか4つに絞ってください。

Q2. 院長に指名が集中しているのを、どう分散させますか?

院長の枠を全部開けている限り分散しません。事務や教育、新規の相談の時間として院長の枠の何割かをあらかじめ埋めておくと、既存の来院者の一部が他の施術者に流れます。あわせて施術の記録を担当外の人が読める形にしておかないと、引き継がれていないと感じた人が戻ってしまいます。

Q3. 新人の施術に時間がかかって、予約が押してしまいます。

施術者ごとに枠の長さを変えてください。同じ60分のメニューでも、新人の枠は75分として押さえ、慣れるにつれて縮めていきます。メニューの時間が全員一律にしか設定できない道具では、新人の枠だけ手動で塞ぐ運用になり、忘れた日に破綻します。設定で吸収できる形を選ぶほうが確実です。

Q4. 担当していた施術者が辞めるとき、まず何をすればよいですか?

その施術者が担当している人のうち、直近3か月に来院している人の一覧を出し、次の担当を先に決めてください。決めてから伝えるほうが残る割合は高くなります。可能であれば、辞めるまでの数週間で次の担当が一緒に施術に入る機会を作り、難しければ施術の記録を読める形で残してもらってください。

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