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接骨院のスタッフごとの予約枠|指名と手空きをどう見せるか
2026年9月14日・Rizaflow編集部
接骨院で施術者が2人以上になると、予約の枠をどう作るかで受付の仕事量が一気に変わります。美容室のように「担当者ごとに1本の枠」を並べれば済むかというと、接骨院ではそうなりません。誰が何をやれるかが資格で決まっていて、ベッドの数という別の制約もあり、しかも1人の施術者が同時に2人3人を見る時間帯があるからです。ここでは、枠を組む前に確かめる制約から、指名の受け方、手空きの見せ方までを順に置いていきます。
枠を組む前に、誰が何をできるかを紙に書き出す
接骨院のスタッフは、資格の面で少なくとも3種類に分かれます。柔道整復師、他の国家資格を持つ人、そして資格を持たない助手です。この3つは、できる仕事の範囲が法律で分かれています。
医師である場合を除き、柔道整復師でなければ、業として柔道整復を行なつてはならない。 出典: e-Gov法令検索(柔道整復師法)
この線があるので、療養費の対象になる施術の枠は、柔道整復師の人数を超えて並べられません。助手が何人いても、ここの枠は増えません。予約の画面で枠を作るときに、まずこの制約を反映しておかないと、受付が取れないはずの予約を取ってしまいます。
自費のメニューはもう少し複雑です。電気を使う機器の操作、ストレッチの補助、運動の指導といった内容は、担当できる範囲が資格や院の方針で変わります。院の中で「このメニューはこの人が担当する」という対応表を1枚作ってください。頭の中にしかない状態で予約の画面を作ると、必ずどこかで取り違えます。
書き出す項目は次の4つで足ります。
・氏名と保有している資格 ・担当できるメニューの一覧 ・1件あたりに必要な時間(同じメニューでも人によって差が出る) ・出勤する曜日と時間帯
この表ができた時点で、枠の設計はほぼ半分終わっています。
ベッドの数と施術者の数は、別々に効いてくる
美容室であれば、席の数と美容師の数はおおむね一致します。接骨院はここが違います。ベッドが4床あって施術者が2人という院は珍しくありません。
なぜそうなるかというと、接骨院の施術には「手を離せる時間」があるからです。電気を当てている10分、温めている15分、この間に施術者は別のベッドで手技を行えます。1人の施術者が3床を回すことが成立するのは、この構造があるからです。
すると、予約の枠を「施術者ごとに1本」で作ると、実際の受け入れ可能人数の3分の1しか枠が出せません。逆に「ベッドごとに1本」で作ると、手技が重なる時間に施術者が足りなくなります。どちらの作り方でも取りこぼすので、接骨院では枠の考え方を変える必要があります。
現実的なのは、枠の本数はベッドの数に合わせつつ、手技が必要な時間だけを施術者の予定として押さえる形です。1件の施術のうち、施術者が張り付く時間が10分で、機器の時間が20分なら、枠は30分取りつつ、施術者の拘束は10分として計算します。この計算を毎回受付が暗算でやるのは無理なので、枠の設計としてあらかじめ組み込んでおきます。
施術者を患者に選ばせるかどうかを、先に決める
接骨院で指名を受けるかどうかは、院の方針として大きな分かれ目です。どちらが正しいというものではなく、院の成り立ちで決まります。
指名を受けない院は、受付の運用が単純になります。空いている枠に入れて、その時間に手が空いている施術者が担当する。枠の数は最大まで出せますし、施術者が休んでも予約を組み替える必要がありません。院長1人の技術に依存せず、院として通ってもらう形が作れます。
指名を受ける院は、患者の定着が強くなります。とくに慢性的な症状で長く通う人は、体の状態を分かっている人に見てほしいと考えます。ただし、指名が特定の1人に集中すると、その人の枠だけが埋まって他が空く状態が生まれます。そして休みが取りづらくなります。
接骨院でよく取られるのは、その中間です。予約の時点では指名を受け付けず、実際の割り当てを院の側で決める。ただし、継続で通っている患者については、記録の上で担当を固定しておき、可能な限り同じ人が入るようにする。この形なら、枠は最大まで出せて、患者の体感としては担当が続きます。
指名を表に出す場合は、指名料を取るかどうかも決めてください。取らないなら、指名が集中したときに院として調整する仕組みが要ります。取るなら、その料金が何に対する対価なのかを説明できる形にしておく必要があります。
新患と再診で、枠の長さを変える
接骨院の初回は、他の来院とは別物です。負傷の原因を聞き取り、体を診て、保険が使えるかどうかを判断し、施術の計画を立て、書類の説明をする。40分から60分かかることも珍しくありません。
この初回を、再診と同じ20分の枠に入れると、その後の予約が全部ずれます。1件のずれが20分あると、その日の後半はずっと待たせることになります。接骨院は1日の来院数が多いぶん、1件のずれが残り全部に効きます。
初回の枠は、次のどれかの形で確保してください。
・初回専用の枠を、1日のうち2枠か3枠だけ決まった時間に置く ・初回の予約が入ったら、その後ろの枠を自動で塞ぐ ・初回は院長など、聞き取りに慣れている人の枠にしか入らないようにする
3つ目は、聞き取りの質が人によって差が出る院で効きます。負傷の原因の聞き取りは、後の書類にそのまま影響するところなので、慣れていない人に任せると後で修正が必要になります。
再診の枠についても、施術の内容によって長さを変えるかどうかを決めてください。部位が増えた患者、自費のメニューを併用している患者は、同じ再診でも時間が違います。全部を同じ長さにすると、短い人を待たせるか、長い人で押すかのどちらかになります。
いまの1日を、30分ごとに書き出してから枠を作る
枠の設計をいきなり画面の上で始めると、たいてい理想の1日を描いてしまいます。実際の院はそのようには動いていません。手を付ける前に、直近の忙しい1日を選んで、30分ごとに何が起きていたかを紙に書き出してください。
書き出す内容は、その時間帯に何人が院内にいたか、誰が誰を担当していたか、ベッドが何床埋まっていたか、受付に誰がいたか、電話が何本鳴ったか、この5つです。1日ぶんで足ります。書き出してみると、たいていの院で3つのことが分かります。
1つ目は、忙しさが1日の中で偏っていることです。接骨院は開院直後と夕方に山ができやすく、その間の時間帯は空きます。この山と谷を平らにならすのが枠を作る目的なので、山がどこにあるかを知らないまま枠を作っても意味がありません。
2つ目は、施術者が実際に手技をしていた時間が、思っているより短いことです。書き出すと、機器の準備、記録の記入、患者との会話、次の患者の呼び込みといった作業が相当な割合を占めているのが見えます。この時間を枠の計算から落としていると、常に押します。
3つ目は、受付の仕事が特定の人に寄っていることです。施術者の1人が受付を兼ねている院では、その人の枠だけ実質的に短くなっています。表の上では他の人と同じ枠数が入っているのに、実際には回っていない。この状態は、書き出さないと本人以外には見えません。
助手が担当できる仕事を、枠のどこに置くか
資格を持たない助手がいる院では、助手の仕事を枠のどこに置くかで、施術者の稼働がかなり変わります。
助手が担えるのは、施術そのものではなく、その周辺です。患者の誘導、機器の装着と取り外し、ベッドの準備と片付け、タオルの交換、会計の対応、書類の記入の案内。これらは施術者がやると1件あたり5分から8分を食います。1日40件あれば、それだけで3時間以上です。
問題は、この時間が予約の枠には出てこないことです。枠の上では施術者が20分で1件をこなせることになっていても、周辺の作業を自分でやっていれば28分かかります。助手が入る時間帯と入らない時間帯で、同じ枠の長さを使っていると、助手がいない時間帯だけ毎日押します。
対処は単純で、助手が出勤している時間帯とそうでない時間帯で、枠の長さか本数を変えることです。助手がいる時間は枠を詰め、いない時間は緩める。この調整ができるかどうかは、道具の側の設定の自由度に依存します。曜日ごと、時間帯ごとに枠の長さを変えられるかは、選ぶ前に確かめておいてください。
助手を採用するかどうかを検討している院なら、この計算がそのまま判断材料になります。助手が入ることで増やせる枠の数に単価を掛けた金額と、人件費を並べれば、答えは出ます。
交通事故と労災の患者は、担当を固定する
接骨院には、健康保険で通う人のほかに、交通事故で自賠責を使う人と、仕事中の負傷で労災を使う人が来ます。この2種類は、枠の設計の上で別扱いにしたほうが安全です。
理由は、書類と経過の記録が重いからです。交通事故の患者は、保険会社とのやり取りが発生し、施術の経過を継続的に記録する必要があります。労災も、様式の書類と経過の記録が必要です。この記録は、毎回違う施術者が書くと、内容が飛びます。後から通して読んだときに、経過として成立しなくなります。
そのため、この2種類の患者は、初回に担当した施術者を最後まで固定するのが基本です。予約の枠の上では「誰でもよい枠」に入れず、担当者を指定した枠として扱ってください。担当が休みの日には、その患者の予約を入れない、という運用まで含めての固定です。
固定するとなると、その施術者の枠に偏りが出ます。交通事故の患者が5人いて全員が同じ人に付いていると、その人の枠が先に埋まります。院として、この種類の患者を何人まで受けるか、誰に何人まで付けるかを決めておいてください。決めずに受け続けると、ある時点で担当が回らなくなり、記録の質が落ちます。
施術の時間も、健康保険の患者より長くなる傾向があります。枠の長さを同じにしていると、この患者が入った日だけ押します。種類ごとに枠の長さを変えられる形にしておくのが確実です。
予約の画面に、施術者の名前を出すかどうか
指名を受けない院でも、施術者の名前や顔をページに出すかどうかは別の判断です。
出すと、初めて来る人の不安が下がります。どんな人が施術するのかが分かるのは、体を任せる相手を選ぶうえで大きな材料です。とくに女性の患者や、初めて接骨院に行く人には効きます。
出さない院にも理由があります。名前を出すと、患者はその人を指名したくなります。指名を受けない方針にしているのに名前だけ出ていると、電話で「あの人はいますか」と聞かれ、受付が毎回説明することになります。また、施術者の入れ替わりがあるたびにページを直す必要が出ます。
折衷案として、予約の画面には名前を出さず、院の紹介のページにだけスタッフを載せる形があります。この形なら、どんな人がいるかは伝わり、予約の操作では担当を選ばせずに済みます。
なお、施術者の技能や経歴を広告に載せることには、法律上の制限があります。柔道整復師法では、広告できる事項が限定されていて、技能や施術方法や経歴に関する内容は含まれていません。ページの書き方を決めるときは、この点を確認しておいてください。判断に迷う表現があれば、所管の保健所に相談するのが確実です。
誰が休むと、どこが止まるかを見えるようにする
施術者が3人いる院で、1人が急に休んだとします。このとき、枠がどう減るかを即座に出せる状態にしておいてください。
減り方は均等ではありません。休んだ人しか担当できないメニューがあれば、その枠は全部止まります。指名が付いていた患者は、別の人に振り替えるか、日程を動かすことになります。ベッドの数だけで枠を作っていると、この判断ができません。
止まる場所を見えるようにするには、枠と人を紐づけて持っておく必要があります。「この枠は誰でもよい」「この枠はこの2人のどちらか」「この枠はこの人だけ」という区別が、予約の管理の側に入っていることが条件です。この区別がないと、休みの連絡が来るたびに、受付が予約の一覧を上から順に読んで振り分けることになります。1日30件の予約があれば、この作業だけで1時間近く消えます。
振り替えるときの連絡の順番も決めておいてください。日程を動かしてもらう人から先に連絡するのか、担当を替える人から先に連絡するのか。院の中で順番が決まっていないと、連絡が重複したり漏れたりします。
手空きを、患者から見える形にするかどうか
予約が空いている時間を患者に見せるかどうかは、判断が分かれるところです。
見せると、当日の来院が拾えます。接骨院に来る人の一定割合は、その日に痛みが出た人です。「今から行けますか」という電話が減り、そのままネットから当日の予約が入ります。空きが見えないと、その人は電話をかけるか、他の院に行きます。
見せることの副作用もあります。空きが多い時間帯が丸見えになると、患者は「この院は空いている」と受け取ることがあります。とくに開院して間もない院では、これが効きます。
折衷案として、次のような見せ方が取られます。
・当日と翌日の枠だけを見せて、それより先は問い合わせにする ・空いている枠のうち、先頭の3件だけを見せる ・時間帯ごとに「○」「△」の2段階で見せ、正確な残り枠数は出さない
どれを取るにしても、見せる範囲を院の側で決められることが条件になります。道具によって、この調整ができる幅は変わります。何をどこまで出せるかはできることで扱える範囲を確かめてから決めてください。
受付が院にいる時間と、いない時間で運用を分ける
施術者が受付を兼ねている接骨院では、予約の枠の話が受付の話と一体になります。
受付に人がいる時間帯は、電話も飛び込みも受けられます。枠を細かく作っておいても、その場で調整できます。人がいない時間帯は、飛び込みが入ると施術が止まります。この時間帯は、枠をあらかじめ広めに取っておくか、ネットからしか受けない形にするかのどちらかです。
昼の休憩時間の扱いも決めてください。接骨院は午前と午後の間に休憩を挟む院が多く、この時間に電話が集中します。休憩中はネットからだけ受ける形にしておくと、休憩が休憩として成立します。
もう1つ、施術者が1人だけになる時間帯を、予約の画面の上でどう扱うかです。院として営業していても、実際に受け入れられる件数は減ります。この時間帯だけ枠の本数を絞る設定ができるかどうかは、確かめておいたほうがよい点です。時間帯によって枠の数を変えられないと、1人の時間帯に3件入って回らなくなります。
施術者ごとの数字を、月に1回並べる
枠の作り方が合っているかどうかは、感覚では分かりません。月に1回、施術者ごとに次の数字を並べてください。
・受け持った件数(保険と自費を分ける) ・稼働していた時間に対する、実際に埋まっていた時間の割合 ・担当した患者のうち、次の予約が入っている人の割合 ・無断で来なかった件数
この4つを並べると、枠の偏りが見えます。1人だけ埋まり方が高いなら、指名が集中しているか、他の人の枠が患者から選ばれていないかのどちらかです。次の予約が入っている割合が低い人がいるなら、施術の終わりに次回の話をしていない可能性があります。
数字を出すには、誰が担当したかが記録に残っている必要があります。予約の時点で「誰でもよい」で入った予約が、実際には誰が担当したのか。ここが残らない仕組みだと、この表は作れません。予約の枠と実績の担当者を別々に持てるかどうかは、道具を選ぶときに見る点です。
数字を並べる目的は、施術者を評価することではありません。枠の作り方を直すためです。埋まらない枠が特定の曜日や時間帯に集中しているなら、そこは枠を減らして別の時間に回すという判断ができます。
見方として1つ注意があります。埋まり方の割合だけを見て、低い施術者の枠を減らすと、たいてい逆効果になります。枠が少ない人は、患者から見て選べる時間が少ないので、さらに選ばれなくなるからです。埋まっていない原因が、その人の枠が不便な時間帯に固まっていることなのか、患者が選んだ結果なのかを、時間帯ごとに分けて見てください。夕方の枠だけを持っている人と、平日の昼の枠しかない人では、同じ割合でも意味がまったく違います。
無断で来なかった件数も、施術者ごとに差が出ます。差が出る理由の多くは、施術の終わりに次回の予定を確認しているかどうかです。「またお待ちしています」で終える人と、その場で次の日時を決めて画面に入れる人では、来ない率が変わります。数字が出たら、この違いを埋めるところから手を付けてください。
歩合や手当がある院で、先に決めておくこと
施術者の報酬に歩合や手当が入っている院では、枠の設計が報酬の設計と直結します。
指名が付いた患者の売上を誰の成績にするか、自費のメニューを勧めて成約した場合の扱い、回数券を売った人と使われたときに施術した人の関係。これらを決めずに枠を作ると、後から「あの予約は自分が取ったのに」という話が出ます。
決めておく必要があるのは、次の3つです。
・予約の時点で担当が決まっている場合と、当日に割り当てた場合で、扱いを変えるか ・複数の施術者が同じ患者に関わった日を、どう按分するか ・予約が入っていたのに来なかった日を、担当の稼働として数えるか
3つ目は見落とされがちですが、無断で来なかった枠を誰の稼働として扱うかは、歩合がある院では実際に金額が動きます。枠を押さえていた時間は、その施術者が他の患者を受けられなかった時間でもあります。
この按分を手作業でやると、月末に必ず時間を取られます。予約と実績の記録が同じ場所に残っていれば、集計はそこから出せます。決済が必須でない業態に合わせて、予約の受付から次の来店までを一続きにしている形になっていると、担当と実績が分かれずに残ります。
新しく入った施術者の枠を、どこから開けるか
新卒や中途で施術者が入ったとき、いつからその人の枠を患者に開放するかは、院の売上と患者の満足の両方に効きます。
早く開けすぎると、慣れていない状態で患者を受け、施術の時間が読めず、その日の予約が押します。遅すぎると、人件費が出ているのに枠が出ていない期間が長くなります。
現実的な進め方は、枠を段階に分けることです。最初の2週間は、先輩の施術に付いて、機器の装着と記録の記入だけを担当します。次の2週間で、再診の患者のうち経過が安定している人だけを、通常より10分長い枠で受け持ちます。その次の段階で通常の枠に入り、初回の患者を受け持つのは最後です。
この段階を予約の設定に反映できると、受付が判断しなくて済みます。「この施術者の枠には、再診の患者だけが入る」「初回の予約はこの人の枠には入らない」という制限を、予約の側で持たせる形です。受付の頭の中の運用に頼ると、忙しい日に必ず崩れます。
もう1つ、育成の期間中は、その人が担当した患者の次回予約率を見ておいてください。技術の評価は難しくても、通い続けてもらえているかどうかは数字で出ます。数字が低いなら、施術そのものではなく、説明や見送りのところに原因があることが多いところです。
施術者が辞めるときに、患者をどう渡すか
接骨院で最も大きな取りこぼしが起きるのは、施術者が辞めるときです。とくに指名や事実上の担当が付いていた場合、その人が抜けた時点で通院をやめる患者が出ます。
減らすには、抜ける前に引き継ぎの場を作るしかありません。退職が決まってから最終出勤日までの間に、その人が担当していた患者の予約を、次の担当者と2人で受ける日を作ります。同じ施術室で、前の担当が経過を説明し、次の担当が引き取る。この1回があるかどうかで、その後の継続率が変わります。
この段取りを組むには、誰がどの患者を担当していたかが記録から引ける必要があります。予約の枠が「誰でもよい」で運用されていて実績の担当が残っていない院では、そもそも引き継ぐべき患者の一覧が作れません。担当を表に出さない方針の院でも、記録の側には残しておいてください。
引き継ぎの連絡を、患者に事前に出すかどうかも決めておきます。出すなら、辞める理由には触れず、次に担当する人の名前と、経過は引き継がれていることだけを伝えます。何も言わずに担当が変わると、患者は院の都合で扱いが変わったと受け取ります。
枠を変えるときは、1日で全部変えない
いまの枠の作り方を変えると決めたら、切り替えの順番を決めてください。1日で全部変えると、必ず混乱します。
順番としては、まず新しい枠の形を、まだ予約が入っていない先の日付だけに適用します。2週間先から新しい形、それより手前は今のまま。この形なら、既存の予約を動かさずに済みます。
次に、受付の担当者に新しい形で1週間操作してもらいます。ここで必ず、想定していなかった場面が出ます。予約が取れない組み合わせ、逆に取れてはいけない組み合わせが取れてしまうところ。これを潰してから、患者に案内します。
患者への案内は、通っている人には口頭で、新しく来る人にはページの表示で伝えます。指名の扱いを変える場合は、いま指名で通っている人には個別に伝えてください。黙って変えると、次に来たときに担当が違うことに気づいて、そのまま来なくなる人が出ます。
自院と近い規模や業態の使い方を先に見ておきたいなら、業種ごとの使い方に業態別の組み方が並んでいます。道具ごとに枠の作り方の自由度が違うので、複数を並べたいときは他社との比較で対応の範囲を確かめてください。件数で費用が動くかどうかは料金の条件を自院の月の件数に当てはめて計算するのが確実です。設定の細かい疑問はよくある質問にまとまっています。実際に自院の枠が再現できるかは、デモを見るで試すのが早道です。
Q1. 施術者が2人でベッドが4床ある場合、予約枠は何本にすればよいですか?
枠の本数はベッドの数に合わせ、施術者が張り付く時間だけを別に押さえる形が現実的です。電気を当てている時間は施術者が別のベッドに移れるので、施術者の数で枠を切ると受け入れ可能な人数の半分以下しか出せません。ただし療養費の対象になる施術は柔道整復師しか行えないため、その枠は資格を持つ人数が上限になります。
Q2. 接骨院で指名制にしたほうがよいですか?
慢性の症状で長く通う患者が多いなら指名は定着に効きますが、1人に集中して休みが取れなくなる副作用があります。予約の時点では指名を受け付けず、記録の上で担当を固定して可能な限り同じ人を割り当てる形が、枠を最大まで出しながら患者の体感を保てる中間案です。
Q3. 初回の患者の枠は、どれくらい取るべきですか?
負傷の原因の聞き取り、検査、施術計画の説明、書類の案内まで含めると40分から60分かかります。再診と同じ長さで入れると、その日の後半の予約が全部ずれます。初回専用の枠を1日に2枠か3枠だけ置くか、初回の予約が入ったら後ろの枠を自動で塞ぐ形にしてください。
Q4. スタッフが急に休んだとき、予約の振り替えを早くするには何が要りますか?
枠と人が紐づいて記録されていることが条件です。「誰でもよい枠」「この2人のどちらかの枠」「この人だけの枠」の区別が予約の側に入っていれば、休んだ人の枠だけを抜き出せます。区別がないと、予約の一覧を上から順に読んで振り分けることになり、30件で1時間近くかかります。