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接骨院が当日予約を受けるかどうか|空き枠の出し方と締め切りの決め方

2026年9月14日・Rizaflow編集部

接骨院で当日予約を受けるかどうかは、単に予約を取りやすくするかどうかの話ではありません。急性の負傷を扱う施術所である以上、痛めたその日に来る人を受けられるかどうかが、新患の入口そのものになっているからです。一方で当日枠を無制限に開けると、通院中の人が入れなくなります。この記事は、当日枠をいくつ残し、締め切りを何時にし、空き状況をどこまで外に見せるかを決めるための整理です。

接骨院の当日予約は、他の業態の駆け込みとは意味が違う

飲食店や美容室で言う当日予約は、思い立った人が空いていれば入る、という性質のものです。接骨院の当日予約はそこが違います。今日痛めたから今日行く、という必然性を持って来る人が中心です。

理由は施術の対象にあります。接骨院で保険の取り扱いになるのは、急性の外傷にあたるものです。捻挫、打撲、挫傷、骨折、脱臼といった負傷で、原因となる出来事がはっきりしている状態を指します。慢性の肩こりや疲労回復を目的とした施術は対象になりません。つまり、保険で来る新患の多くは「さっき痛めた人」です。階段を踏み外した、部活で捻った、荷物を持ち上げて腰にきた、という人が、その日のうちに来ようとします。

もう1つ、負傷した日と初めて診た日の関係が記録に残ります。受傷から日が空いてからの来院は、負傷の原因や経過について確認される場面が増えます。患者の側にその知識があるわけではありませんが、痛めた直後は不安が強いので、その日のうちに診てもらいたいという気持ちが働きます。この心理と保険の仕組みが重なって、当日の問い合わせが集中します。

だから、当日枠を閉じるという判断は、他の業態で当日予約を受けない判断とは重みが違います。閉じた分がそのまま、保険で通う新患の取りこぼしになります。1人の急性の負傷の患者が通院を終えるまでの回数は、部位や程度にもよりますが数回から10回を超えることもあります。1件の当日の断りが、その回数分の通院ごと失われる計算になります。

当日に来ようとする人は、3種類に分かれる

当日枠を設計する前に、当日に連絡してくる人の内訳を分けてください。対応の仕方がそれぞれ違います。

1つ目が、受傷したその日の新患です。初めて来る人なので、問診票の記入、負傷の状況の聞き取り、保険証の確認、初回の説明が要ります。施術そのものより前後の時間がかかるので、枠を通常より長く取る必要があります。

2つ目が、通院中の人の振替です。今日の予定を別の日に動かしたい、あるいは予定していなかったが今日行きたい、という連絡です。この人たちはカルテがあり、施術の内容も決まっているので、枠は通常の長さで足ります。当日枠の中でいちばん受けやすい種類です。

3つ目が、通院中の人の症状の悪化です。予定より早く来たい、痛みが強くなった、という連絡で、これは通常の振替とは分けて考えます。施術の内容を変える判断が要る場合があり、時間も読みにくくなります。

この3種類の比率は院によってまったく違います。開業から日が浅い院や、駅前で人通りの多い場所にある院は1つ目が多くなります。長く続けている住宅地の院は2つ目が大半を占めます。比率が分からないまま当日枠の数を決めると、いちばん多い種類に合わない設計になります。まずは2週間、当日の連絡を3つに分けて数えてください。受付に紙を1枚置いて印を付けるだけで足ります。

当日枠を全部開けると、通院中の人が入れなくなる

当日予約を積極的に受けると決めた院が最初に突き当たるのが、この問題です。予約ページで当日の枠を全部開放すると、朝のうちに埋まります。その結果、前から通っている人が来週の予約を取ろうとしたときに、空きが見当たらない状態になります。

接骨院の通院は連続しています。急性の負傷は、初期に間隔を詰めて通い、症状が落ち着くにつれて間隔を空けていくのが一般的な流れです。この間隔が崩れると、施術の計画そのものが立ちません。当日枠の開放でこの人たちの枠が押し出されると、目先の新患は増えても、通院の継続が崩れます。

逆に、当日枠をまったく作らないと、上で書いた新患の取りこぼしが起きます。両方を成立させるには、枠を最初から2つに分けておくしかありません。予約で先まで押さえられる枠と、当日まで開けない枠を分けるということです。

分け方は時間帯で決めます。接骨院の来院は夕方に集中する傾向があるので、その山の中に当日枠を全部置くと、通院中の人の希望と正面からぶつかります。当日枠は、比較的空きやすい時間帯に厚く置くほうが摩擦が少なくなります。午前の遅い時間、昼過ぎ、そして夕方の山の前後です。急な負傷で来る人は、時間帯の希望が緩い場合が多く、今日中に診てもらえるならいつでもよい、という状態で連絡してきます。ここが、通院中の人との違いです。

何割を当日用に残すか。時間帯ごとに数を決める

具体的な数の決め方に入ります。院の受入能力が1日40件だとして、そのうち何件を当日用に空けておくかという話です。

まず、直近1か月の実績から、当日に来た人の件数を1日あたりで出します。それが1日平均6件なら、当日枠は6枠では足りません。断った件数が実績に入っていないからです。断った件数を数えていないなら、まずそこから数え始めてください。実績と断りの合計が、本来の需要です。

次に、時間帯ごとに割り付けます。すべての時間帯に均等に置くのは効率が悪くなります。当日の連絡が来る時刻には偏りがあり、朝の開院直後と昼前後に集中します。朝に連絡が来た人は午後か夕方の枠に入ります。昼に連絡が来た人は夕方の枠を希望します。つまり、当日枠を残しておくべきなのは午後から夕方であって、午前ではありません。午前の枠は前日までに埋めてしまってよい、ということです。

さらに、当日枠の中でも初めての人向けの枠を分けておくと運用が安定します。初検は時間が読めないので、通常の枠より長く取っておくということです。通常の施術が20分なら、初検の枠は40分で見ておく、という具合です。この分け方をしていないと、初めての人が入った時点で以降の予定が全部後ろにずれます。

決めた数は固定しないでください。1か月ごとに、当日枠の埋まり方を見て増減させます。当日枠が毎日余っているなら減らし、毎日足りていないなら増やします。実際の枠の作り方や、初検と再検で長さを変える組み方はできることで確かめられます。

締め切りは、受付終了ではなく初検の所要時間から逆算する

当日予約の締め切りを何時にするかは、受付の終了時刻からそのまま引いて決めがちですが、それだと現場が回りません。逆算の起点は、その日の最後に入る人がどれだけ時間を要するかです。

初めての人が来る場合、問診票の記入に5分から10分、負傷の状況と原因の聞き取りに10分前後、施術そのものに20分、施術後の説明と次回の案内に5分。合わせると45分前後です。加えて、その後に片付けと記録の作業が残ります。受付の終了が20時なら、初めての人の当日予約は19時には入り終えていないと閉院が押します。

そこで、締め切りを2段階にする方法があります。通院中の人の当日予約は受付終了の30分前まで、初めての人の当日予約は60分前まで、という分け方です。予約を受ける画面の側で、初検の枠だけ先に閉じるようにしておけば、受付が判断せずに済みます。

締め切りの時刻を決めたら、それを守ることも同時に決めてください。締め切り後に電話がかかってきて、その場で受けてしまう運用が続くと、締め切りは意味を失います。断らないと決めているなら、最初から締め切りを遅く設定するべきです。実態と表示がずれた状態がいちばん悪く、予約ページでは締め切ったのに電話では受ける、という運用は、ページを見た人だけが損をします。

空き状況をどこまで外に出すか。表示と実態がずれると信用を失う

当日枠を作ったら、それを外から見えるようにするかどうかを決めます。見せ方には段階があります。

・当日の受付が可能である旨だけを書く。枠の数は出さない ・時間帯ごとの混み具合の目安を出す。午前は混みやすい、午後は比較的空いている、という粒度 ・残りの枠数を出す ・その場で予約を確定できるようにする

下に行くほど電話は減りますが、表示の正確さが求められます。特に4つ目まで進めるなら、予約なしで来た人をその場で記録に入れる運用ができていることが前提になります。飛び込みで入った人が記録に載らないと、画面上は空いているのに実際は埋まっている状態が生まれます。1度これを経験した人は、その後その表示を信じません。

施術の日時に関する情報を出すこと自体は、法令上も望ましいこととされています。厚生労働省の指針は、次のように書いています。

施術を提供する日時等については、利用者に対し提供するべき情報であるので、可能な限りあはき・柔整に関する広告においても記載することが望ましい。 出典: mhlw.go.jp

同じ指針では、柔道整復に関して広告できる事項の1つとして「予約に基づく施術の実施」が挙げられており、広告可能な表現の例として「予約優先である旨」、そしてFAXや電子メールなどで予約を受け付けている場合はその旨、が示されています。当日枠の存在や予約の受付方法を書くことは、この範囲に収まります。

告知の文面で、事実と違う書き方をしない

一方で、書き方には注意が要ります。同じ指針は、事実に相違する広告を虚偽広告として挙げており、その例として、実際には深夜の時間帯は受付をしていないのに「24時間施術」と表示するもの、実際には土日祝日は受付をしていないのに「休日も朝から晩まで対応します」と表示するものを示しています。

当日予約の告知は、まさにここに触れやすい領域です。当日枠が1日4枠しかないのに「いつでも当日対応」と書けば、実態と印象がずれます。指針は、誇大な広告について、一般人が広告内容から認識する印象や期待感と実際の内容に相違があると判断されることを「人を誤認させる」としており、実際に誤認したという結果までは必要としないとしています。つまり、結果として揉めなくても、書き方そのものが問題になりうるということです。

安全に書くなら、こう組みます。当日の受付を行っている事実、当日枠の締め切り時刻、枠に限りがある旨。この3つを並べれば、期待と実態のずれは起きません。「当日のご予約も受け付けています。当日枠には限りがあり、受付は19時までとなります」という書き方です。

また、指針は品位を損ねる内容の広告の例として「保険適用でとってもお得に施術が受けられます」といった表現を挙げています。当日枠の告知に保険の話を絡めて煽る書き方は避けてください。判断に迷う表現が出てきたら、所管の保健所や都道府県の担当部署に確認してから公開するのが確実です。

受付に人がいるかどうかで、当日枠の受け方が変わる

同じ当日枠でも、受付に人がいる院と、施術者だけで回している院とでは、成立する運用がまったく違います。ここを揃えずに他院の真似をすると必ず破綻します。

受付に人がいる院なら、当日の電話をその場で受けて枠を押さえられます。空きの確認も、患者の情報の照合も、その場でできます。この体制なら、当日枠を予約ページに出さずに、電話だけで運用しても回ります。実際、電話での応対を大事にしたいという理由で、当日枠はあえてページに出さない院もあります。

施術者しかいない院では、この前提が崩れます。施術中は手が離せないので、当日の電話は取れません。留守番電話に切り替えても、折り返す時間が施術の合間にしかありません。急いで診てもらいたい人からすると、折り返しを待つ間に別の院に行きます。この体制で当日の新患を取りこぼさないためには、電話に頼らない入口を作るしかありません。予約ページで当日枠を押さえられるようにしておけば、施術中でも枠は埋まります。

スタッフが日によって入る院では、体制の違いをそのまま枠の設定に反映させてください。人がいる曜日は電話でも受けられるので枠を厚く、1人で回す曜日は当日枠を絞る、という組み方です。1人で回す日に当日枠を厚くすると、受けたはいいが対応しきれず、待合が詰まります。接骨院は待合が狭い院が多く、待ち時間が長くなると立って待つ人が出ます。急性の負傷で来た人を立たせて待たせるのは避けたいところです。

当日に来ようとする人が最初に触れる場所を押さえる

当日枠をいくつ用意しても、その存在にたどり着けなければ意味がありません。痛めた直後の人がどこを見るかを押さえてください。

多くの場合、最初に開くのは地図の検索です。近くの接骨院を探し、営業しているかを確かめ、そのまま電話をかけるか、案内に載っているページを開きます。ここで最初に見られるのは、今日開いているかどうかと、いま受け付けているかどうかです。地図の情報に受付時間が入っていない、あるいは古いままになっていると、その時点で候補から外れます。

次に見られるのが、ページの最初の画面です。痛めた人はスクロールしません。院の理念や施術のこだわりが先に並んでいると、当日受けられるかどうかが分からないまま離脱します。当日の受付についての記述と、予約の入口は、最初の画面に置いてください。

3つ目が、予約の入口そのものです。当日の枠を選ぼうとして、翌日以降しか選べない画面が出ると、そこで諦めます。当日が選べない設定にしている院は、その旨と電話番号を同じ画面に出してください。選べない理由が分からないまま閉じられるのがいちばんもったいない状態です。

この3か所は、それぞれ更新する場所が違います。地図の情報、ページの記述、予約の設定。当日の受付方針を変えたら、3か所とも直す、と決めておいてください。1か所だけ古いままになっていると、上の節で触れた表示と実態のずれがそこで発生します。

交通事故と労災で当日に来る人は、別に時間を見ておく

当日に来る人の中に、交通事故の直後や、仕事中の負傷で来る人が混ざります。この2つは、通常の当日の新患と同じ枠では収まりません。

交通事故の場合、施術に入る前に確認することが多くあります。事故の発生日時と状況、相手方の保険会社の担当者の連絡先、医療機関を受診しているかどうか、警察への届出の有無。これらの聞き取りだけで20分近くかかることがあります。加えて、保険会社への連絡が必要な場合は、その時間も見込む必要があります。通常の初検の枠に入れると、確実にその後が押します。

労災の場合も、勤務先や事業所の情報、被災の状況、指定の様式についての説明が要ります。事業主の証明が必要な書類の案内をすることになるので、初回の説明が長くなります。

対応としては、この2つを当日枠に入れるかどうかを最初に決めておくことです。入れると決めるなら、通常の初検枠より長い枠を用意します。入れないと決めるなら、電話や受付で状況を聞いた時点で、翌日以降の長い枠に案内します。急を要する状態であれば医療機関の受診が先になる場合もあるので、その判断の基準もあわせて院内で決めておいてください。

いずれにしても、その場の判断で通常の枠に押し込むのがいちばん悪い結果になります。当日の連絡を受ける段階で、事故や労災かどうかを最初に聞く、という順番を決めておけば、枠の割り当てを間違えません。

当日枠を始めるときは、一度に全部変えない

当日予約を受けていなかった院が受け始めるとき、いきなり全時間帯を開けると、想定していなかった負荷が同時に来ます。順番を踏んでください。

第1段階は、当日枠を作るが外には出さない状態です。電話で当日の連絡が来たときに入れる枠として、内部だけで確保します。この段階で、実際に何件の連絡が来ているか、どの時間帯に集中しているかが分かります。期間は2週間で足ります。

第2段階は、当日の受付を行っている事実だけを外に出す状態です。枠の数や空き状況は出さず、当日の受付が可能であることと締め切りの時刻だけを書きます。ここで連絡の件数が増えるので、第1段階で決めた枠の数が足りるかどうかを確かめます。

第3段階で、予約ページから当日枠を押さえられるようにします。ここまで来ると電話の件数が減り始めます。同時に、飛び込みの記録を予約の記録に入れる運用が必要になるので、受付の手順を先に決めておいてください。

第4段階が、空き状況の表示です。混み具合の目安から始めて、記録の運用が安定してから残り枠数に進みます。ここを最初にやると、上で書いたずれが起きて信用を失います。

各段階で2週間ずつ取れば、2か月弱で移行できます。途中で問題が出たら1段階戻せばよいので、原因も特定しやすくなります。

キャンセルで空いた枠を、当日枠として開け直すか

当日枠の設計とは別に、その日にキャンセルが出て空いた枠をどう扱うかを決めておく必要があります。ここを決めていない院が多く、空いたまま終わる時間がそのまま損失になります。

選択肢は3つです。1つ目が、空いたら自動的に当日枠として予約ページに出す形。埋まる可能性はいちばん高くなりますが、直前に埋まると準備の時間が取れません。2つ目が、キャンセル待ちの人に連絡する形。誰かが待っている状態であれば、これがいちばん確実です。3つ目が、空いたままにして、その時間を記録や事務に充てる形です。

3つ目を軽く見ないでください。接骨院は月初に支給申請の作業が集中します。日中に空いた20分を書類に充てられるなら、閉院後の残業がその分減ります。すべての空きを埋めることが最善とは限りません。

決め方の目安は時間帯です。夕方の枠が空いたら開け直す。日中の枠が空いたら、キャンセル待ちがいれば連絡し、いなければ事務に充てる。これくらいの単純さで足ります。判断を毎回するのではなく、時間帯で決めておくと迷いません。

キャンセル待ちの仕組みを持つなら、誰に連絡するかの順番も決めておいてください。先に登録した人から順に、という単純な決め方でよいのですが、接骨院の場合はもう1つ考慮する点があります。症状が急いでいる人を優先するかどうかです。優先すると決めるなら、その基準を受付が判断できる形にしておかないと運用に乗りません。判断が難しいなら、登録順で通すほうが説明もしやすくなります。

連絡の手段も決めます。電話で1人ずつかけると、施術の合間が全部埋まります。空きが出たことを一斉に知らせて、先に反応した人が取る形にすれば、受付の手は取られません。ただし、この形は連絡を受けた人が全員その枠を狙うので、取れなかった人には空振りの体験が残ります。空きが出る頻度が低い院では、電話で1人ずつのほうが摩擦は少なくなります。

予約なしで来た人と、当日予約の人の順番を決める

当日枠を作ると、必ず起きるのが順番の問題です。予約ページから当日の枠を押さえて来た人と、何も言わずに来た人が同じ時間に重なります。

原則としては、予約を取っている人を優先します。それが予約という仕組みの意味だからです。ただし、予約なしで来た人を後回しにする運用を採るなら、それを事前に伝えておく必要があります。上の指針でも「予約優先である旨」は広告可能な事項の例として挙げられています。院の入口と待合、そしてページに書いておけば、その場での説明が要りません。

もう1つ、待ち時間の伝え方を決めておいてください。予約なしで来た人に「どのくらい待ちますか」と聞かれたとき、受付が答えられる状態にしておくということです。予約の状況が受付の画面で見えていれば、次に空くのが何時かはすぐ分かります。紙の台帳を目で追って計算していると、答えるまでに時間がかかり、その間に他の対応が止まります。

急性の負傷で来た人が待てないと判断した場合の案内も決めておきます。骨折や脱臼が疑われる状態であれば、そもそも医療機関の受診が先になる場合があります。判断に迷う症状のときにどう案内するかは、待ち時間の問題とは別に、あらかじめ院内で共有しておいてください。

曜日と季節で、当日の需要は大きく動く

当日枠の数を固定していると、需要が動く時期に合わなくなります。接骨院の当日の需要には、はっきりした季節性と曜日性があります。

曜日で言えば、週の初めに集中します。土日にスポーツや行楽で痛めた人が、月曜に来るからです。学生の部活動が動く時期はこれが顕著になります。逆に、週の半ばは当日の連絡が減ります。

季節で言えば、地域の運動会や体育祭の時期、マラソン大会の前後、雪が降る地域では路面が凍る時期に増えます。年末は大掃除で腰を痛める人が出ます。連休の直後も増えます。これらは毎年おおむね同じ時期に来るので、前年の記録があれば予測できます。

だから、当日枠の数は曜日ごとに変えてください。月曜は多め、水曜は少なめ、といった設定です。そして、地域の行事の日程が分かっているなら、その翌日の当日枠を増やしておきます。前日までの予約で埋めてしまわないという判断が要るので、少なくとも2週間前には設定を変えておく必要があります。予約の枠を曜日や日ごとに変えられるかどうかは道具によって差が出るところなので、他社との比較で扱いを確かめておくと、後から手作業で調整する羽目になりません。

当日枠を作ったあと、何を見て直すか

設計したら、次は数字で確かめます。見るのは4つです。

・当日の連絡のうち、受けられた件数と断った件数 ・当日枠が埋まった割合。時間帯別に出す ・当日に初めて来た人のうち、2回目に来た人の割合 ・当日枠を厚くした時間帯で、通院中の人の予約が取りにくくなっていないか

3つ目がいちばん重要です。当日の新患を受けても、そのまま来なくなるなら、枠を空けた意味が薄くなります。初回の来院時に次回の予定をその場で押さえる運用ができているかどうかで、この数字は大きく変わります。急性の負傷は初期の通院の間隔が結果を左右するので、次に来る日を決めずに帰すと、痛みが少し引いた時点で来なくなります。

4つ目は、当日枠を増やしたことの副作用を見る数字です。通院中の人から「予約が取れない」という声が出ていないかを、受付に確認してください。数字に出る前に、窓口での会話に先に出ます。

当日の対応、空き枠の出し方、次回の予約の押さえ方までを1つの流れとして扱えるかどうかで、この4つの数字は変わってきます。予約を受けるところで終わる道具と、決済が必須でない業態に合わせて、予約の受付から次の来店までを一続きにしている道具とでは、3つ目の数字に差が出やすくなります。近い業態での組み方は業種ごとの使い方にまとまっており、実際の画面はデモを見るから確かめられます。運用の細かい疑問はよくある質問、費用の面は料金で確認してください。

Q1. 当日枠は1日にいくつ残せばよいですか?

直近1か月で当日に来た件数と、受けられずに断った件数を足した数が本来の需要です。その数を時間帯に割り付けます。当日の連絡は朝と昼に集中し、希望する時間帯は午後から夕方に偏るので、午前の枠は前日までに埋めてかまいません。初めての人向けの枠は所要時間が長いので、別枠として分けておくと予定が崩れません。

Q2. 当日予約の締め切りは何時にするべきですか?

受付の終了時刻から、最後に入る人の所要時間を引いて決めます。初めての人は問診票の記入から施術後の説明まで45分前後かかるため、受付終了の60分前で締めるのが目安です。通院中の人は30分前まで受けられます。締め切りを2段階に分けて、初検の枠だけ先に閉じる設定にしておくと、受付が判断せずに済みます。

Q3. 予約ページに「当日対応可」と書いてもよいですか?

書けますが、実態と合わせてください。厚生労働省の指針は、事実に相違する広告や、一般の人が受ける印象と実際の内容に相違がある広告を問題としています。当日枠が数枠しかないのに、いつでも受けられるように読める書き方は避けるべきです。当日の受付を行っている事実、締め切りの時刻、枠に限りがある旨の3つを並べて書けば、ずれは起きません。

Q4. 空き状況をページに出すと、かえって混乱しませんか?

予約なしで来た人をその場で記録に入れる運用ができていれば混乱しません。逆にその運用がないと、画面では空いているのに実際は埋まっている状態が生まれ、一度そこで待たされた人は表示を信じなくなります。飛び込みの記録が難しいうちは、残り枠数まで出さず、時間帯ごとの混み具合の目安にとどめるのが安全です。

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