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接骨院の予約の受け方を決める|電話とネットのどちらに寄せるか

2026年9月14日・Rizaflow編集部

接骨院の予約の受け方には、正解が1つしかない業態と違って型が5つあります。完全予約制にすると、足を捻ってその場で駆け込んでくる人を取り逃がします。かといって受付順のままだと、待合が混む時間帯と誰も来ない時間帯の差が埋まりません。どちらに寄せるかは、院の好みではなく、保険で来る人の比率とベッドの数とスタッフの人数で決まります。この記事は、自分の院がどの型に当てはまるかを判定して、次に何を変えるかを決めるための整理です。

接骨院の1日には、性質の違う2種類の来院が混ざっている

他の予約業態と接骨院を分けているのは、来院の理由が2つに割れていることです。

1つ目が、急に起きた負傷です。朝に腰を痛めた、階段で足首を捻った、部活で肩を打った。この人たちは予定を立てて来るのではなく、痛みが出たその日に来ます。電話をかけてきて「今から行けますか」と聞くか、そのまま来院します。前日に予約を取ることは構造上ありません。

2つ目が、継続して通っている人です。一度負傷して施術を始めたら、しばらくは週に2回から3回のペースで来ます。1回あたりの滞在は20分から40分と短く、電気や温熱の物理療法を挟むと、施術者が手をかけている時間はさらに短くなります。この人たちは予定を立てて来られます。

この2種類が、同じ日の同じ時間帯に混ざります。ここが美容室やネイルサロンとの決定的な違いです。あちらは全員が予定を立てて来るので、枠を埋めれば終わりです。接骨院は、枠を全部埋めると急な負傷の人を断ることになり、枠を空けておくと空振りします。

比率は院によってまったく違います。駅前で新規が毎日入る院なら急な来院が4割を超えることがあり、住宅街で長く続けている院なら継続の通院が8割を占めることもあります。この比率を知らないまま受け方を決めると、必ずどちらかを取りこぼします。まず1か月、来院した人を「今日が初めて」と「続けて通っている」の2つに分けて数えてください。受け方の設計はそこから始まります。

保険で来る人と自費で来る人では、受け方の前提が変わる

接骨院の予約を考えるとき、保険の扱いを外して設計することはできません。何が保険の対象になるかで、来院の仕方そのものが変わるからです。

厚生労働省は、整骨院や接骨院で保険が使える範囲を次のように示しています。

整骨院や接骨院で骨折、脱臼、打撲及び捻挫(いわゆる肉ばなれを含む。)の施術を受けた場合に保険の対象になります。なお、骨折及び脱臼については、緊急の場合を除き、あらかじめ医師の同意を得ることが必要です。 出典: mhlw.go.jp

同じページには、単なる肩こりや筋肉疲労などに対する施術は保険の対象にならず、その場合は全額自己負担になることも書かれています。ここが受け方の設計に直結します。

保険の対象になる負傷は、たいてい急に起きます。転んだ、捻った、ぶつけた。予定を立てて来る性質のものではありません。つまり保険の比率が高い院ほど、予約なしで来る人の比率が高くなります。逆に、肩こりや姿勢の調整といった自費のメニューを主力にしている院は、全員が予定を立てて来るので、予約で埋めやすくなります。

もう1つ、費用の受け取り方の違いも受付の作業量に効きます。

療養費は、本来患者が費用の全額を支払った後、自ら保険者へ請求をおこない支給を受ける「償還払い」が原則ですが、柔道整復については、例外的な取扱いとして、患者が自己負担分を柔道整復師に支払い、柔道整復師が患者に代わって残りの費用を保険者に請求する「受領委任」という方法が認められています。 出典: mhlw.go.jp

このページは続けて、柔道整復師が患者に代わって保険請求を行うため、施術を受けるときには必要書類に患者のサインをもらうことが必要になるとも述べています。つまり保険の患者は、来院のたびに、あるいは月に一度、書類に署名する作業が発生します。この署名をいつもらうかを予約の流れに組み込んでおかないと、月初に受付が渋滞します。制度の細かい運用は保険者によって扱いが異なる部分があるので、判断に迷う点は加入している保険者や所管の窓口に確認してください。

受け方の型は5つある。どれを選ぶかは比率で決まる

ここまでの前提を踏まえて、実際に取りうる型を並べます。

1つ目が、全部を電話で受ける型です。柔軟性は最も高く、その場で「今から来られますか」に答えられます。代わりに、施術中は誰も出られません。受付にスタッフを置いていない院では、営業時間の7割以上が応答できない時間になります。

2つ目が、新規だけネットで受けて、継続の通院は電話と受付でその場で決める型です。初回は問診も含めて時間がかかるので、事前に枠を押さえてもらう意味があります。継続の人は施術のあと受付で次回を決めるので、そもそも電話をかける必要がありません。接骨院ではこの型が最も収まりが良いことが多くあります。

3つ目が、ネット中心にして、当日枠だけ電話で受ける型です。前日までの予約は全部ネット、当日の「今から」だけ電話。急な負傷の人だけが電話をかけてくるので、鳴る回数がはっきり減ります。ただし当日枠をどれだけ空けておくかの判断が要ります。

4つ目が、完全予約制です。待合の混雑がなくなり、1人あたりの施術時間が読めるようになります。自費のメニューが主力で、継続の通院が中心の院に向きます。急な負傷の人を断ることになるので、保険の比率が高い院では収入が落ちます。

5つ目が、予約なしの受付順を基本にして、一部の時間帯だけ予約を取る型です。昔からこの形の院は多く、常連にとっては気楽です。ただし待ち時間が読めないので、初めて来る人には不親切になります。

判断は好みではなく数字で付けます。継続の通院が7割を超えていて、施術者が2人以上いるなら2つ目か3つ目。急な来院が4割を超えるなら3つ目か5つ目。自費が半分を超えていて1人で回しているなら4つ目。この当てはめから始めてください。

ベッドが3床あるなら、予約枠は3本並べるのか、1本にするのか

接骨院の予約枠の作り方は、ベッドの使い方と切り離せません。ここは他の業態には無い考え方が要ります。

多くの接骨院では、施術者が1人で複数のベッドを同時に見ています。1人目に電気をあてている15分の間に、2人目の手技を進め、その間に3人目の温熱を仕込む。手技のところだけが施術者の手を占有し、物理療法の時間は占有しません。この形なら、1人の施術者で1時間に4人から6人を回せます。

ところが予約システムの多くは、1人の担当者が同じ時間に受けられるのは1件、という前提で作られています。この前提のまま設定すると、1時間に2人しか予約が入らなくなり、実際の受入能力の半分以下になります。空いているのに予約が取れない状態です。

回避の方法は2つあります。1つは、ベッドを担当者として登録することです。ベッドAとベッドBとベッドCの3人を作り、同じ時間に3件を受けられるようにする。ただし、誰が施術したかは記録から分からなくなります。もう1つは、設備や資源という概念を持っている道具を選び、施術者とベッドを別の軸で扱うことです。こちらのほうが後から見返せますが、対応している道具は限られます。

もう1つの設計として、枠の刻みを短くする方法もあります。10分刻みで枠を並べ、1人あたりの占有を手技の分だけにする。物理療法の時間は枠に含めません。実際の滞在時間より短い枠を出すことになるので、患者への案内の書き方に工夫が要りますが、回転の実態には近くなります。

どの方法を取るにしても、まず自分の院の実際の回し方を紙に書き出してください。1時間の中で誰が何をしているかを分単位で書けば、必要な枠の形は自然に決まります。何をどこまで表現できるかはできることで確かめられるので、書き出した形をそのまま当ててみるのが早い判断になります。

初回の聞き取りをどこでやるか

接骨院の初回は、他の業態の初回とは中身が違います。ここを予約の流れに組み込めるかどうかが、受付の負担を大きく左右します。

保険で施術を受けるには、いつ、どこで、どうやって負傷したかを聞き取る必要があります。転んだのか、捻ったのか、仕事中なのか、通勤中なのか。仕事中や通勤中の負傷なら労災の扱いになり、交通事故なら自賠責の話になります。健康保険と扱いが変わるので、最初に確認しないと後から書類を作り直すことになります。

この聞き取りを受付でやると、待合で他の患者に聞こえます。負傷の状況は個人の事情に踏み込む内容なので、聞かれる側にとっては話しにくい場面です。かといって施術室に入ってから聞くと、その時間ぶん施術が押します。

来院前にフォームで先に取るという選択肢があります。名前と連絡先に加えて、いつ、どこを、どうやって痛めたかを事前に書いてもらう。受付は書かれた内容を見ながら確認するだけになるので、待合での会話が短くなります。ただし、そこで集まる内容は扱いの重い情報です。痛めた部位や既往は病歴に近い情報になるので、予約の備考欄のように一覧に並ぶ場所に書かせるのは避けてください。

もう1つ、事前に取る場合の注意があります。フォームに書かれた内容だけで保険の対象かどうかを判断してはいけません。患者は自分の負傷を正確に言葉にできないことが多く、「腰が痛い」と書かれていても、原因が急な負傷なのか長年の使い方なのかは会って確かめないと分かりません。事前のフォームは会話を短くするためのもので、判断を代わりにさせるものではないという位置づけにしてください。

継続の通院に、毎回予約を取らせるかどうか

週に3回通う人に、毎回ネットから予約を取らせるのは現実的ではありません。ここが接骨院で最も設計が分かれるところです。

やり方は3つあります。1つ目は、施術が終わった直後に受付で次回を押さえる形です。紙の診察券に次の日時を書くか、予約システムに院側で入力します。患者は何もしなくてよいので、いちばん摩擦がありません。院の側の入力が毎回発生しますが、会計の流れの中でやれば数十秒です。

2つ目は、次の何回かをまとめて先に押さえる形です。週2回4週間なら8回を一度に入れます。施術の見通しと合わせて伝えられるので、通院の中断が減ります。ただし予定は変わるので、患者の側から変更できる手段を必ず用意してください。変更のたびに電話がかかってくるなら、まとめて押さえた意味がありません。

3つ目は、患者に自分で取ってもらう形です。予約ページのリンクを一度渡しておけば、次からは自分で入れます。若い患者が多い院ではこれが最も楽になります。高齢の患者が多い院では、1つ目と併用しないと回りません。

どの形でも、変更と取り消しを患者側からできるようにしておくことが要になります。接骨院の通院は仕事や家庭の予定に押されて動きます。動いたときに連絡する手段が電話しか無いと、連絡そのものが省略され、来ないまま終わります。予約の受付から次の来院までを一続きで扱う形にしておけば、変更の連絡も、次の予約も、同じ場所で完結します。

受付に人がいるかどうかで、電話を残す意味が変わる

同じ接骨院でも、受付にスタッフを置いているかどうかで最適な受け方は変わります。ここを見ずに他院の事例をまねると、うまくいきません。

受付に人がいる院なら、電話を残す負担は小さくなります。施術者は手を止めずに済み、電話の相手にはその場で答えられます。急な来院の相談も、待ち時間の説明も、人が出るほうが早く終わります。この場合、ネット予約を入れる目的は電話を減らすことではなく、営業時間外の予約を拾うことと、記録を1か所にまとめることになります。

受付に人がいない院では、話が逆になります。施術中に電話が鳴るたびに手を止めるか、鳴らせておくかの二択です。手を止めれば施術が押し、手指の衛生をやり直す手間も発生します。鳴らせておけば、かけてきた人は別の院にかけ直します。この場合、ネット予約を入れる目的は、電話が鳴る回数そのものを減らすことになります。目的が違えば、力を入れる設定も変わります。

1人で回している院が最初に手をつけるべきは、当日の空き状況を外から見えるようにすることです。「今から行けますか」の電話は、空いているかどうかが分からないからかかってきます。空いている時間が画面で分かれば、その電話は予約に置き換わります。予約ページの入口が、店の情報を調べたときに最初に目に入る場所にあるかどうかも合わせて確かめてください。

なお、電話をゼロにする必要はありません。保険が使えるかどうかの相談は、負傷の状況を聞かないと答えられないので、電話や来院で話すほうが確実です。高齢の患者や、痛みが強くて操作どころではない人もいます。減らすべきは、答えが決まっている問い合わせのほうです。

月初の書類の作業と、予約の記録をつなぐ

接骨院の受付には、他の業態に無い作業が月に一度あります。療養費の支給申請に関わる書類の作成と、患者の署名をもらう作業です。

この作業は、その月に誰が何日来たかが確定していないと始まりません。予約の記録と実際に来た記録がずれていると、突き合わせに時間がかかります。予約は入っていたが来なかった人、予約なしで来た人、途中で自費に切り替わった人。この3つが混ざったまま月末を迎えると、確認のために1日を使うことになります。

ここで効いてくるのが、予約の記録に来院したかどうかを残せるかどうかです。予約が入っただけの状態と、実際に来て施術した状態を、記録の上で分けられる作りかを確かめてください。分けられないと、予約の一覧はそのまま来院の一覧にはなりません。

もう1つ、予約なしで来た人をその場で記録に足せるかも重要です。急な負傷で飛び込んできた人を紙のノートにだけ書いていると、月末に2つの記録を突き合わせることになります。受付でその場で予約として入れてしまえば、記録は1本になります。

署名をもらう作業も、予約の流れの中に置いてください。月の初めに来る人が誰かは、前の月の来院の間隔からおおよそ分かります。その日の予約一覧に印を付けておけば、会計のときに渡し忘れが減ります。業種ごとの組み方の違いは業種ごとの使い方に整理があり、接骨院のように書類の作業が毎月ぶら下がる形の扱いも含まれています。

交通事故で来る人の予約は、別の線で考える

接骨院には、交通事故のあとに通う患者が一定数います。この人たちの予約は、他の患者と同じ扱いにできません。

まず、通う目的に補償の話が絡みます。事故のあと何日通ったかは、後の話し合いで意味を持つ数字です。だから患者の側は、決められた頻度で通い続けることに強い関心を持ちます。途中で間隔が空くと、そこで治ったと見なされることを心配します。他の患者なら「今週は忙しいので飛ばします」で済むところが、この人たちにとっては済みません。

次に、整形外科と並行して通うことが多い点です。病院の予約と接骨院の予約が同じ日に重なると、どちらかを動かすことになります。病院の側は動かせないので、接骨院が受け皿になります。直前の変更が起きやすい人たちだという前提で枠を組んでください。

予約の設計としては、3つを押さえておけば足ります。1つ目が、来院の記録を月ごとに数えられる形で残すこと。何日に来たかを後から一覧で出せるようにしておけば、患者から聞かれたときにすぐ答えられます。2つ目が、変更を受けやすくすること。前日や当日の変更が他の患者より多いので、電話以外の連絡手段を必ず持たせてください。3つ目が、健康保険の患者と扱いを分けて記録すること。同じ「捻挫」でも、費用の請求先が違います。

なお、事故の扱いや補償の考え方は個別の事情で変わります。院として断定的な説明をせず、保険会社や専門家への確認を促す姿勢を保ってください。予約の仕組みができるのは、通った日を正確に残すところまでです。

部位が増えたり施術が変わったりすると、枠の長さも変わる

接骨院の通院は、途中で中身が変わります。ここを予約の枠に反映できるかどうかで、待合の混み方が変わります。

最初は足首だけだった人が、かばって歩いたせいで膝も痛くなる。この時点で施術する場所が増え、必要な時間も伸びます。20分で終わっていた人が35分かかるようになる。予約の枠が20分のまま固定されていると、この人が来るたびに後ろが押します。

逆の動きもあります。痛みが引いてきて、手技を減らし物理療法だけにする段階になると、必要な時間は短くなります。同じ枠を使い続けると、ベッドが空いているのに予約が取れない状態になります。

対応として現実的なのは2つです。1つは、メニューを施術内容で分けておき、途中で切り替える形です。施術者が判断して、次回からのメニューを変える。患者は次に予約を取るとき、案内されたメニューを選びます。もう1つは、予約は共通の枠にしておき、院の側で個別に長さを調整する形です。院側で1件ずつ枠を伸ばし縮みできる作りかどうかが条件になります。

どちらにしても、患者に対して「今日から時間が変わります」と伝える場面が要ります。会計のときに次回を押さえる運用にしておけば、この説明は自然にその場でできます。患者が自分でネットから取る運用だけにしていると、変わったことが伝わらないまま古い枠で予約が入ります。

待合の混み方を、予約でならせるかどうか

接骨院の1日は、時間帯によって驚くほど偏ります。この偏りを予約でならせるかが、受け方を変える最大の目的になることもあります。

典型的な形は2つの山です。1つ目が午前中の早い時間で、高齢の患者と自営業の人が集まります。2つ目が夕方から夜にかけてで、部活を終えた学生と仕事帰りの人が重なります。18時台に来院が集中して、待合の椅子が足りなくなる院は珍しくありません。その一方で、昼過ぎの2時間は誰も来ないという日が続きます。

受付順のままだと、この山は動きません。混む時間に来た人が待つだけです。予約を入れると、山の一部を谷へ動かせます。ただし動くのは、時間の融通が利く人だけです。学生の部活後や勤め人の帰りは動かせません。動かせるのは、日中に来られる人です。

やり方は、空いている時間を見えるようにすることに尽きます。予約ページで昼過ぎがまるごと空いていると分かれば、その時間に来られる人は自然にそこを選びます。逆に、混む時間帯が早く埋まることも見えるので、早めに押さえる動きも出ます。空き状況を隠したまま「空いている時間にお越しください」と口で言っても、ほとんど動きません。

もう1つ効くのが、混む時間帯の枠数を実力に合わせて絞ることです。18時台に8人受けられる院が8枠を出せば、予約なしで来た人は全員待ちます。6枠にしておけば、飛び込みの2人分が空いています。枠の数は受入能力そのままではなく、飛び込みの実績を引いた数にしてください。

切り替えるときの順番。1日で全部変えない

受け方の型を決めたら、次は移し方です。ここを急ぐと、いま来ている患者を混乱させます。

最初にやるのは、新規の入口だけをネットにすることです。既存の患者の受け方は何も変えません。新しく来る人だけが予約ページから入るので、混乱の範囲が限定されます。この段階で、枠の設定が実態に合っているか、初回の時間が足りているかを確かめます。ここで見つかる不具合は必ずあるので、既存の患者を巻き込む前に潰しておきます。

次に、継続の患者への案内を始めます。会計のときに、次回をその場でネットから取ってもらう。1か月もあれば、通っている人の大半が一度は操作します。紙の案内を配るだけでは動きません。目の前で一度やってもらうのが唯一の近道です。

そのあとで、電話の扱いを見直します。すぐに番号を隠さず、時間外の案内から整えてください。留守番電話に予約ページの案内を入れるだけでも、かけ直しの数は減ります。電話をどこまで残すかの最終的な判断は、ネット経由の割合が5割を超えてからで十分です。

移行の期間中に必ず起きるのが、電話とネットの両方から同じ枠に予約が入る二重予約です。電話で受けた予約をその場で予約システムに入れる。この一手を徹底しないと、紙のノートが生き残って記録が2つに割れます。使う道具の範囲や、いま使っている仕組みからの移し替えについては他社との比較で対応する範囲を確かめられます。移行の細かい手順に関する疑問はよくある質問にも置かれているので、走り出す前に一度目を通しておくと戻り作業が減ります。

決めたあと、何を見て直すか

受け方は一度決めて終わりではありません。3か月ごとに見直す前提で、見る数字を決めておいてください。

1つ目が、予約なしで来た人の割合です。この数字が想定より高いなら、当日枠を厚くする必要があります。低いなら、当日枠を減らして前日までの予約に回せます。季節でも動くので、月ごとに並べてください。

2つ目が、予約が入っていたのに来なかった件数です。接骨院は1回あたりの単価が低い代わりに回数が多いので、1件の欠席の金額は小さく見えます。ただし継続の通院が途切れる入口になるので、件数ではなく「その後も来ているか」まで追ってください。

3つ目が、電話が鳴った回数です。1週間だけ数えれば傾向は分かります。減っていないなら、空き状況の見せ方か、予約ページの入口の場所に原因があります。

この3つを見るときに、必ず時間帯で割ってください。全体の数字だけを見ていると、昼過ぎが空いていることと夕方が溢れていることが打ち消し合って、平均としては問題が無いように見えます。実際に困っているのは特定の2時間だけ、ということがよくあります。曜日でも割ってください。学生の来院は部活の休みに左右されるので、曜日ごとの山の位置が変わります。

もう1つ、数字を見る前に確かめておくことがあります。予約なしで来た人が記録に入っているかどうかです。予約システムに入っているのが予約した人だけなら、その一覧は来院の一覧ではありません。飛び込みの人を受付でその場で登録する運用ができていて初めて、上の数字は実態を表します。ここが抜けていると、どの数字も低く出て、判断を誤ります。

そして4つ目が、1日あたりの受入人数です。受け方を変えた目的が回転を上げることなら、ここが動いていなければ意味がありません。ベッドの使い方と枠の刻みを見直す番になります。費用と受入人数を並べて損得を判断したいときは、料金で公開されている条件を自分の件数に当てはめて計算してください。実際の画面で枠の入り方を先に見ておきたいなら、デモを見るから自分の1日を再現してみるのが確実です。

Q1. 接骨院を完全予約制にしても大丈夫でしょうか?

自費のメニューが主力で、継続して通う患者が中心の院なら成立します。ただし保険の対象になる負傷は急に起きるため、保険の比率が高い院では、予約なしで来る人を断ることになり収入が落ちます。まず1か月、急な来院と継続の通院の比率を数えてから判断してください。

Q2. 施術者が1人でベッドが3床ある場合、予約枠はどう作りますか?

1人の担当者が同時に1件しか受けられない設定のままだと、実際の受入能力の半分以下になります。ベッドを担当者として3つ登録するか、設備や資源という概念を持つ道具を選んで施術者とベッドを別の軸で扱ってください。枠の刻みを10分にする方法もあります。

Q3. 継続で通う患者に毎回ネットから予約を取らせるべきですか?

無理に統一する必要はありません。施術後に受付でその場で次回を押さえる形、数回分をまとめて先に押さえる形、患者自身に取ってもらう形の3つを、患者の年齢層に合わせて併用してください。どの形でも、変更と取り消しを患者側からできるようにしておくことが要です。

Q4. 電話予約は完全にやめてしまってよいですか?

やめないでください。保険が使えるかどうかは負傷の状況を聞かないと答えられず、電話や来院で話すほうが確実です。痛みが強くて操作どころではない人もいます。減らすべきは、営業時間や駐車場のように答えが決まっている問い合わせのほうです。

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