他社との比較
Square予約から乗り換える|移す前に決めておくこと
2026年9月8日・編集部

予約システムの乗り換えは、道具を入れ替える作業に見えて、実際には順番の問題です。先に新しい受付を立てるのか、先に古いほうを止めるのか。この順番を間違えると、予約が二重に入る、常連客が古い予約ページに入り続ける、決済の売上が確定しないまま宙に浮く、といった形で跳ね返ってきます。
Square 予約からの乗り換えには、他のサービスから移るときには出てこない固有の条件があります。課金が月初にその月の分をまとめて取る形になっていること、決済の売上を運営側がいったん預かって手数料を引いてから振り込む形になっていること、アカウント自体を無効化すると二度と戻せないこと。この3つは、移すと決めてから調べるのでは遅い項目です。
この記事では、移る前に決めておくべきことを、公式サイトとヘルプセンターに書かれている内容だけを頼りに順番に並べます。条件はすべて2026年9月2日時点で公式ページに掲載されていたものです。
先に確かめる。逃げなければならない状況ではない
乗り換えを考える動機のひとつに「このサービス、この先どうなるのだろう」という不安があります。まずそこを片付けます。
2026年9月2日時点で確かめられた範囲では、Square 予約にサービス提供終了の告知は見当たりませんでした。サービス紹介ページにも料金ページにも、日本向けのニュースルームにも、終了を示す記載はありません。ニュースルームに並んでいるのは、2026年7月7日の新しいレジ端末の提供開始、2026年3月31日の第2世代レジスターの発表、2026年3月10日の対話型AIアシスタントの日本提供開始といった、増やす方向の告知です。
新規の申し込み停止もありません。料金ページのフリープランには「無料ではじめる」、プラスとプレミアムには「無料トライアルをはじめる」のボタンが現在も設置されています。よくあるご質問にも「初めてSquareをご利用になる場合は、ここから無料でアカウントを作成できます。」と記載があります。
提携先の終了についても告知はなく、むしろ手数料の引き下げが公表されています。対面のカード決済手数料は、VisaとMastercardが2024年11月1日から、JCB、American Express、Diners Club、Discoverが2025年1月16日から、3.25%から2.5%へ引き下げられています。連携先として公式に名前が挙がっているWix、Mailchimp、freee会計、Instagram、Facebook、Googleの予約機能とGoogleカレンダーについても、終了の記載はありません。
将来の日付を指定した料金改定の告知は、公開資料では確認できませんでした。過去の改定として記載があるのは、上に書いた対面決済手数料の引き下げだけです。
つまり、サービスが畳まれるから急いで逃げる、という状況ではありません。移るとしたら、それは自分の商売の側に理由があるということになります。理由がはっきりしないまま移すと、移った先でも同じ不満を抱えます。
そのまま使い続けたほうがいい場合
乗り換えの手順を書く前に、移る必要が無い状況を先に置きます。ここに当てはまるなら、この先を読む必要はありません。
ひとつめは、店頭のカード決済とネット予約を一本でまとめている場合です。予約を受けて、来店してもらって、その場でカードを通す。この流れが1つのアカウントの中で完結していて、売上のレポートもまとめて見られている状態は、それ自体が価値です。乗り換えると予約の側だけが別のサービスに移るため、レジと予約が別々の画面に分かれます。これを不便と感じるかどうかで判断が変わります。
ふたつめは、対面決済の手数料が下がった条件に当てはまっている場合です。2.5%という率は、年間キャッシュレス決済額が3,000万円未満で、主要カードブランドで、対面という3つの条件がそろったときのものです。この3つがそろっていて店頭決済の量が多いなら、決済の部分だけでかなりの金額差になります。予約の使い勝手の不満と、決済手数料の差を並べて比べる必要があります。
みっつめは、無料のフリープランで足りている場合です。フリープランでも専用の予約サイト、SNS連携、メールとSMSによる自動リマインダー、スタッフアカウント数の上限なし、レポートのエクスポートは使えます。1店舗で、担当者を分けずに受けていて、順番待ちも定員制も要らない。この形なら費用がかからないまま回ります。
よっつめは、GoogleやInstagramからの予約流入が実際に取れている場合です。Googleの予約機能との連携、Instagramとの連携、予約サイト専用QRコードは全プランに含まれています。この経路から予約が入っている実績があるなら、移行でその導線を作り直す手間が発生します。
逆に、乗り換えの理由になりやすいのは次のような状況です。フリープランで足りず、必要な機能が上のプランに固まっている。売上を運営側にいったん預ける形が商売と合わない。入金のタイミングが読みにくい。予約ページのURLを自分のドメインにしたい。この4つは、プランを上げても解決しないか、解決するために払う金額が目的と釣り合わない類の話です。
フリープランで詰まる場所を確かめる
乗り換えを検討している人の多くは、フリープランで始めて、途中で何かが足りなくなっています。何が上のプランに置かれているかを整理しておくと、移る理由が具体的になります。
料金ページの比較表でフリープランが「含まれていない」とされている項目は次のとおりです。複数店舗、対応時間の設定、複数スタッフ対象の予約、Googleカレンダーとの同期、メールとSMSによる自動予約確認、無連絡キャンセルの防止対策、1日あたり受付可能な予約数上限。さらにリソース管理はプラスでも含まれておらず、プレミアムのみです。勤怠管理、スケジュール管理、歩合給、売上高人件費比率レポートといったスタッフ管理の一群も、プレミアムだけに置かれています。
ヘルプセンター側の記載も合わせて見ると、輪郭がはっきりします。順番待ちリストの記事も、クラス予約の記事も、キャンセルポリシーの記事も、対象読者が「Square 予約プラスおよびプレミアムの登録者さま。」と明記されています。つまり、直前キャンセルの穴を埋める順番待ち、定員制のクラス受付、前払いやキャンセル料の仕組みは、無料の範囲では使えません。
料金ページの比較表では「前払い」と「カード情報の保存・利用」がフリーを含む全列に「含まれています」と表記されており、ヘルプ側の対象読者の記載と表現が食い違っています。前払いのポリシーを設定して運用したい場合は、上のプランが必要になる前提で見積もったほうが安全です。
段階の金額は、フリーが無料で「1つのSquareアカウントにつき1店舗限定」、プラスが「¥3,000」で店舗ごと月額、プレミアムが「¥8,000」で店舗ごと月額です。税込か税抜かの明記は、料金ページにも総合料金ページにもサービス紹介ページにも見当たりませんでした。したがってこの金額は、税の扱いを確かめないまま予算に入れないほうがよい数字です。年間取引高が3,000万円以上の場合は、専任担当が付くカスタムプランの案内があります。
年払いの割引についても、料金ページには「店舗ごと、月額」の表記しかなく、金額も割引率も記載がありません。ヘルプセンターに「ご利用中の有料サービスについては毎月または毎年請求が行われます(無料トライアルを除く)。」との記載があるため年払いの仕組み自体は存在しますが、割引の有無は公開資料では確認できませんでした。無料トライアルの日数も同様に、公開資料では確認できませんでした。
移す前に決めておくこと
データを、手を付ける前に全部出す
最初にやるのはこれです。公式ヘルプがアカウントを無効化する前のエクスポートを明示的に促しています。
アカウントを無効にする前に、取引履歴や商品ライブラリ、顧客リストなど、必要なデータを必ずエクスポートしてください。 出典: squareup.com
予約履歴の書き出し方も記載されています。ログインして「予約」または「支払い」から「予約」へ移り、「設定」の「履歴」を開いて「エクスポート」を選ぶとCSV形式で保存できます。レポートのエクスポートは比較表でフリー、プラス、プレミアムのすべてに「含まれています」と表記されているため、無料で使っていた店でも書き出せます。決済のCSVには決済手数料や税金など、取引ごとの詳細が含まれます。
一方で、顧客プロフィールや予約データをまとめて1回で書き出す一括エクスポートの仕様、つまり対象範囲や形式の詳細については、公開資料では確認できませんでした。何がどこまで出るかは、実際に書き出してファイルを開いて確かめるのがいちばん確実です。移行を決めた日ではなく、検討を始めた日に一度出しておくと、後の判断が速くなります。
課金の締めが月初であることを前提に日程を引く
Square の有料プランは、月初にその月の分を課金する形です。ヘルプの記載はこうです。
サブスクリプションのサービスは毎月月初の時点でその月の利用分が課金されます。よって無料トライアルを含め、月の途中でキャンセルした場合、翌月のサービスから停止となります。キャンセルした月の最終日までは、引き続きサービスをご利用いただけます。 出典: squareup.com
この形には利点があります。月の途中で解約しても、その月の末日までは使えるということです。したがって、月の前半に新しい受付を立ち上げて、並行して動かし、月末で古いほうを止める、という段取りが取りやすくなります。逆に、月が変わった直後に解約手続きをすると、その月の料金を払ったうえで翌月から止まる形になります。日割りの返金があるかどうかは、公開資料では確認できませんでした。
解約の操作場所も決まっています。ログインして「設定」から「アカウントと設定」へ進み、「料金とサブスクリプション」を開いて、対象のサブスクリプションで「サービスをキャンセル」を選びます。無料版がある場合は、そちらへ下げる選択もできます。ダウングレードを選んだ場合は「その月の請求サイクル末日に有料機能が削除され、一部のサービス機能が失われる可能性があります。」と記載があります。
また、多くのサブスクリプションは最長3か月まで一時停止できます。移行先を試している間だけ止めておく、という使い方も選択肢に入ります。一時停止の期間が過ぎると自動で再開されます。
アカウントの無効化と、プランの解約を混同しない
ここは取り返しがつかない項目です。プランの解約と、アカウント自体の無効化は別の操作で、後者は元に戻せません。
一度アカウントを無効化すると、再度有効化することはできません。Square サービスの利用を再開する場合は、新規でSquareアカウントを作成してください。 出典: squareup.com
無効化すると、支払い履歴やアカウント情報に一切アクセスできなくなり、スタッフもアカウントから削除されます。操作できるのはアカウントオーナーだけです。
重要なのは、アカウントを残しておくこと自体には費用がかからないという点です。ヘルプには「Squareでは取引ごとに請求されるため、季節営業の事業や、サブスクリプションをご利用の場合、また他の決済サービスに移行される場合でも、アカウントの維持コストは一切かかりません。」と記載があり、維持していれば販売履歴やレポート、顧客リストの管理は無料で続けられます。
したがって、予約の受付を別のサービスへ移すとしても、アカウントまで消す必要はありません。有料プランをフリーへ下げて、過去の履歴を参照できる状態で残しておく。これが移行時のいちばん安全な形です。無効化を選ぶのは、確定申告や記帳に必要な期間の記録をすべて手元に落とし終えて、二度と参照しないと決めてからで足ります。
決済の売上と入金の残りを見る
Square で店頭決済も受けている場合、予約だけを移しても決済の側は残ります。売上金の流れを把握しておかないと、移行の途中で入金の予定が読めなくなります。
代金はいったんSquareが預かり、手数料を差し引いてから登録した銀行口座へ振り込む形です。「Squareの決済手数料は、ご登録の銀行口座に売上金が振り込まれる前に差し引かれます。」と記載されています。
振り込みのタイミングは、登録している銀行で変わります。三井住友銀行とみずほ銀行の口座なら「0:00から23:59の間に発生した売上は翌営業日に振り込まれます。」となります。それ以外の金融機関は「毎週水曜日に締め、同じ週の金曜日に合算で振り込まれます。」という形です。土日祝日は銀行休業日のため振込は行われず、着金の目安は15時までとされています。振込手数料はSquare側が負担するため、店舗側に請求は発生しません。急ぐ場合は即時入金サービスがあり、手数料は送金額の1.5%、最低振込額は5,000円です。
キャンセル料の取り方も、移行の前に整理しておく項目です。Square のオンライン予約の支払いオプションは3つあり、「予約要件なし」「全額前払いを求める」「無連絡キャンセルに備えてカード情報を保存」から選びます。前払いを選んだ場合、公式の説明では「前払い済みの予約はお客さま自身でキャンセルできません。キャンセルポリシーの適用や払い戻しの必要が生じた場合は、加盟店さまの責任において対応してください。」となっており、返金の判断は店舗側の仕事です。カード情報を保存する形を選んだ場合は「無連絡キャンセル対策機能を有効にすると、カード情報は1回の予約に対してのみ保存されます。その後の請求のためには保存されません。」と記載があり、請求できる期間も「キャンセル料を請求できる期間は、当初の来店予定日の14日後までです。」と決まっています。キャンセルの受付期限は1時間から2週間の枠、または「なし」から選ぶ形です。
移行するときは、いま自分がどれを選んでいるかと、その条件で実際にキャンセル料を取ったことがあるかを確かめてください。取ったことがないなら、そもそもその設定は要らなかった可能性があります。取っているなら、移行先で同じ条件を作れるかどうかが選定の条件になります。
移行の段取りとしては、最後の決済を受けた日から、その週の入金が着地するまでを予定表に書き込んでおきます。三井住友銀行かみずほ銀行なら翌営業日で片が付きますが、それ以外の銀行なら最大で1週間ほど後ろにずれます。この間にアカウントを無効化してしまうと、履歴を確認できなくなります。
予約ページのURLが貼ってある場所を洗い出す
移行で最も見落とされるのがこれです。予約の入口は、思っているより多くの場所に貼られています。
自社ホームページの予約ボタン、Googleビジネスプロフィール、Instagramのプロフィール欄、Facebookページ、LINEのリッチメニュー、名刺やショップカードに刷ったQRコード、予約完了メールの署名、過去に送ったメールマガジン。Square の場合、Googleの予約機能との連携、Instagramとの連携、予約サイト専用QRコード、「今すぐ予約」ボタンがいずれも全プランに含まれているため、複数の入口が同時に生きている可能性が高くなります。
洗い出しは、移行を決めた時点で紙に書き出すのが確実です。移した後で1つずつ気づくと、その間の予約が古い側に入り続けます。古い側の予約サイトは、新しい側の受付が動き始めてから、案内文だけを残して受付を止める形にすると、取りこぼしが減ります。
通知の送信元が変わることを、常連客に伝える
Square から送られる予約の通知は、@squareup.com、@messaging.squareup.com、@communications.squareup.com のいずれかのドメインから届きます。移行すると、この送信元が変わります。
常連客の中には、これらのドメインを受信許可リストに入れている人がいます。移行後に新しい送信元が迷惑メールに振り分けられて、リマインドが届かなくなる。この形の事故は、移行から2週間ほど遅れて当日キャンセルの増加として現れます。移行の案内を出すときに、新しい送信元のドメインを一緒に書いておくと防げます。
なお、Square の通知テンプレートは「新規予約」「確認とリマインダー」「予約変更」「予約のキャンセル」の4種類をカスタマイズできますが、「カスタム通知にマーケティングまたは販促目的のコンテンツを含めないでください。」という制限があります。次回の来店を促す案内を通知に混ぜたい場合は、この制限が移行の理由になることもあります。
いまの受付設定を書き出して、移行先で再現できるか確かめる
移行の失敗で多いのは、機能の有無ではなく、細かい設定の再現漏れです。いま何を設定しているかを一度紙に書き出して、その1つずつが移行先で再現できるかを確かめると、切り替えた後の違和感がほとんど無くなります。
Square 予約で設定できる項目のうち、日々の受付に効くものを挙げます。まず時間枠の刻みです。「サービスの所要時間に応じる」を選ぶと、所要時間が20分のサービスなら勤務時間が20分の枠に分割されます。ほかに10分間隔、15分間隔、20分間隔、30分間隔から選べます。この刻みが移行先で同じにできないと、予約の入り方が変わり、1日に入る件数も変わります。
次に締切と受付範囲です。「事前予約が必要です」で、4週間前から1時間前までの中から締切を設定できます。「予約は次の日程より先に設定できません:」では、365日先から7日先までの中から、どのくらい先まで予約を取れるかを制限できます。直前予約を受けるかどうか、何か月先まで開けるかは、店の回し方そのものです。ここは必ず同じ条件で移してください。
承認の方式も設定項目です。「予約保証」で「すべての予約を自動で受け付ける」か「予約ごとに手動で承諾/不承諾を指定する」かを選べます。手動承認で回している店が自動受付しかない移行先へ移ると、当日の段取りが崩れます。
さらに「混雑度フィルター」があり、オフ、25%削除、40%削除、50%削除から選んで、お客さん側に見える空き時間を意図的に減らせます。空きが多く見えると来店をためらう業種で使われる設定です。「1日あたり受付可能な予約数上限」も設定でき、上限に達するとその日のオンライン予約が受けられなくなります。
予約を受ける場所の設定もあります。「対面で自分の店舗にて」「対面でお客さまの所在地にて」「対面で自分の店舗およびお客さまの所在地の両方にて」「バーチャルまたは電話のみ」から選ぶ形です。出張と店舗を併用している場合、この分け方が移行先にあるかどうかは早めに確かめる価値があります。
指名まわりでは「スタッフの「指名なし」で予約するオプションを表示する」「オンライン予約サイトからスタッフを削除する」「複数のサービスをオンライン予約できるようにする」といった設定があります。担当者名をお客さんに見せるか隠すかは、店の方針が分かれるところです。見せない運用をしているなら、移行先で同じことができるかを確かめてください。
タイムゾーンの扱いは「予約時にお客さまによるタイムゾーンの選択を許可する」か「店舗のタイムゾーンに固定する」かを選べます。オンライン面談を海外の相手と行う場合に効く設定です。
なお、定員制のクラス予約には注意点が明記されています。「クラス作成後に開催日時、場所、所要時間を変更すると、そのクラスに既に入っていた予約はすべて自動的にキャンセルされ、払い戻しが行われます。」という記載です。移行の準備中にクラスの設定をいじると、既存の予約が飛びます。移行期間中はクラスの内容を触らないでください。
独自ドメインの扱いが理由になる場合
予約ページを自分のドメインで見せたい、という要望はよく出ます。ここは仕組みが少し入り組んでいます。
独自ドメインの接続は「Square 予約」の機能ではなく「Square オンラインビジネス」の機能です。ヘルプの対象読者に「Square オンラインビジネスプラスまたはプレミアムの登録者さま。」と明記されており、別のサービスの有料プランが必要になります。SSLは接続したすべてのドメインに含まれると記載されています。
繋ぎ方は2通りあり、Square オンラインビジネスのサイトに予約ページを追加する形と、予約リンクを追加してポップアップで表示させる形です。公式の説明では、複数店舗を持つ場合は予約ページ、単一店舗または店舗ごとにページを分けたい場合は予約リンクが向いているとされています。Square以外のサイトに予約ボタンやウィジェットを埋め込むこともできると記載されています。
一方で、Square ネット予約専用サイトそのものに独自ドメインを割り当てられるかどうかは、公開資料では確認できませんでした。つまり「予約ページのURLを自分のドメインにしたい」という目的だけのために、別サービスの有料プランを重ねる形になる可能性があります。ここが移行の理由として大きいなら、移行先で独自ドメインがどのプランに含まれるかを最初に確かめる価値があります。
移る先で何を見るか
乗り換えは、いまの不満を消すためにやるものです。したがって選ぶ基準は、不満の原因になっていた条件を満たすかどうかに絞ったほうが、比較が早く終わります。
費用が理由なら、無料の枠が何件で、その次がいくらで何件かを見ます。上限を越えたときにどうなるかも重要です。受付が止まるのか、超過分を追加で払えるのか。追加で払える形になっていれば、繁忙期に受付が止まる事故は避けられます。段階の金額と上限の越え方をまとめたものは料金にあります。年契約で月あたりの金額が下がるか、最初の数か月が割引になるかも、初年度の総額に効きます。
決済の預かり方が理由なら、そこは仕組みの違いとして押さえる価値があります。売上をサービス側がいったん預かって手数料を引いてから振り込む形と、店舗が決済代行と直接加盟店契約を結んで代金が店舗の口座へ直接入る形とでは、入金の速さも返金の手順も変わります。後者なら、返金の判断と実行は店舗側で完結します。どちらが良いかは商売の形によりますが、月末に現金が要る商売なら、預かりの期間が短いほうが効きます。
スタッフの人数が理由なら、指名とシフトがどの段階から使えるかを見ます。Square では勤怠管理とスケジュール管理がプレミアムに置かれています。移行先で同じ機能が中間の段階に含まれていれば、その差がそのまま月額の差を埋めます。どういう受け方に対応しているかはできることに整理されています。
予約を受けた後の流れが理由なら、通知の設計を見ます。予約完了の通知はどのサービスにもあります。差が出るのは、リマインドをいつ送るか、来店後に御礼を出せるか、次の予約への案内を入れられるかという部分です。決済が必須でない業態に合わせて、予約の受付から次の来店までを一続きにしているという考え方で作られていれば、来てもらってから代金を受け取る商売の流れにそのまま乗ります。
条件を並べて比べたい場合は他社との比較に、同じ形で並べたものがあります。自分の業種でどう使うかは業種ごとの使い方に、移行のときに個別で気になる条件はよくある質問にまとまっています。
移行の段取りを4週間で組む
最後に、実際の日程の組み方を書きます。月初課金という条件を活かすと、無駄な出費を出さずに並行運転ができます。
1週目は、書き出しと洗い出しです。予約履歴と顧客リストをCSVで書き出し、予約ページのURLが貼ってある場所を全部紙に書きます。この段階では何も止めません。
2週目は、新しい側を作ります。メニュー、所要時間、営業時間、担当者、通知の文面を組みます。ここで既存の設定をそのまま移そうとすると手が止まるので、いま実際に使っているメニューだけを先に載せます。使っていないメニューは移さないほうが画面が軽くなります。
3週目は、並行運転です。新しい側で自分と身内の予約を数件通してみて、通知が届くか、時間の刻みが合っているかを確かめます。同時に、URLを貼っている場所を新しいほうへ差し替えていきます。Googleビジネスプロフィールは反映に時間がかかることがあるため、ここで着手します。
4週目は、切り替えと停止です。古い側の受付を止め、月末で有料プランを解約します。アカウントは無効化せず、フリープランへ下げて履歴を残します。決済の入金が着地するまで、レポート画面は開ける状態にしておきます。
移った後、最初の1か月は3つの数字を見ておくと判定がつきます。予約の件数が移行前と比べて減っていないか、当日キャンセルと無断キャンセルの割合が変わったか、電話での予約の割合が増えていないか。予約件数が落ちていればURLの貼り替えのどこかが抜けています。電話が増えていれば、ネットで予約しようとして途中で止まっている人がいます。この3つは、移行がうまくいったかどうかを1か月で判定できる数字です。
乗り換えで失敗しやすいのは、移すこと自体が目的になる状態です。機能が多いほうへ、安いほうへと動くと、移った先でまた別の不満が出ます。いま何が困っていて、それが解消されたらどう変わるのか。ここを1行で言えるようにしてから動くと、途中で迷いません。
Q1. Square予約の有料プランを月の途中で解約すると、その月の料金はどうなりますか?
公式ヘルプに「サブスクリプションのサービスは毎月月初の時点でその月の利用分が課金されます。よって無料トライアルを含め、月の途中でキャンセルした場合、翌月のサービスから停止となります。キャンセルした月の最終日までは、引き続きサービスをご利用いただけます。」と記載があります。日割りの返金があるかどうかは、公開資料では確認できませんでした。月末で止める前提で日程を組むのが無駄がありません。
Q2. 移行するときにSquareのアカウントごと消したほうがよいですか?
消さないほうが安全です。アカウントの無効化は取り消せず、無効化すると支払い履歴やアカウント情報に一切アクセスできなくなります。一方でアカウントを維持するだけなら費用はかからず、販売履歴やレポート、顧客リストの管理は無料で続けられると記載されています。有料プランだけをフリーへ下げて、履歴を参照できる状態で残す形が現実的です。
Q3. 予約データや顧客リストは書き出せますか?
書き出せます。予約履歴は、ログイン後に「予約」または「支払い」から「予約」へ移り、「設定」の「履歴」を開いて「エクスポート」を選ぶとCSVで保存できます。レポートのエクスポートはフリー、プラス、プレミアムのすべてに含まれています。ただし顧客プロフィールと予約データをまとめて1回で出す一括エクスポートの対象範囲や形式の詳細は、公開資料では確認できませんでした。
Q4. 移行後、Squareで受けた決済の入金はいつ着地しますか?
登録している銀行で変わります。三井住友銀行とみずほ銀行の口座なら、0時から23時59分の間に発生した売上が翌営業日に振り込まれます。それ以外の金融機関は毎週水曜日に締めて同じ週の金曜日に合算で振り込まれます。土日祝日は振込が行われず、着金の目安は15時までとされています。最後の決済から入金の着地までを予定表に入れてから、古い側を止めてください。
Q5. Square予約のフリープランで足りなくなるのはどこですか?
料金ページの比較表でフリーが「含まれていない」とされているのは、複数店舗、対応時間の設定、複数スタッフ対象の予約、Googleカレンダーとの同期、メールとSMSによる自動予約確認、無連絡キャンセルの防止対策、1日あたりの予約数上限です。ヘルプ側では順番待ちリスト、クラス予約、キャンセルポリシーの設定がプラス以上と明記されています。勤怠管理とスケジュール管理はプレミアムのみです。