他社との比較
STORES予約から乗り換える|移す前に決めておくこと
2026年9月9日

予約システムの乗り換えは、新しい方を契約する作業ではありません。いま動いている受付を止めずに、顧客と予約と導線を全部運ぶ作業です。ここを軽く見ると、切り替えた週に予約が入らなくなったり、常連の連絡先が消えたりします。「stores 予約 乗り換え」で調べている段階で決めておくべきことは、乗り換え先の候補よりも先に、自分の店の何を運ぶのか、いつ止めるのか、契約上いつまで払うのか、の3つです。この記事では、その順序どおりに整理します。
いま何が変わっている最中なのかを把握する
乗り換えを検討する理由の多くは費用ですが、2026年に入ってから STORES 予約 では料金表の外側にある条件がいくつか変わっています。移るにせよ残るにせよ、正確につかんでおかないと、乗り換え先でも同じ計算違いをします。
決済の提供主体が入れ替わった
事前クレジットカード決済の提供主体が、Stripe Japan, Inc. から STORES 株式会社へ変更されました。変更前は事業者と Stripe 社の間で利用契約が成立し、Stripe 社を通じてクレジットカード会社との加盟店契約が成立する形でしたが、変更後は事業者と STORES 株式会社の間で利用契約が成立し、STORES 株式会社を通じて株式会社クレディセゾンおよび株式会社ジェーシービーによる加盟店契約審査が行われます。公式には、この審査に通過しない場合もあると明記されています。切り替えは2026年2月中旬頃より順次実施されました。
これにともない、売上金の振込名義人も「STORES yoyaku」から「ストアーズ(カ) ヨヤク」に変わりました。切り替えが適用された月は Stripe 社と STORES 株式会社からそれぞれ振り込まれるため、振込が2回に分かれます。総額は変わりませんが、会計ソフトで摘要から自動仕訳している店では、この月だけ突合が合いません。乗り換えの時期がここに重なるなら、入金の記録を先に整理しておいてください。
決済手数料率と振込手数料が上がった
事前クレジットカード決済の手数料率が2026年8月3日に変更されました。変更前は「4.9%+99円」でしたが、以降は5.5%です。STORES スタンダードプラン(月額3,300円・税込)に加入していれば3.6%、中小特別料率が適用されるとフリーで5.2%、スタンダードで3.3%になります。
加えて2026年8月25日の入金分より、これまで0円だった振込手数料が1回の振込につき275円(税込)発生するようになりました。入金額が10,000円未満の振込では事務手数料275円が追加され、合計550円です。入金サイクル短縮化のオプションを契約している場合は、毎週火曜日の振込ごとに275円が発生します。
乗り換えの判断材料としては、この2つを合算した実効コストで比べるのが正しいやり方です。月の事前決済が30万円の店なら、通常料率5.5%で16,500円、そこに振込手数料275円が乗ります。プランの月額とは別に、この額が毎月出ていく計算になります。
予約サイトのURLとメールの送信元が移る
予約サイトのURLの形式が変わります。変更前は coubic.com のドメイン配下でしたが、変更後は各事業者のドメインIDを使った stores.jp 配下の形式です。2026年2月中旬以降、順次切り替えが実施されています。現時点では旧URLからの自動転送が続きますが、公式の案内には「将来的に現在のURLでのご利用を停止し、URLの変更をお願いさせていただく場合がございます」と明記されています。予約者へ送信されるメールの送信元アドレスも、[email protected] から [email protected] に変更されます。
この点は乗り換えの段取りに直接効きます。URLが移る予定があるなら、外部の導線を差し替える作業はどのみち発生します。それなら乗り換えと同時にやってしまったほうが、作業は1回で済みます。逆に、URL移行の案内が来た直後に乗り換えを始めると、予約者から見て短期間に2回URLが変わることになり、混乱が大きくなります。移行の連絡が来ているかどうかは、着手前に確認しておいてください。
なお、サービス自体の提供終了は告知されていません。公式FAQのリリース情報一覧に載っている直近の記事はいずれも機能追加か条件変更の告知で、終了の記載はありません。乗り換えは「終わるから」ではなく「合わなくなったから」の判断になります。
乗り換えの理由を1行にする
段取りに入る前に、やる理由を1行で書き出してください。これが移行の全工程で判断の基準になります。曖昧なまま動くと、候補を機能の数で選んでしまい、移った先で同じ不満が出ます。
現場から挙がる理由は、だいたい6つに集約されます。月間予約件数の上限に当たった。スタッフを登録できない、または指名を受け付けられない。データをCSVで出せない。決済手数料と振込手数料の合計が重い。月額そのものが規模に合っていない。連携したい外部サービスが対応していない。この6つのうち、自分の店に当てはまるのはどれかを選びます。
複数当てはまる場合は、順位をつけてください。1位に置いたものが、候補を落とす基準になります。たとえば1位が「スタッフ3人分の指名を受けたい」なら、その条件を満たさない候補はいくら安くても外します。1位が「月額を下げたい」なら、いま使っていない機能を切る判断も同時にできます。理由が言葉になっていない状態で候補を並べると、比較表を眺めるだけで数週間が過ぎます。
移す前に決める5つのこと
順序を間違えると作業が二度手間になります。着手前に、次の5つを紙に書き出してください。
稼働日を先に決め、解約日を後ろに置く
新しい仕組みで予約を受け始める日を先に決めます。解約日はその後です。逆にすると、締切に追われて設定が雑になります。重なり期間は1か月あると安全です。費用は二重になりますが、予約を取りこぼす損失のほうがたいてい大きくなります。
契約の縛りも確認しておきます。契約期間は年契約と最短3か月からの複数月契約で、単月契約はできません。契約は自動更新で、契約終了日までに申し出が確認できない場合は自動更新されます。契約期間の途中で解約する場合でも、残存期間分のプラン利用料の全額を解約時に支払う必要があり、すでに一括払いで支払い済みの場合は返金できないと明記されています。したがって、年契約の店は契約満了に合わせて乗り換えるのが最も損の少ない進め方です。更新日の何日前までに申し出る必要があるかという期限は、公開資料では確認できませんでした。余裕を見て、更新日の1か月前には問い合わせフォームから連絡しておくのが安全です。
持ち出せるデータの範囲を確かめる
これが最大の関門です。公式のプラン比較表では「予約・顧客情報のCSVダウンロード」がビジネスプラン以上の機能として区分されており、フリー、スモール、チームの3プランには印がありません。顧客情報の一括登録は全プランでできるので、入れることはできても出せない形になります。フリー、スモール、チームの各プランで予約・顧客データを取り出す方法があるかどうかは、公式資料からは判断できませんでした。手段が存在しないと断定はできませんが、公開されている区分の上ではそうなっています。
自分のプランがビジネス以上でないなら、乗り換えの計画を立てる前に、まず問い合わせフォームでデータの取り出し方法を確認してください。ここが確定しないと、その先の段取りが全部決まりません。
予約サイトのURLをどう畳むか決める
いまの予約サイトのURLが、どこに貼られているかを洗い出します。店のホームページの予約ボタン、Googleビジネスプロフィール、Instagramのプロフィール欄、LINEのリッチメニュー、紙のチラシ、店頭のQRコード、名刺、予約確定メールの署名。乗り換えるとこれらのリンク先は行き止まりになります。差し替えの一覧を先に作り、紙物は刷り直しの発注日から逆算してください。
外部サイトに設置している予約ボタンや予約カレンダーの埋め込みコードも対象です。予約ボタンの埋め込みは全プラン、予約カレンダーの埋め込みはビジネスプラン以上で使えるため、どちらを使っているかによって差し替えの手間が変わります。LINEミニアプリ連携を使っている場合は、ミニアプリ用のURL自体は変わりませんが、エンドポイントURLの変更が必要になります。
すでに入っている予約の扱いを決める
解約日をまたぐ予約が1件でもあるなら、その日以降に解約日を置き直すか、予約者に個別連絡して新しい仕組みへ移してもらうかの二択です。教室や講座のように数か月先まで予約が入る業種では、ここが一番長い制約になります。半年先の予約が入っているなら、乗り換えは半年がかりの計画になるということです。
予約受付・キャンセル・変更期限の設定は全プランで使えるので、まず「解約日より先の日付では新規予約を受けない」状態にします。この操作はフリープランでもできます。
決済の切り替え順序を決める
事前決済を使っている店は、ここが最も慎重を要する部分です。新しい仕組みで決済を受けられる状態になる前に旧側を止めると、その期間だけ前金を取れなくなります。決済の審査には日数がかかることがあるため、申し込みは移行計画の最初に置いてください。
特定商取引法に基づく表示には「手数料の返金・キャンセルは受け付けておりません」と記載されています。移行の途中でキャンセルが出た場合、予約者への返金と、店が払った決済手数料の扱いは別だと考えておく必要があります。回数券や月謝の未消化分をどう精算するかについての公式の案内は、公開資料では確認できませんでした。金銭が絡む部分なので、問い合わせフォームで直接確認してから動いてください。
データ移行の実務
決めるべきことが固まったら、実際に運ぶ作業に入ります。
顧客名簿を出す
顧客情報のCSVダウンロードは、管理画面ホームの「予約」から「顧客」を開き、画面右上の「CSVダウンロード」をクリックして出力形式を選び、リクエスト後にダウンロードページから取得する流れです。スマートフォンからも操作できます。ただし各ファイルのダウンロードは、管理画面の操作とあわせて1度のみ、12時間以内という制限があります。取得したファイルを紛失すると、同じ手順をもう一度踏むことになるため、ダウンロードしたらすぐに複数の場所へ保存してください。
出したファイルは、そのまま次の仕組みに入るとは限りません。列の名前と並び順が違うのが普通なので、移行先の取り込み形式に合わせて並べ替える作業が入ります。氏名、電話番号、メールアドレス、来店回数、メモの5つが揃っていれば、たいていの仕組みで再現できます。
顧客名簿を手元に置く以上、保管と廃棄の責任は店側にあります。事業者としての個人情報の取り扱いの考え方は個人情報保護委員会の案内が基準になります。移行が終わったら、作業用に配った中間ファイルは消してください。
予約履歴と分析のデータを出す
予約一覧のCSVダウンロードは、画面上部の「予約一覧」からダウンロードボタンで取得します。分析機能の各レポートもCSVでダウンロードでき、分析機能自体は全プランで利用できます。過去の予約の傾向は、新しい仕組みの設定を決めるときの唯一の材料です。曜日ごとの埋まり方、キャンセルの発生率、指名の偏り、季節の波。これらを数字で持っておかないと、移行後の枠の切り方を勘で決めることになります。
API連携を使っている場合は、予約情報と顧客情報を出力できます。ただしAPI連携はビジネスプラン以上の提供です。
CSVに出ないものを写す
移行で一番時間がかかるのは、実はデータではなく文面です。予約ページの説明文、メニュー名と所要時間と価格、キャンセルポリシーの文言、予約確定メールの本文、「予約忘れないでねメール」の本文と送信タイミング、来店者向けメールの配信条件、回数券や月謝の設計、営業時間と休業日の設定、アンケートの質問文。これらはCSVには出てきません。画面をそのまま印刷するか、テキストに写して保存してください。
アカウント削除後は、登録されていたすべてのデータが完全に消去され、復旧できないと明記されています。プランを下げた場合も、閲覧および機能に制限がかかり、旧設定の確認や閲覧のための一時的な制限解除もできないと明記されています。「あとで見返せばいい」は成り立たないと考えてください。
回数券と月謝の残を整理する
回数券・月謝の販売は全プランで可能で、購入者へ有効期限や残回数をメールで知らせる設定もあります。乗り換えるときは、誰に何回分が残っているのかを一覧にして、新しい仕組みに手作業で登録し直すことになります。人数が多い店では、この作業だけで数日かかります。移行のタイミングは、回数券の販売をいったん止めてから残が減るのを待つか、残高一覧を作って一括で移すかのどちらかです。前者のほうが手間は少ないですが、その間の売上は落ちます。
通知メールの設計を写す
見落としやすいのが、予約者に届く自動メールの設計です。予約が確定すると予約者に自動で予約確定メールが送信され、予約日時の前には「予約忘れないでねメール」というリマインドをメールまたはSMSで送れます。送信タイミングは予約日時の何時間前という形で指定でき、配信日は1日前を24時間前として換算します。設定した配信日を経過した後に入った予約には配信されません。
このほか、来店回数や誕生日などの条件に応じて自動送信できる来店者向けメール、回数券購入者への有効期限や残回数の通知、レビュー依頼メールがあります。プランによって使えないものがあり、メルマガ・DMの手動一斉配信とリマインドの自動配信はスモールプラン以上、SMSの手動・自動配信はビジネスプラン以上で月100件までです。予約通知メールのカスタマイズはチームプラン以上、署名設定はスモールプラン以上です。
乗り換え先で同じ体験を再現するには、どのメールが、誰に、いつ、どんな文面で届いているのかを一覧にしておく必要があります。予約者にとっては、この自動メールが店との接点そのものです。移行後に文面が変わったり、リマインドが止まったりすると、無断キャンセルがはっきり増えます。メールへのPDF等の添付には対応しておらず、オンラインストレージのURLで渡す運用になっている点も、そのまま引き継げるかどうか確認しておくべき部分です。
乗り換え先を選ぶ物差し
候補を並べるとき、機能の数で比べても答えは出ません。いま詰まっている一点と、将来詰まりそうな一点の2つだけで見てください。
予約件数の上限と、超えたときの値段
STORES 予約 の予約件数の上限は、フリーが月50件、スモールが200件、チームが300件、ビジネスが2,000件、エンタープライズが5,000件です。有料プランで上限を超える場合は50件ごとに1,078円(税込)で追加できます。月額は年契約・一括払いでスモールが9,790円、チームが19,690円、ビジネスが28,600円、エンタープライズが66,000円で、すべて税込です。
比べるときは、自分の店の月間件数を先に出してから、その件数で各候補がいくらになるかを並べます。月あたりの上限件数とスタッフ人数でプランが分かれる料金の考え方は料金にまとめてあります。無料で月50件、月額3,300円で月300件とスタッフ1名、月額7,700円で月1,000件とスタッフ10名、月額19,800円で月3,000件とスタッフ無制限という4段階で、いずれも税込です。上限超過は100件ごとに1,100円、年契約なら月あたり2,750円、6,600円、16,500円になり、有料プランは最初の3か月が半額です。同じ月300件でも、段の刻み方が違えば月額は変わります。
スタッフと指名の扱い
スタッフの指名予約はチームプラン以上で、登録できるスタッフ数はチームが3名、ビジネスが20名、エンタープライズが無制限です。フリーとスモールには登録スタッフ数の設定がありません。担当が複数いる店では、ここが乗り換えの理由そのものになることが多い部分です。乗り換え先を見るときは、スタッフ何人までがいくらなのかを必ず確認してください。
決済の構造
費用より先に構造を見るべき部分です。予約システムには、代金を運営会社がいったん預かってから店に振り込む形と、店が自分で決済会社と加盟店契約を結んで代金が直接入る形があります。前者では振込のサイクルと振込手数料が資金繰りに効きます。後者では代金が店舗の口座に直接入り、返金も店舗が行うため、運営が代金を預かりません。決済会社としてテレコムクレジットを使い、店舗が自分で加盟店契約を結ぶ形がこれに当たります。Stripe と Square には対応していないため、すでにそのどちらかで決済を組んでいる店は、この点を先に確認しておく必要があります。
構造が違うと、乗り換えの作業量も変わります。運営が預かる形から預からない形へ移る場合、加盟店契約の申し込みと審査が新たに発生します。逆に言えば、一度その契約を結んでしまえば、そのあとに予約システムを替えても入金経路はそのまま使えます。
独自ドメインとオンライン面談
公式FAQには、ネットショップでは独自ドメインを利用できるものの、予約サイトでは現在、独自ドメインの発行には対応していないと明記されています。同じ事業者が STORES ネットショップ側で独自ドメインを設定している場合は、予約サイトにも自動的に適用されます。独自ドメインは事業者につき1つのみで、同じ会社内で事業ごとに別々のドメインを設定することはできません。
オンラインで面談や講座を受け付ける場合、Zoom連携はスモールプラン以上です。この2つは、乗り換え先で何段目から使えるのかがはっきり分かれる部分なので、候補を絞る材料になります。何がどの段で使えるのかはできることに整理してあります。
データを出せるかどうか
一度乗り換えた店は、また乗り換える可能性があります。だからこそ、次の仕組みを選ぶときには「出せるか」を必ず確認してください。CSVでの書き出しがどのプランから使えるのか、書き出せる項目は何か、回数を制限されていないか。ここを確認しないまま契約すると、同じ苦労を数年後に繰り返します。他社の予約システムを横に並べて、どの条件で差が出るのかを整理した他社との比較が、この観点の整理に使えます。
移行の段取りを日付で並べる
やることが多く見えますが、日付に置き直すと2か月の作業です。
更新日の2か月前に、直近12か月の予約件数とキャンセル率を出し、いま詰まっている一点を1行で書きます。同じ週に候補を2つか3つに絞り、決済の申し込みが必要なら着手します。審査に時間がかかる可能性があるため、これを最初に置くのが要点です。
更新日の6週間前に、候補の予約画面を実際に触り、自分の店のメニューと営業時間をそのまま設定してみます。ここで組めなければ落とします。予約者が最初に見る画面と店側の管理画面の両方を触れるデモを見るのような形で確認できるなら、スタッフにも同じ画面を見せて意見を聞いてください。使うのは店主だけではありません。
更新日の1か月前に、問い合わせフォームから解約の申し出を送ります。同じ日に顧客情報と予約一覧のCSVをダウンロードし、文面と設定をテキストに写します。あわせて、解約日より先の日付で予約が入らないよう受付期限を締めます。
更新日の3週間前から新しい仕組みで予約を受け始め、ホームページ、Googleビジネスプロフィール、SNS、LINE、店頭のQRコードの順にリンク先を差し替えます。更新日の1週間前に、旧側に残っている予約がゼロになったことを確認します。ゼロでなければ解約日を後ろにずらします。契約終了日を過ぎてから、アカウントの削除に進みます。削除は必ず最後です。
移行が失敗するのは、たいてい同じ3か所
乗り換えでつまずく場所は決まっています。事前に知っておけば避けられます。
二重管理の期間に、片方だけ更新される
重なり期間を作ると、必然的に予約先が2つある状態になります。ここでよく起きるのが、旧側に入った予約を新側のカレンダーに写し忘れて、同じ枠に2件入る事故です。防ぐ方法は単純で、重なり期間中は「新規の予約はすべて新側で受け、旧側は消化のみ」と決めることです。旧側で新しい予約を受け付けない状態にしてから重ねると、写し漏れそのものが起きません。予約受付・キャンセル・変更期限の設定は全プランで使えるので、旧側の受付をその日で締めてしまうのが確実です。
スタッフが旧側の画面を使い続ける
店主だけが新しい画面を覚えても、現場は変わりません。当日の受付、キャンセルの処理、電話で入った予約の代理入力。これらを担当するスタッフが旧側の画面を開き続けると、データが両方に散ります。切り替え前に、全員が1件ずつ実際に操作する時間を取ってください。手順書を配るより、目の前で1回やってもらうほうが早いです。切り替え当日は旧側のログイン情報を店主だけが持つ形にすると、物理的に混ざらなくなります。
外部の導線の差し替えが後回しになる
作業として地味なわりに、取りこぼしに直結するのがここです。予約が減ったと感じたときに調べると、Googleビジネスプロフィールの予約リンクが古いままだった、というのはよくある話です。差し替えの一覧を作り、担当と期限を1つずつ埋めてください。ホームページ、Googleビジネスプロフィール、Instagram、LINEのリッチメニュー、店頭のQRコード、名刺、チラシ、既存の予約確定メールの署名。紙物は刷り直しに日数がかかるため、最初に発注します。
数か月先まで予約が入る業種では、もう1つ落とし穴があります。旧側にしか残っていない先の予約を、新側のカレンダーに手で入れておかないと、その枠が空いているように見えて二重に埋まります。乗り換えの初日にやるべき作業は、実はこの手入力です。
予約者への案内は3点だけ書く
告知は短いほど読まれます。必要なのは、いつから受付先が変わるのか、新しい予約先はどこか、すでに入っている予約はどうなるのか、の3点です。この3つを同じ文面で、予約確定メールの署名欄、店のホームページ、SNSのプロフィール欄、店頭の掲示に出します。文言がばらばらだと予約者は迷い、結局は電話が来ます。切り替えの前後2週間は、旧側と新側の両方に同じ案内を出しておくと取りこぼしが減ります。
自分の業種でどう組み直すかの例は業種ごとの使い方にまとまっています。サロン、教室、整体、士業の面談では、枠の切り方も案内の書き方も違います。近い形を見てから設定に入ると、移行後に「この受け方ができない」と気づく事故が減ります。
乗り換えないほうがいい場合もある
最後に、移らないほうがいい条件を挙げます。判断材料として重要です。
年契約の残りが半年以上あり、乗り換えの理由が費用だけなら、満了まで待つほうが安く済みます。残存期間分は全額支払うことになるため、二重の費用が半年続く計算になります。
費用が上がった原因が決済手数料なら、STORES スタンダードプランへの加入で5.5%が3.6%に下がります。月の事前決済が20万円を超えていれば、料率差だけで月額3,300円を上回るため、加入したほうが安くなります。中小特別料率の申請でさらに下がる可能性もあります。乗り換えの手間を考えると、この確認を先にする価値は十分あります。
かんざし連携やRemoteLOCK連携、STORES レジとの連携を運用の中心に据えている店も、慎重に考えたほうがいいです。連携先が同じ形で用意されていない場合、乗り換えは予約システムだけの話では済まなくなります。逆に、スタッフの指名やデータの持ち出し、月額と件数の釣り合いで詰まっているなら、その一点は仕組みを替えないと解決しません。移行の判断は、詰まっている場所が「設定で直るのか、構造なのか」で分かれます。
移行の可否や手段は、現在ご利用中のシステムやデータの形式によって異なります 出典: stores.fun
移行はどの方向でも個別相談になります。だからこそ、聞かれたときに即答できるよう、いまの件数、スタッフ数、月の決済額、持っているデータの形を紙1枚にまとめておいてください。それが乗り換えの最初の一歩です。
Q1. STORES予約から乗り換えるとき、顧客データは持ち出せますか?
顧客情報と予約一覧はCSVでダウンロードできますが、公式のプラン比較表では「予約・顧客情報のCSVダウンロード」がビジネスプラン以上とされており、フリー、スモール、チームには印がありません。この3プランで取り出す方法があるかどうかは公式資料からは判断できませんでした。ダウンロードは管理画面の操作とあわせて1度のみ、12時間以内という制限もあるため、取得したファイルはすぐ複数の場所へ保存してください。
Q2. 契約の途中で乗り換えると、残りの月額はどうなりますか?
契約期間の途中で解約する場合でも、残存期間分のプラン利用料の全額を解約時に支払う必要があります。すでに一括払いで支払い済みの場合、返金はできないと明記されています。契約は自動更新で、契約期間は年契約か最短3か月からの複数月契約です。年契約の残りが長い場合は、満了に合わせて乗り換えるほうが二重の費用を抑えられます。更新日の何日前までに申し出るかという期限は、公開資料では確認できませんでした。
Q3. 乗り換えの作業はどのくらいの期間を見ておけばいいですか?
2か月を目安にしてください。更新日の2か月前に候補を絞って決済の申し込みを始め、6週間前に実際の画面で自分の店の設定を組み、1か月前に解約の申し出とCSVの書き出しを行い、3週間前から新しい仕組みで受け始めて外部の導線を差し替えます。数か月先まで予約が入る教室や講座の業種では、解約日をまたぐ予約が消えるまでもっと長い期間が必要になります。
Q4. CSVに出てこないもので、移行前に写しておくべきものは何ですか?
文面と設定です。予約ページの説明文、メニュー名と所要時間と価格、キャンセルポリシーの文言、予約確定メールとリマインドメールの本文、来店者向けメールの配信条件、回数券や月謝の設計、営業時間と休業日、アンケートの質問文が該当します。アカウント削除後はすべてのデータが完全に消去され復旧できず、プランを下げた場合も旧設定の閲覧のための一時的な制限解除はできないと明記されています。
Q5. 乗り換えずに済ませられる場合はありますか?
あります。費用が上がった原因が決済手数料なら、STORESスタンダードプラン(月額3,300円・税込)への加入で料率が5.5%から3.6%に下がり、月の事前決済が20万円を超えていれば加入したほうが安くなります。中小特別料率の申請でさらに下がる可能性もあります。一方、スタッフの指名予約やデータの持ち出しのようにプランの区分そのもので決まっている制約は、設定では解決しないため乗り換えの理由になります。