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営業時間外の予約を受ける|夜と休みの日の取りこぼしを拾う
2026年9月27日・Rizaflow編集部
営業時間外の予約をどう扱うかで、月の売上が静かに変わります。店が閉まっている時間に「ここを予約したい」と思った人は、翌日まで覚えていてくれるわけではありません。受付時間が10時から19時の店なら、1日のうち15時間は誰も電話に出られません。この記事では、営業時間外に予約したい人が何に迷っているかを押さえたうえで、閉店後と定休日に届いた予約を取りこぼさずに受ける手順、仮予約と確定の分け方、受付の締め切りの決め方を順番に整理します。結論を先に置くと、変えるべきは電話の出方ではなく、電話以外の入口を1本増やすことです。
営業時間外に予約したい人は、何時に動いているか
予約したいと思う瞬間は、店が開いている時間には来ません。仕事を終えて帰りの電車の中、子どもを寝かせたあとの夜、休みの日の朝。どれも多くの店にとっては営業時間外か、電話が取れないほど忙しい時間帯です。飲食店であれば夜の営業に入っている最中で、美容室や整体院であれば施術中です。つまり「予約したい気持ちが立ち上がる時間」と「店が電話を取れる時間」は、もともと重なりが小さいという前提から考える必要があります。
この食い違いは、予約する側の投稿を読むとはっきり見えます。営業時間外に電話をかけてよいのかを迷ったまま、質問サイトに書き込んでいる人が実際にいます。
夜しかやってない飲食店への予約電話、何時が一番いいんですか? 人気店って何時に電話してもオフなリアクションじゃないですか? 仕込みしてそうな15時にかけても出ない、開店2時間前も出ないかイヤそう、忙しいのを承知で営業時間に電話したほうが本当はいいんでしょうか? 出典: detail.chiebukuro.yahoo.co.jp
注目したいのは、この人がまだ1件も予約していないという点です。かける時間を選んでいる段階で止まっていて、その間に別の店を予約してしまう可能性があります。店の側から見ると、失った1件として数えられることすらありません。電話が鳴らなかった日は「今日は問い合わせが少なかった」という記憶だけが残り、鳴らなかった理由は残りません。
同じ迷いは、開店前の時間帯にも起きます。夜の営業が17時から始まる店に、15時にかけてよいのかを尋ねる投稿もあります。仕込みの最中だと知っているからこそ、かける側は遠慮します。遠慮する人は、かけ直してくれる人よりもずっと多いと考えたほうが実際に近いです。店の電話が1本しかなく、その1本が営業中は取れないという構造は、外からは見えません。見えないものについて人は問い合わせてくれません。
ここから導かれる打ち手は単純です。営業時間外の電話にどう応対するかを工夫するより、電話をかけずに済む道を用意するほうが効きます。空いている時間が外から見えて、その場で押さえられる窓口が1つあれば、かける時間の悩みごと消えます。
電話が取れない時間に、何がどれだけこぼれているか
取りこぼしの量は、数えていない店ほど大きくなります。実際の件数を知る方法は3つあります。
1つめは、着信履歴の確認です。スマートフォンでも固定電話でも、不在着信の一覧は残ります。営業時間外と施術中に入った着信を直近1週間だけ数えてみると、多くの店で思っていたより多い数が出ます。折り返して繋がったのが何件かも、同じ表に足します。折り返して繋がらなかった相手は、そのまま別の店に行ったと考えるのが自然です。
2つめは、留守番電話の再生です。メッセージを残す人は、着信した人のうちの一部です。留守番電話が10件入っている週は、鳴った回数が30件前後あってもおかしくありません。残してくれた人は熱心な方で、残さなかった人が本来の取りこぼしの本体です。
3つめは、来店したお客さまへの一言です。「ご予約はどうやって調べていただきましたか」と聞くだけで、電話の前にホームページを見たのか、地図アプリから来たのかが分かります。ここで「電話しようとしたけれど時間が合わなくて」という答えが1人でも出たら、その背後に同じ理由の人が何人かいます。
数え終えたら、1件の重みをかけ算します。客単価が6,000円の店で、営業時間外の取りこぼしが週に3件あるなら、1か月で72,000円の機会が消えています。リピートしていただける業態なら、この金額は初回のみの計算で、2回目以降を含めるとさらに増えます。予約システムの月額と比べる相手は、この金額です。機能の多さで比べるのではなく、こぼれている額と並べると判断が早くなります。
注意したいのは、電話を増やす方向で解こうとしないことです。営業時間外に転送電話を自分の携帯に繋ぐと、閉店後も休みの日も鳴り続けます。取りこぼしは減っても、休む時間が削られます。実際に始めて数週間でやめる人が多いのは、この負担が理由です。人が出ずに受け付けられる窓口を作ることと、人が出る時間を伸ばすことは、まったく別の話です。
営業時間外の電話を受ける側にも事情がある
受ける側の事情を先に整理しておくと、どこを自動にすべきかが見えます。飲食店の場合、仕込みの時間は手が離せません。火を使っている最中に電話を取ると、鍋の前を離れることになります。開店直前は最終確認の時間で、ここで予約を1件受けると席の割り振りをやり直すことになります。美容室や整体院なら、施術中に電話を取る行為そのものがお客さまに失礼です。目の前の人を待たせて、まだ来ていない人の相手をすることになります。
つまり「営業時間外なら暇だろう」という前提が、そもそも合っていません。店が閉まっている時間は、片づけ、帳簿、仕入れ、翌日の準備に使われています。休みの日は休むための日です。ここに電話を取る役割を足すと、店を続ける体力が削れます。
一方で、営業時間外に予約の連絡が来ること自体を断るのは損です。連絡してくれた人は、他店と比べた末にこの店を選んでいます。この2つを両立させる答えが、受け付ける時間と、応対する時間を分けることです。予約の受け付けは24時間動いていてよく、内容の確認と返事は営業時間内にまとめて行えばよい。この分離ができていない店が、電話だけで受けている状態です。
飲食店向けの解説記事でも、同じ整理が出てきます。
Web予約であれば、お店の営業時間を気にせず24時間いつでも空席状況をチェックでき、その場で予約を確定できます。 出典: neo-emotion.jp
ここで大事なのは「その場で確定できる」という部分です。問い合わせフォームだけを置いている店は、受け付けはできても確定ができません。お客さまは送信したあと、返事が来るまで予約できたかどうか分かりません。その不安な時間が半日あると、別の店にも同時に問い合わせます。確定まで届くかどうかで、同じ24時間受付でも結果が変わります。どの工程までを自動で引き受けられるかは、できることのように受付から来店までの機能が並んでいるページで、いま手作業になっている箇所と突き合わせると判断しやすくなります。
24時間受け付ける窓口の作り方を3つ比べる
営業時間外を受け止める窓口には、実際に選べる道が3つあります。手間と効き方が違うので、順に見ていきます。
1つめは、Web予約ページです。空いている時間が一覧で見えて、選んで送信するとその場で枠が確保されます。かける時間の悩みが消え、二重予約も起きません。用意する手間は、メニューと所要時間と受付時間帯を決めることだけです。すでに予定表を使っている店なら、その空き情報をそのまま外向けに出す形にできます。弱点は、予約ページのURLをお客さまに見つけてもらう必要がある点です。ホームページ、地図アプリの店舗情報、SNSのプロフィール、名刺、店頭の掲示に同じURLを置いて回る作業が最初に1回だけ発生します。
2つめは、留守番電話とメッセージの活用です。費用がほぼかからず、今日から始められます。ただし残してくれるのは熱心な人だけで、聞き取れない録音もあります。折り返しの電話代と手間もかかります。Web予約ページを用意するまでの繋ぎとして考えるのが現実的です。留守番電話のメッセージを「明日10時以降に折り返します」と具体的な時刻で入れておくと、待つ側の不安が減ります。
3つめは、メッセージアプリやSNSのダイレクトメッセージです。若い層が多い業態では、電話よりこちらのほうが届きます。文字で残るので聞き間違いも起きません。弱点は、届いた順に画面へ流れていくため、予約が予定表に転記されないまま埋もれることです。自動応答を組んだとしても、空き枠の確認と確定はできません。窓口としては強いが、台帳にはなりません。
3つを組み合わせるのが実務では一番強いです。入口はどこから来てもよく、最終的にすべての予約が1つの予定表に集まる形にします。業態によってどの入口が主役になるかは変わります。予約の入口をどう並べている店が多いかは、業種ごとの使い方で自分の業態に近い例を見ると、置き場所の優先順位が決めやすくなります。
夜と休みの日に届いた予約を、翌営業日にどう捌くか
窓口を作ったあとに詰まるのが、届いた予約の処理です。ここを決めておかないと、朝の時間が予約の確認に食われます。
まず、受け付けた瞬間にお客さまへ届く返事を自動にします。内容は3つだけで足ります。予約の希望日時が届いたこと、いつまでに確定の連絡をするか、当日までに用意していただくものです。この1通があるだけで「送ったのに何も来ない」という不安が消えます。返事の文面に店の電話番号と営業時間を入れておくと、急ぎの用件だけ電話に回ります。
次に、確定の連絡を出す時間帯を決めます。朝の開店前に10分だけ確認の時間を取り、前夜から届いた予約をまとめて見ます。空いていればそのまま確定、埋まっていれば別の候補を2つ添えて返します。1件ずつその場で処理するのをやめて、1日1回か2回にまとめるだけで、体感の負担が大きく下がります。
3つめに、確定の扱いをはっきり書きます。予約ページで枠が押さえられる仕組みなら、送信した時点で確定です。フォームで希望だけを受ける形なら、返事が来るまでは確定していません。この違いを予約の画面とメールの両方に1行で書いておくと、当日の食い違いが消えます。実際のもめごとは、ほとんどが「予約できたと思っていた」という一点から始まります。
定休日の扱いも先に決めます。休みの日に届いた予約を、休みのうちに返すか、翌営業日に返すか。どちらでもよいのですが、書いていないと待つ側が判断できません。「定休日は水曜日で、水曜日に届いた予約は木曜日の午前中にご連絡します」と書いてあれば、待つ側は安心して待てます。返事が早いことよりも、いつ返事が来るかが分かることのほうが効きます。
受付の締め切りと、先の予約をどこまで開けるか
24時間受け付けると決めたあとに必要なのが、締め切りの設計です。ここを開けっぱなしにすると、開店5分前に当日の予約が入ります。
まず当日の受付です。何時間前まで受けるかを、準備にかかる時間から逆算します。仕込みが要る飲食店なら前日まで、席に座っていただくだけの相談業なら2時間前まで。美容室で薬剤を用意する必要があるなら3時間前が目安になります。締め切りを厳しくすると当日の飛び込みを拾えませんが、準備が間に合わない予約は受けないほうが結果的に評価が下がりません。
次に先の予約です。何日先まで開けるかは、予定が変わる頻度で決めます。3か月先まで開けておくと、忘れて来ない人が増えます。逆に1週間先までしか開けないと、計画して来たい人が予約できません。多くの業態では1か月先から2か月先までが扱いやすい範囲です。開ける範囲を決めたら、その先の日付は予約ページに出さないようにします。
3つめに、枠と枠の間に挟む時間です。片づけと記録の時間を確保しないと、予約が隙間なく並んだ日に昼食が消えます。1件あたり10分か15分の間隔を設定し、1日に受ける上限件数も決めます。受け切れない件数を受けてから断るほうが、最初から枠を閉じておくよりも信用を落とします。
4つめに、深夜に届いた予約への対応方針です。夜中の2時に届いた予約に夜中のうちに返す必要はありません。ただ、自動の返事は届いているべきです。人が起きている時間だけ動く仕組みにしておくと、受け付けだけ24時間で、応対は営業時間内という形が守れます。この形が守れているかどうかが、続く運用と続かない運用の分かれ目です。締め切りや上限の設定がどこまで細かく決められるかは、契約する前にデモを見るで実際の設定画面を触って確かめるのが早道です。
営業時間外の予約で起きやすい取り違えを先に潰す
窓口を増やすと、それまで無かった種類の行き違いが起きます。よく起こる4つを先に押さえておきます。
1つめは二重予約です。電話とWeb予約の両方を開けていて、予定表が別々になっている店で必ず起きます。電話で受けた予約を、その場で同じ予定表に入れる習慣をつけるしかありません。予約ページ側の空き情報が同じ予定表を見ている仕組みなら、電話で受けた予約を入れた瞬間に外向けの空きも閉じます。ここが繋がっていない道具は、件数が増えるほど事故が増えます。
2つめは、迷惑メール扱いです。自動の返事がお客さまの迷惑メールフォルダに入ると、届いていないのと同じです。予約の画面に「確認メールが届かない場合は迷惑メールフォルダをご確認ください」と1行添えておきます。電話番号も一緒に受け取っておけば、メールが届かない相手には電話で確認できます。
3つめは、来店しない予約の増加です。かける手間がなくなると、軽い気持ちの予約も増えます。対策は、確定の連絡と前日のお知らせを必ず出すこと、そして予約の画面にキャンセルの扱いを書いておくことです。取り消しの締め切りと、無断で来なかった場合の扱いを先に書いておくだけで、件数は目に見えて変わります。料金の取り扱いを書くときは、公的な相談先の案内も確認しておくと安心です。事業者向けの表示の考え方は消費者庁の情報が出発点になります。
4つめは、営業時間の表記のずれです。ホームページには19時までと書いてあり、地図アプリには20時までと残っていると、閉店後に人が来ます。予約の入口を増やすときは、営業時間と定休日を書いている場所をすべて洗い出して、同じ内容に揃えます。この作業は地味ですが、電話の本数が減る効果が最も確実に出ます。分からない点が残ったときは、よくある質問のように同じ場面のつまずきが並んだページを先に読むと、設定で解ける話か運用で解ける話かの見分けが付きます。
常連のお客さまに、新しい入口をどう伝えるか
新しい入口を用意したあと、いちばん気をつかうのが常連のお客さまへの案内です。長く電話で予約してくださっている方に「これからはこちらで」と告げると、断られたように受け取られることがあります。順番を間違えないだけで、この摩擦は避けられます。
最初に伝えるのは、便利になる点だけです。「営業時間外でも予約が取れるようになりました」「空いている日がその場で見えます」という2点に絞り、電話が使えなくなるという話は一切しません。実際に電話を止める必要もありません。電話を残したまま入口を1本足すという説明が、いちばん受け入れられます。
次に、会計のときに一緒に操作してみせます。お客さまの端末で予約ページを開き、次回の予約をその場で1件入れてみます。1回やってみた方は、次から自分で使います。紙で案内を配るより、この場で1回触っていただくほうが定着します。二次元コードを印刷した小さなカードを渡し、「困ったらお電話ください」と添えるところまでを1セットにします。
3つめに、電話で予約を受けたときの扱いを決めておきます。電話で受けた予約も、その場で同じ予定表へ入れます。ここを後回しにすると、外向けの空き情報と手元の予定表がずれます。電話を受けながら入力する形に慣れるまでは、電話の横にパソコンかタブレットを置いておくと作業が止まりません。年配のお客さまが多い業態では、この併用が数年続くことを前提に組むほうが現実的です。
予約の入口を、お客さまに見つけてもらう置き場所
24時間受け付けられる窓口を作っても、その入口が見つからなければ電話は鳴り続けます。置き場所には優先順位があります。
最初に手を入れるのは地図アプリの店舗情報です。店名で検索した人が最初に触るのは、検索結果の右側やアプリの中に出る店舗の枠です。ここに電話番号だけが載っていて予約のリンクが無い状態が、いちばん多い取りこぼしの形です。予約の受付ページのURLを店舗情報の予約リンクの欄に入れておくと、営業時間の表示のすぐ隣に予約の入口が並びます。閉店中と表示されている状態でも押せるボタンが1つあることが重要で、この1か所を直すだけで夜の予約が動きはじめます。
2番めはホームページです。トップページの一番上、スクロールしなくても見える位置に予約のボタンを置きます。よくあるのは、メニューや店内の写真をひと通り見せたあと、一番下にだけ予約の案内が置かれている作りです。予約したい人は決めてから来ているので、探させる必要がありません。電話番号を消す必要はなく、電話番号のすぐ下に「24時間受け付けています」と書いた予約のボタンを並べます。
3番めはSNSのプロフィール欄です。投稿本文にURLを書いても、後から来た人には流れて見えません。プロフィールに固定でURLを置き、投稿では「プロフィールの予約ページから」と案内します。メッセージで予約を受け付けている場合も、空き状況を見せるページのURLを添えておくと、やり取りの回数が減ります。
4番めは店頭と印刷物です。名刺、会計時にお渡しする紙、店の扉に貼る掲示。二次元コードを1つ作って、同じURLを指すようにします。来店されたお客さまが次の予約をその場で取れると、リピートの取りこぼしも減ります。掲示を作るときは「ご予約は24時間こちらから」と、受け付けている時間まで書くのが要点です。窓口があることと、いつでも使えることを、両方伝えないと使われません。
業種ごとに違う、営業時間外の受け方
同じ営業時間外の予約でも、業態によって詰まる場所が変わります。
飲食店は、人数と席の組み合わせが効きます。2人の予約と6人の予約では、埋められる席が違います。営業時間外に受けるときは、人数を必ず先に聞く形にして、席の型ごとに枠を分けます。当日の受付を開けておくと、開店直前に人数の多い予約が入って席を組み替える事態が起きます。締め切りを前日の夜までにしておくと、この事故が消えます。コース料理がある店は、仕入れの都合から締め切りをさらに前へ寄せる必要があります。
美容室とネイルサロンは、施術の時間がメニューで大きく変わります。カットだけなら60分、カラーを足せば120分を超えます。営業時間外の受付では、選んだメニューに応じて枠の長さが変わる形にしておかないと、後ろの予約に食い込みます。指名を受ける店では、スタッフごとに枠を持つ設計が必須です。担当者が休みの日に予約が入ってしまう事故は、この設計が無いときに起きます。
整体院と鍼灸院は、初回と2回目以降で所要時間が違います。初回はカウンセリングを含むため長く取り、2回目以降は短くします。営業時間外の予約フォームでは、初回か再来かを選んでもらう欄を1つ足すだけで、時間の読みが合います。予約の前に問診票を書いていただける形にしておくと、当日の時間も短くなります。
教室と相談業は、先の日付まで開ける必要があります。月単位で通う形が多いため、翌月の枠がいつ開くかをお客さまが知りたがります。「毎月1日に翌月の受付を開始します」と決めて書いておくと、問い合わせが激減します。振替の扱いも先に決めて書いておくのが要点です。業態ごとの受け方をひと通り見てから決めたいときは、業種ごとの使い方で近い業態の運用例を確かめると、自分の店で足りていない設定が見つかります。
受付の時間帯を可視化すると、次に変える場所が決まる
営業時間外の受付を始めた店で、最初に見るべき数字は3つです。
1つめは、予約が入った時刻の分布です。何時台の予約が多いかを1か月まとめて並べると、店の営業時間と重なっているかどうかが分かります。夜の21時から24時に集中しているなら、その時間に電話を取れる店はほぼありません。この分布そのものが、電話だけで受けていた期間に何が起きていたかの答えになります。
2つめは、予約から来店までの日数です。前日と当日の予約が多い業態なら、リマインダーの重要度は下がり、締め切りの設計が効きます。2週間先の予約が多い業態なら逆で、忘れられないようにお知らせを届ける工程が売上を左右します。同じ予約システムでも、どの機能が効くかは業態で入れ替わります。
3つめは、入口ごとの件数です。予約ページ、電話、メッセージアプリのそれぞれから何件入ったかを数えます。予約ページが全体の半分を超えたら、電話の本数が減り始めます。ここまで来ると、営業時間中に手が空く時間が生まれます。空いた時間を次の来店を作る作業に回せるかどうかが、受付を変えた効果を決めます。決済が必須でない業態に合わせて、予約の受付から次の来店までを一続きにしている仕組みを選ぶと、この3つの数字が同じ画面に並びます。
数字を見るときは、月額の安さだけで道具を選ばないことです。無料で始められる仕組みには件数や機能の上限があり、上限に当たった時点で入れ替えが必要になります。入れ替えは予約データの移し替えとお客さまへの案内を伴うので、最初から2年後の件数で選ぶほうが安く済みます。プランごとの上限は料金のように件数とスタッフ数まで書かれたページで確かめてから決めます。機能の広さで迷ったときは、他社との比較で同じ条件のプランを並べると、必要な機能が全部入る最小の組み合わせが見つかります。
最後に、順番の話をします。営業時間外の予約を拾う工程は、Web予約ページを1枚作る、自動の返事を1通用意する、締め切りと上限を決める、営業時間の表記を揃える、という4段で終わります。全部を同時に始める必要はありません。1段目だけでも、夜に迷っていた人がその場で押さえられるようになります。
Q1. 営業時間外にかかってきた電話は、取らなくてよいのですか?
取れる範囲で取れば十分です。片づけや仕込みの最中に無理に取ると、目の前の作業も応対も雑になります。大事なのは、取れなかった人が別の方法で予約できる状態にしておくことです。留守番電話に「翌営業日の午前中に折り返します」と具体的な時刻を入れ、Web予約ページのURLを案内すれば、取りこぼしはほぼ拾えます。
Q2. Web予約を始めると、電話での予約は減りますか?
すぐには減りません。予約ページのURLをホームページ、地図アプリの店舗情報、SNSのプロフィールに置いて数か月経つと、入口ごとの件数が入れ替わります。電話を無くす必要はなく、電話を取れない時間帯の受け皿ができればよいと考えてください。年配のお客さまが多い業態では、電話を残したままの併用が現実的です。
Q3. 当日の予約は何時間前まで受けるのが適切ですか?
準備にかかる時間から逆算します。仕込みが要る飲食店なら前日まで、席にご案内するだけなら2時間前まで、薬剤や器具の用意が要る業態は3時間前が目安です。間に合わない予約を受けてから謝るより、締め切りを設定して受けないほうが評価は下がりません。締め切りは予約の画面にも書いておきます。
Q4. 深夜に届いた予約に、その日のうちに返事をする必要はありますか?
人が起きて返事をする必要はありません。受け付けた瞬間に自動の返事が届き、そこに「確定のご連絡は翌営業日の午前中です」と書いてあれば、待つ側は安心して待てます。受け付けを24時間にすることと、応対を24時間にすることは別です。後者まで引き受けると、店を続ける体力が削れます。