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開業届の職業欄|サロンや教室は何と書くか
2026年9月29日・Rizaflow編集部
開業届の職業欄で手が止まる人は、ほとんどが同じところで迷っています。「個人事業主」と書いてよいのか、資格の名前を書くのか、店の業態を書くのか。そして隣にある「事業の概要」の欄との違いが分からない。この記事では、職業欄が何のための欄なのかを条文から確かめ、業種ごとに何と書けばよいかを並べます。あわせて、書いた業種によって個人事業税の扱いがどう変わるのかも整理します。
職業欄は、個人事業税の区分につながる欄
職業欄を適当に埋めてはいけない理由は、この欄の内容が個人事業税の扱いに関わるためです。事業の分類を説明した記事では、次のように整理されています。
開業届の職業欄が重要なのは、職業によって事業税の税率が変わるためです。事業税の対象になる業種は全部で70種類あり、ほとんどの業種は事業税率5%ですが、業種によっては事業税率4%、3%になることもあります。 出典: biz.moneyforward.com
この分類の根拠は地方税法第72条の2にあります。同条では個人が行う事業を第一種事業、第二種事業、第三種事業に分け、それぞれに該当する業種を列挙しています。税率は同法第72条の49の17で定められており、第一種事業は標準税率5パーセント、第二種事業は4パーセント、第三種事業は原則5パーセント、そのうち一部の業種だけ3パーセントです。
3パーセントになるのは、あんま、マッサージ、指圧、はり、きゅう、柔道整復その他の医業に類する事業と、装蹄師業です。整体やリラクゼーションの店を開く人が気にする部分ですが、どの業種に当たるかは施術の内容と資格の有無で判断が分かれます。判断は都道府県が行うため、迷う場合は都道府県税事務所に確認してください。
そして重要なのが、列挙された業種に当たらない仕事は個人事業税の対象にならないという点です。列挙は限定列挙の形になっているため、どの号にも当てはまらない仕事は課税されません。ライターやプログラマーが非課税と説明されるのは、この理由によるものです。
もう一つ押さえておくべきなのが、同法第72条の49の14による控除です。事業を行う個人については、事業の所得の計算上290万円を控除すると定められています。年の途中で始めた場合は、事業を行った月数に応じて按分されます。つまり所得がこの控除額に届かない年は、課税される業種であっても事業税はかかりません。始めて間もない時期に事業税の通知が来ないのは、この控除によるものです。
職業欄と事業の概要欄は、役目が違う
開業届には「職業」と「事業の概要」という二つの欄が並んでいます。この二つを同じ内容で埋めてしまう例が多いのですが、役目が違います。
個人事業主として開業する際は、税務署へ「個人事業の開業・廃業等届出書(以降、開業届)」を提出します。このとき迷いやすいのが、開業届の職業欄と事業の概要欄の書き方です。 出典: yayoi-kk.co.jp
職業欄は、業種を表す短い言葉を入れる欄です。分類名にあたります。文字数を書き込める幅も狭く、長い説明は入りません。
事業の概要欄は、その職業で具体的に何を提供するのかを書く欄です。説明文にあたります。職業欄で「美容業」と書いたなら、概要欄には「美容室の経営、カット、カラー、パーマ、ヘッドスパの施術」のように、実際に行う施術を並べます。
この書き分けができていると、読んだ人が事業の姿を把握できます。逆に職業欄に「個人事業主」と書き、概要欄に「サービス業」と書いてしまうと、どちらの欄からも何の事業か読み取れません。職業欄は分類、概要欄は説明。この役割分担を覚えておけば迷いません。
概要欄は職業欄より広く書けますが、長すぎると読みにくくなります。提供するものを3つから5つ挙げる程度が実務的です。将来やる予定のことを全部書く必要はありません。始める時点で実際に行うものを書いてください。
業種ごとの記入例
予約を受けて成り立つ仕事について、職業欄と事業の概要欄の書き方を並べます。
美容室なら、職業欄は「美容業」です。地方税法の第三種事業に美容業が挙げられており、標準税率は5パーセントです。概要欄は「美容室の経営、カット、カラー、パーマ、トリートメント、ヘッドスパの施術」のように書きます。
理容室なら「理容業」です。こちらも第三種事業に挙げられています。概要欄は「理容室の経営、カット、シェービング、顔そりの施術」のように書きます。
ネイルサロンやまつ毛エクステの店は、美容師の免許が必要な施術を含むかどうかで扱いが変わります。まつ毛エクステは美容師の免許が必要な施術なので、職業欄は「美容業」です。ネイルのみの場合も美容業として扱う例が一般的ですが、判断は都道府県によって異なるため、確認してください。概要欄は「ネイルサロンの経営、ジェルネイル、ネイルケア、フットケアの施術」のように書きます。
エステティックサロンなら「エステティック業」です。地方税法の第三種事業に美容業が挙げられている一方、エステティックがどの号に当たるかは施術の内容で判断されます。概要欄は「エステティックサロンの経営、フェイシャルケア、ボディケア、脱毛の施術」のように書きます。
整体やリラクゼーションの店は、ここが最も判断の分かれる分野です。国家資格に基づくあん摩マッサージ指圧、はり、きゅう、柔道整復を行う場合は第三種事業の3パーセントに当たる可能性があります。資格を必要としない整体やリラクゼーションを行う場合は5パーセントの区分か、あるいは列挙に当たらないという判断もあり得ます。職業欄には実際の施術に合わせて「あん摩マッサージ指圧業」「鍼灸業」「柔道整復業」「整体業」「リラクゼーション業」のいずれかを書き、概要欄に施術の内容と保有している資格を書いてください。区分の判断は都道府県税事務所が行います。
学習塾や語学教室なら「学習塾」「語学教室」です。地方税法の第三種事業には諸芸師匠業が挙げられており、教える内容によってはこれに当たります。概要欄は「小学生と中学生を対象とした算数と英語の個別指導」のように、対象と科目を書きます。
ヨガやピラティスの教室なら「ヨガ教室」です。概要欄は「ヨガスタジオの運営、グループレッスンと個別レッスンの指導」のように書きます。パーソナルトレーニングなら「パーソナルトレーニング業」です。
占いや鑑定なら「占い業」です。地方税法の第三種事業に、諸芸師匠業とは別の号で挙げられている場合があるため、区分は都道府県税事務所で確認してください。概要欄は「タロットと西洋占星術による対面およびオンラインの鑑定」のように書きます。
コーチングやカウンセリングなら「コーチング業」「カウンセリング業」です。相談を受ける仕事はコンサルタント業として第三種事業に挙げられている号に当たる場合があります。概要欄は「経営者を対象としたコーチング、オンラインでの個別面談」のように書きます。
写真撮影なら「写真業」です。地方税法の第三種事業に写真業が挙げられています。概要欄は「出張撮影、七五三と成人式の記念撮影、商品撮影」のように書きます。
ペットサロンなら「ペットトリミング業」です。動物を預かる場合は動物愛護管理法に基づく第一種動物取扱業の登録が別に必要になるため、税務署の届出とは分けて確認してください。概要欄は「犬と猫のトリミング、シャンプー、爪切り、一時預かり」のように書きます。
レンタルスペースや貸し会議室なら「不動産貸付業」です。地方税法の第一種事業に不動産貸付業が挙げられており、標準税率は5パーセントです。ただし貸し付ける件数や規模によって扱いが変わる基準が都道府県ごとに定められているため、確認してください。概要欄は「時間単位で貸し出す会議室とスタジオの運営」のように書きます。
ハウスクリーニングや出張の清掃なら「清掃業」です。請負業として第一種事業に当たる判断がなされる例があります。概要欄は「住宅のエアコン、浴室、レンジフードの清掃」のように書きます。
料理教室やハンドメイドの教室なら「諸芸師匠業」に当たるかどうかが分かれ目です。職業欄には「料理教室」「手芸教室」のように分かりやすい言葉を書き、概要欄に「少人数制の家庭料理の教室、月2回の定期開催」のように書きます。区分の判断は都道府県税事務所に確認してください。
士業の相談窓口を開く場合は、それぞれの資格の名前を書きます。税理士業、行政書士業、社会保険労務士業はいずれも第三種事業に挙げられています。概要欄には「記帳代行と確定申告の代理」のように、受ける業務の内容を書きます。
第一種、第二種、第三種の分かれ方
区分の考え方を知っておくと、自分の仕事がどこに入るのか見当がつきます。地方税法第72条の2の列挙を、大づかみに整理します。
第一種事業は、物を売る仕事、物を貸す仕事、請け負う仕事が中心です。物品販売業、不動産貸付業、製造業、請負業、運送業、飲食店業、旅館業、駐車場業、代理業、仲立業、周旋業、問屋業、両替業、広告業、興信所業、案内業、冠婚葬祭業などが挙げられています。標準税率は5パーセントです。サロンの物販だけを別に営む場合や、レンタルスペースを貸す場合はここに入ります。
第二種事業は、畜産業、水産業、薪炭製造業の三つだけです。標準税率は4パーセントで、予約を受ける仕事で当たることはほとんどありません。
第三種事業は、資格や技能に基づいて役務を提供する仕事が並んでいます。医業、歯科医業、薬剤師業、獣医業、弁護士業、司法書士業、行政書士業、公証人業、税理士業、公認会計士業、社会保険労務士業、コンサルタント業、設計監督者業、不動産鑑定業、デザイン業、諸芸師匠業、理容業、美容業、クリーニング業、公衆浴場業などです。標準税率は5パーセントですが、このうちあん摩マッサージ指圧、はり、きゅう、柔道整復その他の医業に類する事業と装蹄師業だけは3パーセントです。
この列挙に当てはまらない仕事は、個人事業税の対象になりません。列挙の最後に「前各号に掲げる事業に類する事業で政令で定めるもの」という号があるため、政令で定められたものは対象になりますが、それ以外は課されない形です。文筆業やプログラミングが対象外と説明されるのは、列挙に該当する号がないためです。
自分の仕事が列挙のどれに当たるか迷う場合、似ているという理由で自己判断しないでください。判断は都道府県が行い、通知の形で知らされます。開業届の職業欄に実態に合う言葉を書いておけば、都道府県側が区分を判断できます。逆に曖昧な言葉を書くと、あとで内容の確認を求められます。
事業税の通知は、いつどう届くのか
職業欄の書き方が気になる理由の一つは、税額がどう決まるのかが見えないことです。個人事業税の流れを知っておくと、書いた内容がどこに影響するのかが分かります。
まず、個人事業税のために別の申告をする必要はありません。確定申告書を提出すると、その内容が都道府県へ回ります。確定申告書には事業税に関する事項を書く欄があり、そこで非課税の所得や、事業税の計算上だけ認められる控除を記載します。
計算の流れは、事業の所得から事業主控除の290万円を引き、残った金額に区分ごとの税率をかける形です。青色申告特別控除は所得税の制度なので、事業税の計算では足し戻します。つまり青色申告特別控除を使って所得税を下げても、事業税の計算では控除前の金額で見られます。ここを知らないと、事業税の通知額が思っていたより大きく見えます。
通知は都道府県から送られてきます。納める時期は年2回に分かれるのが一般的で、8月と11月に分けて納める形が広く採られています。初めて通知が来た年は、思っていない時期にまとまった請求が来る形になるため、現金を残しておいてください。
課される業種であっても、所得が290万円に届かなければ通知は来ません。開業して1年目や2年目に通知が来ないのは、この控除によるものです。3年目に売上が伸びて通知が来ると、突然増えたように感じられますが、制度が変わったわけではありません。
年の途中で始めた場合は、事業を行った月数に応じて控除額が按分されます。1か月に満たない端数は1か月として数える定めになっているため、月の途中で始めても、その月は1か月として数えられます。
職業欄の書き方は、あとに続く書類とそろえる
開業届の職業欄に書いた言葉は、そのあとに出す書類にも現れます。食い違うと確認を求められるため、最初にそろえておくほうが楽です。
確定申告書には職業を書く欄があります。開業届で書いた業種と同じ言葉を書いてください。事業の内容が変わった場合は、確定申告書側を実態に合わせて直します。この直し方が正規の手順で、開業届を出し直す必要はありません。
適格請求書発行事業者の登録を申請する場合、登録の際に事業の内容を伝えます。国税庁のサイトで公表される情報には氏名または名称と登録番号、登録の年月日が載ります。屋号は本人が希望した場合に公表される扱いです。屋号を公表するかどうかは、お客様が請求書の相手を確かめやすいかどうかで判断してください。
融資を申し込む場合、事業計画書に業種を書きます。開業届の控えを添えるため、職業欄の記載と計画書の記載がそろっているかを見られます。計画書のほうが詳しくなるのは問題ありませんが、別の業種に見える書き方は避けてください。
補助金や助成金の申請でも、業種の区分が要件になっている制度があります。制度ごとに分類の基準が違い、日本標準産業分類の分類番号で指定されている場合もあります。開業届の職業欄が分類番号に結び付く言葉になっていると、申請のときに迷いません。
許可や届出が必要な事業では、所管の窓口へ出す書類と業種の表記をそろえてください。美容室であれば都道府県知事へ美容所の開設届を提出します。税務署の開業届と保健所の届出は別の手続きで、どちらか一方で済むものではありません。
迷ったときに参照するもの
職業欄に何と書くか判断がつかないときは、三つの手がかりがあります。
一つ目は、総務省が公開している日本標準産業分類です。事業の内容から分類を探せる形になっており、業種を表す言葉がそのまま載っています。ここに載っている呼び方を使えば、読んだ人に伝わる言葉になります。分類は総務省で公開されています。
二つ目は、地方税法の列挙です。個人事業税の対象かどうかを知りたい場合は、こちらを直接見るほうが確実です。第72条の2に第一種から第三種までの業種が並んでいます。自分の仕事に近い呼び方が見つかれば、それを職業欄に書くのが最も分かりやすい形です。
三つ目は、都道府県税事務所への問い合わせです。区分の判断は都道府県が行うため、最終的にはここが答えを持っています。施術の内容と保有している資格を伝えて確認してください。電話で答えてもらえます。
四つ目の手がかりとして、同じ業種の人が実際に何と書いているかを確かめる方法があります。同業の組合や商工会の窓口では、開業の相談を日常的に受けているため、その地域で通りやすい書き方を教えてもらえます。地域の商工会議所では開業前の相談を無料で受け付けているところが多く、開業届の記載だけでなく、必要な許可や届出の一覧も併せて確認できます。開業の時期に使える支援策や融資の制度も同じ窓口で聞けるため、一度で複数の確認が済みます。
五つ目は、税務署の窓口です。開業届を持参して出す場合、その場で職業欄の書き方を確認できます。確定申告の期間は混み合いますが、それ以外の時期であれば待ち時間は短く済みます。個人事業税の区分そのものは都道府県の所管ですが、開業届の記載として問題がないかは税務署で確認できます。電話相談センターでも受け付けています。
一つ気をつけたいのは、税額を下げたいという理由で実態と違う業種を書かないことです。職業欄の書き方で税額が変わるのは、書いた業種が実態を表している場合の話です。実態と違う業種を書いても、調査の際には実態で判断されます。加えて、融資や補助金の申請で提出した書類と食い違うと、説明を求められます。実態に合う言葉を選んでください。
複数の仕事をしている場合と、あとから変わった場合
仕事が一つに収まらない人は少なくありません。サロンを営みながら講座も開く、教室を開きながら記事も書く、といった形です。
書き方の基本は、主なものを職業欄に書き、残りを事業の概要欄に並べることです。主なものの決め方は、売上の見込みが大きいほうです。同じくらいなら、時間を多く使うほうを主にします。クリエイターの職業欄について整理した記事では、次のように要点がまとめられています。
この記事のポイント職業欄は「個人事業主」ではなくWebデザイナー・イラストレーターなど具体的な職業名を記入職業欄は所得税額に直接は影響しないが、書いた業種で個人事業税(税率3〜5%)の課税・非課税が変わるクリエイターでもデザイン業は課税・ライターやプログラマーは原則非課税と職種で分かれる複数の業務があるときは主な職業を職業欄・残りは事業の概要欄へ書き分け職業欄に迷っても質問に答えるだけの「タックスナップ開業届」なら職業や事業内容を選ぶだけで記入完了 出典: taxnap.com
課税される業種と課税されない業種の両方を行っている場合、事業税は課税される業種の所得に対してだけ課されます。地方税法第72条の49の17第2項では、区分された事業を併せて行う場合の所得を、それぞれの事業について計算した所得金額に按分して算定するとしています。つまり売上と経費を業種ごとに分けて記録しておく必要があります。記録が分かれていないと按分の根拠を示せないため、帳簿の科目を業種ごとに分けておいてください。
事業の内容が変わったときは、変更のための届出書は用意されていません。確定申告書に書く職業を実態に合わせて直せば足ります。開業届を出し直す必要はありません。ただし事業所を新しく設けた場合や移転した場合は、開業届と同じ用紙で届け出ます。
屋号を変えた場合も、届出書はありません。確定申告書の屋号の欄に新しい名称を書きます。ただし屋号で銀行口座を開いている場合は、金融機関側の手続きが別に必要です。
主なものが入れ替わった場合の扱いも押さえておいてください。開業のときはサロンが主で講座が従だったのが、数年経って講座のほうが売上の大きい柱になることがあります。この場合も届出書は要りません。確定申告書の職業を実態に合わせて書き直し、業種ごとの記録を続けるだけです。ただし事業税の区分が変わる組み合わせでは、通知の内容が変わります。課税されない業種が主になったからといって全体が非課税になるわけではなく、課税される業種の所得に対しては引き続き課されます。
業種を追加するときに気をつけたいのが、許可や届出が必要な仕事を後から始める場合です。既にサロンを営んでいる人が飲み物の提供を始める、教室を開いている人が物販を始めるといった形です。税務署への届出は要らなくても、所管の窓口への手続きが必要になることがあります。始める前に、その仕事に許可や届出が要るかどうかを確認してください。
予約を受ける仕事は、職業欄よりも受付の形で差が出る
職業欄をどう書くかは、書いてしまえば終わる話です。サロンや教室のように予約を受けて成り立つ仕事で、開業したあとに継続して効いてくるのは、予約をどう受けるかという部分です。
開業したばかりの時期は、電話と個別の連絡で予約を受けている人が多くいます。件数が少ないうちは回りますが、二つの問題が早い段階で出ます。一つは施術や授業の最中に電話を取れないこと。もう一つは、営業時間の外に来た申し込みに気づけないことです。予約の申し込みは夜に集中するため、店を閉めたあとに受けられない形は取りこぼしにつながります。
もう一つ見落とされやすいのが、記録が残らないことです。電話で受けた予約はノートか頭の中にしか残りません。誰がいつ何のメニューで来たのかを追えないと、来店の間隔が空いているお客様に声をかけることもできません。顧客の記録が予約と同じ場所にたまる形にしておくと、開業から1年経ったころに差が出ます。予約を受けてから次の来店までを一続きに扱える範囲はできることのページで機能の一覧として公開されています。
始めたばかりの時期に固定費を増やしたくないという事情もあります。予約の受付ツールは予約の件数とスタッフの人数で段階が分かれる形が一般的で、ひとりで始める人は最も小さい段階から始められます。段階ごとの上限と金額は料金のページに税込の金額で並んでいます。無料の段階で試し、予約が増えてから上の段階へ移る進め方なら、開業の月の支出は増えません。
必要な設定は業種によって変わります。所要時間がメニューごとに違う仕事、スタッフを指名して受ける仕事、オンラインで面談する仕事では、それぞれ設定する項目が異なります。業種ごとの使い方は業種ごとの使い方のページで分類されています。実際の画面で確かめたい場合はデモを見るから、お客様が見る予約ページと店側の管理画面の両方を開けます。
他社のサービスと比べるときは、同じ使い方をそろえてください。無料の段階があるかどうかだけを見ると、前日のリマインダーが有料の段階からしか使えないサービスと、無料の段階から使えるサービスが同じに見えてしまいます。公開情報だけを並べた表は他社との比較のページにあります。
決済については、現金と振込で完結している商売ならカード決済を通す必要がありません。決済を通すと手数料がかかり、その分だけ手元に残る金額が減ります。決済を必須にしていないサービスは、決済が必須でない業態に合わせて、予約の受付から次の来店までを一続きにしているため、現金でやり取りしている店でも余計な手数料を負いません。契約や乗り換えの細かい条件はよくある質問のページに回答としてまとめられています。
職業欄に書く言葉は、税務署へ事業の姿を伝えるためのものです。お客様に事業の姿を伝えるのは、予約ページに並ぶメニューと所要時間と料金です。どちらも実態に合った言葉で書いてください。
Q1. 開業届の職業欄に「個人事業主」と書いてもよいですか?
避けてください。この欄は業種を表す言葉を書く欄で、「個人事業主」では何の事業か分かりません。サロンなら「美容業」、教室なら「学習塾」や「語学教室」のように、業種が読み取れる言葉を書きます。書いた業種は個人事業税の区分に関わるため、実態に合う言葉を選んでください。
Q2. 職業欄の書き方で所得税は変わりますか?
所得税の金額は変わりません。所得税は所得の金額に対して課されるもので、職業欄の記載で税率が変わる仕組みにはなっていません。変わるのは個人事業税の扱いです。地方税法で列挙された業種に当たるかどうか、どの区分に当たるかで、課税されるかと税率が変わります。
Q3. 事業の概要欄には何を書けばよいですか?
職業欄に書いた業種で、具体的に何を提供するのかを書きます。職業欄が分類名、概要欄が説明文という役割分担です。美容業なら「美容室の経営、カット、カラー、パーマ、ヘッドスパの施術」のように、実際に行う施術を3つから5つ並べる程度が実務的です。将来の予定まで書く必要はありません。
Q4. 開業後に事業の内容が変わったら、届出は必要ですか?
職業や事業の内容が変わっただけなら、変更のための届出書はありません。確定申告書に書く職業を実態に合わせて直せば足ります。ただし事業所を新しく設けた場合や移転した場合は、開業届と同じ用紙で届け出ます。屋号を変えた場合も届出書はありませんが、屋号の口座がある場合は金融機関側の手続きが必要です。