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顧客カルテをエクセルで作る方法|写真と履歴をどう残すか
2026年9月26日・Rizaflow編集部
顧客カルテをエクセルで作ろうと考えたとき、最初に迷うのは項目です。何を残せばよいのか、どこまで細かく書くのか。そして作り始めてしばらくすると、別の問題が出てきます。写真をどこに保存するのか、2人で同時に開けないのはどうするのか、目的の相手をどう探すのか。
この記事では、顧客カルテをエクセルで作る手順を、入れる項目、写真の扱い、個人情報の保管の順に整理します。そのうえで、エクセルで運用が崩れる場所と、専用の道具に切り替えるべき判断の基準まで並べます。読み終えたときに、自分の店はエクセルで続けるべきか、切り替えるべきかが決まる状態を目指します。
顧客カルテに何を残すのか
顧客カルテは、相手の情報を集めるための帳簿ではありません。次に来たときに、前回の続きから始められるようにするためのものです。この目的から逆算すると、項目はそれほど多くなりません。
顧客カルテは、履歴・好み・相談内容などの次回対応につながる情報を残していくためのものです。まずは基本情報+履歴+メモの3点から始めて、現場に合わせて少しずつ項目を足していくと運用しやすくなります。 出典: exia.co.jp
基本情報は、名前、連絡先、初回の来店日、紹介元です。連絡先は電話か連絡用のアプリの識別子か電子メールのうち、実際に連絡に使うものだけを記録します。使わない連絡先を集めると、管理する範囲が広がるだけになります。
履歴は、来店した日、受けたメニュー、担当した人、金額です。ここが揃っていると、来店の間隔が見えます。間隔が分かると、次の案内を出す時機が決まります。
メモは、相手が話したことと、こちらが気づいたことです。前回どんな希望だったか、何を避けたいと言っていたか。相手は覚えています。こちらが忘れていると、信用が削れます。
この3点から始めて、業種ごとに必要な項目を追加していくのが順番として無理がありません。最初から項目を30個作ると、埋まらない列が並び、誰も書かなくなります。
エクセルで作る利点
専用の道具が数多くあるなかで、エクセルが選ばれ続けている理由は3つあります。
1つ目は、追加の費用がかからないことです。既に業務で使っているなら、新しい契約も設定も要りません。今日から始められます。
2つ目は、思った通りに作れることです。項目の名前も並び順も自由に決められます。専用の道具だと、用意された項目に自分の運用を合わせることになります。エクセルなら逆で、運用に合わせて表を作れます。
3つ目は、集計と書き出しが自由なことです。来店の回数を数える、金額を合計する、メニューごとの件数を出す。表計算の機能でそのまま計算できます。別の道具に移すときも、そのまま取り出せます。
作成方法の選択肢としては、紙、エクセル、専用の道具の3つに大別されます。事業の規模と予算に応じて選べるため、小さく始めて運用に慣れる段階ではエクセルが現実的な選択になります。
エクセルで作る手順
作る順番を決めておくと、途中で組み替える手間が減ります。
第1に、列の項目を決めます。基本情報、履歴、メモの3つに分けて、それぞれ何を記録するかを書き出します。ここで決めた項目は後から変えにくいため、実際に使うものだけに絞ります。
第2に、1行が何を表すのかを決めます。ここが最も重要な判断で、次の節で詳しく扱います。
第3に、入力の間違いを防ぐ設定を追加します。日付の列には日付の形式だけを入れられるようにし、メニューの列は選択肢から選ぶ形にします。自由に打てる列を減らすと、後から集計できるようになります。
第4に、見出しの行を固定します。行が増えると、下に進んだときに何の列か分からなくなります。
第5に、検索と並べ替えの準備をします。表の範囲をテーブルとして設定すると、列ごとの絞り込みができるようになります。
第6に、保存する場所と名前の付け方を決めます。同じファイルを更新し続ける形にするか、日付を付けて複製する形にするか。ここを決めていないと、どれが最新か分からないファイルが増えます。
1行が何を表すのかを最初に決める
エクセルで作った顧客カルテが使えなくなる原因の大半が、この判断の失敗です。
1行1人にする形は、名簿として見やすくなります。名前で探せば1行で情報が揃います。ただし、来店の履歴を記録する場所がありません。来店するたびに列を右に増やしていくと、来店の多い相手の行がどこまでも伸びます。20回目の来店を記録する列が必要になったとき、表は横に長くなりすぎて読めなくなります。
1行1回にする形は、来店ごとに1行を追加します。履歴はきれいに残り、集計もできます。ただし、同じ人の情報が何行にも分かれるため、名前や連絡先を毎回入力することになります。入力の揺れも起きます。
現実的な解は、表を2つに分けることです。1つは人の表で、1行1人。もう1つは来店の表で、1行1回。両方に共通する番号を付けて、来店の表から人の表を参照できるようにします。表計算の参照の機能を使えば、来店の表に名前を表示できます。
この2つに分ける形にしておくと、後から専用の道具に移すときも素直に移せます。1行1人で列を右に伸ばした表は、移すときに組み替えが必要になります。
写真をどう残すか
施術の前後や、髪の状態、肌の状態を写真で残したい業種は多くあります。ここがエクセルの弱いところです。
エクセルの升目に写真を貼り付ける形は、動きます。ただし、写真の枚数が増えるとファイルの容量が大きくなり、開くのに時間がかかるようになります。数百枚を貼った時点で、開くだけで待つ状態になります。並べ替えをすると、写真が升目から外れてずれることもあります。
現実的な形は、写真を別の場所に保存し、エクセルには保存した場所への参照だけを記録することです。写真のファイル名に、日付と相手の番号を入れる決まりを作ります。こうすると、エクセルの容量は増えず、写真は探せます。
保存する場所は、店の端末の中か、外部の保管場所のどちらかです。端末の中に保存する形は、その端末が壊れると失われます。外部に保存する形にするなら、誰が見られるのかを把握してから使います。相手の顔や体の状態が写った写真は、外に出てはいけない種類の情報です。
写真を残すなら、相手に事前に伝えて同意を得ます。何のために撮るのか、どのくらいの期間保管するのか、いつ削除するのか。申し込みの案内に書いておくほうが確実です。
業種ごとに追加する項目
基本の3点に追加する項目は、業種で変わります。
美容の分野なら、髪や肌の状態、使った薬剤とその配合、施術にかかった時間、避けたい仕上がり、次回の目安となる期間。薬剤の記録は、同じ仕上がりを再現するためにも、反応が出たときに追うためにも要ります。
整体や治療の分野なら、症状の部位、痛みの程度、施術の内容、経過、通院の間隔。ここは記録の性質が変わるため、保管の期間も慎重に決めます。
教室や講座なら、進度、課題の提出、休んだ回、補講の扱い。来店の履歴とは別に、進度を追う列が要ります。
飲食なら、来店の人数、席の希望、苦手な食材、記念日。苦手な食材は、間違えると重い結果になる項目なので、目に入る位置に記録します。
どの業種でも共通するのは、次回に使う情報だけを記録することです。使わない情報を集めると、書く手間が増えて続かなくなります。業種ごとの運用の違いは業種ごとの使い方に整理があります。
個人情報の扱いと保管
顧客カルテには、名前と連絡先が記録されています。業種によっては体の状態や相談の内容も含まれます。外に出たら取り返しがつかない種類の情報です。
保存する場所には鍵をかけます。エクセルのファイル自体に合言葉を設定できますが、これだけでは十分ではありません。端末そのものに鍵をかけ、店の外に持ち出さない運用にします。
誰が見られるのかを決めます。担当した人だけが見る形か、全員が見る形か。全員が見る形にするなら、見てよい範囲を決めます。
複製の管理も決めます。取り出したファイルを個人の端末に保存したままにすると、把握できない複製が増えます。取り出す必要があるときは、使い終わったら削除する決まりにします。
保管の期間も決めます。来なくなった相手の記録を無期限に保管し続ける必要があるかを考えます。業種によって記録の保管が求められる期間が定められている場合があるため、一般論で判断せず、所管の窓口や個人情報保護委員会の案内で確かめます。
エクセルで運用したときに崩れる場所
エクセルの顧客カルテは、小さく始める段階では十分に機能します。崩れる場所は決まっています。
同時に開けないことが1つ目です。1人が開いている間、もう1人は読むだけになります。2人で店を回していて、それぞれが接客中に記録したい場合、片方が待つことになります。待っている間に忘れると、記録が抜けます。
探すのに時間がかかることが2つ目です。行が1,000行を超えると、検索の機能を使っても目的の行に着くまでに手間がかかります。接客中に相手の前で探すには遅すぎます。
どれが最新か分からなくなることが3つ目です。複製したファイルが増え、別の端末で別々に更新されると、統合できなくなります。
入力の揺れが4つ目です。同じ相手を「山田」と「山田様」と書くと、別人として集計されます。同じメニューを略称と正式名称で書き分けると、件数が分かれます。
予約の情報と繋がっていないことが5つ目です。予約は別の場所にあり、カルテはエクセルにある。この状態だと、予約が入るたびに名前で照合してカルテを探すことになります。この照合が、1件あたり数十秒から数分の手間になります。
無料のテンプレートを使う場合に確かめること
顧客カルテのテンプレートは、無料で配布されているものが多くあります。使うこと自体は妥当な判断です。確かめる点があります。
1行が何を表しているかを確かめます。1行1人の形なのか、1行1回の形なのか。ここが自分の運用と合っていないと、使い始めてから組み替えることになります。
項目の数を確かめます。項目が多いテンプレートは網羅的に見えますが、埋まらない列が並ぶと読みにくくなります。使わない列は削除します。
計算の式が入っている場合、何を計算しているかを確かめます。行を追加したときに式が伸びるかどうかで、運用の手間が変わります。
保存する場所の想定も確かめます。個人で使う想定のものと、複数人で共有する想定のものがあります。共有を想定していないものを複数人で使うと、同時に開けない問題に早く当たります。
紙、エクセル、専用の道具の違い
3つの違いを、判断に使える形で整理します。
紙は、書く速さが最も速く、停電でも使えます。探すのが最も遅く、集計ができず、失われたら戻りません。来店の間隔を出したい、次の案内を出したいという段階になると限界が来ます。
エクセルは、集計ができて費用がかかりません。同時に使えない、探すのが遅い、写真に弱いという制約があります。1人か2人で回していて、記録の件数が数百件までの段階に向いています。
専用の道具は、同時に使えて、探すのが速く、写真も記録できます。毎月の費用がかかり、項目の自由度は下がります。予約と繋がっている形なら、予約が入った時点で相手の記録が呼び出せます。
判断の軸は、費用ではなく手間の量です。相手の記録を探すのに1件あたり30秒かかっているなら、月に200件の来店で1時間半以上になります。この時間が戻るかどうかで、毎月の費用が見合うかを判断できます。料金のように条件が並んでいる形なら、見比べる時間も短くなります。
予約とカルテが別の場所にあると起きること
顧客カルテをエクセルで持っている店の多くが、予約を別の場所で管理しています。手帳、電話のメモ、予約の仕組み。この分断が、日々の手間の大半を生みます。
予約が入ったときに、その相手が初めてなのか、以前来た人なのかが分かりません。名前で照合する作業が毎回発生します。同じ名前の別人がいると、間違える可能性もあります。
来店の間隔も追えません。予約の記録は予約の側にあり、カルテの来店日は手入力です。入力を忘れると間隔が狂います。
次の案内を出すときも困ります。前回から3か月経った相手に案内を出したいと思っても、エクセルの来店日が最新でなければ対象が選べません。
この分断を解消する方向は2つあります。予約の記録をエクセルに写す運用を徹底するか、予約とカルテを同じ場所にまとめるかです。前者は人手が要り、忙しい週に止まります。決済を必須にせず、予約の受付から次の来店までを一続きに扱える設計を選ぶと、予約が入った時点で相手の記録が繋がり、照合の手間が消えます。すでに使っている道具から乗り換えるかどうかは、他社との比較で条件を並べて判断できます。
移すときに持ち越すもの
エクセルから別の形に移すと決めたとき、持ち越したいものは3つです。
人の情報です。名前、連絡先、初回の来店日。ここが移れば、案内を出す相手が分かります。
来店の履歴です。いつ、何を、誰が担当したか。これが移れば、間隔が見えて次の案内の時機が決まります。
メモです。相手が話したこと、避けたいこと。ここが移らないと、次に来たときに前回の続きから始められません。
移す作業は、エクセルの形で大きく変わります。1行1人で列を右に伸ばした表は、1行1回の形に組み替える必要があります。この組み替えは、行数が多いと手作業では終わりません。表計算の機能で列を行に変換する操作を使いますが、列の並びが揃っていないと使えません。
移す前に、入力の揺れを整えます。同じ相手の表記を統一し、メニューの名前を揃えます。揺れたまま移すと、移した先でも別人や別メニューとして扱われます。
移せる形かどうかは、始める前には分かりません。だからこそ、1行1人と1行1回の2つの表に分ける形で作っておくと、後から移す判断がしやすくなります。
エクセルを続けるか、切り替えるかの判断
判断の基準を、数えられる形で並べます。
記録の件数が数百件を超えていて、接客中に探すのに時間がかかっているなら、切り替えの段階です。相手の前で待たせる時間は、そのまま印象になります。
同時に記録したい人が2人以上いるなら、切り替えの段階です。待つ運用は、忙しい日に必ず抜けます。
写真を残したいなら、切り替えか、写真を別の場所に保存する形への変更が要ります。エクセルに貼り続ける形は、容量の問題で行き詰まります。
予約が入るたびに名前で照合しているなら、切り替えの効きが大きくなります。この照合は件数に比例して増えるため、繁盛すればするほど負荷が上がります。
逆に、1人で回していて、来店が月に数十件、写真も不要で、予約も手帳で足りているなら、エクセルを続ける判断は妥当です。費用をかけずに集計もできる状態を、無理に変える必要はありません。
切り替える場合、どこまでできるかは道具で違います。項目を自分の運用に合わせられるか、予約と繋がるか、写真を記録できるか。できることの範囲を自分の項目一覧に当てて確かめておくと、移したあとで足りない部分が出ることを防げます。
カルテを次の来店に繋げる使い方
顧客カルテは、記録するだけでは価値が出ません。次の来店に繋げる使い方まで決めて、初めて効きます。
来店の間隔を見ます。同じメニューを受ける相手の間隔が、平均で何週間かを出します。この間隔を超えた相手が、離れかけている相手です。
離れかけている相手に案内を出します。前回のメニューと、次の目安の時期を添えると、思い出してもらえます。全員に同じ文面を送るより、前回の内容に触れた案内のほうが戻ってくる割合が上がります。
初めて来た相手には、その日のうちに御礼を送ります。話した内容に触れると、記録が活きます。ここで次の目安を示しておくと、次を決めやすくなります。
担当を指名している相手は、担当ごとに記録を見ます。同じ人が続けて担当できているか、担当が変わったときに前回の内容が引き継がれているか。ここが繋がっていると、指名が続きます。
この使い方をエクセルで実行するには、来店の間隔を計算し、対象を抽出し、連絡先を取り出して、案内を送るという手順を毎回踏むことになります。月に1回ならできますが、続けるのは難しくなります。予約の記録と案内の送信が同じ場所にあると、この手順が短くなります。実際の流れはデモを見るで一度通しておくと、自分の運用に合うかが具体的に分かります。運用上の細かい疑問はよくある質問にある項目を当てて確かめると、抜けが見つかります。
入力を続けられる形にする工夫
顧客カルテが役に立たなくなる最大の原因は、項目の設計ではなく、書かれなくなることです。書く手間を減らす工夫を、作る段階で組み込みます。
選択肢から選ぶ形にできる列は、全部そうします。メニュー、担当した人、支払いの方法、来店の経路。打つのではなく選ぶ形にすると、入力の時間が短くなり、表記の揺れも消えます。表計算の入力規則の機能で設定できます。
日付は今日の日付を入れる操作を覚えます。毎回打つと間違えます。同じ行の中で計算できるものは計算式にします。前回からの間隔、累計の来店回数、累計の金額。手で数えると合わなくなります。
書く場所を1か所にします。接客の合間に紙に書いて、あとでエクセルに写す運用は続きません。写す作業が溜まり、溜まると精度が落ちます。その場で入力できる端末を、記録する場所の近くに用意します。
書く量を決めます。メモの欄に長文を書く決まりにすると、忙しい日に空欄になります。1行から2行で足りる形にしておくと、毎回埋まります。埋まっていることのほうが、詳しく書かれていることより価値があります。
書く時機を決めます。接客が終わった直後に入力する形が最も精度が高くなります。1日の終わりにまとめて入力する形にすると、記憶が薄れて中身が薄くなります。枠の中に入力の時間を含めておくと、習慣として続きます。
複数人で共有する場合の作り方
2人以上で顧客カルテを見る運用にするなら、エクセルの置き方を工夫します。
共有の保管場所に1つのファイルを保存して、全員がそこを開く形が基本です。個人の端末に複製を保存する運用にすると、更新が分かれて統合できなくなります。
同時に編集できる形にできる場合もあります。表計算を画面上で開いて共同で編集する形なら、2人が同じファイルを同時に触れます。ただし、同じ升目を同時に書き換えると、どちらかが上書きされます。担当する行を分ける決まりにしておきます。
書き換えた履歴が残るかも確かめます。誰がいつ何を書き換えたかが分からない形だと、間違いが起きたときに追えません。履歴が残る形にしておくと、元の値に戻せます。
見られる範囲も決めます。全員が全部の記録を見られる形にするか、担当した相手だけを見られる形にするか。エクセルでは範囲を細かく分けるのが難しいため、分けたい場合はファイルを分けることになります。ファイルを分けると集計ができなくなるため、ここが専用の道具との分かれ目になりやすい部分です。
削除の扱いも決めます。行を消す操作は簡単ですが、戻せません。来なくなった相手の行を消すのではなく、状態を表す列を追加して区別する形にすると、誤って消すことが防げます。
集計して判断に使う
顧客カルテをエクセルで作る利点の1つが、集計できることです。使わないなら、記録する意味が半分になります。
来店の回数ごとの人数を数えます。1回だけで終わった人が何人、2回以上続いた人が何人。この割合は、初回の対応と、終わったあとの案内の両方を映します。1回で終わる割合が高いなら、初回から2回目に繋げる部分に原因があります。
来店の間隔の平均を出します。メニューごと、担当ごとに分けて見ます。間隔が短い組み合わせが、続きやすい組み合わせです。
メニューごとの件数と金額を出します。件数が多くて金額が小さいメニューと、件数が少なくて金額が大きいメニューが分かります。枠の使い方を決めるときの材料になります。
来店の経路も数えます。紹介、検索、地図、案内。どこから来た相手が続いているかが分かると、力を入れる場所が決まります。
これらを出す間隔は、月に1回で足ります。週ごとに見ると、件数が少ないうちは上下が激しく、判断を誤ります。3か月をまとめて見ると傾向が読めます。
集計を毎回手で組み立てていると続かないため、集計用の表を1つ作って、元の表を参照する形にしておきます。行を追加すれば集計も更新される形にすると、開くだけで数字が見えます。
よくある失敗と、その直し方
エクセルの顧客カルテで実際に起きている失敗は、だいたい5つに集まります。
項目を増やしすぎる失敗が1つ目です。網羅的に作ろうとして列が30個を超えると、横に長くなって読めず、埋まらない列が並びます。直し方は、3か月使って一度も埋めていない列を削除することです。必要になったら、そのときに追加します。
セルを結合する失敗が2つ目です。見た目を整えるために結合すると、並べ替えと絞り込みが使えなくなります。集計もできません。直し方は、結合を解除して1つの升目に1つの値を入れる形に戻すことです。見た目は罫線と文字の配置で整えます。
1つの升目に複数の情報を入れる失敗が3つ目です。「カット+カラー」のように書くと、メニューごとの集計ができません。直し方は、列を分けるか、来店の表を1行1メニューにすることです。
最新がどれか分からなくなる失敗が4つ目です。ファイル名に「最新」「修正版」と付けた複製が並びます。直し方は、共有の場所に1つだけ保存して、複製を作らない決まりにすることです。控えは自動で取る形にします。
控えを取っていない失敗が5つ目です。端末が壊れた時点で全部失われます。これは直せない失敗なので、始めた日から控えを取る形にします。別の場所に定期的に複製を保存し、実際に開けることを確かめます。控えを取ったつもりで開けないファイルが残っている例は珍しくありません。
顧客カルテを始める前に決めておくこと
最後に、着手する前に決めておくと後戻りしない項目を並べます。
記録する目的を1つに絞ります。次回の接客で前回の続きから始めるため、来店の間隔を見て案内を出すため、売上の内訳を見るため。目的が違うと、必要な項目も1行の意味も変わります。
書く人を決めます。担当した人が書くのか、受付の人がまとめて書くのか。書く人が決まっていないと、誰も書きません。
見る人を決めます。誰がどの範囲を見るのか。ここを決めておくと、保存する場所と鍵のかけ方が決まります。
保管の期間を決めます。来なくなった相手の記録をいつまで保管するのか。業種によって定められた期間がある場合は、それに従います。
控えの取り方を決めます。どこに、どの間隔で保存するのか。復元できることを確かめる時機も決めます。
この5つを決めてから作ると、表の形が自然に決まります。決めずに作ると、途中で組み替えることになり、行数が増えたあとの組み替えは手作業では終わりません。
Q1. 顧客カルテをエクセルで作るとき、最初に何を決めればよいですか?
1行が何を表すのかを最初に決めます。1行1人にすると来店の履歴を記録する場所がなくなり、1行1回にすると同じ人の情報が何行にも分かれます。人の表と来店の表の2つに分け、共通の番号で参照する形にしておくと、後から移すときも素直に移せます。
Q2. 顧客カルテに写真を残すことはできますか?
升目に貼り付ける形は動きますが、枚数が増えるとファイルの容量が大きくなり、開くのに時間がかかります。並べ替えで写真がずれることもあります。写真は別の場所に保存し、エクセルには保存した場所への参照だけを記録する形が現実的です。撮影は事前に同意を得てから行います。
Q3. エクセルから専用の道具に切り替える目安はありますか?
記録が数百件を超えて探すのに時間がかかっている、同時に記録したい人が2人以上いる、写真を残したい、予約が入るたびに名前で照合している。このいずれかに当てはまるなら切り替えの段階です。1人で月に数十件なら、エクセルを続ける判断で足ります。
Q4. 顧客カルテに入れる項目はどのくらいが適切ですか?
基本情報、来店の履歴、メモの3点から始めて、業種に応じて追加する形が無理がありません。最初から項目を30個作ると埋まらない列が並び、書かれなくなります。次回に使う情報だけに絞ると続きます。