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マツエク経営に要る資格|自分が施術しないときの扱い

2026年10月1日・Rizaflow編集部

まつ毛エクステの店を経営したいが、自分は施術をしない。あるいは、いまは自分が施術しているが、いずれは人を雇って経営に回りたい。この立場で「マツエク 経営 資格」と調べると、美容師免許が必須と書いた記事と、開設者は資格が要らないと書いた記事が並んで出てきます。どちらも正しく、見ている対象が違います。この記事では、施術する側に要る資格と、店を開く側に要る立場を分けて整理し、人を雇ったときに何が増えるのかまで条文で確かめます。

「経営に要る資格」は、2つの別の話が混ざっている

美容師法は、人に対する規制と、施設に対する規制を分けて書いています。人の側は第6条で、美容師でなければ美容を業としてはならないと定めています。施設の側は第11条以降で、美容所を開設しようとする者の届出義務と、開設者が講じる措置を定めています。この2つは別の主体に向けられた規定です。

したがって「マツエクの経営に資格が要るか」という問いは、2つに分けないと答えが出ません。1つ目は「施術をする人に何が必要か」で、答えは美容師免許です。2つ目は「店を開いて経営する人に何が必要か」で、こちらは資格ではなく届出と、開設者としての義務です。自分が施術するかしないかで、必要なものが変わります。

もう1つ、人数によって増える要件があります。美容師である従業者が常時2人以上になると、管理美容師を置く義務が生じます。つまり要件は「施術者の免許」「開設者の届出と義務」「人数に応じた管理美容師」の3層です。この3層を分けて考えれば、自分の計画に何が必要かがその場で決まります。

開設者は、美容師でなくてもかまわない

美容所の開設者に資格の要件はありません。東京都は美容所の開設に関する基準の中で、美容師でなければ美容を業としてはならないという条文を引いたうえで、美容所の開設者は必ずしも美容師でなくてもかまいませんと明記しています。記載は東京都保健医療局の美容所の基準のページにあります。

届出書の書き方からも、この構造が読み取れます。美容師法施行規則第19条第1項は、届出書に記載する事項として、開設者の氏名及び住所(法人にあってはその名称、所在地及び代表者の氏名)と、美容師の氏名及び登録番号並びにその他の従業者の氏名を、別の項目として並べています。開設者と施術者は別の欄に書きます。開設者の免許の番号を書く欄はありません。

法人での開設も同じ扱いです。会社が美容所を開設し、雇用した美容師が施術する形になります。この場合の開設者は法人で、届出には登記事項証明書の添付が求められます。美容師法第19条は、法人の代表者や従業者が届出義務や使用の禁止に違反したときは、行為者を罰するほか法人に対しても刑を科すという両罰規定を置いています。資格が要らないことと、責任が軽いことは別です。

施術をする人には、例外なく美容師免許が必要

一方で、施術をする側には免許が必要です。美容師法第6条は、美容師でなければ美容を業としてはならないと定め、同法第18条はこれに違反した者を30万円以下の罰金に処するとしています。さらに第15条は、美容所の開設者が美容師でない者にその美容所において美容の業を行わせたときに、期間を定めて当該美容所の閉鎖を命ずることができるとしています。無資格の施術は、施術者と開設者の両方に跳ね返ります。

まつ毛エクステがこの対象に入ることは、国の通知で確認されています。厚生労働省は平成20年3月7日の健衛発第0307001号で、美容師法第2条第1項の美容が通常首から上の容姿を美しくすることと解されていると整理したうえで、いわゆるまつ毛エクステンションについては美容師法に基づく美容に該当するものであることを申し添えました。通知の中では、平成15年10月2日の健衛発第1002001号がエクステンションを美容師法にいう美容に該当するとした回答も引かれています。

公開されている解説でも、施術を行うスタッフの免許が前提として扱われています。

マツエクサロンを開業する場合、施術を行うスタッフは美容師免許の取得が必須です。美容師免許は国家資格で、筆記と実技があり、合格率は60%~80%程度といわれています。受験できる方は、美容師養成施設での課程を修了した方、あるいは美容師通信課程を修了した方です。 出典: biz.moneyforward.com

つまり、経営者が施術をしない形を選べば免許は要りませんが、施術する人を雇えないなら店は動きません。採用の目処が立つかどうかが、この計画の成否を決めます。

自分も施術する場合に、免許までかかる時間と費用

自分で施術する道を選ぶ場合、距離を先に測ります。美容師法第3条第1項は、美容師試験に合格した者は厚生労働大臣の免許を受けて美容師になることができるとしています。受験には美容師養成施設の課程の修了が必要で、昼間、夜間、通信のいずれかを選びます。学校に通う期間があるため、数か月で埋まる距離ではありません。

公定の費用は政令に書かれています。美容師法施行令第2条は、受験手数料を筆記試験について15,900円、実技試験について18,800円と定めています。同施行令第3条は、美容師の登録を受けようとする者の手数料を5,200円、美容師免許証又は美容師免許証明書の記載事項の変更を3,750円、再交付を4,150円としています。養成施設の学費はこれとは別です。

免許を取ってから3年が経つと、次の段が見えます。管理美容師になれる要件が、免許を受けた後3年以上美容の業務に従事することだからです。ひとりで始めて後から人を増やす計画なら、この3年が採用の時期を決める材料になります。免許を取った直後に2人目を雇うと、管理美容師を外部から採るか、条件を満たす人を探すことになります。

美容師が2人以上になると、管理美容師が必要になる

人を増やしたときに最初に増える要件が管理美容師です。美容師法第12条の3第1項は、美容師である従業者の数が常時2人以上である美容所の開設者は、当該美容所を衛生的に管理させるため、美容所ごとに管理者(管理美容師)を置かなければならないとしています。ただし、開設者が管理美容師となることができる者であるときは、その者が自ら主として管理する1つの美容所について管理美容師となることを妨げないという但し書きが付いています。

なれる条件は同条第2項です。美容師の免許を受けた後3年以上美容の業務に従事し、かつ厚生労働大臣の定める基準に従い都道府県知事が指定した講習会の課程を修了した者でなければならないとされています。講習会の内容は美容師法施行規則第23条が定めていて、公衆衛生が4時間、美容所の衛生管理が14時間の合計18時間以上です。科目を教授するのは医師、歯科医師、薬剤師、獣医師またはこれらと同等の知識及び経験を有すると認められる者で、講習会の終了に当たり試験その他の方法で修了の認定を行い、修了証書を交付することも定められています。

複数の店を持つ計画があるなら、掛け持ちの扱いも押さえておきます。昭和43年9月18日の環衛第8140号は、同一人が同時に2つ以上の理容所又は美容所の管理理容師または管理美容師となることはできないとしています。この通知には、理容所及び美容所における衛生管理要領の第6の2のなお書きの場合についてはこの限りではないという一文が続いています。要領の第6の2は、管理美容師が行う業務のうち、従業者の健康管理と衛生教育、そして毎日の感染症の確認について、デジタル技術等を活用して適切に業務を行うことができる場合はオンライン実施や兼任で対応できるものであるとしています。裏を返せば、施設や器具の点検管理は兼任の対象に入っていません。2店舗目を考える段では、どこまでが兼任で回せるのかを保健所に確かめてください。

施術いすの台数は、作業室の床面積で決まる

資格の次に経営の数字を決めるのが、施設の基準です。何人まで雇えるかは求人の出し方ではなく、作業室の広さで先に決まります。東京都の美容所の開設に関する基準は、美容の業務を行う1作業室の床面積を13平方メートル以上とし、面積は内法で算定するとしています。内法は壁の内側で測る数え方なので、賃貸の募集図面に書かれた面積より狭くなります。契約の前に、実際に測った数字で確かめてください。

いすの台数も同じ基準に書かれています。1作業室に設置できる美容いすの数は、床面積が13平方メートルの場合は6台までとし、6台を超える場合の床面積は、13平方メートルに美容いす1台を増すごとに3平方メートルを加えた面積以上とすることとされています。つまり7台目には16平方メートル、8台目には19平方メートルが必要です。まつ毛エクステはベッドを使う業態なので、いすに読み替えて何台まで入るかを保健所に確かめる流れになります。

同じ基準は、作業前の客を作業室と明瞭に区分された待合場所に待機させる措置を講じることと、作業中の客以外の者をみだりに出入りさせないことも求めています。ワンルームの物件で施術台と待合を同じ空間にまとめる計画は、この点で引っかかります。ほかに、作業面の照度を100ルクス以上とすること、美容所内の炭酸ガス濃度を0.5パーセント以下に保つこと、消毒済みの物品と未消毒の物品を分けて入れる容器を備えること、ふた付きの汚物箱と毛髪箱を備えることが並んでいます。数値は東京都保健医療局の美容所の基準のページに一覧で載っています。

この基準を先に読んでおくと、資格と採用の計画がつながります。13平方メートルの部屋で始めるなら、入るベッドの数から1日に受けられる人数が決まり、そこから必要な施術者の数が決まります。施術者が2人になれば管理美容師が必要になるので、広さの決定が管理美容師の手配の時期まで動かします。物件を決める段が、実は資格の段取りの起点です。

資格の話と同時に決まるのが、資金の規模

経営の側に立つと、資格の次に来るのが資金です。施術を人に任せる形を選ぶと、自分の人件費に加えて施術者の人件費が先に出ます。売上が立つまでの数か月を賄う運転資金を用意しておかないと、採用したその月から手元の資金が細ります。

公開されている解説では、開業資金の目安として公的な調査が引かれています。

日本政策金融公庫の「2023年度新規開業実態調査」によると、開業資金(全業種)の平均は1,027万円、中央値は550万円です。ただし、実際にかかる費用は、マツエクサロンの立地や規模などによって大きく異なります。開業時には、初期費用に加えて、賃料や光熱費、人件費などの運転資金も考慮して資金を準備します。 出典: service.smt.docomo.ne.jp

全業種の数字なので、まつ毛エクステの1人サロンにそのまま当てはまるものではありません。使い方としては、平均と中央値の差の大きさに目を向けます。中央値が平均の半分ほどであることは、少ない資金で始めた店が多数を占めることを示しています。施術者を雇って始める形は、この分布の右側に寄ります。

資格の要件と資金の規模は連動しています。自分が施術しない形は、免許の取得にかかる時間を省ける代わりに、人件費が最初から乗ります。自分が免許を取ってから始める形は、時間がかかる代わりに、開業直後の固定費が軽くなります。どちらを選ぶかは資格の話ではなく、手元の資金と時間の配分の話です。

雇う形と、場所を貸す形では義務の置き場所が変わる

施術者に入ってもらう形は、雇用のほかに、席や時間を貸す形があります。美容師法の側から見ると、その施術者が自分の美容所で業を行うのであれば、従業者として届け出る対象になります。美容師法施行規則第19条第1項は、届出書に美容師の氏名及び登録番号並びにその他の従業者の氏名を記載することを求めており、人が入れ替わったときは変更届が必要です。契約の形にかかわらず、この届出は必要になります。

一方で、労働時間や契約の扱いがどうなるかは労働関係の法令の話で、美容師法では決まりません。雇用か委託かの判断は実態で見られる領域なので、契約書の題名で決まるものではありません。ここは断定せず、労働基準監督署や社会保険の窓口、必要に応じて専門家に確認してください。美容所の届出だけを整えて契約の形を曖昧にしておくと、後から整理する作業が重くなります。

衛生の責任の置き場所も、先に決めておきます。美容師法第13条の措置は開設者の義務、第8条の措置は施術をする美容師の義務です。消毒設備を用意するのは開設者で、客一人ごとに器具を消毒するのは施術者です。第15条は、美容所で業を行う美容師が第8条に違反したときも閉鎖命令の対象としつつ、開設者が違反行為を防止するために相当の注意及び監督を尽したときはこの限りでないという但し書きを置いています。監督をした形が残るかどうかが、この但し書きの分かれ目になります。

開設者が最初に決めるのは3つだけ

情報が多く見えますが、開設者が最初に決める項目は3つに絞れます。

1つ目は、だれが施術するかです。自分が免許を取るのか、雇うのか、既に免許を持つ共同経営者と組むのか。ここが決まらないと、開業の日程も資金の計画も引けません。2つ目は、管理美容師をだれにするかです。美容師である従業者が常時2人以上になる計画なら、免許を受けた後3年以上の業務従事と18時間の講習会の修了という要件を満たす人が必要です。候補がいなければ、2人目の採用の時期を後ろにずらすか、要件を満たす人を採る方向に切り替えます。

3つ目は、衛生の記録をだれが付けるかです。要領は、管理美容師が毎日、従業者の健康と施設や器具の衛生全般を点検管理することを求めています。管理美容師を置かない規模であれば、開設者か施術者のどちらが記録を付けるかを決めます。ここを決めずに開業すると、だれも付けない状態になります。

この3つが決まれば、残りは書類の作業です。届出書の記載事項、添付する診断書と免許証、手数料の額は自治体の案内に並んでいます。判断が必要なのは最初の3つだけで、あとは順番に埋める作業になります。

民間の資格は、免許を置き換えるものではない

まつ毛エクステの世界には、団体が認定する検定や資格が複数あります。技術の水準を示すものとして採用の場面で参照され、講習の内容も実務に沿っています。ただし、これらは美容師法の免許を置き換えるものではありません。免許が必要な行為を民間の認定で代替できる仕組みは、法令のどこにも用意されていません。

経営の側から見ると、民間資格には別の使い方があります。1つは採用の基準です。美容師免許を持っていることは前提で、そのうえでまつ毛エクステの技術をどの水準で持っているかを見る材料になります。もう1つはお客さまへの説明です。免許は掲示や届出で確かめられるものですが、技術の裏づけは伝わりにくいため、認定の有無が判断の材料として使われます。

注意したいのは、募集や広告での見せ方です。民間資格を前面に出して免許の話を書かないと、読んだ人が資格の体系を誤解します。とくに未経験からの採用を狙う場合、免許が必要なことを先に書いておかないと、応募者と面接の場で話が食い違います。書く順番は、免許が前、認定が後です。

無資格のスタッフに任せてよい仕事には線がある

施術者以外の人に手伝ってもらう場面はあります。ここには明確な線が引かれています。厚生労働省の「理容所及び美容所における衛生管理要領」は、補助業務従事者(通信教育中の者を含む)の業務範囲について、清掃、タオル絞り、道具整理等は認められるが、理容又は美容の本質的作業に独立して従事することは認められないとしています。

つまり、受付、会計、清掃、道具の準備と片付け、予約の管理は任せられます。一方で、まつ毛の装着そのもの、目の周りへの薬剤の使用、ツイーザーを使った作業は本質的作業に当たるため、免許のない人に任せることはできません。「先輩が見ている前なら」という扱いも、独立して従事することは認められないという条文の書き方から外れる可能性があるため、保健所に確かめずに運用を始めないでください。

経営の設計としては、この線を前提に役割を分けると人件費の配分が決まります。施術は免許を持つ人だけが行い、それ以外の作業を補助の人に寄せる形です。施術者が受付と会計に時間を取られている店は、1日に受けられる件数が落ちます。線を知っておくことは、法令を守るためだけでなく、稼働を上げるためにも効きます。

人を雇うと、届出と健康管理の義務が増える

美容師を雇った時点で、開設者の作業が増えます。美容師法第11条第2項は、届出事項に変更を生じたときは速やかに届け出なければならないとしており、従業者の氏名は届出事項です。美容師法施行規則第20条は、変更の届出が美容師の新たな使用に係るものであるときは疾病の有無に関する医師の診断書を、管理美容師の設置または変更に係るものであるときは新たに管理美容師となる者が要件に該当することを証する書類を添付することを定めています。

自治体の案内はこれを具体化しています。千代田区は、新たな従業員について美容師免許証の本状を窓口で照合し、結核と皮膚疾患の有無についての健康診断書(3か月以内のもの)を提出することを求めています。札幌市は、見習いや手伝いを含む従業員全員分の診断書(有効期限6か月以内)を添付書類に挙げています。免許証の扱いも本証か写しかで分かれるため、採用の内定を出す段階で管轄の保健所の案内を確かめておきます。

健康管理も開設者の義務です。要領は、開設者と管理美容師が常に従業者の健康管理に注意し、従業者が結核または感染性の皮膚疾患にかかったときは、開設者がこの旨を保健所に届け出るとともに、当該従業者を作業に従事させないこと、疾患が治癒した場合も同様に届け出ることとしています。感染性の皮膚疾患の例として、伝染性膿痂疹、単純性疱疹、頭部白癬、疥癬が挙げられています。さらに、従業者またはその同居者が感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律により就業が制限される感染症にかかっている者またはその疑いのある者である場合は、まん延させるおそれがなくなるまでの期間は業務に従事させないこととされています。

施術に入らない経営者ほど、記録の仕組みが必要になる

自分が現場に立たない場合、衛生の状態を自分の目で確かめる機会が減ります。ところが美容師法第13条の義務は開設者に向いていて、第15条の閉鎖命令も開設者の違反を理由に出されます。現場にいないことは、責任が軽くなる理由になりません。

要領の第6は、開設者が施設及び取扱い等に係る具体的な衛生管理要領を作成し、従業者に周知徹底することを求めています。第4の1と2は、管理美容師が毎日、従業者が感染症にかかっていないかを確認し、施設と設備と器具等の衛生全般について点検管理することを定めています。つまり、現場の点検を管理美容師に任せ、その結果が開設者に上がる形を作れば、条文の構造どおりに回ります。

記録を付けるには、何を守るのかを数字で知っておく必要があります。要領の第5は、血液の付着していない器具の消毒について、紫外線消毒器内の紫外線灯から1平方センチメートルあたり85マイクロワット以上の紫外線を連続して20分間以上照射する方法、消毒用エタノール(76.9パーセントから81.4パーセント)を含ませた綿またはガーゼで器具の表面をふく方法などを挙げています。交換の周期も書かれていて、消毒用エタノールは蒸発や汚れの程度により7日以内に取り替えること、次亜塩素酸ナトリウム液と逆性石ケン液は毎日取り替えることとされています。紫外線灯は2,000時間から3,000時間の照射で出力が低下するため取り替えが必要であるとも書かれています。ツイーザーのように毎日使う器具は、この周期を守れているかどうかが立入検査で見られます。

具体的に残す記録は4つで足ります。消毒液を交換した日、紫外線消毒器の点灯時間、タオルと布片の洗濯と消毒、そして清掃です。この4つを1か所に書き、週に1度は開設者が目を通す運用にしておけば、立入検査で聞かれたときに答えられます。要領の第3は、器材や器具類を常に点検し、故障や破損等がある場合は速やかに補修し、常に適正に使用できるように整備しておくことも求めています。1週間に1度という頻度は、要領が器具類や布片類の保管場所の清掃について定めている周期と揃えると覚えやすくなります。

経営に回るなら、予約と現場の情報を自分の手元に持つ

施術から離れて経営に回るときに、いちばん困るのが情報の所在です。予約が施術者のスマートフォンの中にあり、顧客の連絡先が個人のメッセージのやり取りに残っている状態では、経営の側から稼働も売上も見えません。施術者が辞めたときに、顧客の情報が店に1件も残らないこともあります。

これを避ける方法は1つで、予約と顧客の記録を店の側の仕組みに置き換えることです。スタッフごとの予約枠とシフトを1つの画面で持ち、施術者本人は自分のシフトだけを編集できる形にすれば、現場の自由度を保ちながら情報は店に残ります。標準でどこまで用意されているかはできることのページに一覧があり、まつ毛エクステや眉毛サロンを含む美容サロンでの使い方は業種ごとの使い方のページにまとまっています。

人数が増えると必要な範囲も変わります。スタッフの登録数と月の予約件数の上限は料金のページで確かめられ、他のサービスと同じ使い方で比べた表は他社との比較のページにあります。決済が必須でない業態に合わせて、予約の受付から次の来店までを一続きにしている形であれば、現金と振込で完結している店でも、決済のための契約を増やさずに始められます。実際の画面はログインなしで触れるデモを見るのページで確かめられ、契約の前に出る疑問はよくある質問のページに整理されています。

記録の置き場所を決めるときは、辞めた人の手元に残らない場所を選びます。個人のスマートフォンのメモや、個人名義のクラウドの中に点検の記録が入っていると、その人が辞めた日に履歴ごと手の届かないところへ行きます。店の名義で契約した1か所にまとめ、開設者と管理美容師の2人が見られる状態にしておくのが、いちばん手間の少ない形です。

経営に要るものを整理すると、資格は施術者に、届出と義務は開設者に、管理美容師は人数に紐づいています。自分が施術しないと決めた時点で、必要なのは免許ではなく、施術できる人を雇い、その人が衛生を守れる仕組みを用意することです。そこまで含めて設計しておけば、店が大きくなっても同じ形で回ります。

Q1. マツエクサロンの経営者に美容師免許は必要ですか?

自分が施術しないのであれば必要ありません。東京都の基準にも、美容所の開設者は必ずしも美容師でなくてもかまいませんと明記されています。ただし施術をする人には美容師免許が必要で、無資格の者に施術をさせた場合は開設者も美容所の閉鎖命令の対象になります。

Q2. まつ毛エクステの民間資格があれば、美容師免許の代わりになりますか?

なりません。まつ毛エクステンションは美容師法にいう美容に該当するという国の通知が出ており、施術には美容師免許が必要です。民間の認定は技術の水準を示すものとして採用やお客さまへの説明に使えますが、法令上の免許を置き換える仕組みはありません。

Q3. スタッフが2人になったら、何が必要になりますか?

美容師である従業者が常時2人以上になると、美容所ごとに管理美容師を置く義務が生じます。要件は免許を受けた後3年以上の業務従事と、公衆衛生4時間と美容所の衛生管理14時間の講習会の修了です。あわせて従業者の変更届と、診断書などの添付書類が必要になります。

Q4. 免許のないスタッフには、どこまで仕事を任せられますか?

厚生労働省の衛生管理要領は、補助業務従事者の業務範囲を清掃、タオル絞り、道具整理等までとし、理容又は美容の本質的作業に独立して従事することは認められないとしています。受付や会計、予約の管理は任せられますが、まつ毛の装着そのものは任せられません。

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