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顧客管理ソフトを無料で使うかエクセルで続けるか|台帳の置き場所
2026年10月1日・Rizaflow編集部
顧客の名前と連絡先、前回の来店日、施術やサービスの内容。これをエクセルのシートに並べて管理している店は珍しくありません。費用がかからず、列を自由に足せて、使い方を誰かに教わる必要もない。それでも無料の顧客管理ソフトを探し始めるのは、たいてい決まった困りごとが出たときです。スタッフが同時に開けない、外出先から見られない、去年の分をどこに置いたか分からなくなった。この記事では、エクセルで続ける場合と無料の顧客管理ソフトへ移す場合を、2026年9月時点で公式のページに載っている数字で比べます。無料のツールへ移したほうがよい店と、エクセルのまま続けたほうがよい店の線も、はっきり引きます。
エクセルで顧客を管理している店が多い理由
顧客管理のツールを探している人の多くが、いまエクセルを使っています。これは選択の結果というより、自然にそうなった結果です。仕事で使うパソコンに表計算のソフトが最初から入っていて、名前と電話番号を並べるだけなら10分で作れる。導入という手順を踏まずに始められるのが、いちばん大きな理由です。
この状況は解説の記事でも前提として扱われています。
エクセル(Microsoft Excel)は言わずと知れた表計算ソフトです。ソフトとしてOffice製品を利用していたり、Microsoft 365をクラウド利用していたりする企業が多いので、自然と顧客管理ツールとして使っている読者の方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。 出典: itsol.dentsusoken.com
容量の面では、エクセルが先に限界を迎えることはほぼありません。Microsoftが公開している仕様では、1枚のワークシートに置ける行数は1,048,576行、列数は16,384列とされています。顧客が1万人いる店でも、行数の上限には遠く届きません。つまりエクセルをやめる理由は、入る量ではなく別のところにあります。
やめる理由になるのは、扱い方のほうです。同じファイルを2人が同時に開くと、片方の変更が消えることがあります。ファイルをメールで送り合うと、どれが最新か分からなくなります。パソコンが壊れたら、そこに置いていた台帳ごと消えます。予約を受けたときに前回の来店日を見たくても、レジの横のパソコンを立ち上げないと見られません。この4つのうち2つが思い当たるなら、移す時期に来ています。
エクセルでできることと、手が止まるところ
エクセルの強さは、形が自由なことです。店の都合に合わせて列を足せます。施術の内容、使った薬剤、苦手なこと、好きな飲み物。こうした項目は決まった型がないので、自由に作れることが効きます。専用のソフトでは項目が固定されていて、足したい列を足せない場合があります。
計算も得意です。来店の回数を数える、直近の来店日から経過した日数を出す、売上を月ごとに合計する。関数を1つ書けば済みます。集計の柔軟さでは、無料の顧客管理ソフトより上を行くことが多いです。
手が止まるのは4か所です。
1か所めは、同時に触れないことです。共有の置き場所にファイルを置いても、同時に編集すると競合します。クラウドで開く形にすれば同時の編集はできますが、行を挿入する操作が重なると並びが崩れます。スタッフが3人いる店では、実質的に1人しか更新しない運用になります。
2か所めは、入力の間違いを防げないことです。電話番号の欄に全角の数字が入る、名前の前に空白が入る、同じ人が2行に分かれる。この3つは必ず起きます。検索したときに見つからない原因のほとんどがここです。入力の形をそろえる仕組みを自分で作ることはできますが、作った本人しか直せなくなります。
3か所めは、仕組みを作った人に依存することです。関数とマクロを組み込んで便利にすると、組んだ本人が辞めたときに誰も触れなくなります。この点は解説にも書かれています。マクロなどを使って複雑な処理をしていると、カスタマイズした本人が退職したあとの運用で苦しむという指摘です。店の場合は退職ではなく、作った本人が忘れるという形で同じことが起きます。
4か所めは、予約とつながらないことです。予約を受ける画面と顧客の台帳が別の場所にあると、予約が入ったときに台帳を手で開いて照合します。1件あたり30秒でも、月に100件なら50分です。この照合の作業が、いちばん見落とされている手間です。
無料の顧客管理ツールは3つの型に分かれる
無料で使える顧客管理のツールと呼ばれるものは、中身で3つに分かれます。
1つめは、顧客管理だけを行う専用のクラウドのツールです。名前、連絡先、履歴、メモを並べて、複数の人で同時に見られます。項目を自由に作れるものもあります。費用は無料の範囲が決められていて、件数や使う人数に上限があります。
2つめは、販売や請求の仕組みに付いている顧客の台帳です。請求書を出す相手を管理する形で顧客が並びます。店の売上と一体で見られるのが強みで、来店の履歴や施術の内容といった項目は薄くなりがちです。
3つめは、予約システムに付いている顧客の台帳です。予約を受けた時点で顧客が登録され、来店の履歴が自動で積み上がります。手で入力する作業が発生しないのが最大の違いです。かわりに、予約を受けていない相手は台帳に入りません。
店の顧客管理という文脈では、3つめが最も手間が少なくなります。予約の受付と台帳が同じ場所にあるので、照合の作業が発生しません。1つめと2つめは、予約とは別の場所に台帳を持つことになるので、エクセルと同じ照合の問題が残ります。
無料の範囲がどう決められているかは、ツールごとに違います。専用のクラウドのツールの例では、使える人数と入るデータの数で上限が置かれています。
1,000伝票、3IDまで無料のクラウド販売管理ソフト「フリーウェイ販売管理」。売上、請求、入金の業務、売上の分析機能が0円です。(見積書は作成できません) 出典: freeway-customer.com
同じ提供元の顧客管理のツールでは、2026年9月25日時点の公式のページに、3人までの同時の利用と1,000データまでが無料と記載されています。顧客が1,000人を超える店は、この型の無料の範囲では収まりません。
無料の範囲を数字で並べる
無料と書かれていても、どこに壁があるかはツールによって違います。2026年9月25日時点で各社の公式のページに載っている内容を並べると、壁は3か所に置かれています。データの件数、使える人数、そして機能です。
| 見る場所 | エクセル | 無料の顧客管理ツールの例 | 予約システムの無料プランの台帳 |
|---|---|---|---|
| 入る件数 | 1枚のシートに1,048,576行 | 1,000データまで無料 | 登録顧客数250件(RESERVAのフリー) |
| 同時に使える人数 | 実質1人(同時編集は競合しやすい) | 3人まで無料 | プランのスタッフ数の上限に依存 |
| 外出先から見られるか | クラウドに置けば可能 | 可能 | 可能 |
| 入力の手間 | 手で打つ | 手で打つ | 予約を受けた時点で登録される |
| 来店の履歴 | 自分で列を作る | 項目を作れば可能 | 予約の記録が自動で積み上がる |
| 費用 | すでに持っているなら追加なし | 上限の中は0円 | 上限の中は0円 |
数字は2026年9月25日時点に各社公式サイトに掲載されていた内容です。行数と列数はMicrosoftが公開しているExcelの仕様で、顧客の件数はツールの提供元が無料の範囲として記載している数です。上限と機能は変わるため、申し込む前にその会社のページで確かめてください。
この表で目を留めるべきなのは、費用の行ではなく入力の手間の行です。エクセルと無料の顧客管理ツールは、どちらも手で打ちます。予約システムの台帳だけが、予約を受けた時点で登録されます。月に100件の予約がある店で、1件の登録に30秒かけているなら月に50分です。この50分が、道具を選ぶときのいちばん大きな差になります。
エクセルと無料ツールを5つの軸で比べる
比べる軸を5つに絞ります。機能の一覧を見比べても判断できません。
1つめの軸は、同時に何人が触るかです。1人だけなら、エクセルで困りません。2人以上が同じ台帳を更新するなら、クラウドのツールへ移す価値があります。
2つめの軸は、どこから見るかです。店のパソコンだけで足りるならエクセルで済みます。施術中に手元の携帯で前回の内容を確かめたいなら、クラウド側です。
3つめの軸は、入力を誰がするかです。店主1人が入力するならエクセルで回ります。スタッフ全員が入力する運用にしたいなら、入力の形をそろえる仕組みが要ります。自由に書けるエクセルは、人によって書き方が変わります。
4つめの軸は、予約とつながるかです。台帳を見る目的が「次の来店を促すこと」なら、予約の記録と同じ場所にあるほうが速いです。予約を受けた時点で履歴が積み上がる形だと、入力という作業自体が消えます。
5つめの軸は、持ち出せるかです。エクセルは最も持ち出しやすい形です。無料のクラウドのツールを選ぶときは、顧客の一覧を書き出せるかを先に確かめます。書き出せないツールは、顧客が増えたときに移れなくなります。
この5つのうち、1つめと2つめと4つめが当てはまるなら移す価値があります。3つとも当てはまらないなら、エクセルのままで問題ありません。テンプレートを使って自分の形を作る進め方は、いまも有効な選択です。
エクセルのテンプレートを使い、自作の顧客管理を作れば、コストを抑えて始められるので便利です。すぐに始めやすい顧客管理ソフトと言えるでしょう。 出典: itsol.dentsusoken.com
個人の情報を扱うときに確かめること
顧客の名前と連絡先は、個人に関する情報です。エクセルで持つ場合でもクラウドのツールで持つ場合でも、扱いの決まりは同じように及びます。
エクセルで持つときに確かめるのは、置き場所です。持ち帰ったノートパソコンに入っていて、暗号化していない状態は避けます。共有のクラウドに置く場合は、リンクを知っている人が誰でも開ける設定になっていないかを見ます。ファイルを取引先へメールで送るときに、顧客の一覧が入ったシートが同じファイルに残っていないかも確かめます。
クラウドのツールで持つときに確かめるのは、提供元の利用規約とプライバシーポリシーです。預けるデータの範囲、保管する場所、やめたときにデータがどうなるか。この3点は公開されているはずなので、申し込む前に読みます。無料だから扱いが甘いということはなく、同じ基盤の上で動いているのが一般的です。
どちらの場合も、集めた情報を最初に伝えた目的の外で使わないという点が共通します。予約のために取った連絡先で案内のメールを送るなら、その旨を予約の画面に書いておきます。制度の細かい解釈は自分で判断せず、所管の窓口や専門家に確かめるのが確実です。制度の内容や相談の窓口は個人情報保護委員会が公開しています。
もうひとつ実務で効くのが、辞めたスタッフのアクセスを止めることです。エクセルをクラウドの共有に置いている場合、共有の相手から外す作業が必要です。ツールの場合は、そのスタッフのアカウントを止めます。この作業は忘れやすいので、辞める手続きの一覧に入れておきます。
乗り換えの方法を4つのステップに分ける
エクセルから移す作業は、4つに分けると止まりません。1日から2日で終わります。
ステップ1は、列を絞ることです。いまのシートに20列あるなら、これから使う列だけを残します。名前、カナ、連絡先、前回の来店日、メモ。この5つで始めて、必要になった列を後から足します。全部を移そうとすると、移す前に疲れます。
ステップ2は、重複を消すことです。同じ人が2行に分かれている箇所を探します。電話番号でそろえて並べ替えると見つかります。移す前に消すのが大事です。移してから消すと、履歴が2つに分かれたまま残ります。
ステップ3は、形をそろえることです。電話番号の全角を半角にする、名前の前後の空白を消す、日付の書き方を1つにする。この3つを直しておくと、移した先で検索できます。ここを飛ばすと、移した意味が半分になります。
ステップ4は、取り込んで照合することです。書き出したファイルを取り込み、件数が合っているかを数えます。1,000人を移したなら1,000行あるかを見ます。合わない場合は、名前に改行が入っている行が原因のことが多いです。乗り換えの取り込みが無料の範囲でできるかどうかは、事前に確かめておく対象です。
移したあとも、1か月はエクセルを消さずに残します。並行して持つのは手間ですが、取りこぼしに気づいたときに戻れます。1か月が経って何も問題が出なければ、別の場所へ保管して普段は開かない状態にします。
エクセルの台帳が壊れる3つのパターン
エクセルで顧客を管理している店で、ある日から台帳が信用されなくなることがあります。壊れ方には型があり、3つに分けられます。
1つめは、並べ替えで行がずれる型です。名前の列だけを選んで並べ替えると、名前は動くのに連絡先と履歴が元の位置に残ります。1度これが起きると、どの行が正しいのか分からなくなります。気づかずに保存すると、元に戻せません。防ぐには、表の範囲全体を選んでから並べ替える手順を守るか、表を正式なテーブルの形にしておくことです。
2つめは、ファイルが分裂する型です。「顧客リスト.xlsx」「顧客リスト_最新.xlsx」「顧客リスト_2026年版.xlsx」が同じフォルダに並びます。それぞれに違う更新が入っているので、どれを残すかを決められません。この状態になった店は、1度全部を突き合わせて1本にまとめる作業が必要です。防ぐには、ファイルを1つに決めて、共有の置き場所からしか開かないと決めることです。
3つめは、履歴が横に伸びる型です。来店のたびに右へ列を足していくと、来店が20回の常連の行が横に長くなります。画面に収まらず、印刷もできません。履歴は横ではなく縦に積むのが正しい形で、顧客の一覧と来店の記録を別のシートに分けて、名前や番号でつなぎます。この設計にしていないエクセルは、2年目に必ず横へ伸びます。
3つのどれかが起きているなら、直すよりも移す判断のほうが早いことがあります。直す作業は数時間かかり、直してもまた同じことが起きます。起きない形の道具へ移すほうが、同じ時間の使い方として得です。
無料のツールを選ぶときに落としがちな確認点
無料の顧客管理ツールを選ぶとき、機能の一覧には載っていないのに後で効いてくる確認点が4つあります。
1つめは、検索のしかたです。名前で探すときに、カナで探せるか、電話番号の一部で探せるか。漢字しか受け付けないツールだと、読みは分かるが漢字が思い出せない場面で手が止まります。カナの列を持てるかどうかは、店の台帳では効きます。
2つめは、書き出しの形です。書き出せると書かれていても、形が使えないことがあります。1人につき1行で出るのか、履歴が別の行に分かれて出るのか。移す先で取り込めるかどうかは、実際に1度書き出して中を見るまで分かりません。無料の範囲で書き出しができるなら、契約の初日に1度試しておく価値があります。
3つめは、項目を後から足せるかです。始めたときは名前と連絡先で足りていても、半年後に「苦手なこと」「担当したスタッフ」を足したくなります。項目が固定されていると、メモの欄に全部詰め込むことになり、検索できない情報が増えます。
4つめは、やめたあとの扱いです。使うのをやめたとき、預けたデータがいつまで残るのか、自分で消せるのか。ここを公開していないツールは、選ぶ前に問い合わせて確かめます。顧客の情報を預ける以上、出口の条件は入口と同じくらい重要です。
この4つは、料金のページにも機能の一覧にも書かれていないことがあります。書かれていない場合は、問い合わせの窓口から聞きます。返答の速さと丁寧さが、そのまま使い始めてからの対応の目安になります。
テンプレートを使うときに直しておく5か所
エクセルで顧客管理を始めるとき、配布されているテンプレートを使うのは早い方法です。ただしそのまま使うと後で困る箇所が5つあるので、最初に直しておきます。
1か所めは、カナの列です。テンプレートには名前の列しか無いことが多いです。カナの列を足して入力の規則を決めておくと、並べ替えと検索ができます。後から足すと、既にある行のカナを全部埋める作業が発生します。
2か所めは、連絡先の形です。電話番号を数値として入れると、先頭の0が消えます。列の書式を文字列にしてから入力を始めます。ここを直さずに1年ぶん入れた台帳は、番号の頭が欠けた状態で溜まります。
3か所めは、日付の列です。来店日を手で打つ形だと、書き方が人によって変わります。日付として入る形に決めて、表示の形式を1つに固定します。経過した日数を出す関数は、日付として入っていないと動きません。
4か所めは、履歴の置き方です。テンプレートは1人1行の形が多く、来店の履歴を書く場所がありません。来店の記録は別のシートに縦へ積む形にして、名前ではなく番号でつなぎます。名前でつなぐと、改姓したときに履歴が切れます。
5か所めは、削除の扱いです。来なくなった人の行を消すと、過去の売上の集計が変わります。消すのではなく、状態の列を作って「休止」と入れる形にします。消した行は戻せないので、この列は最初から作っておきます。
この5か所を直すのに30分かかりますが、直さずに1年使った台帳を直すには半日かかります。始める前に済ませるほうが安いです。
無料で始めて成功している店の共通点
無料の道具で顧客管理が回っている店を見ると、道具の選び方より運用の決め方に共通点があります。3つです。
1つめは、入力する場面を1つに固定していることです。会計のときに入れる、と決めている店は続いています。「あとでまとめて入れる」にしている店は、2週間で溜まって諦めます。台帳が薄くなる原因は、道具の使いにくさではなく、入力する場面が決まっていないことです。
2つめは、書く内容を短くしていることです。1件につき1行、多くても2行。施術の内容を細かく書き残そうとすると、書くのに時間がかかって続きません。次に見たときに思い出せる最小限、という基準で書いている店が続いています。
3つめは、見る場面も決めていることです。予約が入ったときに開く、月の初めに間隔が開いた人を見る。この2つを決めている店は、台帳を使い続けます。決めていない店は、書くだけの台帳になり、やがて書くのもやめます。
この3つは、無料か有料かに関わらず効きます。逆に言えば、有料の道具を入れてもこの3つが無いと台帳は育ちません。道具を変える前に、入力する場面と見る場面を紙に書いて決めるほうが、費用をかけずに成果が出ます。
顧客の数が少ない店ほど、台帳の目的を絞る
顧客が100人以下の店では、台帳を作ること自体よりも、何のために見るのかを絞るほうが効きます。目的が曖昧なまま列を増やすと、埋まらない列が並び、やがて誰も開かなくなります。
目的として実際に成果につながるのは、3つのうちのどれかです。1つめは、来店のときに前回の内容を思い出すため。2つめは、間隔が開いた人に声をかけるため。3つめは、来店の頻度が高い人を把握して優先するため。この3つのどれかに絞ると、必要な列は5つに収まります。名前、連絡先、前回の来店日、前回の内容、メモです。
2つめの目的で使うなら、前回の来店日から経過した日数が分かる形にしておきます。エクセルなら関数で出せます。予約とつながった台帳なら自動で出ます。ここが出ないと、声をかける相手を選べません。
3つめの目的で使うなら、来店の回数を数えられる形にします。列を1つ足して回数を手で増やす方法でも足りますが、増やし忘れが起きます。来店の記録が縦に積まれている形なら、数えるだけで出ます。
目的を絞ると、台帳を開く回数が増えます。開かない台帳は、書いても意味がありません。逆に言えば、いま開いていない台帳を持っているなら、それは目的が決まっていないという合図です。列を減らして、3つのうち1つに絞り直すほうが、新しい道具を探すより先に効きます。
台帳をどこに置くかについての考察
顧客管理のツールを無料で探すとき、比べる対象は「エクセルか、顧客管理のソフトか」ではありません。本当の分かれ道は、台帳が予約とつながっているかどうかです。
つながっていない形では、予約を受けるたびに台帳を開いて照合します。新しいお客さまなら行を足します。前回の来店日を更新します。この3つの作業が予約1件ごとに発生します。エクセルでも、無料の顧客管理ソフトでも同じです。ソフトへ移しても、この手間は減りません。減るのは、同時に開けるようになったことと、外から見られるようになったことだけです。
つながっている形では、予約を受けた時点で顧客が登録され、来店の履歴が積み上がります。照合が発生しません。決済が必須でない業態に合わせて、予約の受付から次の来店までを一続きにしている設計であれば、予約の受付と台帳と次の案内が同じ場所で回ります。台帳を作ること自体が目的ではなく、前回の来店から間隔が開いた人に案内を出すことが目的なら、この形がいちばん短い道です。
判断の順番はこうです。まず、台帳を見る目的を1つに絞ります。予約のときに前回の内容を確かめたいのか、間隔の開いた人に案内を出したいのか、売上を人ごとに集計したいのか。目的が1つめか2つめなら、予約とつながった台帳を選びます。3つめなら、売上の記録が得意な形か、エクセルでの集計のほうが速いです。
次に、同時に触る人数を数えます。1人ならエクセルのままで問題ありません。2人以上で、外からも見たいなら移します。
最後に、いま入っている件数を数えます。1,000件を超えているなら、無料の範囲が1,000件までのツールは選べません。予約システムの台帳の場合も、無料プランの登録顧客数の上限を確かめます。
この3つを通せば、選ぶ対象は1つか2つに絞れます。ツールの一覧を上から順に見比べる作業は要りません。どの機能がどのプランで使えるかはできることに一覧があり、無料の範囲と有料の金額は料金に税込で出ています。他社との違いを条件をそろえて見たい場合は他社との比較に公開情報だけで作った表があります。業種ごとの台帳の使い方は業種ごとの使い方にまとまっていて、実際の画面はデモを見るからログインなしで触れます。運用に入ってから出る疑問はよくある質問に集めてあります。
エクセルをやめる必要はありません。売上の集計や、年ごとの振り返りは、いまもエクセルのほうが速い作業です。分けるのは役割です。日々の予約と履歴は予約とつながった台帳に置き、集計と分析は書き出してエクセルで行う。この分け方にすると、どちらの強みも使えます。
Q1. エクセルの顧客管理は、何人くらいまで無理なく続けられますか?
行数の上限は1枚のシートで1,048,576行なので、件数では困りません。実務で限界が来るのは、同時に触る人が2人以上になったとき、外出先から見たくなったとき、入力する人が3人以上になったときです。件数ではなく使う人数と場所で判断してください。1人が店のパソコンだけで使うなら、何年でも続けられます。
Q2. 無料の顧客管理ソフトは、どこに上限がありますか?
データの件数、同時に使える人数、機能の3か所です。例として、無料で3人までの同時の利用と1,000データまでという範囲を公開しているツールがあります。予約システムに付いている台帳では、無料プランの登録顧客数が250件と記載されているものがあります。上限は変わるので、申し込む前に公式の料金ページで確かめてください。
Q3. エクセルから顧客管理ソフトへ移すとき、いちばん時間がかかるのはどこですか?
移す前の下ごしらえです。重複した行を消す、電話番号の全角を半角にする、日付の書き方を1つにそろえる。この3つを済ませないまま取り込むと、移した先で検索できません。列も最初から全部移さず、名前、カナ、連絡先、前回の来店日、メモの5つに絞ると1日で終わります。
Q4. 顧客の情報をクラウドに預けるのは、エクセルで持つより危険ですか?
どちらも確かめる対象があるという点で同じです。エクセルは置き場所と共有の設定、持ち出したパソコンの暗号化を確かめます。クラウドのツールは、提供元の利用規約とプライバシーポリシーで、預けるデータの範囲と保管の方法、やめたあとの扱いを確かめます。制度の解釈は自分で判断せず、所管の窓口や専門家に確かめてください。