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回数券を手作りする|台紙の作り方と残数の数え方
2026年10月3日・Rizaflow編集部

回数券を手作りしようと調べ始めると、無料のデザインテンプレートと印刷通販の案内ばかりが並びます。ところが実際に店で困るのは、絵柄よりも後の運用です。何枚綴りにするか、残りが何回なのかをどう数えるか、有効期限を切るか、紛失したと言われたときにどう答えるか。この記事では、台紙の作り方から残数の数え方、預かったお金の扱いまでを順番に並べます。先に結論を書くと、回数券づくりでいちばん時間を取られるのは印刷ではなく、使ったことを記録する仕組みです。
手作りの回数券には3つの道がある
回数券を自分で用意する方法は、大きく3つに分かれます。1つめは市販の専用用紙に自宅のプリンタで印刷する方法、2つめは印刷通販の無料テンプレートを編集して注文する方法、3つめは普通紙や名刺用紙を使って一から作る方法です。かかる金額と手間、仕上がりの硬さが、この3つではっきり違います。
市販の専用用紙は、いちばん早く形になります。ヒサゴの「自分で作れるチケット・回数券 11枚綴り ホワイト」は、A4サイズの10シート入りでチケット30枚分が作れて、価格は税込825円、本体価格750円です。1綴りあたり28円ほどで、10人に配っても300円に届きません。素材は上質紙、坪量は128グラム毎平方メートル程度、厚さは0.15ミリメートルで、切り離しに便利なクリアカットミシンが入っています。同じシリーズには6枚綴りのPK501Sもあり、こちらも税込825円で30枚分です。クラフト紙のPK606Sは税込1,320円と少し上がります。価格はいずれも2026年9月時点の公式サイトの表示です。
印刷通販は、枚数が多いときに効きます。編集画面で写真と文字を入れるだけで形になるテンプレートが用意されていて、そのまま注文に進めます。1枚あたりの単価は下がりますが、届くまでに日数がかかるため、明日から配りたい場面には向きません。
一から作る方法は、見た目を自由に決められる代わりに、通し番号と切り離しの仕組みを自分で考える必要があります。名刺用紙を1回券として10枚渡す形にすると、綴りの台紙が無いため客が残りを把握できず、店に問い合わせが集まります。慣れていないうちは、ミシン目の入った専用用紙から始めたほうが失敗が少なくなります。
3つのどれを選ぶかは、最初の1年で何綴り配るかで決まります。月に5綴りなら年間60綴りで、市販の用紙を2箱買えば足ります。金額にして1,650円です。月に30綴りなら年間360綴りになり、ここからは印刷通販の単価が効いてきます。試しに配る段階では市販の用紙、定着したら印刷通販という順番が、いちばん無駄が出ません。最初から100綴り刷って条件を書き間違えると、刷り直しの費用がそのまま損になります。
見落としやすいのが、刷った後に手で書く欄をどこに作るかです。発行日、客の名前、担当者の名前。この3つを刷り込みで済ませることはできないため、ペンで書ける余白が要ります。券面をデザインで埋め尽くすと、この余白が無くなります。配る直前に気づいても、紙は刷り直しになります。
台紙の寸法と枚数を先に決める
デザインに入る前に決めるのは、1綴り何回にするか、1枚の大きさをどうするかの2点です。この2つが決まらないと、券面に入る文字の量も決まりません。
枚数は、客が使い切れる回数から逆算します。月に1回来る人に11回綴りを売ると、使い切るまでに1年近くかかります。その間に引っ越しや生活の変化が起きる確率が上がり、使い残しの問い合わせが増えます。逆に3回綴りだと、次を買ってもらう手間が何度も発生します。来店の間隔が2週間なら6回綴りで3か月、間隔が1か月なら6回綴りで半年が目安になります。市販の用紙が6枚綴りと11枚綴りの2種類で出ているのは、この幅に合わせたものです。
大きさは、財布かカードケースに入るかどうかで決めます。ヒサゴの11枚綴りは、切り離す前のチケット1本が55×288ミリメートル、1片が55×21ミリメートルです。細長い形ですが、折りたたむと財布に入ります。1片が21ミリメートルの高さだと、書ける文字はごく短いものに限られるため、店名と通し番号だけを刷り、条件は表紙のスペースにまとめる形になります。この用紙は一番上に表紙のスペースがあり、店の情報やロゴを刷る場所として使えます。
1片の面積が決まると、刷れる情報の量も決まります。55×21ミリメートルは、名刺の3分の1ほどの細長い枠です。ここに店名と通し番号を入れると、もう余白はほとんど残りません。「1回券」という文字を入れたい、施術名を分けたいと考え始めたら、1片の大きさから見直すことになります。1片を大きくしたい場合は6枚綴りを選ぶか、印刷通販で寸法を指定する形になります。
紙の厚さも確かめる項目です。厚紙なので、プリンタが対応している紙の厚さと坪量を取扱説明書で先に確かめてください。レーザープリンタやコピー機では、厚紙の設定が無い機種だとトナーが定着しにくいことがあります。両面に刷る場合は、両面印刷に対応した機種で、片面ずつ手差しトレイから給紙する形になります。塗りつぶす面積が大きいデザインはムラが出るため、地色をべた塗りにする案は避けたほうが安全です。
値付けは割引率ではなく、来店の間隔から決める
回数券の値段を決めるとき、いくら引くかから考えると手が止まります。先に決めるのは、何のために回数券を出すのかです。目的は2つに分かれていて、選び方が変わります。
1つめは、来店の間隔を詰める目的です。3か月に1度しか来ない人に、1か月に1度来てもらいたい場合がこれに当たります。この目的なら、有効期限を短く切って回数を少なくします。6回綴りで期限を6か月にすれば、使い切るには1か月に1度のペースが必要になり、期限そのものが来店の理由になります。引く金額は1回あたり数百円で足ります。安さで引き寄せるのではなく、期限で間隔を作る設計です。
2つめは、先にまとまった代金を受け取る目的です。開業直後や閑散期に手元の資金を厚くしたいときがこれに当たります。この目的では回数を多くして割引を深くしますが、預かった代金は未消化の債務として残ります。1回3,000円の施術を10回で27,000円にすると、1回あたりの単価は2,700円に下がり、10人に配れば27万円が先に入る代わりに、100回分の施術を提供する義務が残ります。翌月の予約枠が埋まっていれば、値引きした単価で埋まることになります。枠が余っている時期に限って出す道具だと考えておくと、判断を間違えません。
どちらの目的でも、1回あたりの単価が原価を割らないかを先に計算します。材料費と人件費を1回の施術に割り振った金額が2,500円なら、2,700円の券は200円しか残りません。そこから回数券の紙代と、切り離した片を数える時間が引かれます。割引率の相場を探すより、この引き算を1度やっておくほうが確実です。
券面に書く項目には、法律で決まっているものがある
回数券は、法律の上では前払式支払手段に当たります。資金決済に関する法律の第3条第1項第2号は、証票等に記載された物品等または役務の数量に応ずる対価を得て発行される証票等であって、発行者等に対して提示や交付などの方法により当該役務の提供を請求することができるものを、前払式支払手段と定めています。10回分の施術を先に受け取って券を渡す形は、この定義にそのまま当てはまります。
そして同法の第13条第1項は、前払式支払手段を発行する場合に利用者へ情報を提供しなければならない事項を4つ挙げています。氏名、商号または名称。前払式支払手段の支払可能金額等。代価の弁済に使用し、または役務の提供を請求することができる期間または期限が設けられているときは、その期間または期限。そして発行および利用に関する利用者からの苦情または相談に応ずる営業所または事務所の所在地および連絡先です。
券面に落とすと、店の名前、残りの回数、有効期限、問い合わせ先の電話番号か住所の4点になります。無料テンプレートの絵柄には、この4点が揃っていないものもあります。絵柄をそのまま使うのではなく、足りない項目を自分で入れてください。1片が小さくて入らない場合は、表紙のスペースか台紙の裏面にまとめる形が現実的です。
法律の条文は資金決済に関する法律の条文で確かめられます。この法律を所管しているのは金融庁です。
有効期限の切り方で、届出の要否まで変わる
有効期限は、客への親切さの問題だけではありません。法律の適用そのものが変わる分かれ目です。
同法の第4条第2号は、発行の日から政令で定める一定の期間内に限り使用できる前払式支払手段については、前払式支払手段に関する章の規定を適用しないとしています。そして資金決済に関する法律施行令の第4条第2項が、この一定の期間を6月と定めています。つまり、発行日から6か月以内しか使えない回数券は、この章の枠の外に出ます。
期限を6か月より長くする場合や期限を設けない場合は、枠の中に入ります。とはいえ、小さな店がすぐに届出を求められるわけではありません。同法の第5条第1項は、自家型前払式支払手段のみを発行する者について、基準日における基準日未使用残高が発行を開始してから最初に基準額を超えることとなったときに、届出書を内閣総理大臣に提出しなければならないとしています。基準日は毎年3月31日と9月30日です。基準額は施行令の第6条で1,000万円と定められています。
ここで数える未使用残高は、売った金額の合計ではありません。同法の第3条第2項第2号は、役務の数量に応ずる対価を得て発行した券について、基準日において提供を請求することができる役務の数量を内閣府令で定めるところにより金銭に換算した金額を未使用残高とするとしています。つまり、使い切られた券は数から外れ、まだ残っている回数だけを数えます。回転が速い店では、売った累計が大きくても残高は小さく収まります。
未使用残高が1,000万円というのは、1綴り3万円の回数券なら333綴りの使い残しが同時に存在する規模です。1回3,000円の施術に換算すると3,333回分が未消化という状態で、個人の店では届きません。ただし、複数店に広げて回数券を主力にしていくなら、いつかは見えてくる数字です。同法の第14条第1項は、基準日未使用残高が基準額を超えるときは、その2分の1以上の額に相当する発行保証金を供託しなければならないとしています。預かった前払いのお金は、規模が大きくなると半分を手元から離す扱いになります。
払い戻しには原則として制限がある
回数券を出すと必ず来るのが、途中でやめたいので残りを返金してほしいという相談です。ここは感情で決めずに、条文を知ってから方針を立ててください。
同法の第20条第5項は、前払式支払手段発行者は、同条第1項各号に掲げる場合を除き、その発行する前払式支払手段について保有者に払戻しをしてはならないとしています。ただし書きがあり、払戻金額が少額である場合その他の発行の業務の健全な運営に支障が生ずるおそれがない場合として内閣府令で定める場合は、この限りでないとされています。第1項各号に挙げられているのは、発行の業務の全部または一部を廃止した場合などです。
読み方としては、廃業するときは払い戻す義務があり、客の都合で途中解約したいという申し出には応じない扱いが原則だということになります。ここを「返金しません」とだけ券面に書くと、なぜ返さないのかが伝わりません。理由まで含めて、券面か店内の掲示に短く書いておくと、窓口でのやり取りが短くなります。有効期限を6か月以内に切っている場合はこの章の枠の外なので、返金の扱いは店の規約と消費者契約の一般のルールで判断することになります。迷う事案が出たときは、所管の窓口か専門家に確かめてください。
残数の数え方は、3つの型から選ぶ
手作りの回数券でいちばん事故が起きるのが、残りの回数の管理です。数え方には3つの型があり、店の人数と1日の来店数で向き不向きが変わります。
1つめは切り取り式です。来店のたびに1片をミシン目から切り離して店が受け取ります。券面を見れば残りが分かるため、客も店も数え間違えません。弱点は、切り離した片を店が保管しないと、何回分を受け取ったのかが帳簿と合わなくなることです。日付ごとの封筒に入れて、閉店時に枚数を数える運用にすると合います。
2つめは押印式です。台紙に回数の枠を刷っておき、来店ごとに店の判子を押します。切り離す手間が無く、台紙が最後まで客の手元に残るため、次の予約の話をしやすくなります。弱点は、判子の偽装に弱いことと、店側に記録が残らないことです。判子を店の外に出さない、日付も一緒に入る回転式の判子を使う、といった手当てが必要になります。
3つめは控え式です。券面には通し番号だけを刷り、残りの回数は店の台帳で管理します。券を紛失されても番号で照合できるため、客の負担がいちばん軽くなります。弱点は、台帳を付ける人の手が止まった時点で崩れることです。紙の台帳だと、担当者が休んだ日の記録が抜けます。
どの型にしても、通し番号を必ず刷ってください。番号が無いと、同じ絵柄の券が持ち込まれたときに真偽を見分けられません。市販の用紙にはチケットの間に余白があり、隣り合うチケットを別のデザインにすることもできるので、番号を1片ごとに変える刷り方も取れます。
1日の流れに落とすと、切り取り式はこうなります。来店した客が台紙を出す。受付が1片を切り離して日付を書き、その日の封筒に入れる。閉店時に封筒の枚数を数え、レジの記録と照合する。枚数が合わなければ、その日のうちに原因が分かります。翌日に持ち越すと、どの客の分かを追えなくなります。所要時間は1日あたり2分ほどで、これを毎日続けられるかどうかが、紙で回せる上限を決めます。
押印式を選ぶなら、判子の管理を1本だけに絞ります。受付に判子を2本出しておくと、1本が客の手の届く場所に残った瞬間に真偽が分からなくなります。日付が入る回転式の判子を使い、閉店時に引き出しへ戻す。これだけで、後から券面を見たときに来店の順番が読めるようになります。
控え式は、台帳の書式で成否が分かれます。1行に並べるのは、券の番号、購入日、有効期限、購入者の名前、残り回数、最後に使った日の6項目です。残り回数を書き換える形にすると、消しゴムで消した跡が積み重なって読めなくなります。使った日を1行ずつ足していく形にして、残り回数は引き算で出すほうが崩れません。
紛失と譲渡と家族での利用は、配る前に決めておく
回数券を配り始めると、券面に書いていない場面が必ず出てきます。よく来るのは3つで、どれも配った後では決めにくくなります。同じ質問に違う答えを返した瞬間に、店の信用が減ります。
1つめは紛失です。切り取り式と押印式では、券そのものが残高の証拠なので、失くしたと言われても店には確かめる手立てがありません。控え式なら通し番号で台帳と照合できるため、再発行の判断ができます。紛失に応じる方針を取りたいなら、控え式を選ぶか、購入時に番号と氏名を台帳に残す運用を足してください。対応しない方針なら、券面に「紛失の場合は再発行いたしません」と書いておきます。書いていないと、断った側が悪く見えます。
2つめは譲渡です。友人に譲りたい、家族と分けて使いたいという相談が来ます。回数券は物としては持ち主を問わない券なので、譲渡を禁じるなら券面に書く必要があります。禁じない場合は、誰が使ってもよいことになります。親子で通う美容室や、夫婦で通う整体では、家族での利用を認めたほうが売れます。ただし控え式で残数を客ごとに管理している場合、使う人が変わると台帳と合わなくなるため、台帳の単位を客ではなく券の番号にしておきます。
3つめは、1回の来店で2枚以上使えるかどうかです。施術を2つ重ねたい、家族2人で来たいという場面で問われます。認める場合は、券面に1回の来店で使える枚数の上限を書きます。認めない場合も同じく書きます。ここを書いていないと、受付の担当者がその場の判断で決めることになり、人によって答えが変わります。
3つとも、決めるのは5分で済みます。難しいのは、配った後に方針を変えることです。すでに配った券には古い条件が刷られているため、新旧2つの規約が同時に回ります。配る前に1度、この3つを紙に書き出してください。
領収書と印紙税の扱いを確かめる
回数券を売った日に受け取るのは、まだ提供していない役務の代金です。ここで領収書を出す場合、金額によって収入印紙が必要になります。
国税庁の案内では、金銭または有価証券の受取書は第17号文書に該当し、売上代金の受取書の場合は記載金額が5万円未満のものは非課税、5万円以上100万円以下のものは200円とされています。100万円を超え200万円以下は400円、200万円を超え300万円以下は600円と、金額に応じて上がります。1綴り3万円の回数券なら印紙は要りませんが、5万円の回数券を売って領収書を出すと200円の印紙が必要です。詳しくは国税庁の金銭又は有価証券の受取書、領収書の案内に一覧があります。
営業に関しない金銭または有価証券の受取書は非課税とされていますが、ここでいう営業は一般通念による営業を指し、営利を目的として同種の行為を反復継続して行うことをいうと説明されています。店の売上として回数券を売る行為は営業に当たるため、この非課税の扱いは当てになりません。
帳簿の側では、売った日と使われた日が別になる点に注意します。回数券を売った日に入るお金は、まだ提供していない役務の代金です。どの回が消化されたかを記録していないと、決算の時期に未消化の残高が出せません。切り取り式なら切り離した片の枚数、控え式なら台帳の消化記録が、そのまま残高の根拠になります。券の絵柄を凝るより、この記録の付け方を先に決めたほうが後が楽です。
印刷の注文と無料テンプレートの使い分け
枚数が増えたら、印刷通販に切り替える判断が出てきます。編集画面で完結する無料のテンプレートが各社から出ていて、そのまま注文に進める作りになっています。
回数券の無料デザインテンプレートです。写真や文字を入れるだけで本格的な回数券が作成できます。テンプレート編集は無料。そのまま印刷注文が可能です。 出典: graphic.jp
テンプレートを選ぶときの基準は、絵柄の好みではなく、前の章で挙げた4つの項目が入る余白があるかどうかです。店名と有効期限と連絡先を後から足すと窮屈になる型が多いので、文字を入れる場所が広いものを選んでください。業種ごとの文例を用意しているサービスもあり、キングプリンターズの回数券のテンプレート案内のようにクリーニングや入浴といった業態別の使い道が添えられています。
自宅のプリンタと印刷通販の分かれ目は、月に何綴り配るかです。月に10綴りまでなら市販の用紙が早く、切り替えの融通も利きます。価格を変えたいときも、次の1枚から差し替えられます。月に50綴りを超えるなら、印刷通販のほうが1枚あたりの単価が下がり、紙の質も上がります。ただし刷ってしまうと価格や条件を変えられないため、値上げの予定があるうちは少量で回すほうが無駄が出ません。
注意したいのは、刷り直しが効かない項目です。有効期限を「発行日から6か月」と刷るなら期限の管理は発行日ごとになり、「2027年3月31日まで」と日付で刷るなら在庫が期限切れになります。どちらを選ぶかで、在庫の持ち方が変わります。
発行日から数える形は、いつ配っても券が生きているため在庫が無駄になりません。代わりに、券ごとに期限が違うので、いま何枚が生きているのかを店が把握しにくくなります。期限の近い客に声をかける運用をしたいなら、購入日を台帳に残しておく必要があります。
日付で刷る形は、店の側から見ると楽です。3月31日で全部が切れるので、その日を過ぎたら在庫を捨てて次を刷ります。期限の近づいた客にまとめて声をかけられる利点もあります。代わりに、2月に買った客は2か月しか使えません。この不公平を避けたいなら、配る時期を限る形にして、期限の間際には売らない運用にします。
刷る枚数は、期限の切り方と連動します。日付で刷るなら、その日までに配り切れる枚数だけを刷ります。発行日から数える形なら、多めに刷っても無駄になりません。価格を上げる予定があるかどうかも合わせて考えて、値上げの半年前からは少量で回すほうが、刷った紙を捨てずに済みます。
手作りをやめる分かれ目は、紙の枚数ではない
回数券の手作りは、店がひとりで、来店が1日に数人のうちは問題なく回ります。崩れ始めるのは、次の3つのどれかが起きたときです。
1つめは、人が増えたときです。受付をする人が2人以上になると、判子を押したかどうかの引き継ぎが必要になります。口で伝える運用は、忙しい時間に必ず抜けます。2つめは、期限の管理が始まったときです。発行日ごとに期限が違う券が数十枚回り始めると、紙の台帳では期限切れを見つけられません。3つめは、客から残り回数を電話で聞かれるようになったときです。台帳を開かないと答えられない状態は、応対の時間をそのまま食います。
このどれかに当たったら、残数の管理を予約の記録と同じ場所に移す段です。来店の記録と残りの回数が1つの画面で見えていれば、受付の人が誰でも同じ答えを出せます。回数券そのものを紙でやめる必要はありません。紙は客に渡す控えとして残し、数える側だけを画面に移す形が、いちばん移行が軽くなります。
どこまでが標準で用意されているかはできることのページで一覧になっていて、サロンや教室といった業態ごとの使い方は業種ごとの使い方のページにまとまっています。決済が必須でない業態に合わせて、予約の受付から次の来店までを一続きにしている形なら、回数券の代金を現金で受け取る運用のままでも、残数と来店の記録だけを1か所にまとめられます。
月の予約件数やスタッフの登録数の上限は料金のページで確かめられ、他のサービスと同じ条件で並べた表は他社との比較のページにあります。実際の操作はデモを見るのページで触れて、移行の手順で出る疑問はよくある質問のページを先に見ると早く片づきます。紙で始めて、数が増えたら数える側だけを移す。この順番なら、手作りの回数券に使った時間も無駄になりません。
Q1. 回数券を手作りするのに、いくらかかりますか?
市販の専用用紙を使う場合、ヒサゴの11枚綴りのPK601Sが税込825円で10シート入り、チケット30枚分が作れます。1綴りあたり28円ほどです。クラフト紙のPK606Sは税込1,320円です。印刷通販は編集が無料で、枚数が増えると1枚あたりの単価が下がります。価格は2026年9月時点の公式サイトの表示です。
Q2. 回数券に有効期限を付けたほうがよいですか?
期限の長さで法律の扱いが変わります。資金決済に関する法律の第4条第2号と施行令の第4条第2項により、発行の日から6か月以内に限り使えるものは前払式支払手段の章の適用から外れます。6か月を超える期限や無期限にする場合は、未使用残高が基準日に1,000万円を超えた時点で届出が必要になります。
Q3. 券面には何を書けばよいですか?
資金決済に関する法律の第13条第1項は、発行者の名称、支払可能金額等、使用できる期間または期限、苦情や相談に応じる営業所の所在地と連絡先の4つを利用者に提供することを求めています。券面に落とすと、店名、残り回数、有効期限、問い合わせ先です。1片が小さいときは表紙や裏面にまとめます。
Q4. 残りの回数はどう数えるのが確実ですか?
来店ごとに1片を切り離して店が保管する切り取り式が、数え間違えが最も少ない形です。日付ごとの封筒に入れて閉店時に枚数を数えれば、帳簿と突き合わせられます。受付をする人が2人以上になったら、残数を予約の記録と同じ画面で管理する形に移したほうが引き継ぎの抜けが出ません。