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インバウンド集客の始め方|外国語の予約を受ける準備から整える
2026年10月4日・Rizaflow編集部

外国人のお客さまに来てほしい。けれど、実際に来たときに言葉が通じるか、予約の段階で説明が足りるか、そこが不安で手が止まっている。「インバウンド 集客」と調べる人の多くは、この状態にいます。結論を先に置くと、インバウンド集客で最初に手を入れる場所は広告でも多言語のチラシでもなく、予約の受け方です。見つけてもらう努力をいくら重ねても、予約の入口が日本語の電話しかなければ、見つけた人はそこで離れます。この記事では、訪日客が予約に至るまでの流れを分解したうえで、受け入れの準備でつまずく課題、手をかける順に並べた方法、失敗しやすいところと避けるコツを整理します。
インバウンド集客が広告の話から受け入れの話に変わった背景
十年ほど前のインバウンド対策は、海外の旅行博に出る、現地の旅行会社に売り込む、免税の看板を出す、といった話でした。団体のバスが着いて、添乗員が通訳をして、支払いは旅行会社がまとめて済ませる。店の側で外国語を話す必要はほとんどありませんでした。
この形が崩れたのは、旅行の予約が個人のスマートフォンに移ったからです。いまの訪日客は、出発前に地図アプリで行き先を探し、口コミを読み、そのまま予約を取ります。到着してから店を探す人も、その場でスマートフォンを開いて調べます。ここで店の側に起きた変化は2つあります。1つめは、店を選ぶ判断が店の外で完結するようになったこと。2つめは、予約の可否がその判断の材料に入ってきたことです。「良さそうだが予約できるかどうか分からない」店は、予約できる別の店に置き換えられます。
もう1つ大きいのは、電話が使えないという事実です。海外から来た人の多くは、日本の電話番号に国際通話でかけることを避けます。通話料の問題だけでなく、聞き取りにくい外国語で時間や人数を伝えるのは、対面よりずっと難しい作業です。旅行中の人が電話をかけるのは、道に迷ったときのような緊急の場面だけです。予約の手段が電話しかない店は、訪日客にとって予約できない店と同じ扱いになります。
時差も効いてきます。日本が深夜の時間帯に、相手の国は昼です。旅行の計画を立てるのは移動中や就寝前が多く、そこから予約の申し込みが飛んできます。24時間いつでも申し込みを受け付けられる入口があるかどうかで、取りこぼす件数が変わります。ここまでを踏まえると、インバウンド集客は「どう知らせるか」より先に「知った人をどう受け止めるか」の問題だと整理できます。
訪日客が予約に至るまでの5つの段階
手を打つ場所を決めるために、予約に至るまでを段階に割ります。どの段階で落ちているかが分かると、先にどこへ手をかけるべきかが決まります。
第1段階は、行きたい体験を探す段階です。「東京 茶道 体験」「京都 着物 レンタル」のように、店名ではなく体験の名前で探します。第2段階は、候補を絞る段階です。地図アプリの評価、写真、営業時間を見比べます。第3段階は、条件を確かめる段階です。料金、所要時間、英語が通じるか、子どもを連れて行けるか、支払い方法を確かめます。第4段階が予約で、第5段階が来店の直前です。ここで「本当にこの日時で合っているのか」を確かめたい気持ちが出てきます。
多くの店が落としているのは第3段階と第4段階です。第1段階と第2段階は、地図アプリの登録と写真の入れ替えでかなり改善します。ところが第3段階の条件を並べたページが日本語しかないと、そこで読むのを止められます。条件が読めた人が予約に進んだ第4段階で、日本語の入力欄と日本の電話番号を求められると、そこでも止まります。
第5段階の直前確認を軽く見ないことも大切です。旅行中の人は、当日の朝に予定を組み替えます。予約の内容が手元のメールに残っていないと、行く気があったのに場所が分からず諦める、という取りこぼしが起きます。予約のあとに自動で1通届く仕組みがあるかどうかで、来店率が変わります。この工程がどう繋がっているかはできることのページで、予約の受け付けから前日のお知らせ、来店後の御礼までが一続きになっている形を確かめられます。
インバウンド集客でつまずく4つの課題
上位の解説記事でも共通して挙げられているつまずきどころを、店の側で手を打てる形に言い換えます。
1つめは言語です。ここで多くの店が、店頭の会話を英語にする話から始めてしまいます。順番としては逆です。会話は身ぶりと翻訳アプリでかなり通じますが、予約の申し込みは文字でしか成立しません。先に整えるのは、読んで判断する部分、つまり料金と所要時間と注意事項の文字です。
2つめは決済です。訪日客の支払いは、クレジットカードとスマートフォンの決済が中心です。現金しか使えない店は、そのことを予約の段階で明記しておかないと、来店してから断る場面になります。ここは設備投資の話に見えますが、まず必要なのは「現金のみである」と予約ページに書くことです。書いてあれば、現金を用意して来る人もいます。書いていないと、支払いの段で信用を失います。
3つめは無断キャンセルです。旅行の日程は変わりやすく、悪気なく来られなくなる人が出ます。ここで効くのは、予約の取り消しを本人が自分でできる仕組みです。店に連絡しなければ取り消せない形にしておくと、連絡するのが面倒な人がそのまま来なくなります。取り消しの操作をお客さまの側に開いておくと、空いた枠が早く戻ってきます。
4つめが、魅力的なプランを作れていないことです。買い物中心の旅行から、体験中心の旅行へ需要が移っています。
魅力的なプランの企画や販売を行うことも、インバウンド集客における課題の1つです。近年ではコト消費のニーズが高まっており、体験型アクティビティの人気も上昇傾向にあります。 出典: jtbbokun.jp
体験を売るということは、時間の枠を売るということです。物を売る商売なら在庫の数だけ考えればよいのですが、体験は「何月何日の何時に、何人まで」という枠の管理が要ります。ここが、インバウンド集客が予約の話に行き着く理由です。
インバウンド集客の方法5つを、手をかける順に並べる
方法を並べただけの一覧は、どれから手を付けるか決められません。費用が小さく効果が早いものから順に置きます。
1. 予約ページを外国語で読める形にする
最初に手を入れるのはここです。専用の外国語サイトを作る必要はありません。予約ページの中で、料金、所要時間、集合場所、持ち物、支払い方法、取り消しの期限の6項目を、英語でも読める形に置けば足ります。文章の量を増やすより、項目を並べて1行ずつ書いたほうが伝わります。翻訳の精度に不安があるなら、専門用語を避けて短い文で書くと、機械翻訳を通しても崩れにくくなります。
2. 地図アプリと口コミの情報を整える
訪日客が候補を絞る段階で見るのは、検索結果よりも地図アプリです。営業時間、休業日、電話番号、写真、そして予約ページへのリンクを正しく登録します。写真は店の外観と、体験の様子が分かるものを混ぜます。口コミに外国語の投稿が付いたら、短くても返信を書きます。返信があるかどうかは、言葉が通じる店かどうかの判断材料として読まれます。
登録の内容で見落とされやすいのが、休業日と臨時の変更です。旅行の計画は日付で組まれるので、営業時間が古いままだと、開いていない日に人が来ます。来て閉まっていた店は、悪い評価が付いたまま残ります。年末年始やお盆のような長い休みは、決まった時点で登録を直しておいてください。もう1つは予約ページへのリンクです。地図アプリの情報欄に予約の入口を置いておくと、候補を絞る段階から予約の段階まで、途中で検索に戻らせずに運べます。
3. SNSの投稿に予約の入口を付ける
写真や短い動画で見つけてもらう経路は、旅行の計画段階で強く効きます。ただし、見た人がそのまま予約できるようになっていないと、興奮した気持ちのまま次の投稿に流れていきます。プロフィールに予約ページへのリンクを1本置く。これだけで、投稿の役割が「知ってもらう」から「予約を取る」に変わります。
4. 体験を扱う予約サイトに出す
海外から予約を集める経路として、体験や宿泊を扱う予約サイトへの掲載は効きます。相手の集客力を借りられる反面、手数料がかかり、掲載の条件も相手が決めます。自分の予約ページを整えてから出すのが順番です。自社の入口が無い状態で外部サイトだけに頼ると、手数料が下がる余地が一生できません。
出すときは、掲載する枠の数を決めてください。すべての枠を外部サイトに開けると、手数料のかからない自社経由の予約が入らなくなります。逆に、埋まりにくい平日の昼だけ外部に出す、という使い方なら、手数料を払う意味がはっきりします。掲載を止めたときに予約が消える状態にしないことが、外部サイトとの付き合い方の要点です。
5. 体験プランそのものを組み直す
ここが最後で、いちばん時間がかかります。既存のメニューをそのまま外国語にするのではなく、訪日客が短い滞在時間で持ち帰れる形に組み直します。所要時間を60分前後に収める、言葉の説明が少なくても成立する手順にする、写真を撮れる場面を入れる。この3点を入れると、来た人が自分で宣伝してくれます。
受け方を変えないまま集客だけ増やすとどうなるか
順番を逆にしたときに何が起きるかを書いておきます。広告や掲載を先に増やし、受け方をそのままにした店では、次の3つが同時に起きます。
1つめは問い合わせの増加です。条件が読めないので、メールや通信アプリで「英語は通じますか」「クレジットカードは使えますか」と聞かれます。1件ごとの返信は数分でも、件数が増えると営業時間が削られます。しかもこの問い合わせは、予約ページに6項目を書いておけば、ほとんどが発生しません。
2つめは二重予約です。電話、店頭、通信アプリ、外部の予約サイトと入口が増えるほど、枠の管理が手作業に戻ります。紙の台帳と外部サイトの管理画面を突き合わせる運用は、忙しい日にほど破れます。外国から来たお客さまを前にして席がない、という場面は、口コミに残ります。
3つめは無断キャンセルの増加です。連絡手段が電話しかない状態で、時差のある相手に取り消しの連絡を期待するのは無理があります。取り消しの操作を本人に開き、前日にお知らせを1通送る。この2つで、予定が変わった人がきちんと知らせてくれる割合が上がります。
ここまでの3つは、どれも受け方の設計で解けます。対応できる業種の広さや、業種ごとの受け付けの流れは業種ごとの使い方で並べて見られます。体験や施設の貸し出しのように、時間の枠で売る商売なら考え方は共通です。
成功している店に共通する3つのポイント
インバウンド集客がうまく回っている店の共通点は、派手な施策ではありません。次の3つです。
1つめは、入口を1本に束ねていることです。SNSからも地図アプリからも外部の予約サイトからも、最後は同じ予約ページに着地します。枠の数が1か所で管理されているので、二重予約が起きません。入口を増やすことと、受け皿を増やすことは別だと分かっている店が強いです。
2つめは、来店前のやりとりを自動にしていることです。予約を受け付けた直後に1通、来店の前日に1通。この2通が自動で出るだけで、当日の問い合わせが減り、来店率が上がります。手で送っていると、忙しい日に送り忘れます。忙しい日ほど予約が多い、つまり忘れる件数がいちばん多くなる日に忘れる、という構造になっています。
3つめは、来店後を放置していないことです。訪日客はもう一度来ないと決めつけると、来店後の1通を省いてしまいます。実際には、来た人の投稿と口コミが次の集客になります。御礼の1通に口コミの投稿先を添えておくだけで、書いてくれる人の数が変わります。ここは決済が必須でない業態に合わせて、予約の受付から次の来店までを一続きにしている形の予約システムを選ぶと、設定を1度済ませるだけで回り続けます。
3つを並べると、成功の条件は「一度決めた流れを、店の忙しさと無関係に動かし続けられるか」に集約されます。人の気力に頼る運用は、繁忙期に必ず止まります。
失敗しやすいところと、避けるコツ
失敗の型は、だいたい4つに分かれます。注意点として順に置きます。
まず、多言語のページを作ったのに更新が止まる型です。日本語のページだけ料金を直し、英語のページが古い料金のまま残る。来店してから金額が違うと言われるのは、最悪の入り方です。避けるコツは、ページを2つに分けないことです。料金や所要時間は1か所で管理して、表示だけを言語で切り替える形にします。管理する場所が1つなら、片方だけ古くなることが起きません。
次に、翻訳を凝りすぎる型です。丁寧な敬語を英語に置き換えようとすると、文が長くなり、かえって読みにくくなります。予約ページに要るのは名詞と数字です。「Cancellation: until 18:00 the day before」のような短い形で足ります。
3つめは、決済を先に整えようとして止まる型です。カード決済の導入には審査と手数料の検討が要るため、そこで数か月止まる店があります。訪日客の予約が現金払いでも成立する業態なら、支払い方法を明記して先に予約を受け始めたほうが早いです。事前の決済が要るかどうかは業態で違い、必要な店だけ後から足せば足ります。金額の条件をどう並べるかは料金のページで、無料の範囲と有料の範囲の切れ目を確かめてから決められます。
4つめは、外部の予約サイトだけで完結させる型です。最初の集客は楽ですが、手数料が売上に比例して増え、顧客の連絡先も自分の手元に残りません。おすすめの進め方は、自分の予約ページを先に作り、外部サイトは在庫の一部を出す場所として使うことです。来てくれた人を自分の顧客として記録できるかどうかが、2年後の集客費を決めます。
予約ページに並べる6項目を、実際の文面で書き出す
外国語で読める形にする、と言われても、何をどう書けばよいか迷います。項目と書き方を具体に落とします。文章を書くのではなく、項目を立てて1行ずつ埋める作業だと考えてください。
1つめは料金です。金額と、税込か税抜か、1人あたりなのか1組あたりなのかを書きます。「5,000円(税込・1人あたり)」のように、単位と条件を必ず添えます。円の記号だけで書くと、桁を読み違える人が出ます。2つめは所要時間です。集合から解散までの時間を書き、着替えや説明の時間を含むのか含まないのかも添えます。旅行中の人は分刻みで動いているので、前後にどれだけ余裕を見るべきかが読めると、予約に踏み切りやすくなります。
3つめは集合場所です。住所だけでは足りません。最寄り駅の名前、出口の番号、徒歩の分数、目印になる建物を並べます。地図アプリのリンクを1本置くのがいちばん確実です。ここを丁寧に書いておくと、当日の「見つからない」という連絡が消えます。4つめは持ち物と服装です。脱ぎ履きしやすい靴、動きやすい服、タオル、身分証。医療や美容に近い業態なら、施術を受けられない条件も先に書きます。当日になって断る事態を避けるためです。
5つめは支払い方法です。使える手段を並べ、使えない手段も書きます。現金のみなら、そう書きます。カードが使えるなら、どのブランドが使えるかまで書いたほうが親切です。6つめは取り消しの期限と条件です。いつまでなら無料で取り消せるのか、それを過ぎたら何割かかるのか。この1行を書いていない店は、取り消しの連絡そのものが来なくなります。
6項目を書いたあとに、余裕があれば1行足してください。「英語での対応が可能です」または「簡単な英語で対応します」です。完璧な対応を約束する必要はありません。通じる見込みがあると分かるだけで、申し込みのためらいが減ります。この6項目と1行を、予約の申し込みの直前に置くのが要点です。別のページに置くと読まれません。
どの国から来る人を想定するかで、優先順位は変わる
訪日客をひとまとめに「外国人」として扱うと、打ち手がぼやけます。大づかみでよいので、自分の店に来る人の出身を分けて考えると、手を入れる場所が絞れます。
近隣のアジアから来る人は、滞在が短く、リピートが多い傾向があります。何度も日本に来ている人は、有名な観光地よりも、地元の人が行く店や体験を探します。この層に向けては、地図アプリの情報と口コミの評価がいちばん効きます。日本語しか書かれていない店でも、口コミに「英語のメニューがあった」と書かれていれば選ばれます。
欧米や豪州から来る人は、滞在が長く、1回の旅行で使う金額が大きい傾向があります。この層は出発前に計画を固めるので、予約の受付が旅行の数週間前から動きます。つまり、深夜の申し込みを受け取れる入口がないと、この層をまるごと取りこぼします。予約が数週間先になるほど、来店の前日のお知らせが効きます。予約したことを忘れている人が実際にいます。
団体で来る人と個人で来る人の違いも押さえておきます。団体は旅行会社が窓口になるので、予約の取り方は従来と変わりません。個人で来る人は本人が窓口です。いまインバウンド集客で伸びる余地があるのは後者で、そこに必要なのは営業の努力ではなく、本人が自分で申し込みを完了できる仕組みです。どちらを狙うかを決めずに施策を並べると、労力が分散します。
店の人数に合わせて、抱える工程を減らす
ひとりで店を回している場合と、数人のスタッフがいる場合で、インバウンド対応の設計は変わります。人手が少ないほど、人が判断する工程を減らす設計が要ります。
ひとりで回しているなら、施術や接客の最中は手が空きません。この状態で電話と通信アプリと店頭の3経路を受けるのは無理があります。予約を受ける経路をウェブの申し込みに寄せて、電話は「予約済みの人からの当日の連絡だけ」に絞るほうが現実的です。申し込みが自動で台帳に入り、確認のメールも自動で出るなら、施術中に手を止める理由がなくなります。
スタッフが複数いる場合は、誰が担当するかの割り振りが増えます。ここで起きやすいのが、外国語に強いスタッフの出勤日だけ予約を受ける、という運用です。気持ちは分かりますが、枠が読めなくなり、結局は電話で調整する形に戻ります。担当ごとのシフトを枠に反映できる作りにしておけば、対応できる人が出ている日だけ枠が開く形を自動で作れます。人が毎回考える形にしないことが要点です。
どちらの場合も、共通して削れるのは3つです。申し込みを台帳に書き写す作業、確認の連絡を打つ作業、前日のお知らせを送る作業。この3つは判断を伴わないので、仕組みに渡せます。渡したぶんの時間を、店頭での応対や、写真の入れ替えのような人にしかできない仕事に回してください。インバウンド集客で成果が出ている店は、外国語の能力で差を付けているのではなく、人が手を動かす工程の数で差を付けています。
来た人の1件を、次の集客に変える
インバウンド集客の費用対効果がいちばん高いのは、すでに来てくれた人の投稿と口コミです。広告は止めれば消えますが、口コミは残り続けます。ここを仕組みにしている店と、気が向いたときだけ声をかけている店で、数か月後の差が開きます。
やることは3つです。1つめは、体験の途中に写真を撮れる場面を1か所作ることです。着物なら鏡の前、料理なら盛り付けの直後、工芸なら完成品を持った瞬間。撮ってよい場所だと分かる印を置くだけでも、撮る人が増えます。2つめは、店の名前をローマ字表記でも読める形で見えるところに出すことです。投稿する人は店名を打ち込めないと、場所の情報を付けずに投稿します。3つめが、来店後の御礼のメールに口コミの投稿先を1本添えることです。その場で口頭で頼むより、落ち着いた頃に届く1通のほうが書いてもらえます。
注意点が1つあります。口コミの投稿と引き換えに割引や品物を渡す形は避けてください。表示に関する規制の対象になりえます。事業者が関与した投稿かどうかを読者に分かるようにする考え方は、消費者庁が公開している資料で確かめられます。判断に迷う内容を出す前に、所管の窓口や専門家に確かめるのが安全です。頼むのは投稿そのものではなく、「良ければ感想を書いてください」までにとどめるのが無難です。
来店後の1通を自動で出す設定は、一度作れば以後は手がかかりません。予約を受け付けた時点で、来店の翌日に御礼が飛ぶ日付まで決まっているからです。人が思い出す必要のない形にしておくと、繁忙期にも途切れません。
予約の受け方から見たインバウンド対応の点検
最後に、いまの受け方を点検する形で整理します。次の7つに答えられるかどうかを見てください。
1つめ、予約の申し込みを深夜でも受け付けられるか。2つめ、料金と所要時間と支払い方法が、予約の前に文字で読めるか。3つめ、日本の電話番号を持たない人でも申し込みを完了できるか。4つめ、予約を受け付けたことを伝えるメールが自動で出るか。5つめ、来店の前日にお知らせが自動で出るか。6つめ、お客さま自身で予約を取り消せるか。7つめ、来店した人の連絡先が自分の手元に残るか。
7つのうち、電話と紙の台帳で運用している店が引っかかるのは、だいたい1つめ、3つめ、4つめ、5つめ、6つめの5つです。逆に言えば、予約の入口をウェブの形にするだけで、5つが同時に片付きます。外国語の対応というと大きな工事のように見えますが、実際に足りていないのは翻訳の量ではなく、自動で動く工程の数です。
業種ごとの受け付けの形は、実際の画面を見たほうが早く決まります。予約ページと店側の管理画面の両方を、ログインなしで触れるデモを見るから、自分の業態に近いものを開いてみてください。枠の作り方、メニューの並べ方、自動で出るメールの文面が、そのまま点検の材料になります。導入の手順や乗り換えのときのデータの移し方はよくある質問にまとまっており、いまの運用を続けながら並行で準備できるかどうかもそこで確かめられます。他社の予約システムと条件を並べて選びたい場合は、公開されている料金ページの内容を揃えて比べた他社との比較が判断の材料になります。
インバウンド集客を「外国語を話せるようになること」と定義すると、いつまでも始められません。「予約の申し込みを、言葉と時差と電話に頼らず受け取れるようにすること」と定義し直すと、今週のうちに1歩進められます。集客の施策を足す前に、受け皿の7項目を埋めるほうが、取りこぼしは早く減ります。
Q1. インバウンド集客は何から始めるのが効率的ですか?
予約の受け方の整備からです。広告や多言語のチラシより先に、料金・所要時間・集合場所・持ち物・支払い方法・取り消し期限の6項目を予約ページで読める形にし、深夜でも申し込みを受け付けられるようにします。見つけてもらう施策は、受け皿ができてから足したほうが取りこぼしが減ります。
Q2. 英語が話せなくてもインバウンドのお客さまを受けられますか?
受けられます。店頭の会話は身ぶりと翻訳アプリでかなり通じますが、予約の申し込みは文字でしか成立しません。先に整えるのは会話ではなく、読んで判断する部分の文字です。短い文と数字で条件を並べておけば、機械翻訳を通しても意味が崩れにくくなります。
Q3. 現金しか使えない店でもインバウンド集客はできますか?
できます。ただし「現金のみ」であることを予約ページに明記してください。書いてあれば現金を用意して来る人もいますが、書いていないと支払いの段で断ることになり、口コミに残ります。事前決済は必要な業態だけ後から足す順番で問題ありません。
Q4. 外国からの無断キャンセルを減らす方法はありますか?
予約の取り消しをお客さま自身が操作できる形にし、来店の前日にお知らせを自動で送ることです。店へ連絡しないと取り消せない運用では、時差のある相手に連絡を期待するのは無理があります。取り消しの操作を開くと、空いた枠が早く戻り、次の予約に回せます。