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自動音声応答とは|小さな店が入れる前に押さえること

2026年10月5日・Rizaflow編集部

自動音声応答を調べ始めた人の多くは、電話が鳴りすぎて手が止まる状況をどうにかしたいと考えています。ただし調べ始めると、コールセンター向けの大がかりな解説と、月額数千円のクラウドのサービスが同じ言葉で並んでいて、自分の店に合うのがどちらなのか分からなくなります。この記事では、自動音声応答の仕組みと種類、費用の相場、メリットとデメリットを整理したうえで、小さな店が入れる前に決めておくべきことを順に押さえます。結論を先に置くと、判断の順番は「電話を自動で受ける」より「電話をかけずに済む道を作る」が先で、この順番を逆にすると費用をかけたのに電話が減らない結果になります。

自動音声応答とは何か

自動音声応答は、かかってきた電話にあらかじめ録音した音声で応答し、かけた人の操作に応じて処理を分ける仕組みです。英語の頭文字からIVRと呼ばれます。銀行や通販の窓口にかけたときに流れる「ご予約の方は1を、その他のお問い合わせは2を押してください」という案内が、もっとも身近な形です。

構成する部品は3つです。1つめは音声のガイダンスで、あらかじめ録音した案内を流します。2つめは入力の受け取りで、かけた人が押したボタンの番号を受け取ります。3つめは分岐の処理で、押された番号に応じて別の音声を流したり、担当の電話に転送したり、メッセージを録音したりします。この3つを組み合わせて、店が意図した順路にかけた人を案内します。

かつては電話交換機の設備を店に置く形が主流でしたが、いまはインターネット経由で使うクラウドのサービスが中心です。店の側で用意するのは、案内の文面と分岐の設計だけになりました。設備を置かないため初期費用が下がり、小さな店でも手が届く価格帯のサービスが出てきています。

自動音声応答が扱えるのは、あらかじめ想定できる用件です。営業時間の案内、場所の案内、予約の受付窓口への振り分け、担当者への転送、営業電話の遮断。これらは番号の分岐で処理できます。一方で、想定していない相談や、その場で判断が必要な内容は扱えません。ここを人が受ける設計にしておかないと、かけた人が行き場を失います。何を自動で受け、何を人が受けるかを先に分けることが、設計の中心にあたる作業です。

自動音声応答の3つの種類

自動音声応答は、置き場所と応答の仕方で3つに分かれます。使う目的が違うので、名前だけで選ばないようにします。

1つめは、店や会社に設備を置く形です。電話交換機に機能を組み込むやり方で、回線の本数が多い拠点や、外部に通話の内容を出せない業種で使われます。設備の費用と保守が必要で、初期費用が高くなります。小さな店が選ぶ理由はほとんどありません。

2つめは、クラウドで使う形です。サービス提供者が用意した仕組みをインターネット経由で使い、店は管理画面から案内の文面と分岐を設定します。初期費用が無料のサービスもあり、月額も数千円から始まる価格帯があります。小さな店が検討するのは、ほぼこの形です。

3つめは、音声の認識を使う形です。番号を押させるのではなく、かけた人が話した内容を機械が聞き取って処理します。ボイスボットという呼び方をされることもあります。ボタンを押す手間がなく、用件を話すだけで済むため、かけた人の負担は軽くなります。一方で聞き取りの精度に幅があり、騒がしい場所からの通話や、方言や早口では取り違えが起きます。取り違えたときに人へ繋ぐ道を用意しておかないと、かけた人が同じ案内を何度も聞くことになります。

3つの使い分けは単純です。回線が多く外部に通話を出せない拠点は1つめ、それ以外の店は2つめが出発点、ボタンの操作そのものが負担になる客層を抱えている場合に3つめを足します。番号を押す形の弱点は公開資料でも指摘されています。

IVRは便利なサービスですが、顧客に電話機のボタン操作を要求し、回答までに時間がかかるケースもあります。このデメリットはボイスボット(AI自動音声応答システム)と併用することで解消でき、顧客満足度のさらなる向上へとつなげられるのです。 出典: ntt.com

併用という言葉が示すとおり、どちらか一方に決める必要はありません。ただし最初から両方を入れると設計が複雑になり、運用に乗る前に手が止まります。番号の分岐から始めて、詰まった箇所に音声の認識を足す順番が現実的です。

何ができて、何ができないか

自動音声応答で処理できることを具体的に並べると、判断が早くなります。

処理できるものの1つめは、営業時間外の案内です。閉店後と定休日にかかってきた電話に、営業時間と予約の方法を伝える音声を流します。留守番電話との違いは、案内を聞かせたあとに次の行き先を選ばせられる点です。予約の受付ページの案内を音声で伝え、希望する人にはメッセージを残してもらう形が作れます。

2つめは、用件による振り分けです。予約と問い合わせと採用の連絡を、それぞれ別の担当に繋ぎます。1つの番号しか公開していない店では、全部の電話が同じ場所に鳴ります。振り分けを入れると、いま出るべき電話かどうかが鳴った時点で分かります。

3つめは、営業電話の遮断です。番号を押させる仕組みは、機械が自動でかける営業電話をふるい落とす効果があります。押す操作を求められた時点で切れる通話が一定数あり、その分だけ手が止まる回数が減ります。

4つめは、混雑時の待ち行列の案内です。順番に繋ぐ旨を音声で伝えるだけで、切られる通話が減ります。何も流れないまま待たされると、かけた人は繋がっていないと判断します。

一方で処理できないものもあります。想定していない相談、金額の交渉、苦情の一次対応、判断が必要な変更の依頼。これらは人が受ける前提で設計します。よくある失敗は、分岐を細かく作り込んで人に繋がる道を残さない形です。かけた人が人と話したいときに何を押せばよいか分からない状態は、電話を減らす代わりに評価を落とします。「そのほかのご用件の方は9を」のような逃げ道を必ず1つ残します。

数字の効果としては、案内とメッセージの併用で電話の業務が大きく減った例が報告されています。

導入した医療機関では、ワクチン問い合わせが集中する時期に音声ガイダンスやSMSで周知を行い、電話業務の約40%減を実現。ピーク時の入電を分散できる点も大きな効果です。 出典: aspicjapan.org

この例が示しているのは、自動音声応答が単独で効いたのではなく、周知の手段と組み合わせた結果だという点です。案内の音声だけを入れても、かけた人の行き先が用意されていなければ、同じ人が翌日にまたかけてきます。

費用の相場と、発生する費用の種類

費用は幅が広く、自分の規模に合う価格帯を先に決めておかないと比較が進みません。

公開資料での整理では、初期費用が無料から数十万円、月額が数千円から10万円を超える範囲に分かれます。シンプルなプランは初期費用が無料で、案内の設計や初期の設定を依頼する場合は20万円から、という目安が示されています。月額は小規模の利用で数千円から1万円台、中規模で1万円から5万円程度、コールセンター規模で数万円から10万円超という区分です。

実際のサービスの金額を見ると、幅の中身が分かります。クラウドで小さく始められるサービスでは、月額が数千円台から始まります。コールナビゲーターの場合、シンプルプランが月額2,480円(税込2,728円)、ライトプランが月額3,980円(税込4,378円)、スタンダードプランが月額6,980円(税込7,678円)で、予約の機能を含むプランが月額5,480円からとなっています。電話番号の発行と維持の費用は無料、録音の料金も無料とされており、7日間の無料の試用期間と、契約期間の縛りがない点が公開されています(2026年9月時点)。

別のサービスでは無料から始められる形もあります。IVRyの場合、フリープランが月額0円で月に30件の着信まで、スターターが月額3,980円から、スタンダードが月額6,480円から、アドバンスが月額10,480円からで、いずれも税抜の金額です。電話番号の維持の費用と、通話量に応じた費用は別に発生するとされています(2026年9月時点)。

月額のほかに発生する費用の種類は4つあります。1つめは電話番号の維持の費用で、050番号のような新しい番号を発行する場合にかかることがあります。2つめは着信と転送の通話料で、通話の時間に応じて増えます。3つめはメッセージの送信の費用で、SMSで案内を送る機能を使う場合に1通ごとにかかります。4つめは案内の設計を依頼する場合の初期の費用です。

無料で始められるプランを選ぶときは、月額ではなく上限を見ます。着信の件数に上限があるプランでは、上限を超えた月に費用が発生するか、超えた分の着信が繋がらなくなります。月に30件までという上限は、1日1件の着信で足りる店なら十分ですが、予約の電話が1日3件ある店では10日で使い切ります。上限に当たってから慌てて切り替えると、切り替えの間に案内が止まります。1週間の着信を数えて4倍したものを、上限と並べてから選びます。

見積もりを取るときは、月額だけを比べないことです。1か月の着信が100件ある店なら、転送の通話料が月額を上回る場合があります。着信の件数と平均の通話時間を1週間だけ数えて、それをもとに計算すると実際の金額に近づきます。金額は変わるので、契約の前に各社の料金ページで今の値を確かめます。

入れる前に決めておく4つのこと

設計を始める前に決めておくと、作業が1回で終わります。

1つめは、いま何の電話が何件来ているかです。直近の1週間で、予約の電話、問い合わせの電話、営業の電話、間違い電話の件数を数えます。数えないまま分岐を作ると、実際には来ない用件のために番号を用意することになります。分岐は少ないほど、かけた人が迷いません。

2つめは、分岐の数です。最初の案内で選ばせる番号は3つまでにします。4つ以上並べると、最初の番号を聞いている間に後ろの番号を忘れます。押す前に案内を聞き直す人が増え、通話の時間が伸びます。通話の時間が伸びると転送の費用も増えます。

3つめは、人に繋ぐ道です。どの番号を押しても人に繋がらない設計は避けます。逃げ道を1つ残し、そこに繋がったときに誰が出るかを決めておきます。出られない時間帯は、メッセージを残してもらう形にして、折り返しの時刻を音声で伝えます。「翌営業日の午前中に折り返します」のように具体的な時刻を伝えると、待つ側が安心します。

4つめは、案内の文面です。音声で読み上げる文面は、目で読む文章より短くします。1文は20字前後で切り、番号は用件の名前を言ってから伝えます。「ご予約の方は1を」の順番のほうが、「1番はご予約です」より聞き取りやすいです。文面は書いたあと、声に出して読んでみます。読みにくい箇所は聞き取りにくい箇所です。

この4つが決まっていれば、設定の作業は1時間ほどで終わります。決めずに管理画面を開くと、設定の途中で文面を考え始めることになり、半端な状態で保存して運用に入ってしまいます。

メリットとデメリットを並べる

判断のために、両側を並べます。

メリットの1つめは、営業時間外に取りこぼしていた電話に応答できることです。自動の音声なので24時間365日動き、平日の日中に電話をかけられない人にも案内が届きます。2つめは、手が止まる回数が減ることです。施術中や調理中に鳴った電話を取らずに済み、目の前のお客さまに集中できます。3つめは、営業電話が減ることです。番号を押す操作を求めるだけで、機械がかける電話の一部が落ちます。4つめは、用件が分かった状態で出られることです。押された番号で用件が分かるため、折り返しの優先順位を付けられます。

デメリットの1つめは、かけた人に操作を求めることです。番号を押す操作そのものが負担になる客層では、評価が下がります。年配のお客さまが多い業態では、案内を短くして分岐を減らす配慮が要ります。2つめは、用件にたどり着くまでの時間が伸びることです。急いでいる人には、案内を聞く時間が長く感じられます。3つめは、費用が毎月かかることです。月額と通話の費用が積み上がります。4つめは、設計を間違えると電話が減らないことです。分岐の先に行き先がない設計では、かけた人が翌日にまたかけてきます。

デメリットのうち4つめが、実際にもっとも起きやすい形です。電話が鳴る理由の大半が予約の申し込みである店では、予約を受ける仕組みそのものを用意しないと電話は減りません。案内の音声で「予約はホームページから」と伝えても、そのホームページに予約のページがなければ、かけた人は電話に戻ります。自動音声応答を入れる前に、予約を受ける入口があるかどうかを確かめます。受付から来店までの工程がどこまで自動で回るかは、できることのように機能が並んだページと、いま手作業になっている工程を突き合わせると見当がつきます。

案内の文面をどう書くか

文面の出来で、効果がはっきり変わります。同じ分岐でも、読み上げる言葉が違うだけで押される番号が入れ替わります。

書き方の基本は3つです。1つめは、最初の5秒で店の名前を言うことです。かけた人はまず「繋がった先が合っているか」を確かめています。店名が出るまでに10秒かかる案内は、その間に切られます。2つめは、用件の名前を先に言い、番号を後に言うことです。3つめは、1文を短く切ることです。目で読む文章の長さで書くと、耳では追えません。

営業時間内の案内の例を挙げます。「〇〇店です。ご予約とご変更は1、店舗の場所と営業時間のご案内は2、そのほかのご用件は3を押してください」。これで15秒ほどです。分岐が3つで、最後に逃げ道があります。

営業時間外の案内は、伝える内容が変わります。「〇〇店です。本日の営業は終了しました。ご予約はホームページから24時間承っております。予約ページのご案内をショートメッセージでお送りする場合は1、メッセージを残される場合は2を押してください。お急ぎの場合は翌営業日の午前中に折り返します」。ここで大事なのは、折り返しの時刻を具体的に伝えることです。「後日ご連絡します」では待つ側が予定を立てられず、別の店にかけ直します。

読み上げる声は、合成の音声でも人の声でも構いません。合成の音声は文面の修正がその場で反映でき、季節の案内を入れ替えるときに手間がかかりません。人の声は店の雰囲気が伝わりますが、修正のたびに録り直しが必要です。文面を頻繁に変える予定があるなら合成の音声のほうが運用に乗ります。

文面を書いたら、必ず声に出して読み上げて時間を計ります。20秒を超える案内は、切られる割合が上がります。超えた場合は、説明の言葉を落として用件の名前だけにします。丁寧さを足すために言葉を増やすと、聞いている側には長さとして届きます。

業種ごとに向く分岐の型

分岐の設計は業種で型が変わります。自店に近いところから始めると、作り直しが減ります。

美容室とネイルサロンでは、予約の変更とキャンセルの受付が電話の大半です。施術中は取れないため、1番に「ご予約の変更とキャンセル」を置き、そこでメッセージを残してもらう形が実用的です。新規の予約は予約のページに送ります。当日のキャンセルは連絡が遅れると枠が空くので、メッセージの通知をすぐ受け取れる設定にしておきます。

整体院と治療院では、初回の相談が多く入ります。症状を説明したい人は番号を押して人に繋がる道を求めるため、逃げ道を1番の近くに置きます。予約の変更はメッセージで受け、新規の相談は営業時間内に人が出る設計にすると、取りこぼしが少なくなります。

飲食店では、当日の人数の変更と席の問い合わせが集中します。営業に入っている時間は取れないので、人数の変更をメッセージで受ける番号を用意します。予約そのものは予約のページで受け、電話は変更の窓口として残すと、営業中に手が止まる回数が減ります。

スクールと教室では、体験の申し込みと日程の問い合わせが多く入ります。日程は音声で案内できる内容なので、2番に「開催日のご案内」を置いて録音で流します。この1つで問い合わせが減ります。申し込みは申し込みのページに送ります。

クリニックと調剤の窓口では、時期によって同じ質問が集中します。予防接種や健康診断の時期は、その案内だけを最初の音声に足しておくと入電が分散します。時期が過ぎたら外します。この入れ替えを月に1回行う運用にすると、常に効く案内が先頭に来ます。

設計でよくある失敗

実際に使い始めてから後悔する形が、いくつか決まっています。先に知っておくと避けられます。

1つめは、分岐を作り込みすぎる失敗です。最初の案内で5つ並べ、押した先でさらに3つ並べる構造にすると、目的にたどり着くまで30秒以上かかります。かけた人は途中で切ります。分岐は最初の1段で3つ、2段目は作らないところから始めます。

2つめは、人に繋がる道を消す失敗です。全部を自動で処理しようとして、押しても人が出ない設計にしてしまう形です。判断が必要な用件を抱えた人が行き場を失い、店の評価に跳ね返ります。

3つめは、行き先のない案内を流す失敗です。「ご予約はホームページから」と言いながら、そのホームページに予約のページがない状態です。かけた人は電話に戻り、電話の件数は減りません。案内で触れる行き先は、必ず実際に予約が確定できる画面にします。

4つめは、営業時間の設定を放置する失敗です。定休日や臨時の休みの設定を入れ忘れると、閉まっている日に営業時間内の案内が流れます。かけた人は「開いている」と判断して来店します。休みの設定を週の初めにまとめて入れる習慣にすると、忘れる回数が減ります。

5つめは、録音したメッセージを確認しない失敗です。メッセージを預かる設計にしたのに、その通知を誰も見ていない状態です。預かったまま3日経った予約の変更は、無断キャンセルとして数えられます。通知の受け取り先を、必ず営業時間中に見る場所に設定します。

6つめは、入れたあとに数字を見ない失敗です。効いたかどうかを確かめないと、次に直す場所が分かりません。着信の件数と押された番号の内訳は、管理画面から出せます。月に1回見る予定を決めておきます。

電話を自動化する前に、予約の入口を見直す

電話が鳴る理由を分けると、自動音声応答が効く店と、効かない店が分かれます。

鳴る理由の内訳を1週間数えて、予約の申し込みが半分を超えているなら、先に手を入れるべきは予約の入口です。予約のページがあって空き枠が見えてその場で確定できる状態を作ると、電話の本数そのものが減ります。減ったあとに残った電話に対して自動音声応答を入れると、費用に見合う効果が出ます。順番を逆にすると、電話の件数は変わらないまま、案内を聞く時間だけが足されます。

一方で、予約以外の用件が多い店では自動音声応答が先に効きます。場所の問い合わせ、営業時間の確認、担当者への取次ぎ、採用の連絡。これらは予約のページでは受けられず、音声の案内と振り分けのほうが向いています。

両方が多い店は、両方を入れます。この場合の順番は、予約のページを作る、音声の案内で予約のページを案内する、残りの用件を番号で振り分ける、という3段です。音声の案内の中で予約のページに触れるときは、URLを読み上げるのではなく、SMSで送る機能を使うほうが着きます。URLを耳で聞いて正しく打てる人はほとんどいません。

判断の基準として置きたいのは、こぼれている金額です。客単価が6,000円の店で、取りこぼしが週に3件あるなら1か月で72,000円の機会が消えています。自動音声応答の月額と予約を受ける仕組みの月額を、この金額と並べます。機能の多さで比べるのではなく、こぼれている額と並べると判断が早くなります。業態によって効く工程が違うため、業種ごとの使い方のように業態別の受け方が並んだページで、自店に近い型を先に見ておくと選択が絞れます。

導入後に見る数字と、次に変えるところ

入れたあとに数えないと、効いたかどうかが分かりません。見るべき数字は4つです。

1つめは、着信の件数です。入れる前の1週間と、入れたあとの1週間を並べます。件数が変わらないのに手が空いた感覚があるなら、それは分岐で振り分けられた結果です。件数そのものが減っているなら、予約の入口が効いています。

2つめは、押された番号の内訳です。どの番号が多いかを見ると、案内の順番を入れ替える判断ができます。3番目に置いた用件が一番多いなら、1番に上げます。押される回数が月に数件しかない番号は、消して分岐を減らします。

3つめは、途中で切られた通話の数です。案内の途中で切られる通話が多いなら、案内が長すぎます。1文を短くし、分岐を減らします。最初の案内が20秒を超えると、切られる割合が上がります。

4つめは、予約が入った時刻の分布です。何時台に予約が入っているかを1か月分並べると、営業時間と重なっているかが分かります。21時から24時に集中しているなら、その時間に電話を取れる店はありません。この分布が、電話だけで受けていた期間に何が起きていたかの答えになります。

4つの数字が揃うと、直す場所が1か所に絞れます。1つめが減らないなら予約の入口、2つめが偏っているなら案内の順番、3つめが多いなら案内の長さ、4つめが夜に偏っているなら受付時間の設計です。

比べるときは1週間だけを切り取らないことです。着信の件数は曜日と天候で動き、連休の前後では大きく振れます。4週間をひとまとめにして前の4週間と比べると、施策の効果だけが残ります。

費用の見直しも定期的に行います。着信の件数が増えると、転送の通話料が月額を上回ることがあります。半年ごとに明細を見て、プランを上げたほうが安く済む地点に来ていないかを確かめます。予約の受付と来店までの連絡を同じ仕組みでまとめられる場合は、決済が必須でない業態に合わせて、予約の受付から次の来店までを一続きにしている形を選ぶと、電話の自動化とは別に手作業が減ります。プランごとの上限と条件は料金のように件数とスタッフ数まで書かれたページで確かめ、同じ条件で並べたいときは他社との比較を使うと、必要な機能が全部入る最小の組み合わせが見つかります。運用の途中で出てくる細かい疑問はよくある質問に集まっているので、設定の前に一度読んでおくと止まる時間が短くなります。

Q1. 自動音声応答と留守番電話は何が違いますか?

留守番電話は不在を伝えてメッセージを預かるだけですが、自動音声応答は案内を聞かせたあとに、かけた人に行き先を選ばせられます。予約の受付ページの案内、担当者への転送、用件ごとの振り分けを1本の番号で処理できます。営業電話が減る効果も留守番電話にはありません。

Q2. 小さな店でも費用に見合いますか?

着信の件数と、いまこぼれている予約の金額で決まります。客単価6,000円の店で週に3件こぼしているなら1か月で72,000円の機会が消えており、月額数千円台のサービスなら見合います。ただし電話の大半が予約の申し込みなら、先に予約のページを作るほうが電話の本数そのものが減ります。

Q3. 月額以外にどんな費用がかかりますか?

主に4つです。電話番号の維持の費用、着信と転送の通話料、SMSで案内を送る場合の1通ごとの費用、案内の設計を依頼する場合の初期の費用です。着信が月に100件ある店では通話料が月額を上回ることもあるため、件数と平均の通話時間を1週間数えてから見積もると実際の金額に近づきます。

Q4. 分岐はいくつまで作るのが適切ですか?

最初の案内で選ばせる番号は3つまでが目安です。4つ以上並べると、最初の番号を聞いている間に後ろを忘れ、聞き直す人が増えて通話の時間が伸びます。そのうえで、どの番号でも人に繋がらない設計は避け、「そのほかのご用件」のような逃げ道を1つ必ず残してください。

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