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IVRで電話を自動応答にする|施術中に鳴らさない受け方

2026年10月5日・Rizaflow編集部

施術の途中で電話が鳴り、手を止めるか鳴らしたままにするかを毎日選んでいる状態は、どちらを選んでも損が出ます。IVRで電話を自動応答にすればこの選択がなくなると聞いて調べ始めた人が最初につまずくのは、コールセンター向けの大がかりな解説と、月額数千円のクラウドのサービスが同じ言葉で並んでいる点です。この記事では、小さな店の視点でIVRの中身と費用を整理し、向く用件と向かない用件、案内の文面の書き方、つまずきやすい設計を順に押さえます。結論を先に置くと、電話の内容の半分が予約の申し込みなら、先に手を入れるべきは予約の入口のほうです。

施術中に鳴る電話が、何を奪っているか

電話が鳴ったときに起きていることを、先に分けて見ます。

目の前のお客さまを施術している最中に電話を取ると、手が止まります。美容室であれば薬剤を塗っている途中で離れることになり、整体院であれば施術の流れが切れます。飲食店であれば火の前を離れます。取った側の損は時間だけではなく、目の前の人に対する印象も含みます。「自分の時間より電話が優先される店」という印象は、口には出されないまま評価に残ります。

取らない場合は、かけた人が失われます。電話をかけた人は、繋がらなければ別の店を探します。折り返しても繋がらないことが多く、折り返しの電話に出られなかった人は、もう戻ってきません。店の側には「今日は問い合わせが少なかった」という記憶だけが残り、鳴らなかった理由は残りません。

この2つの損は、どちらも数えられます。1週間の不在着信の数、折り返して繋がった数、施術中に取った回数。3つを数えると、いま何が起きているかが金額で出ます。客単価が6,000円の店で取りこぼしが週に3件なら、1か月で72,000円の機会が消えています。

数えたあとに考えるのは、電話に出る回数を増やす方向ではなく、出なくても済む道を作る方向です。営業時間外に転送を自分の携帯に繋ぐと、閉店後も休みの日も鳴り続けます。取りこぼしは減っても休む時間が削られ、数週間でやめる人が多いのはこの負担が理由です。人が出ずに受け付けられる形を作ることと、人が出る時間を伸ばすことは、まったく別の話です。

IVRが電話に対して何をするか

IVRは、かかってきた電話にあらかじめ録音した音声で応答し、かけた人が押した番号に応じて処理を分ける仕組みです。案内を流す、番号を受け取る、行き先を分ける、という3つの動作を組み合わせます。

小さな店で使う形は、だいたい4つに収まります。

1つめは、営業時間外の案内です。閉店後と定休日に、営業時間と予約の方法を伝えます。留守番電話との違いは、案内を聞かせたあとに次の行き先を選ばせられる点です。予約のページの案内をショートメッセージで送る、メッセージを残してもらう、といった分岐が作れます。

2つめは、営業時間内の振り分けです。予約の変更とキャンセル、場所と営業時間の問い合わせ、そのほかの用件を番号で分けます。施術中に取れない用件はメッセージで預かり、すぐ出るべき用件だけ鳴らす形にできます。

3つめは、営業電話の遮断です。番号を押す操作を求めるだけで、機械が自動でかける営業電話の一部が落ちます。押す前に切れる通話の分だけ、手が止まる回数が減ります。

4つめは、混雑時の案内です。順番に繋ぐ旨を音声で伝えると、何も流れないまま待たされて切られる通話が減ります。かけた側は、呼び出し音が10回を超えたあたりで繋がらないと判断します。音声が流れていれば、その判断が遅れます。

この4つのうち、小さな店で先に効くのは1つめと2つめです。3つめは副産物として付いてきて、4つめは同時に複数の電話が鳴る規模になってから意味を持ちます。全部の機能が揃ったプランを最初から選ぶ必要はありません。

24時間動く点が、小さな店にとって一番効きます。

自動音声を使ったシステムなので24時間365日対応でき、仕事や学校などがあって平日の営業時間中に電話をかけられない顧客にとっては、大きなメリットになります。 出典: ntt.com

かけられない時間に案内が届くようになると、翌日にかけ直す必要が消えます。かけ直しは高い確率で起きません。夜に立ち上がった気持ちは、翌朝には冷めています。

費用の相場と、実際の金額

金額の幅が広いので、自分の規模に合う価格帯を先に決めておかないと比較が進みません。

公開資料での整理では、初期費用が無料から数十万円、月額が数千円から10万円を超える範囲に分かれます。シンプルなプランは初期費用が無料で、案内の設計や初期の設定を依頼する場合は20万円から、という目安が示されています。月額は小規模の利用で数千円から1万円台、中規模で1万円から5万円程度、コールセンター規模で数万円から10万円超という区分です。小さな店が見るのは、この中の一番下の帯です。

実際の金額を見ると、幅の中身が分かります。コールナビゲーターの場合、シンプルプランが月額2,480円(税込2,728円)、ライトプランが月額3,980円(税込4,378円)、スタンダードプランが月額6,980円(税込7,678円)で、予約の機能を含むプランが月額5,480円からとなっています。電話番号の発行と維持の費用は無料、録音の料金も無料とされており、7日間の無料の試用期間があり、契約期間の縛りがない点も公開されています(2026年9月時点)。

無料から始められる形もあります。IVRyの場合、フリープランが月額0円で月に30件の着信まで、スターターが月額3,980円から、スタンダードが月額6,480円から、アドバンスが月額10,480円からで、いずれも税抜の金額です。電話番号の維持の費用と通話量に応じた費用は別に発生するとされています(2026年9月時点)。金額は変わるので、契約の前に各社の料金ページで今の値を確かめます。

月額のほかに発生する費用は4つあります。1つめは電話番号の維持の費用で、新しい番号を発行する場合にかかることがあります。2つめは着信と転送の通話料で、通話の時間に応じて増えます。3つめはショートメッセージの送信の費用で、1通ごとにかかります。4つめは案内の設計を依頼する場合の初期の費用です。

無料のプランを選ぶときは、月額ではなく上限を見ます。月に30件までという上限は、1日1件の着信で足りる店なら十分ですが、予約の電話が1日3件ある店では10日で使い切ります。上限に当たってから慌てて切り替えると、切り替えの間に案内が止まります。1週間の着信を数えて4倍したものを、上限と並べてから選びます。

見積もりを取るときは、月額だけを比べないことです。1か月の着信が100件ある店なら、転送の通話料が月額を上回る場合があります。着信の件数と平均の通話時間を1週間数えて、それをもとに計算すると実際の金額に近づきます。

向く用件と、向かない用件

IVRが処理できるのは、あらかじめ想定できる用件だけです。ここを分けておかないと、設計したあとに行き場のない電話が残ります。

向くのは4種類です。営業時間と場所の問い合わせ、予約の変更とキャンセルの連絡、担当者への取次ぎ、採用や取引の連絡。どれも用件の名前が決まっていて、番号で分けられます。営業時間と場所は録音した音声を流すだけで完結するため、人が出る必要がありません。この2つを自動にするだけで、着信のうち一定数が人に回らなくなります。

向かないのは4種類です。想定していない相談、金額の交渉、苦情の一次対応、判断が必要な変更の依頼。これらは人が受ける前提で設計します。よくある失敗は、分岐を細かく作り込んで人に繋がる道を残さない形です。かけた人が人と話したいときに何を押せばよいか分からない状態は、電話を減らす代わりに評価を落とします。「そのほかのご用件の方は9を」のような逃げ道を必ず1つ残します。

判断が難しいのが、新規の予約です。メニューと所要時間が決まっている業態なら、予約のページに送って完結します。持ち込みの相談や施術の内容の相談が毎回入る業態では、人が受けたほうが確実です。この場合も、相談が要らない定番のメニューだけは予約のページから受けられるようにしておくと、電話の総量が減ります。

用件を分けたあとに確かめるのは、それぞれの行き先が実際に用意されているかどうかです。「ご予約はホームページから」と案内しながら、そのホームページに予約のページがない状態では、かけた人は電話に戻ります。案内で触れる行き先は、必ず予約が確定できる画面にします。受付から来店までのどこまでが自動で回るかは、できることのように機能が並んだページと、いま手作業になっている工程を突き合わせると見当がつきます。

案内の文面をどう書くか

文面の出来で効果が変わります。同じ分岐でも、読み上げる言葉が違うだけで押される番号が入れ替わります。

基本は3つです。1つめは、最初の5秒で店の名前を言うことです。かけた人はまず繋がった先が合っているかを確かめています。店名が出るまでに10秒かかる案内は、その間に切られます。2つめは、用件の名前を先に言い、番号を後に言うことです。「ご予約の変更は1を」の順番のほうが、「1番はご予約の変更です」より聞き取りやすいです。3つめは、1文を短く切ることです。目で読む文章の長さで書くと、耳では追えません。

営業時間内の案内の例を挙げます。「〇〇店です。ご予約の変更とキャンセルは1、営業時間と場所のご案内は2、そのほかのご用件は3を押してください」。これで15秒ほどです。分岐が3つで、最後に逃げ道があります。

営業時間外の案内は、伝える内容が変わります。「〇〇店です。本日の営業は終了しました。ご予約は24時間承っております。予約ページのご案内をショートメッセージでお送りする場合は1、メッセージを残される場合は2を押してください。お急ぎの場合は翌営業日の午前中に折り返します」。折り返しの時刻を具体的に伝えるのが要点です。「後日ご連絡します」では待つ側が予定を立てられず、別の店にかけ直します。

予約のページを案内するときは、URLを読み上げるのではなくショートメッセージで送ります。URLを耳で聞いて正しく打てる人はほとんどいません。ショートメッセージの機能があるサービスを選ぶ理由の大半がここにあります。

読み上げる声は、合成の音声でも人の声でも構いません。合成の音声は文面の修正がその場で反映でき、季節の案内を入れ替えるときに手間がかかりません。人の声は店の雰囲気が伝わりますが、修正のたびに録り直しが必要です。文面を頻繁に変える予定があるなら合成の音声が運用に乗ります。

文面を書いたら、声に出して読んで時間を計ります。20秒を超える案内は切られる割合が上がります。超えた場合は、説明の言葉を落として用件の名前だけにします。丁寧さを足すために言葉を増やすと、聞いている側には長さとして届きます。

つまずきやすい設計

使い始めてから後悔する形が、いくつか決まっています。

1つめは、分岐を作り込みすぎる形です。最初の案内で5つ並べ、押した先でさらに3つ並べる構造にすると、目的にたどり着くまで30秒以上かかります。分岐は最初の1段で3つ、2段目は作らないところから始めます。

2つめは、人に繋がる道を消す形です。全部を自動で処理しようとして、押しても人が出ない設計にしてしまう形です。判断が必要な用件を抱えた人が行き場を失います。

3つめは、営業時間の設定を放置する形です。定休日や臨時の休みを入れ忘れると、閉まっている日に営業時間内の案内が流れます。かけた人は開いていると判断して来店します。休みの設定を週の初めにまとめて入れる習慣にすると、忘れる回数が減ります。

4つめは、預かったメッセージを確認しない形です。メッセージを受ける設計にしたのに、その通知を誰も見ていない状態です。預かったまま3日経った予約の変更は、無断キャンセルとして数えられます。通知の受け取り先は、必ず営業時間中に見る場所に設定します。

5つめは、番号を分けたのに折り返しの担当を決めていない形です。用件ごとに分けても、誰が折り返すかが決まっていないと、預かったメッセージが放置されます。用件ごとに担当を1人決めて、紙1枚に書いて受付に置きます。

6つめは、入れたあとに数字を見ない形です。着信の件数と押された番号の内訳は管理画面から出せます。月に1回見る予定を決めておかないと、効いたかどうかが分からないまま月額が出ていきます。

7つめは、店の名前を言わずに案内を始める形です。用件の分岐から先に読み上げると、かけた人は繋がった先が合っているか確かめられません。番号を押し間違えたと思って切る人が出ます。名前は必ず最初に置きます。

8つめは、季節の案内を入れたまま放置する形です。年末年始や連休の案内を先頭に足したあと、期間が過ぎても外し忘れると、通年で古い案内が流れます。期間限定の案内を入れるときは、外す日をその場で予定に入れておきます。

業種ごとに向く分岐の型

分岐の設計は業種で型が変わります。自店に近いところから始めると作り直しが減ります。

美容室とネイルサロンでは、予約の変更とキャンセルの連絡が電話の大半です。施術中は取れないため、1番に「ご予約の変更とキャンセル」を置き、メッセージを預かる形が実用的です。新規の予約は予約のページに送ります。当日のキャンセルは連絡が遅れると枠が空くので、メッセージの通知をすぐ受け取れる設定にします。指名で担当が決まっている店では、担当ごとに番号を分けるより、預かったメッセージを1か所で見て割り振るほうが運用が楽です。

整体院と治療院では、初回の相談が多く入ります。症状を説明したい人は人に繋がる道を求めるため、逃げ道を早い位置に置きます。予約の変更はメッセージで受け、新規の相談は営業時間内に人が出る設計にすると取りこぼしが少なくなります。初回の所要時間と料金は音声で案内できる内容なので、2番に置いて録音で流すと、同じ質問の電話が減ります。

飲食店では、当日の人数の変更と席の問い合わせが集中します。営業に入っている時間は取れないので、人数の変更をメッセージで受ける番号を用意します。予約そのものは予約のページで受け、電話は変更の窓口として残すと、営業中に手が止まる回数が減ります。ランチとディナーで受け方が変わる店は、時間帯によって流す案内を切り替えます。

スクールと教室では、体験の申し込みと日程の問い合わせが多く入ります。日程は音声で案内できるため、2番に「開催日のご案内」を置いて録音で流します。この1つで問い合わせが減ります。申し込みは申し込みのページに送ります。

クリニックと調剤の窓口では、時期によって同じ質問が集中します。予防接種や健康診断の時期は、その案内だけを最初の音声に足しておくと入電が分散します。時期が過ぎたら外します。この入れ替えを月に1回行う運用にすると、常に効く案内が先頭に来ます。

電話の番号を新しくするか、いまの番号を使うか

契約の前に決めておくべき点が1つあります。いま公開している番号をそのまま使うか、新しい番号を発行してもらうかです。

新しい番号を発行する形は、契約したその日から試せます。050で始まる番号を発行するサービスが多く、発行と維持の費用が無料のサービスもあります。試用の期間に触って、運用に乗るかを確かめてから本番に移す手順が取れる点が利点です。弱点は、公開している番号を書き換える作業が発生することです。ホームページ、地図アプリの店舗情報、名刺、看板、チラシ。全部を書き換えるには時間がかかり、古い媒体に載った番号は残ります。

いまの番号をそのまま使う形は、書き換えの作業が要りません。実現の方法は2つあり、1つは電話会社の転送の機能でIVRの番号に流す形、もう1つは番号をそのまま移す形です。転送の形は設定が簡単ですが、転送の通話料が毎回かかります。番号を移す形は手続きに時間がかかり、移せない条件もあります。

小さな店で現実的な進め方は、まず新しい番号で試し、運用に乗ることを確かめてから、いまの番号を転送で流す形に切り替える順番です。この順番なら、試している間に本業の電話が止まりません。試さずに本番の番号を切り替えると、設定の不備がそのままお客さまに届きます。

どちらの形でも、切り替えた直後の1週間は自分の携帯からかけて確かめます。時間帯を変えて、営業時間内と営業時間外の両方でかけます。営業時間外の案内だけ設定を忘れている形が一番多い抜けです。

電話を自動化する前に、予約の入口を確かめる

IVRが効く店と効かない店を分けるのは、電話が鳴る理由の内訳です。

直近の1週間で、予約の申し込み、予約の変更、場所や営業時間の問い合わせ、営業電話、間違い電話の件数を数えます。予約の申し込みが半分を超えているなら、先に手を入れるべきは予約の入口です。空き枠が見えてその場で確定できる予約のページを作ると、電話の本数そのものが減ります。減ったあとに残った電話へIVRを入れると、費用に見合う効果が出ます。順番を逆にすると、件数は変わらないまま案内を聞く時間だけが足されます。

予約以外の用件が多い店では、IVRが先に効きます。場所の問い合わせ、営業時間の確認、担当者への取次ぎ、採用の連絡。これらは予約のページでは受けられず、音声の案内と振り分けのほうが向いています。

両方が多い店は、両方を入れます。この場合の順番は、予約のページを作る、音声の案内で予約のページをショートメッセージで送る、残りの用件を番号で振り分ける、という3段です。

案内と周知を組み合わせた効果は、実際の事例としても報告されています。

導入した医療機関では、ワクチン問い合わせが集中する時期に音声ガイダンスやSMSで周知を行い、電話業務の約40%減を実現。ピーク時の入電を分散できる点も大きな効果です。 出典: aspicjapan.org

この例が示しているのは、音声の案内だけでなく、送る手段と組み合わせた結果だという点です。案内を流すだけで行き先を用意しなければ、同じ人が翌日にまたかけてきます。業態ごとにどの工程が効くかは違うので、業種ごとの使い方のように業態別の受け方が並んだページで、自店に近い型を先に見ておくと選択が絞れます。

予約の受付と電話の自動化を、どう組み合わせるか

2つを別々に考えると費用が二重になります。組み合わせ方を先に決めておくと、契約する数が減ります。

型は3つあります。1つめは、予約の受付だけを入れる型です。電話の内容が予約の申し込みに寄っている店に向きます。予約のページを作り、営業時間外の案内は留守番電話で済ませます。費用が一番安く済み、作業も少ないです。

2つめは、IVRだけを入れる型です。予約以外の用件が多く、予約は対面と紹介で埋まる店に向きます。取次ぎと問い合わせの振り分けが主な目的になります。

3つめは、両方を入れる型です。予約の申し込みも問い合わせも多い店に向きます。この場合、IVRのサービス側に予約の機能が含まれるプランを選ぶか、予約の仕組み側で受けて電話は振り分けだけに使うかの2択になります。選ぶ基準は、予約のあとの連絡まで面倒を見られるかどうかです。予約を受け付ける機能だけがあっても、前日のお知らせと来店後の連絡が手作業なら、件数が増えた時点で漏れます。決済が必須でない業態に合わせて、予約の受付から次の来店までを一続きにしている形を選ぶと、受付の後半まで手作業が残りません。

型を決めたあとに費用を並べます。月額、着信と転送の通話料、ショートメッセージの1通ごとの費用、決済の手数料。この4つを合計して、こぼれている金額と比べます。プランごとの上限と条件は料金のように件数とスタッフ数まで書かれたページで確かめ、同じ条件で他の選択肢と並べたいときは他社との比較を使うと、必要な機能が全部入る最小の組み合わせが見つかります。

決済を必須にするかどうかも判断に入ります。前払いを必須にすると無断キャンセルは減りますが、手数料が毎回かかり、当日にメニューが変わる業態では清算が煩雑になります。美容室や整体院のように施術の内容が当日決まる業態では、決済を必須にしない設計のほうが現場に合います。

導入後に見る数字と、次に変えるところ

入れたあとに数えないと、次に直す場所が分かりません。見るべき数字は4つです。

1つめは、着信の件数です。入れる前の1週間と入れたあとの1週間を並べます。件数が変わらないのに手が空いた感覚があるなら、それは振り分けの結果です。件数そのものが減っているなら、予約の入口が効いています。

2つめは、押された番号の内訳です。3番目に置いた用件が一番多いなら、1番に上げます。押される回数が月に数件しかない番号は消して、分岐を減らします。

3つめは、途中で切られた通話の数です。案内の途中で切られる通話が多いなら、案内が長すぎます。1文を短くし、分岐を減らします。

4つめは、予約が入った時刻の分布です。1か月分を並べると、店の営業時間と重なっているかが分かります。21時から24時に集中しているなら、その時間に電話を取れる店はありません。この分布が、電話だけで受けていた期間に何が起きていたかの答えになります。

4つの数字が揃うと、直す場所が1か所に絞れます。1つめが減らないなら予約の入口、2つめが偏っているなら案内の順番、3つめが多いなら案内の長さ、4つめが夜に偏っているなら受付時間の設計です。

比べるときは1週間だけを切り取らないことです。着信の件数は曜日と天候で動き、連休の前後では大きく振れます。4週間をひとまとめにして前の4週間と比べると、施策の効果だけが残ります。

費用の見直しも半年ごとに行います。着信の件数が増えると転送の通話料が月額を上回ることがあり、プランを上げたほうが安く済む地点に来ている場合があります。運用の途中で出てくる細かい疑問はよくある質問に集まっているので、設定を始める前に一度読んでおくと止まる時間が短くなります。予約する側の画面がどう見えるかを先に確かめたいときはデモを見るを触ってから決めると、あとからの手戻りが減ります。

最後に順番の話をします。電話の受け方を変える工程は、着信の内訳を1週間数える、行き先を用意する、案内の文面を書く、分岐を3つで設定する、自分でかけて通して確かめる、という5段で終わります。1段目だけでも、いま何がこぼれているかが金額で見えます。

Q1. IVRを入れれば電話の件数は減りますか?

鳴る理由によります。電話の内容の半分が予約の申し込みなら、IVRだけでは件数は減りません。案内を聞く時間が足されるだけです。この場合は先に予約のページを作り、空き枠が見えてその場で確定できる状態にすると本数そのものが減ります。予約以外の問い合わせや取次ぎが多い店では、IVRが先に効きます。

Q2. 小さな店でも払える金額ですか?

クラウドで使うサービスには月額2,480円(税込2,728円)から始まるものがあり、無料のプランを持つサービスもあります。ただし月額のほかに電話番号の維持の費用、着信と転送の通話料、ショートメッセージの1通ごとの費用がかかります。着信が月に100件ある店では通話料が月額を上回ることもあるため、件数と平均の通話時間を1週間数えてから見積もってください。

Q3. 年配のお客さまが多い店でも使えますか?

案内を短くして分岐を3つ以内に絞れば使えます。番号を押す操作そのものが負担になる客層では、最初の案内で人に繋がる番号を早い位置に置いてください。「そのほかのご用件は3を」のような逃げ道を必ず残し、そこに繋がったときに誰が出るかも決めておくと、評価が下がる形を避けられます。

Q4. 予約のページの案内は、音声でURLを読み上げればよいですか?

読み上げても着きません。URLを耳で聞いて正しく打てる人はほとんどいないため、ショートメッセージで送る機能を使ってください。「予約ページのご案内をショートメッセージでお送りする場合は1を」のように番号で選ばせると、希望する人にだけ送れます。1通ごとに費用がかかるので、件数の見込みも合わせて確かめてください。

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