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学習塾の予約の受け方を決める|電話とネットのどちらに寄せるか
2026年10月5日・Rizaflow編集部

学習塾の予約の受け方を見直そうとすると、「電話をやめてネットにする」か「これまでどおり電話で受ける」かの二択で考えてしまいがちです。この二択では決まりません。学習塾の予約は中身が4種類に分かれていて、種類ごとに向いている受け方が違うからです。この記事では、4種類それぞれの性質を整理し、どれを電話に残してどれをネットに寄せるか、その判断の基準と切り替える順番を並べます。
学習塾の「予約」は4種類あり、まとめて決められない
まず、いま塾で受けている予約を種類で分けます。学習塾の予約は、次の4つに収まります。
・体験授業と入塾説明。まだ生徒になっていない人からの申し込み ・保護者面談。在籍生の保護者との個別の時間 ・振替授業。欠席した分を別の日に入れ直すもの ・講習の申し込み。春期、夏期、冬期にまとめて入るもの
この4つは、申し込む人が違い、件数の出方が違い、決めるべきことの数が違います。体験授業は月に数件から十数件で、相手は初めて連絡してくる人です。振替は月に数十件で、相手は塾のことを知っている生徒か保護者です。講習は年に3回、短期間に全員分が集中します。保護者面談は年に2回か3回、塾側から声をかけて日程を埋めます。
種類の違いを無視して「予約の受け方」を1つに決めると、どこかが必ず無理をします。全部を電話にすれば授業中に鳴り続け、全部をネットにすれば電話でしか連絡しない家庭が困ります。決めるのは1つの方針ではなく、4種類それぞれの受け皿です。
判断の基準は3つです。相手が塾のことを知っているか。決めることが多いか少ないか。件数が多いか少ないか。この3つで、どちらに寄せるかがほぼ決まります。以下の節で1種類ずつ見ていきます。
電話が向いている予約と、ネットが向いている予約
一般化しておくと、次のように分かれます。
電話が向いているのは、決めることが多く、相手の事情を聞きながら組み立てる予約です。保護者面談で進路の話をする前提の日程調整、退塾や休塾の相談、特別な事情がある生徒の受け入れ。これらは選択肢を画面に並べても決まりません。
ネットが向いているのは、決めることが少なく、件数が多く、時間帯が塾の営業時間と合わない予約です。体験授業の申し込み、振替の日程、講習のコマ選び。これらは空いている枠を見せて選ばせれば終わります。
判断に迷ったときの目安は、その予約を電話で受けたときの平均の通話時間です。3分以内で終わる用件はネットに寄せられます。10分を超える用件は、電話か対面で扱うべき中身が含まれています。
もう1つの目安は、電話を切った後に塾側で作業が残るかどうかです。受けた内容を台帳に書き写す、担当講師に伝える、カレンダーに書き込む。この作業が残る予約は、最初からネットで受けたほうが総手間が減ります。ネットから入れば、記録は入った時点で残っています。
受け方を決める前に、いまの入口を全部書き出す
受け方を変える前に、いまどこから予約が入っているかを全部書き出してください。多くの塾で、書き出すと想像より多くなります。
よくある入口は、塾の電話、塾のサイトの問い合わせフォーム、ポータルサイトの資料請求、教室長の個人の携帯電話、塾のメッセージアカウント、チラシに載せた番号、在籍生の保護者からの口頭の伝言、生徒が直接言ってくる、の8つです。
入口が多いこと自体は悪くありません。問題は、入口ごとに記録が残る場所が違うことです。電話は紙の台帳、フォームはメール、メッセージアカウントはアプリの中、口頭は誰かの記憶。この状態だと、今月の体験の申し込みが何件あったかを数えるだけで作業になります。
書き出したら、それぞれの入口から月に何件入っているかを数えます。数えると、実際にはほとんど使われていない入口が見つかります。使われていない入口は閉じるか、使われている入口に案内を集めるかを決めます。入口を減らすことは、受け方を決めることの半分です。
残す入口を決めるときは、「塾にとって楽か」ではなく「相手が使うか」で選んでください。塾にとってはメールが楽でも、保護者がメールを見ない層なら機能しません。いま実際に件数が入っている入口が、相手が使う入口です。
体験授業はネットに寄せる。判断の根拠は時間帯にある
4種類のうち、ネットに寄せる効果がいちばん大きいのが体験授業の申し込みです。理由は、保護者が塾を探す時間帯と、塾が電話を受けられる時間帯が重なっていないからです。
保護者が子どもの塾を調べるのは、子どもが寝た後の21時以降、休日の午前、通勤の電車の中です。塾が電話を受けられるのは、教室が開いていて手が空いている時間です。この2つが重なるのは、平日の夕方前後のわずかな時間だけです。
重なっていない時間に「明日電話しよう」と思った保護者のうち、実際に翌日電話する人は一部です。習い事や塾を調べる作業は、思い立った日にまとめて進みます。その日のうちに申し込める塾があれば、そこで話が進みます。
ネットに寄せると言っても、電話をやめる話ではありません。サイトに「体験授業のお申し込み」の入口を置き、その隣に電話番号と受付時間を書く形です。選べる状態にすると、多くの保護者は自分の都合のよい方法を選びます。
申し込みの画面に置く項目は少なくします。保護者の名前、連絡先、学年、希望する科目、希望日時の候補、通っている学校の6つで足ります。現在の成績、志望校、これまでの塾歴を最初に聞くと、答えに迷って離脱します。それは体験の場で聞けばよいことです。
希望日時は、空いている枠を見せて選ばせる形にします。自由記入にすると、塾が空いていない日を書かれ、調整の電話が発生します。電話を減らすために作った入口が電話を生むことになります。
保護者面談は、塾から枠を出して選ばせる形が合う
保護者面談は、体験授業とは逆の性質を持っています。相手は在籍生の保護者なので、新規の取りこぼしを心配する必要がありません。代わりに、全員分の日程を短い期間で埋める必要があります。
この性質に合うのは、塾が候補の枠をまとめて出し、保護者がその中から選ぶ形です。1人ずつ電話をかけて日程を聞いていくと、生徒80名の教室で80回の電話になります。1件5分でも、合計で7時間近くかかります。
枠を出して選ばせる形にすると、この7時間が消えます。塾がやるのは、面談に使える枠を並べて案内を出すことだけです。埋まった枠は自動で選べなくなるので、二重の予約が起きません。
注意したいのは、選ばれなかった保護者への声かけです。枠を出しただけで全員が選んでくれることはありません。期限を切って、期限までに選んでいない保護者には別途連絡します。ここを電話で拾う形にすると、電話の回数は80回から10回程度に減ります。
面談の中身が進路や成績の相談になる場合、日程の調整はネット、中身の話は対面という切り分けが自然です。日程を決めるために30分電話で話す必要はありません。
振替授業は、生徒の側で完結できるかで手間が変わる
振替は件数がいちばん多く、しかも内容が定型です。決めることは「いつの枠に入れるか」の1つだけで、選択肢は塾側で用意できます。ネットに寄せるのに最も向いています。
いま多くの塾で起きているのは、欠席の連絡を電話で受け、その場で振替の日程を相談し、決まらなければ後日また電話する、という流れです。1件につき電話が1回から2回発生します。月に30件あれば、月に30回から60回の電話です。
これを、欠席を伝える画面で振替の空き枠を選べる形にすると、塾側の作業は記録を見るだけになります。生徒の側も、塾が開いている時間を待たずに操作できます。深夜に熱が出たときも、翌朝の電話を待つ必要がありません。
ここで決めておく必要があるのが、振替のルールです。何日前までの連絡なら振替を認めるか、振替が使える期限はいつまでか、月に何回までか。ルールが曖昧なまま画面を作ると、例外の相談が電話で来ます。ルールを先に決めて画面に書いておけば、その範囲で自動的に処理されます。
もう1つ決めるのは、生徒本人の操作を認めるかどうかです。中学生以上なら本人が操作するほうが実態に合いますが、保護者に通知が届く形にしておかないと、保護者が知らないまま休んだことになります。学年で扱いを分けると迷いが消えます。
講習の申し込みは、枠と費用が同時に見える形にする
春期、夏期、冬期の講習は、年に3回だけ発生する予約です。件数が短期間に集中し、しかも決めることが多いという、他の3つとは違う性質を持っています。
決めることが多いのは、科目、コマ数、時間帯、日程が組み合わさるからです。紙の申込書を配ると、記入の途中で疑問が出て電話がかかってきます。「この科目とこの科目は同じ日に取れますか」「午前の枠はまだ空いていますか」「合計いくらになりますか」という質問が集中します。
この3つの質問は、どれも画面で解決できます。取れる枠だけが選べる状態にすれば1つ目と2つ目が消え、選んだコマ数から費用が計算されて出れば3つ目が消えます。講習の申し込みをネットに寄せる価値は、ここにあります。
一方で、講習は費用の総額が大きくなるので、保護者が相談したくなる場面でもあります。「予算の都合でコマ数を減らしたい」「兄弟で申し込むので割引があるか」という話は、画面では終わりません。申し込みの画面に相談の窓口を並べて置いてください。
締切を2段に分けるのも効きます。1回で締め切ると直前に集中します。第1次と第2次に分け、第1次で埋まった枠を第2次の案内から外しておくと、満席の枠への問い合わせも起きません。
入塾の契約は、予約の受け方とは別の話として扱う
ここで1つ、混ぜてはいけない話があります。体験授業の予約をネットで受けることと、入塾の契約をネットで完結させることは別の話です。
学習塾は、特定商取引法の「特定継続的役務提供」の対象として指定されている7つの役務の1つです。消費者庁の特定商取引法ガイドには、次のように記載されています。
長期・継続的な役務の提供と、これに対する高額の対価を約する取引のこと。現在、エステティック、美容医療、語学教室、家庭教師、学習塾、結婚相手紹介サービス、パソコン教室の7つの役務が対象とされています。 出典: no-trouble.caa.go.jp
同じページでは、学習塾について、期間が2月を超えるもので、入学金、受講料、教材費、関連商品の販売などを含む契約金の総額が5万円を超えていると対象になると説明されています。対象になる契約では、締結前に概要書面、締結後に契約書面を消費者に渡すことが定められています。クーリング・オフについては、法律で決められた書面を受け取った日から数えて8日以内であれば、書面または電磁的記録により契約を解除できると記載されています。
自分の塾のコースがこれに当てはまるかどうか、書面をどう整えるかは、個別の事情で変わります。判断は所管の窓口や専門家に確かめてください。ここで押さえておきたいのは、予約の受け方を変える話と、契約の手続きを変える話を同じ工程で進めないことです。体験の申し込みはネットで受けつつ、入塾の契約は教室で書面を渡して行う、という分け方は矛盾しません。
移行は一度にやらない。1種類ずつ入れ替える
4種類の受け皿を一度に変えると、保護者も講師も混乱します。順番を決めて1種類ずつ入れ替えてください。
推奨する順番は、体験授業、振替、講習、保護者面談です。体験授業を最初にするのは、在籍生に影響が出ないからです。新しく来る人だけが新しい入口を使うので、既存の運用を止めずに試せます。ここで画面の作りや文面の調整を済ませておきます。
次が振替です。件数が多いので効果が大きい代わりに、在籍生の全家庭に案内が必要です。体験の運用で慣れてから移すと、講師の側も説明できる状態になっています。案内は、予約の確認の通知、教室の掲示、月ごとの案内の3か所に同じ内容を書きます。1か所だけでは切り替わりません。
講習は年に3回しかないので、次の講習の回から切り替えます。前回の申込書で実際に来た質問を、画面の案内に反映してから使い始めます。
保護者面談を最後にするのは、相手が保護者だけで、年に数回しかなく、しかも塾側から声をかける形なので、急ぐ必要がないからです。
1種類ごとに1か月から2か月の間を空けると、問題が出たときに原因が分かります。全部を同時に変えると、うまくいかなかったときにどこが悪いのか切り分けられません。
電話を残す時間帯を決めて、外に書く
ネットに寄せても電話はなくなりません。残すなら、出る時間帯を決めて外に書いてください。
書く場所は、サイトのすべてのページの下、体験の申し込みの画面、教室の掲示、チラシの4か所です。「お電話でのご相談 平日14時から16時、21時から22時」と書き、その隣に「時間外のご予約はこちらから」と入口を並べます。
時間帯を書くことには2つの効果があります。1つは、その時間にかかってくる割合が上がること。もう1つは、その時間外にかかってきた電話に出られなくても、塾の落ち度にならないことです。書いていないと、出られなかったことが不信につながります。
電話番号を小さくしたり隠したりするのは避けてください。子どもを預ける場所を選ぶ保護者にとって、電話番号と住所が明記されていることは信用の判断材料です。番号が見つからない塾は候補から外されます。番号を載せたうえで、選べる状態を作るのが正しい形です。
留守番電話を使う場合は、折り返せる時間帯と申し込みのできる場所の2つを音声に入れます。案内する先は1つに絞ります。「メールまたはLINEまたはフォームで」と3つ並べると、どれを使えばよいか分からず切られます。
費用は「受けられなかった予約」と比べて判断する
ネットの受付を入れるかどうかを費用で迷う場合、月額だけを見ると判断を誤ります。比べる相手は、受けられなかった予約の価値です。
計算は簡単です。営業時間外にかかってきて出られなかった体験の問い合わせが月に3件あり、そのうち1件が入塾していたとします。月謝が2万円で平均して2年通うなら、1件の価値は48万円です。年に何件取り逃がしているかを掛けると、見えていない損の大きさが出ます。
もう1つ足すのは、電話に使っている時間の費用です。振替の電話が月に40回、1回5分なら月に3時間20分です。時給1,500円の事務の担当者が対応しているなら月5,000円分、教室長が対応しているならもっと高くつきます。
この2つを足した額と、受付の仕組みの月額を比べます。多くの小規模な塾では、取り逃がしのほうが大きく出ます。ただし、営業時間外の問い合わせがそもそも少ない立地なら、話は変わります。自分の教室の数字で計算してください。
費用の段階は、月あたりの予約件数とスタッフの人数で分かれる形が一般的です。無料の範囲で始めて件数が増えてから上げられるものもあるので、最初から上位の段を選ぶ必要はありません。具体的な段階は料金のページで確かめられます。
ポータルサイト経由の申し込みは、別の経路として扱う
塾を探すポータルサイトに掲載している場合、そこからの資料請求や体験の申し込みが入ってきます。この経路は、塾のサイトからの申し込みとは性質が違うので、同じ扱いにすると取りこぼします。
違いの1つは、速さが求められることです。ポータルサイトで塾を探す保護者は、同じ画面から複数の塾にまとめて資料請求します。届いた順に返事が来るので、返事が遅い塾は比較の土俵から外れます。塾のサイトを見て申し込んだ保護者は、その塾に決めかけている状態なので、数時間の差はあまり響きません。
もう1つの違いは、情報の量です。ポータルサイト経由で届く情報は、氏名と学年と連絡先だけということがあります。希望の科目も日時も分からない状態から、こちらで聞き出す必要があります。ここで長い質問を並べて送ると返事が来ません。「体験のご希望日を3つの中からお選びください」と、答えるのが1手で済む形にします。
扱いを分けるために、届いた申し込みがどの経路から来たかを記録に残してください。経路が残っていれば、月末に経路別の件数と入塾に至った件数を数えられます。掲載料を払っているポータルサイトが実際に何件を運んでいるかは、この数字がないと分かりません。感覚では「なんとなく来ている」としか言えず、掲載を続けるかどうかの判断ができません。
塾のサイトからの申し込みが増えてきたら、ポータルサイトの掲載を減らす判断も出てきます。その判断を数字でするために、最初から経路を残す形にしておきます。
予約を受けた後の連絡を、受け方と同時に決める
予約の受け方を決めるとき、受けた後の連絡まで一緒に決めておかないと、後から手作業が戻ってきます。決めるのは3つの通知です。
1つ目は、申し込みを受けた直後の確認です。日時、場所、持ち物、所要時間、保護者の同席の有無を文字で送ります。これがないと、「予約できているでしょうか」という電話が数日後に来ます。電話で受けた申し込みでも、その日のうちに文字の控えを送ってください。口約束だけでは相手の手元に記録が残りません。
2つ目は、前日のリマインドです。体験授業のように申し込みから日が空くものほど効きます。何日前に出すかは予約の種類で変え、体験は前日と当日の朝、振替は前日だけ、といった形に分けます。全部を同じ日程で送ると、件数の多い振替の通知が背景に沈みます。
3つ目は、終わった後の連絡です。体験授業なら翌日に1通、入塾の判断に必要な情報を添えて送ります。ここで詰め寄る文面を送ると逆に決まりません。「ご不明な点があればお知らせください」と入口だけを示すのが無難です。
この3つを手で送ると、件数が1日10件を超えたあたりから送り忘れが出ます。忘れるのは忙しい日です。受け方をネットに寄せる本当の利点は、申し込みの時点で連絡先と日時が構造化された形で残るため、この3つを日時を基準に自動で出せるようになることです。
保護者と生徒のどちらに宛てるかを、予約の種類で決める
学習塾には、申し込む人と実際に来る人が違うという特徴があります。ここを決めておかないと、連絡が届かない相手に送り続けることになります。
体験授業と入塾説明は、保護者宛です。決めるのは保護者で、費用を払うのも保護者です。生徒本人に送っても判断は進みません。保護者面談も当然、保護者宛です。
振替授業は学年で分かれます。小学生は保護者宛が確実です。中学生は、本人にも届き、保護者にも通知が行く形が実態に合います。高校生は本人宛で足りることが多く、保護者に全部を送ると煩わしがられます。
講習の申し込みは、案内は保護者宛、日程の確認は本人宛という二段が合います。費用の話は保護者、どのコマに出るかは本人が把握する必要があるからです。
宛先を分けるには、申し込みの時点で保護者の連絡先と生徒本人の連絡先を別々に持つ必要があります。1つの欄にまとめて入れてもらうと、後から分けられません。入力の手間は1つ増えますが、ここを分けておくかどうかで、後の運用の自由度が変わります。
変えたあとの最初の1か月で見る数字を決めておく
受け方を変えたら、効いたかどうかを確かめます。感覚で判断すると、うまくいっていない部分に気づかないまま半年が過ぎます。
見る数字は3つで足ります。1つ目は、経路別の申し込み件数です。ネットからの申し込みが増えても、電話の件数が同じだけ減っていなければ意味がありません。両方を足した合計が増えているかを見ます。合計が減っていたら、新しい入口が分かりにくいか、案内が届いていません。
2つ目は、申し込みから実施までの日数です。ネットに寄せると、この日数が短くなるはずです。空き枠を見せて選ばせる形にすると、保護者は直近の枠を選ぶ傾向があります。日数が短くなれば、来なかった件数も下がります。
3つ目は、調整のための電話の回数です。ネットの入口を作ったのに調整の電話が減っていない場合、画面の作りに問題があります。自由記入の日時欄が残っている、空き枠が実際と合っていない、費用が書かれていない。この3つが代表的な原因です。
最初の1か月は、うまくいかなかった点を集める期間だと考えてください。完璧な形で始める必要はありません。保護者から出た質問と、講師から出た困りごとを書き留めておき、1か月後にまとめて直します。
決めたことを1枚に書いて、講師全員に配る
受け方を決めても、講師の間で共有されていないと元に戻ります。決めたことを1枚にまとめて配ってください。
書くのは5項目です。4種類の予約それぞれをどこで受けるか。電話に出る時間帯。欠席と振替の窓口。時間外にかかってきた電話をどう扱うか。例外が出たときに誰が判断するか。
この1枚がないと、講師によって案内する内容が変わります。ある講師は「お電話ください」と言い、別の講師は「サイトからお願いします」と言う状態になると、保護者は混乱し、結局いちばん確実な電話に戻ります。
新しく入った講師にも同じ1枚を渡します。学習塾は講師の入れ替わりがある職場なので、口伝えで引き継ぐ形だと数か月で内容がずれます。
決めたことは変えてよいものです。3か月運用して合わない部分が出たら、1枚を直して配り直します。大事なのは、そのときどきで全員が同じ内容を案内している状態を保つことです。
予約の受付を1か所にまとめると、判断の材料も1か所に残る
4種類の予約を別々の道具で受けると、体験はフォーム、振替はメッセージアプリ、面談は電話、講習は紙という形になり、塾側が見る場所が4つに増えます。見る場所が増えると、見落としが出ます。
予約の受付を1か所にまとめると、4種類を同じ画面で扱えます。種類ごとに受け付ける枠の出し方を変え、確認の通知、前日のリマインド、当日の御礼までを日時を基準に自動で出せます。予約を受けた後の連絡まで含めて何ができるかはできることのページで一覧になっています。
まとまることのもう1つの利点は、判断の材料が同じ場所に残ることです。月ごとの体験の申し込み件数、来なかった割合、振替の件数、講習の申込率。これらが1か所にあると、次に何を変えるべきかを数字で決められます。散っていると、数える作業から始めることになり、結局勘で決めることになります。
学習塾のように「予約」の中身が4つに分かれる業種で、どの形に当てはめるかは業種ごとの使い方に業種別の例が並んでいます。他の予約システムとの違いを機能ごとに並べたものは他社との比較にまとまっています。
導入を決める前に、保護者が見る予約の画面と塾側の管理画面の両方を触っておくと判断が早くなります。登録せずに操作できるデモを見るが公開されています。導入の手順や解約の条件についての質問はよくある質問に集めてあります。決済が必須でない業態に合わせて、予約の受付から次の来店までを一続きにしている作りなら、月謝を別の方法で集めている学習塾でも、予約の部分だけを載せ替えられます。
Q1. 学習塾の予約は、全部ネットに寄せたほうがよいですか?
種類によります。体験授業、振替、講習の申し込みは、決めることが少なく件数が多いのでネットに向きます。保護者面談で進路の相談が前提になる場合や、退塾と休塾の相談は、相手の事情を聞きながら組み立てる必要があるので電話が向きます。目安は、電話で受けたときの平均の通話時間です。3分以内で終わる用件はネットに寄せられます。
Q2. 受け方を変える順番はありますか?
体験授業、振替、講習、保護者面談の順を推奨します。体験授業は新しく来る人だけが新しい入口を使うので、在籍生の運用を止めずに試せます。ここで画面と文面を整えてから、件数の多い振替に移ります。1種類ごとに1か月から2か月の間を空けると、問題が出たときに原因を切り分けられます。
Q3. ネットで申し込みを受ければ、入塾の手続きもネットで完結できますか?
学習塾は特定商取引法の特定継続的役務提供の対象として指定された7つの役務の1つで、期間が2月を超え、契約金の総額が5万円を超える場合は、締結前の概要書面と締結後の契約書面を渡すことが定められています。自分の塾のコースが該当するかと書面の整え方は個別の事情で変わるため、所管の窓口や専門家に確かめてください。体験の申し込みだけをネットで受ける形は、契約の手続きと分けて考えられます。
Q4. 電話番号をサイトから消せば、電話は減りますか?
減りますが、それ以上に失うものがあります。子どもを預ける場所を選ぶ保護者にとって、電話番号と住所が明記されていることは信用の判断材料で、番号が見つからない塾は候補から外されます。番号は載せたうえで、受付時間と時間外の申し込み先を隣に並べて書いてください。選べる状態にすると、多くの人は電話より手軽な方法を選びます。