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マッサージのカウンセリングシート|施術前に確かめること
2026年10月7日・Rizaflow編集部

マッサージのカウンセリングシートは、書かせるための紙ではなく、施術を安全に終わらせるための道具です。何を聞けばよいかが決まっていないと、聞き漏らした1項目が事故に繋がることがあり、逆に聞きすぎると記入に10分かかってお客さまが疲れます。この記事では、シートに載せる項目を5つの束に整理したうえで、禁忌の確認の書き方、同意の欄の置き場所、記入時間を3分以内に収める工夫、保管と廃棄の決まりまでを順番に並べます。結論を先に置くと、項目を増やすより、聞く順番と答えやすい形を決めるほうが効きます。
カウンセリングシートが要る理由は、記録より先に安全にある
マッサージのカウンセリングシートを作る動機は、店によって2つに分かれます。1つは記録のため、もう1つは安全のためです。この2つは似ているように見えて、書く項目がまったく違ってきます。
記録のためだけに作ると、氏名、連絡先、来店経路、気になる部位くらいで終わります。これでも次回の会話は繋がります。しかし、施術を受けてはいけない状態の人を見分ける役には立ちません。発熱している人、急な炎症がある人、血圧の薬を飲み始めたばかりの人、妊娠中の人。どれも来店した時点で外から見て分かるものではなく、聞かなければ出てきません。聞かずに施術して体調が悪くなれば、記録が残っていても店を守ってくれません。
順番として正しいのは、安全の確認を先に作って、記録の項目を後から足すことです。安全の確認は、答えが「はい」か「いいえ」で終わる形にできるので、項目数が増えても記入時間はほとんど伸びません。一方で記録の項目は、自由に書く欄が増えるほど時間を食います。ここを逆に作ると、住所や職業の欄で埋まっていて、肝心の体調の欄が最後に1行だけという紙になります。
もう1つの理由は、施術の内容を組み立てる材料になることです。同じ「肩が重い」でも、机に向かう時間が長い人と、荷物を持ち上げる仕事の人では、触る場所と力の入れ方が変わります。シートで先に聞いておけば、施術台に上がってから探る時間が要りません。エステサロン向けの解説では、この点がはっきり書かれています。
さらに、シートに記入してもらった内容をもとに、実際のカウンセリングでより深い情報を得て追記していけば、そのお客様に合った施術方法なども見えてきます。 出典: rsvia.co.jp
書いてもらった内容に、施術しながら分かったことを足していく。この形が回り始めると、2回目以降の施術の精度が上がります。1枚で完結させる紙ではなく、来店のたびに厚くなる束として考えるのが実務に近い形です。
載せる項目を5つの束に分けて並べる
項目を思いつく順に並べると、似た質問が離れた場所に散ります。書く人は同じことを2回考えることになり、時間が伸びます。5つの束に分けて、束の中で並べると読みやすくなります。
1つめは、連絡がつくための情報です。氏名、氏名の読み、電話番号、メールアドレス、生年月日または年代。住所は、出張や訪問をしない店なら要りません。使わない情報を集めるほど、保管の負担だけが増えます。
2つめは、体の状態です。今日いちばん気になる部位、いつから続いているか、痛みか重さか、体を動かしたときに変わるか。ここは自由に書く欄を1つだけ残して、あとはチェックする形にします。部位は体の図を印刷して丸を付けてもらう形が速いです。
3つめは、禁忌と注意の確認です。発熱、急な炎症や腫れ、骨折や捻挫の直後、皮膚の傷や湿疹、感染している皮膚の病気、妊娠の可能性、飲んでいる薬、手術を受けた部位、医師から止められている動作。この束はすべて「はい」か「いいえ」で答える形にします。
4つめは、施術の希望です。強さの好み、避けてほしい部位、オイルやクリームで避けたい成分、会話の量、うつ伏せが苦しくないか。この束は満足度に直結するのに、抜けている店が多い場所です。
5つめは、店の運営に使う情報です。来店のきっかけ、これまでに同じような施術を受けた経験、次回の希望時期、お知らせを送ってよいかどうか。ここを最後に置くのが要点です。お客さまにとっては優先度が低い質問なので、先に置くと「営業の紙だ」と感じます。
この5束を1枚のA4に収めると、上から順に埋めるだけで終わります。裏面まで使うなら、裏は施術者が書き込む面に充てます。お客さまが両面を書く紙は、裏を忘れられます。
禁忌と注意が要る状態は、聞き漏らさない形で並べる
禁忌の確認は、文章で聞くと抜けます。「何か気になる病気はありますか」と1行で聞いて、空欄で返ってくる紙をよく見かけます。書く側に思い出す負担を預けているからです。
効くのは、状態を名前で挙げて、当てはまるものに印を付けてもらう形です。名前が目に入ると記憶が引き出されます。発熱、血圧の薬、糖尿病、心臓の病気、皮膚の病気、骨の病気、妊娠中または妊娠の可能性、手術を受けた部位、悪性の病気の治療中。この並びを見て、1つも当てはまらない人は「なし」に印を付けます。
ここで大事なのは、印が付いたあとにどうするかを決めておくことです。印が付いたら施術しない、という決め方だけでは店が回りません。3段に分けると運用できます。1段目は、その日は施術しない状態です。発熱と急な炎症はここに入ります。2段目は、部位を避けて施術する状態です。傷や湿疹、手術を受けた部位が該当します。3段目は、医師に確認してもらってから受けていただく状態です。治療中の病気や、妊娠中の施術はここに入ります。
3段のどれに当てはめるかは、施術者の判断になります。判断の基準を紙にしておくと、スタッフが増えたときに揃います。ただし、体の状態について医学的な判断を店で下すことはできません。迷ったときは受けていただかない、という線を先に決めておくほうが、双方にとって安全です。かかりつけの医師に確認していただく案内の文面も、先に作っておきます。
もう1つ足しておきたいのが、その日の体調を聞く1行です。前回の来店から時間が経っていれば、状態は変わっています。2回目以降のお客さまに毎回シートを書き直してもらう必要はありませんが、「前回から変わったことはありますか」の1行だけは毎回確認します。この1行があるかないかで、事故の起きやすさが変わります。
記入にかかる時間を3分以内に収める
記入に時間がかかる紙は、埋まりません。空欄のまま戻ってきたり、施術の開始時間が遅れたりします。3分で終わる形にするには、書かせる量を減らすのではなく、書き方を変えます。
まず、自由に書く欄の数を数えます。文章で答える欄が5個以上あると、3分では終わりません。自由記入は「今日いちばん気になること」と「避けてほしいこと」の2つに絞り、残りはチェックか選択に変えます。
次に、選択肢の数を絞ります。1つの質問に選択肢が10個並ぶと、読むだけで時間がかかります。多くても5個、できれば3個に収めます。強さの好みなら「弱め」「普通」「強め」の3つで足ります。細かい調整は施術中に声をかけて合わせるほうが正確です。
体の図は時間を大きく縮めます。前後の人体図を小さく印刷して、気になる場所に丸を付けてもらうだけで、文章3行分の情報が5秒で埋まります。左右の間違いが起きるので、図には「右」「左」を文字で入れておきます。
最後に、書く場所を考えます。立ったまま書く、膝の上で書く、受付のカウンターで他のお客さまの後ろで書く。どれも時間が伸びます。座って書ける場所とペンを、書いていただく前に用意しておきます。ペンは2本置きます。1本だと、インクが出ないときに探す時間が生まれます。
3分で終わる紙ができたら、1度自分で書いてみます。書いてみると、読みにくい文言、答えに迷う質問、順番の悪さがその場で分かります。テンプレートを手に入れたときも、同じ手順を踏むのが確実です。
カウンセリングシートのテンプレートは、ネットでダウンロードしたり注文したりできます。ただし、それらを利用する場合、必ず自分の店で使うためのシミュレーションやロールプレイングをやってみてカスタマイズをしましょう。 出典: rsvia.co.jp
同意の欄は、シートのどこに置くか
カウンセリングシートに書いていただく内容のうち、体の状態や飲んでいる薬は、個人情報保護法で「要配慮個人情報」と呼ばれる区分に入ります。法律の条文では、病歴を含む個人情報がこの区分に挙げられています。そして取得については、本人の同意を先に得ることが求められています。
条文の言い方は「あらかじめ本人の同意を得ないで、要配慮個人情報を取得してはならない」です。つまり、書いていただいたあとに同意を求めるのでは順番が逆になります。シートの上のほうに、何のために聞くのか、誰が見るのか、どのくらい保管するのかを短く書いて、その下に同意の印を付ける欄を置きます。文面は3行で足ります。長い規約を印刷すると誰も読まないので、読める長さにします。
同意の欄で確認したいことは、2つに分けられます。1つは、体の状態を聞いて施術の判断に使うことへの同意です。もう1つは、お知らせやキャンペーンの連絡に使うことへの同意です。この2つを1つの欄にまとめてはいけません。施術を受けたいだけの人が、連絡にも同意したことになってしまいます。欄を分けて、連絡のほうは任意だと分かるようにします。
第三者に渡す場面についても、条文は本人の同意を求めています。店で使う予約システムや会計の仕組みに情報を預けるのは、多くの場合は業務の委託にあたる扱いですが、扱いの線引きは事例によって変わります。書き方に迷ったときは、所管の窓口や専門家に確認するのが確実です。制度の全体像と最新の考え方は個人情報保護委員会のサイトで公開されています。
同意の欄を作ると、紙が硬い印象になることを気にする店があります。そこは文面の書き方で調整できます。「安全に施術するために、体の状態をうかがっています」と目的を先に書けば、読む側は納得します。理由を書かずに同意だけを求めると身構えられます。
紙で回すか、予約のときに書いてもらうか
シートを埋めていただく場所は、2つあります。来店してから店で書く形と、予約の段階で先に書いていただく形です。
店で書く形の利点は、確実に書いてもらえることです。その場で分からない欄を口で補えます。欠点は、来店してから施術が始まるまでの時間が伸びることです。初回のお客さまで5分から10分かかると、1日に入れられる予約の数が減ります。予約を30分刻みで組んでいる店では、この時間が直接売上に効きます。
予約の段階で書いていただく形は、この時間を来店前に移します。予約の確認メールに入力の案内を付けて、来店までのどこかで埋めてもらいます。当日は内容を見ながら確認するだけなので、着替えてすぐ始められます。欠点は、埋めずに来る人がいることです。書いていない人のために紙も残しておく必要があります。
どちらが向くかは業態で変わります。初回のお客さまが多く、施術時間が60分以上ある店は、先に書いていただく形が効きます。回転が速い店や、その場で立ち寄る人が多い店は、店で書く形のほうが現実的です。予約の入口とシートをどう繋いでいる店が多いかは、業種ごとの使い方で自分の業態に近い例を見ると、置き場所の判断が付きます。
紙のシートを続ける場合は、保管の場所と並べ方を先に決めます。氏名の読みで五十音順に並べるのが探しやすい形です。来店日順に重ねると、3か月で探せなくなります。紙は濡れる、破れる、束ごと持ち出されるという弱さがあるので、鍵のかかる場所に置きます。
施術しながら書き足す欄を、裏面に残す
シートで取れる情報は、書いていただいた分だけでは足りません。触って分かること、動かして分かること、話しているうちに出てくることがあります。この分を書き込む場所を裏面に用意しておきます。
書き込む項目は4つで足ります。触って気づいた状態、どこにどれだけ時間をかけたか、お客さまの反応、次回に試したいこと。この4つを箇条書きで残すだけで、2回目の施術が変わります。文章にする必要はなく、単語の並びでかまいません。
ここを埋める習慣が付かない理由は、施術の直後が忙しいからです。お客さまをお見送りして、片づけて、次のお客さまが来る。書く時間が3分もありません。対策は、書く量を減らすことと、書く時機を決めることです。施術が終わってお客さまが着替えている間に、単語だけ埋めます。清書しません。
もう1つ効くのが、次回の施術の前に読む習慣です。書いても読まなければ意味がありません。予約の1件ごとに前回の記録が並んでいる形にしておくと、開店前にその日の分をまとめて読めます。紙で回している店では、前日に当日分の束を抜き出しておくだけで読む確率が上がります。
裏面に書き足した内容も、体の状態についての情報です。表面と同じ扱いで保管します。裏面だけをコピーして持ち出す、スタッフの手帳に書き写す、といった運用は避けます。情報が増える場所を分散させると、どこに何があるか分からなくなります。
2回目以降のシートの扱いを決めておく
初回のシートを作ったあと、多くの店が詰まるのが2回目以降の扱いです。毎回同じ紙を書かせるのか、初回の紙を使い続けるのか。ここを決めていないと、来店のたびに紙が増えて、同じ人の情報が3枚に分かれます。
現実的なのは、初回に厚く聞いて、2回目以降は差分だけを確認する形です。2回目以降に確認するのは3つです。前回から体調で変わったことはあるか、前回の施術で気になったことはあるか、今日いちばん気になる部位はどこか。これだけなら口で聞いて施術者が書き込めます。お客さまに紙を渡す必要がありません。
ただし、時間が経ったら初回の内容を洗い直します。目安として1年に1度、または半年以上空いた来店のときに、初回と同じ項目をもう一度確認します。薬が変わっている、手術を受けた、妊娠しているといった変化は、聞かなければ出てきません。洗い直す時機を決めておかないと、3年前の情報のまま施術を続けることになります。
情報が1人1束にまとまっているかどうかを確認する方法は簡単です。同じお客さまの氏名で探して、出てくる紙が1束かどうかを見ます。2束に分かれていたら、名寄せができていません。分かれる原因の多くは、氏名の書き方の揺れと、予約と紙が別の場所にあることです。
同じ人の記録を1か所に集める仕組みを持つと、この問題が消えます。予約の履歴とシートの内容が同じ画面に並んでいれば、名寄せを人が考える必要がありません。どこまで1つにまとめられるかは、できることで受付から来店後までの機能の並びを見て、いま紙で回している工程と突き合わせると判断が付きます。
保管する期間と、捨てるときの手順を先に作る
集めた情報は、増え続けます。捨てる決まりを作らないと、5年分の紙が箱に積まれ、何が入っているか誰も分からない状態になります。
決めることは3つです。何年保管するか、保管する場所はどこか、捨てるときにどうするか。保管期間は、お客さまとの関係が続く見込みで決めます。最後の来店から3年という決め方が扱いやすいです。期間の根拠を法律に求めると業種ごとに話が分かれるので、店として決めて書いておく形が現実的です。決めた期間は、同意の欄の近くに書きます。
捨てるときは、細かく裁断します。まとめてゴミに出すのは避けます。裁断する機械を置いていない店では、まとめて業者に出す方法もありますが、その場合は預ける相手の扱いを確認します。電子で持っている場合は、ゴミ箱に入れるだけでは消えません。保存している場所から本当に消えたかを確認する手順を書いておきます。
もう1つ決めておきたいのが、お客さまから「消してほしい」と言われたときの手順です。個人情報保護法には本人からの請求について定めがあり、店は応じる立場になります。紙を探して抜き出す、電子の記録から消す、控えがどこにも残っていないかを確かめる。この3手順を紙にしておくと、慌てません。
盗まれたり失くしたりしたときの手順も、同じ紙に書いておきます。誰に報告するか、お客さまにどう連絡するか、どこに届けるか。起きてから考えると、対応が遅れます。事前に1枚あれば、その日のうちに動けます。
テンプレートを自分の店に合わせて直す4つの手
テンプレートを買うか、無料で配られているものを使うかで迷う人は多いです。どちらでもかまいませんが、そのまま使うと合いません。理由は、テンプレートが想定している業態が自分の店と違うからです。
1つめの手は、使わない欄を消すことです。エステ向けのテンプレートには、肌の状態や化粧品の欄があります。もみほぐし中心の店では使いません。消すと紙が軽くなり、記入時間が縮みます。消すときは、似た欄と統合せずに丸ごと消します。統合すると質問の意味が濁ります。
2つめは、足りない欄を足すことです。うつ伏せが苦しくないか、妊娠中かどうか、施術の強さの好み。この3つは、マッサージの店では要るのに、汎用のテンプレートに入っていないことが多い欄です。
3つめは、言葉を店の言い方に直すことです。メニューの名前、部位の呼び方、時間の単位。紙とメニュー表で言葉が違うと、お客さまが迷います。メニュー表を横に置いて、同じ言葉に揃えます。
4つめは、自分で書いてみて順番を直すことです。上から順に埋めて、詰まった場所に印を付けます。詰まる場所は、答えに迷う質問か、前の質問との繋がりが悪い場所です。3回書き直すと、大抵の紙は落ち着きます。
無料のテンプレートに頼らず作る道もあります。項目を紙に書き出して、表計算の道具で並べるだけなら1時間で形になります。印刷して使うだけなら、それで十分です。デザインに凝るのは、運用が落ち着いたあとで足ります。よく聞かれるつまずきどころはよくある質問にも並んでいるので、作る前に目を通しておくと手戻りが減ります。
スタッフが2人以上いるときに、シートの使い方を揃える
1人で回している店では、シートの使い方が揃わない問題は起きません。読む人と書く人が同じだからです。スタッフが2人になった時点で、同じ紙から違う施術が生まれます。
揃えるために要るのは、書き方の見本です。実際のお客さまの情報を使わず、想定したお客さまの内容で1枚を埋めて、これが完成形だという紙を作ります。記号の意味、部位の書き方、強さの表し方を、その1枚で示します。口で説明すると、伝わり方が人によって変わります。
次に、印が付いた欄をどう扱うかの線を書きます。3段に分けた基準をそのまま紙にして、施術室に貼ります。判断に迷ったときは受けていただかない、と決めてあれば、経験の浅いスタッフでも同じ結論に届きます。ここを各自の判断に任せると、同じ状態のお客さまが施術者によって受けられたり断られたりします。断られた側は、店の決まりではなく人の気分だと受け取ります。
3つめは、書き足す欄の粒度です。前回の記録が「肩、強め、OK」で終わっている紙と、3行書かれている紙が混ざると、引き継いだ側が困ります。書く項目を4つに固定して、1項目1行と決めるだけで揃います。上限を決めるのが要点で、下限だけ決めると書く量が伸び続けて、結局誰も書かなくなります。
4つめは、読む時機を予定に入れることです。開店前の10分を、その日の予約のシートを読む時間に充てます。予定に入っていない工程は、忙しい日に最初に飛びます。飛ばしても施術はできてしまうので、飛ばしたことに気づきません。
スタッフが増える前に揃えておくと、採用のあとの立ち上がりが速くなります。シートの使い方が紙になっている店では、入った人が1週間で1人で受けられるようになります。揃っていない店では、先輩の背中を見て覚える時間が3か月かかります。
予約の受け方とシートを繋ぐと、当日の時間が変わる
シートを直しただけでは、店の時間は増えません。増えるのは、シートが予約と繋がったときです。
繋がっていない店では、同じ情報を2回書いています。予約のときに氏名と電話番号を聞き、来店してからシートに同じ氏名と電話番号を書いてもらう。お客さまは2回名乗り、店は2か所に同じ情報を持ちます。ここで名前の書き方が揺れると、同じ人が2人になります。
繋がっている店では、予約が入った時点でシートの入力の案内が届き、来店時には内容が予約と同じ画面に並んでいます。当日の受付でやることは、内容を見て変わりがないかを確認するだけです。初回のお客さまで10分かかっていた工程が、2分で終わります。1日に初回のお客さまが3人来る店なら、24分が空きます。決済が必須でない業態に合わせて、予約の受付から次の来店までを一続きにしている形を選ぶと、この繋がりが最初から用意されています。
空いた時間の使い道が、次の来店を作る工程です。施術の記録を読み返す、次回の予約を取る、お礼の連絡を出す。どれも時間がないと飛ばされる工程で、飛ばすと来店の間隔が伸びます。シートを整えることの効果は、安全の確保だけではなく、ここまで届きます。
道具を選ぶときは、月額の安さだけで決めないことです。無料で始められる仕組みには件数や項目の上限があり、上限に当たった時点で入れ替えが必要になります。入れ替えはシートの内容とお客さまの履歴の移し替えを伴うので、最初から2年後の件数で選ぶほうが安く済みます。プランごとの上限は料金で件数とスタッフ数まで確かめてから決めます。必要な機能が全部入る最小の組み合わせを探したいときは、他社との比較で同じ条件のプランを並べます。画面の動きを先に見てから判断したい場合は、デモを見るから実際の入力の流れを確かめられます。
順番の話をして締めます。シートを整える作業は、禁忌の欄を作る、同意の欄を1つ足す、記入を3分に収める、保管と廃棄の決まりを書く、予約と繋ぐ、という5段で終わります。全部を同時に始める必要はありません。1段目の禁忌の欄だけでも、その日から事故の起きやすさが下がります。
Q1. カウンセリングシートは、2回目以降も毎回書いてもらうべきですか?
毎回1枚書いていただく必要はありません。2回目以降は「前回から体調で変わったことはあるか」「前回の施術で気になったことはあるか」「今日いちばん気になる部位」の3点を口で確認して、施術者が書き込む形で足ります。ただし半年以上空いた来店と、1年に1度は初回と同じ項目を洗い直します。薬や手術の有無は聞かなければ出てきません。
Q2. シートに載せる項目は、何個くらいが適切ですか?
個数より、答え方の内分けで決めます。自由に書く欄は2個までに絞り、残りはチェックか3択にします。この形なら項目が30個あっても3分で埋まります。逆に自由記入が5個以上あると、項目が少なくても記入に10分かかります。体の図に丸を付けてもらう欄を1つ入れると、文章3行分の情報が数秒で取れます。
Q3. 体調や薬のことを聞くのに、同意は必要ですか?
必要です。個人情報保護法では病歴を含む情報が要配慮個人情報にあたり、取得の前に本人の同意を得ることが求められています。シートの上のほうに、何のために聞くのか、誰が見るのか、どのくらい保管するのかを3行で書き、その下に同意の印を付ける欄を置きます。お知らせの連絡に使う同意は欄を分けて、任意だと分かるようにします。
Q4. 紙のシートから電子に移すと、何が変わりますか?
探す時間と、同じ人の記録が分かれる問題が消えます。氏名で探して1束にまとまるので、名寄せを人が考えなくなります。予約と繋げれば、来店前に入力していただけるので、初回のお客さまの受付が10分から2分に縮みます。紙を残しておく必要はあり、入力せずに来る方のために併用する形が現実的です。