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訪問美容師が個人で開業する|届け出と予約の受け方
2026年10月7日・Rizaflow編集部

訪問美容師が個人で開業するとき、最初に確かめるべきなのは道具でも集客でもなく、法令のどの部分に乗って営業するのかです。美容師法は美容所以外の場所での施術を原則として禁じていて、訪問美容はその例外として認められた範囲で動いています。この範囲を知らないまま始めると、条例で決まっている部分を見落とします。この記事では、根拠の条文を確かめたうえで、保健所に聞くこと、税務署に出す2枚、開業にかかる費用、訪問先を決める3つの道、1日に回れる件数までを順番に並べます。結論を先に置くと、売上の上限を決めるのは腕ではなく、移動と予約の組み方です。
訪問美容は、美容師法のただし書きで動いている
美容師法の第7条は「美容師は、美容所以外の場所において、美容の業をしてはならない」と定めています。原則は禁止です。そのうえで、同じ条文に「ただし、政令で定める特別の事情がある場合には、この限りでない」というただし書きが付いています。訪問美容は、このただし書きの中で行われています。
政令にあたるのが美容師法施行令で、その第4条が美容所以外の場所で業を行うことができる場合を3つ挙げています。1つめは「疾病その他の理由により、美容所に来ることができない者に対して美容を行う場合」です。2つめは「婚礼その他の儀式に参列する者に対してその儀式の直前に美容を行う場合」です。3つめは「前二号のほか、都道府県が条例で定める場合」で、保健所を設置する市または特別区にあっては市または特別区の条例で定める場合とされています。
訪問美容の大部分は、1つめに当たります。ここで注意したいのが「美容所に来ることができない者」という書き方です。来ることができる人を自宅で見る形は、この号には収まりません。高齢で外出が難しい方、入院や入所している方、障害があって移動が難しい方、産後で外出できない方。こうした方が対象になります。単に自宅でやってほしいという希望に応える形は、別の根拠が必要になります。
そして3つめの号が、実務ではいちばん重要です。条例で定める場合というのは、地域によって認められる範囲が違うという意味です。同じ内容の施術でも、A県では条例で認められていて、B市では認められていないことが起こりえます。開業する場所の条例を確かめないと、自分の営業が範囲に入っているか分かりません。
この点は、業界向けの解説でも触れられています。
訪問理美容師として開業するにあたり、実は特別な資格は必要なく、美容師もしくは理容師の資格(免許)さえあれば誰でも開業することができます。しかし、理美容師の資格もしくは経験だけでは、「訪問理美容師」に必要な知識やスキルが圧倒的に不足しているのが実態です。 出典: kamibito.co.jp
免許以外の資格が要らないというのは正しい一方で、免許があれば準備が済むわけではありません。法令の範囲、施設との取り決め、寝たまま施術する技術。この3つは免許の勉強では出てきません。
保健所に、開業の前に確かめる3つのこと
条例で決まる部分があるので、最初の行動は保健所への確認です。聞くことは3つに絞れます。
1つめは、この地域の条例で美容所以外の場所での施術がどこまで認められているかです。施行令が挙げている疾病その他の理由による場合と儀式の直前の場合のほかに、条例で足されている場合があるかを聞きます。地域によっては、高齢者の施設での施術や、災害時の施術を条例で明記していることがあります。
2つめは、届け出が要るかどうかです。美容師法の第11条は、美容所を開設しようとする者があらかじめ都道府県知事に届け出る定めを置いています。届け出る内容は、美容所の位置、構造設備、管理美容師その他の従業者の氏名その他必要な事項です。さらに第12条は、構造設備について都道府県知事の検査を受け、第13条の措置を講ずるに適する旨の確認を受けた後でなければ美容所を使用してはならないと定めています。つまり美容所を持つなら、届け出と検査の両方が要ります。訪問だけで美容所を持たない形では、この2つが要らないのが一般的な扱いですが、地域の運用を確かめます。
3つめは、道具と衛生の扱いです。美容師法の第8条は、美容の業を行うときに講ずる措置を3つ挙げています。皮ふに接する布片と器具を清潔に保つこと、皮ふに接する布片を客一人ごとに取り替え、皮ふに接する器具を客一人ごとに消毒すること、その他都道府県が条例で定める衛生上必要な措置です。3つめが、また条例です。持ち運ぶ道具でどう消毒するか、切った髪をどう持ち帰るか、給水と排水をどうするか。この辺りが地域の条例で書かれていることがあります。
電話で聞くときは、3つを揃えて伝えると話が早いです。美容師の免許を持っていること、訪問だけで営業するつもりであること、訪問する先の想定です。この3つを伝えると、要る紙と確かめるべき条例を教えてもらえます。法令の当てはめは所管の窓口に確かめるのが確実で、制度の全体像は厚生労働省のサイトで公開されています。
美容所を持つか、持たないかで準備が分かれる
訪問美容で開業する人の前には、2つの道があります。訪問だけで営業する道と、小さな美容所を構えて訪問も行う道です。準備の重さが大きく違います。
訪問だけの形は、物件が要りません。美容所の届け出も構造設備の検査もありません。開業までの日数が短く、初期の費用も抑えられます。欠点は、来られるお客さまを受けられないことです。訪問先で「家族もお願いしたい」と言われても、その家族が美容所に来られる方なら施行令の号に収まりません。断ることになります。
美容所を構える形は、届け出と検査を通す必要があります。物件を探して契約し、構造設備を整えて、検査を受ける。この流れに2か月から3か月かかります。費用も家賃と内装で大きく変わります。利点は、来られるお客さまを受けられることと、道具の置き場所と洗う場所が固定されることです。訪問の合間に店で受ける形が組めるので、1日の枠が埋まりやすくなります。
どちらを選ぶかは、想定するお客さまで決まります。施設への訪問を軸にするなら、訪問だけの形で足ります。個人宅の訪問と、来られる方の両方を受けたいなら、美容所が要ります。将来的に美容所を持つつもりでも、最初は訪問だけで始めて、売上が立ってから物件を探す順番が現実的です。順番を逆にすると、家賃を払いながら集客する期間が生まれます。
自宅の一室を美容所として届け出る道もあります。この場合は、自宅であっても構造設備の基準と検査の対象になります。住居と分ける、専用の入口を作る、といった条件が地域の運用で出てくることがあります。自宅で始めるつもりの人は、物件を触る前に保健所に相談します。図面を引いてから相談すると、引き直しになります。
税務署に出す2枚と、その期限
保健所とは別に、税務署に出す紙があります。2枚で足ります。
1枚めは、個人事業の開業・廃業等届出書です。根拠は所得税法第229条で、新たに事業所得を生ずべき事業を開始した場合に届出書を提出する定めです。提出の期限について、国税庁の案内は「事業の開始等の事実があった日の属する年分の確定申告期限までに提出してください」としています。開業から1か月以内という記載を載せた資料も出回っているので混乱しますが、今の案内は確定申告期限までです。急ぐ必要はありませんが、早く出して困ることはありません。
2枚めは、所得税の青色申告承認申請書です。こちらは期限が厳しめです。国税庁の案内では、青色申告書で申告しようとする年の3月15日まで、その年の1月16日以後に新たに事業を開始した場合は事業開始等の日から2か月以内とされています。この2か月を逃すと、その年は青色申告ができません。開業した年から帳簿を青色で付けるつもりなら、開業届と一緒に出してしまうのが安全です。
どちらもe-Taxで電子的に提出でき、書面で持参または送付する道も残っています。提出先は納税地を所轄する税務署長です。事務所の所在地が納税地と異なる場合でも、納税地を所轄する税務署以外への提出は不要だと国税庁の案内に書かれています。様式と記載要領は国税庁のサイトから取れます。
勤め先を辞めて開業する場合は、健康保険と年金の切り替えも要ります。窓口は住んでいる市区町村と日本年金機構です。どちらも期限があるので、退職日が決まった時点で確認します。個別の当てはめは所管の窓口に確かめるのが確実です。
屋号も、開業届を出す前に決めておきます。届出書に屋号の欄があるので、決まっていないと空欄で出すことになります。後から変えると、配った名刺と案内の表記が食い違います。
開業にかかるお金を、3つの束で見積もる
訪問だけの形なら、物件の費用がありません。かかるのは3つの束です。
1つめは、道具です。持ち運ぶ前提で選び直すので、店で使っていたものがそのまま使えるとは限りません。要るのは、はさみとくし類、電動の器具、カットクロス、髪を受ける道具、シャンプーを寝たまま行うための道具、汚れを防ぐシート、消毒の用品、切った髪を持ち帰る袋です。寝たまま洗う道具は、訪問美容に特有の買い物になります。
2つめは、移動の手段です。車で回るのか、自転車と公共交通で回るのか。道具の量が多い業種なので、車があると楽になります。車なら、車両、燃料、駐車場、保険が毎月かかります。自転車で回るなら、積める量に合わせて道具を絞ります。
3つめは、集客と受付の仕組みです。案内のページ、名刺、施設に渡す案内の紙、予約を受ける仕組み。ここを削る人が多いのですが、訪問の形では受付の仕組みが売上に直接効きます。訪問中は電話に出られないからです。
実際の金額の目安を挙げている解説もあります。
これから訪問美容を開業するにあたり、どのような方を対象にするのか?一人で始めるのか?複数人で始めるのか?などの条件によって費用は大きく異なりますが、最低でも約22万円以上の開業資金が必要になります。 出典: kamibito.co.jp
道具だけで見た下限の目安と読めます。ここに車の費用と、売上が立つまでの生活費が乗ります。売上が立つまでの期間を3か月と見て、その分の生活費を手元に置いてから始めると、焦って安い仕事を受けずに済みます。開業の資金について公的な支援や融資を検討するなら、日本政策金融公庫の案内が出発点になります。
道具を、持ち運ぶ前提で選び直す
店で使っている道具をそのまま持ち出すと、訪問先で足りないものが出ます。持ち運ぶ前提で選び直す観点が4つあります。
1つめは、重さです。1回の訪問で運ぶ荷物は、階段を上がれる重さに収める必要があります。エレベーターのない建物の3階まで、2往復で運べるかを基準にします。1往復で運べる量に収めると、準備が速くなります。
2つめは、水を使わずに済む形です。訪問先の水道を使える場合もありますが、使えない前提で組んでおきます。水を運ぶ道具、使った水を持ち帰る道具、水を使わずに洗える用品。この3つを揃えると、どの訪問先でも同じ手順で進められます。
3つめは、寝たまま施術できる形です。ベッドの上で髪を切る、車椅子に座ったまま洗う。この姿勢で使える道具は、店で使うものとは別です。首を支える形の道具、寝たまま使える洗い場の道具が要ります。実際に自分で試してから買うのが確実です。
4つめは、後片づけの道具です。切った髪を床に落とさない工夫、落ちた髪を集める道具、持ち帰る袋。訪問先の部屋を汚さないことは、次の予約に直結します。掃除の道具をきちんと持っている人は、施設からの評価が上がります。ここを軽く見ると、技術が良くても継続に繋がりません。
道具を揃えたら、1回の訪問で使う分をまとめて1つのかばんに入れて、実際に持って階段を上がってみます。持てない重さなら、選び直します。開業の前にこれをやっておくと、初回の訪問で慌てません。
訪問先を決める3つの道
訪問先には3つの道があります。施設、個人宅、仲介する会社経由です。
施設に入る形は、件数が安定します。高齢者の施設、病院、障害のある方の施設。1回の訪問で5人から10人続けて施術できるので、移動あたりの売上が高くなります。欠点は、単価が抑えられることと、契約が1本切れると売上が大きく減ることです。1つの施設に売上の半分を預けている状態は、危うい形です。
個人宅を回る形は、単価が高く取れます。1人のために1回移動するので、その分の費用を料金に乗せられます。欠点は、集客を自分でやる必要があることと、その人が施術を受けられなくなると売上がそのまま消えることです。訪問美容の対象になる方は、体調が変わりやすい層でもあります。1人に依存しない件数を持つことが前提になります。
仲介する会社経由の形は、集客の手間が消えます。始めたばかりで施設への伝手がない時期には現実的な道です。欠点は、手数料が引かれることと、お客さまとの関係が会社を通したものになることです。会社の側の方針が変わると、仕事が減ります。
現実的な組み立ては、施設を2か所から3か所と、個人宅を並行して持つ形です。施設で件数の土台を作り、個人宅で単価を取ります。仲介経由は、空いている枠を埋める用途に使います。どの比率で組むかは地域で変わるので、開業の前に近隣の施設の数を数えてみます。徒歩か自転車で行ける範囲に施設が5か所あるなら、訪問だけで形になります。
施設に営業に行くときは、3つを紙にしてから行きます。1回に何人まで見られるか、1人あたりの時間と料金、訪問できる曜日と時間帯です。この3つが決まっていないと、先方も判断できません。あわせて、切った髪の処理をどうするか、施術する場所を借りられるかも確かめます。
料金の決め方と、交通費の扱い
訪問美容の料金は、施術の料金と移動の費用を分けて考えます。分けずに1つの金額にすると、遠い訪問先で赤字になります。
施術の料金は、店舗の美容室と同じ金額では合いません。訪問には移動の時間があり、店舗には家賃と待合の場所があります。原価の構造が違うので、金額も違ってよいはずです。1日の枠が施設1件と個人宅2件だとして、必要な月の売上をその件数で割ると、1件あたりの下限が出ます。この下限より安い金額を付けると、働くほど苦しくなります。
移動の費用は、3つの決め方があります。1つめは、一律の出張費です。距離を問わず同じ金額にする形で、説明が簡単です。2つめは、距離で段を作る形です。3キロまで、5キロまで、10キロまでと区切ります。公平ですが、説明の手間が増えます。3つめは、範囲の外は受けないと決める形です。決めた範囲の中は出張費に含め、外は受けません。一番分かりやすく、予定も崩れません。
施設との契約では、出張費の扱いが変わります。1回の訪問で複数人を見るので、出張費を人数で割る形か、施設に一括で請求する形になります。どちらにするかは契約の段で決めて、紙に書きます。口約束で始めると、人数が少なかった日の扱いでもめます。
キャンセルの扱いも先に決めます。訪問の形では、行ってから断られると移動の時間が丸ごと消えます。店舗なら次のお客さまで埋められますが、訪問先で断られた時間は埋められません。ただし訪問美容の対象になる方は、体調で急に受けられなくなることがあります。当日のキャンセル料を厳しく取る形は、この業種では合いません。前日までの連絡をお願いする形にして、施設との契約では最低の人数を決めておくほうが実務に合います。
支払いの方法も決めます。個人宅は現金が中心になりますが、施設との契約では月ごとの請求になります。両方に対応できる形にしておくと、訪問先を選べます。
1日に回れる件数と、移動時間の勘定
訪問美容の売上は、単価と件数の掛け算です。件数の上限は、移動の時間で決まります。
計算は単純です。1人の施術が45分、移動が片道30分、準備と片づけに15分。個人宅を1軒ずつ回る場合、1件あたりに90分を使います。8時間働くと480分なので、5件がぎりぎりです。休憩と昼食を入れると4件になります。
施設に入る場合は、この計算が変わります。移動が1回で済み、準備も1回で足ります。移動30分、準備と片づけ30分、施術45分が5人なら、合計で285分です。同じ8時間で5人を見て、まだ3時間近く残ります。移動あたりの売上が高くなるのは、この構造です。
この計算をすると、どこを削れば件数が増えるかが見えます。施術の時間を削るのは本末転倒です。効くのは移動の30分と、準備の15分です。道具の積み方を変えて準備を10分に縮め、同じ地域の予約を同じ日にまとめて移動を15分に縮めると、1件あたり70分になります。480分で6件です。1日1件増えると、月に20件以上変わります。
まとめるには、予約を受ける段で場所を見て振り分ける必要があります。電話で受けて手帳に書く形では、この振り分けができません。空いている枠を全部見せて選んでもらうと、地域が混ざります。地域ごとに開ける曜日を分けて、その曜日の枠だけを見せる形にすると、自動的にまとまります。
施設の定期訪問は、繰り返しの予定として先に埋めます。月の第2と第4の火曜日と決まっているなら、その枠を年の分だけ先に押さえます。埋めてから個人宅の予約を受けると、施設の訪問と重なりません。ここを後回しにすると、個人宅の予約が入った日に施設の訪問が来ます。
施設との取り決めを、口約束にしない
施設への訪問は売上の土台になる一方で、取り決めが曖昧なままだと後からもめます。紙にしておく項目は6つです。
1つめは、訪問の頻度と曜日です。月に何回、どの曜日の何時から入るか。施設の側にも入浴や食事の予定があるので、そこと重ならない時間を決めます。決めずに始めると、行った日に「今日は入浴なので」と断られます。
2つめは、1回の人数の下限です。5人の予定が2人になった日の扱いを決めておきます。人数が減っても訪問の費用はかかるので、下限を割ったときは最低の金額を請求する形にしておくと、訪問する側の予定が守られます。
3つめは、料金と請求の仕方です。1人あたりの金額、施術の内容ごとの金額、出張費を人数で割るのか施設に一括で請求するのか。請求の締めと支払いの期日も書きます。ここが決まっていないと、毎月の入金がずれます。
4つめは、施術する場所です。どの部屋を使えるか、水道が使えるか、電源が取れるか、椅子や台を借りられるか。初回に確かめて書いておくと、2回目から準備が速くなります。
5つめは、切った髪と汚れの処理です。施設のゴミとして出せるのか、持ち帰るのか。持ち帰る前提で道具を用意しておくのが安全です。床を汚さない工夫も、初回に伝えておくと信用に繋がります。
6つめは、当日の連絡先です。担当者が休みの日に入れないことがあります。代表の番号だけでなく、その日に立ち会う人の連絡先を持っておきます。加えて、お客さまの体調で急に受けられなくなったときの連絡の流れも決めます。
この6項目をA4で1枚にして、双方が持ちます。契約書の形式に整える必要はありません。書いてあることが大事で、体裁は後からでも整えられます。
予約と訪問の予定を、1つの表にまとめる
訪問の形で最も詰まるのが、予約の受け方です。訪問中は電話に出られないという一点が、すべてに効きます。
電話で受ける形の問題は3つあります。1つめは、施術中に鳴った電話に出られないことです。2つめは、移動中に出られても手帳を開けないので、折り返すことになることです。3つめは、折り返した先が留守だと、その1件が消えることです。訪問美容の問い合わせは、ご本人ではなくご家族から来ることが多く、ご家族は日中働いています。折り返す時間帯が合いません。
数えてみると量が見えます。不在着信の一覧を1週間分だけ数えて、折り返して繋がった件数を並べます。繋がらなかった相手は、別のところに行ったと考えるのが自然です。1件が5,000円で週に2件こぼれているなら、月で40,000円が消えています。予約を受ける仕組みの月額と比べる相手は、この金額です。
予約を受ける仕組みを置くと、この3つが同時に解けます。空いている枠が外から見えて、その場で確定します。夜にご家族が調べて申し込める状態になるのが、この業種では特に効きます。
開業して3か月経つと、予定が分散します。個人宅の予約は手帳、施設の訪問は別の紙、仲介経由の依頼はメッセージアプリ。3か所に分かれた予定を朝に突き合わせる生活が始まり、二重に受ける事故と、移動が繋がらない組み方が生まれます。1つの表にまとめると、どちらも消えます。決済が必須でない業態に合わせて、予約の受付から次の来店までを一続きにしている形を選ぶと、枠の設計と訪問後の連絡が同じ場所で組めます。どこまで自動にできるかは、できることで受付から次の訪問までの機能の並びを見て、いま手帳で回している工程と突き合わせると判断が付きます。
道具を選ぶときは、月額の安さだけで決めないことです。無料で始められる仕組みには件数や機能の上限があり、上限に当たった時点で入れ替えが必要になります。入れ替えは予約と履歴の移し替えを伴うので、最初から2年後の件数で選ぶほうが安く済みます。プランごとの上限は料金で件数とスタッフ数まで確かめ、必要な機能が全部入る最小の組み合わせは他社との比較で同じ条件のプランを並べて探します。訪問を前提にした業態の使い方は業種ごとの使い方に並んでいて、実際の入力の流れはデモを見るから確かめられます。つまずきどころはよくある質問に集まっています。
順番の話をして締めます。訪問美容で個人で開業する作業は、地域の条例を保健所に確かめる、美容所を持つかを決める、税務署に2枚出す、訪問する範囲と料金を決める、予約の受け方を作る、という5段で終わります。全部を同時に始める必要はありません。1段目の電話1本で、要る紙と条例が分かります。
Q1. 訪問美容を始めるのに、美容師免許以外の資格は必要ですか?
免許以外の資格は要りません。ただし美容師法は美容所以外での施術を原則として禁じていて、訪問美容は施行令が定める例外の範囲で行われています。例外の1つは条例で定める場合なので、認められる範囲は地域で変わります。開業する場所の保健所に、条例でどこまで認められているかを先に確かめます。
Q2. 美容所の届け出は、訪問だけなら不要ですか?
訪問だけで美容所を持たない形では、美容所の開設届と構造設備の検査は要らないのが一般的な扱いです。美容所を構える場合は、あらかじめ都道府県知事に届け出たうえで、構造設備の検査と確認を受けた後でなければ使用できない定めがあります。自宅の一室を美容所にする場合も検査の対象になるので、物件を触る前に保健所に相談します。
Q3. 開業にはいくらくらい必要ですか?
道具だけで見た目安として、最低でも約22万円以上という数字が挙げられています。ここに移動の手段の費用が乗り、車で回るなら車両と保険と駐車場が毎月かかります。加えて、売上が立つまでの3か月分の生活費を手元に置いてから始めると、焦って安い仕事を受けずに済みます。開業の資金は日本政策金融公庫の案内が出発点になります。
Q4. 1日に何件くらい回れますか?
個人宅を1軒ずつ回る場合、施術45分、片道の移動30分、準備と片づけ15分で1件あたり90分になり、8時間で5件がぎりぎり、休憩を入れると4件です。施設に入る場合は移動と準備が1回で済むので、同じ8時間で5人を見てまだ3時間近く残ります。件数を増やす鍵は移動の時間で、同じ地域の予約を同じ曜日にまとめると1件増えます。