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日本政策金融公庫で個人事業主が運転資金を借りる|備える書類

2026年10月5日・Rizaflow編集部

日本政策金融公庫で個人事業主が運転資金を借りようと調べ始めると、制度の名前が並んだページに行き当たり、自分がどれに当てはまるのか分からないまま時間が過ぎます。個人経営の店や教室を続けていると、仕入れの支払いと入金の間が空く月、設備の修理が重なる月、客足が落ちる季節が必ず来ます。そこで足りない分をつなぐのが運転資金です。この記事では、公庫が公開している条件をもとに、個人事業主が運転資金を申し込むときに選ぶ制度、備える書類、面談で聞かれることを順に並べます。

個人事業主の運転資金は、まず窓口が3つに分かれることを知る

日本政策金融公庫は1つの窓口ではありません。事業の規模と業種で、国民生活事業、中小企業事業、農林水産事業の3つに分かれています。個人事業主が運転資金を相談する先は、原則として国民生活事業です。公庫のサイトでも「小規模事業者/個人事業主の方【国民生活事業】」という区分でページが分かれており、融資制度の一覧も利率の表も、この区分ごとに別々に出ています。

ここを間違えると、読んでいる条件が自分に当てはまらないものになります。検索して出てきた「基準利率2.95%」という数字が中小企業事業の表のものだった、という取り違えはよく起きます。国民生活事業の利率は別の表にあり、水準も違います。まず自分が見るべき表がどれかを確かめてください。

その上で、国民生活事業の中に融資制度がいくつも置かれています。運転資金に使えるものだけでも、一般貸付、新規開業・スタートアップ支援資金、経営環境変化対応資金、マル経融資などがあります。名前が違うだけでなく、使える人の条件、限度額、返済期間、利率がそれぞれ違います。「公庫で運転資金を借りる」という1つの手続きがあるわけではなく、自分の状況に合う制度を選ぶところから始まります。

選ぶときの分かれ道は3つです。開業からどれくらい経っているか。いま売上が落ちているか、平常か。商工会議所や商工会の指導を受けているか。この3つの答えで、候補はほぼ絞れます。以下の節で、それぞれの制度の条件を公開資料の数字で並べます。窓口に電話する前に、自分が当てはまる制度を1つか2つに絞っておくと、相談の中身が具体的になります。

平常時の土台は一般貸付。運転資金は4,800万円まで

売上が特に落ちているわけでもなく、開業から年数も経っている個人事業主が最初に見るのが一般貸付です。公庫の一般貸付のページでは、融資限度額と返済期間が次のように示されています。

・運転資金の融資限度額 4,800万円 ・設備資金の融資限度額 4,800万円 ・特定設備資金の融資限度額 7,200万円

返済期間は、運転資金が5年以内で、特に必要な場合は7年以内まで延びます。そのうち据置期間は1年以内です。設備資金は10年以内で据置期間2年以内、特定設備資金は20年以内で据置期間2年以内と、使いみちによって長さが変わります。

据置期間というのは、その間は利息だけを払い、元金の返済を始めない期間です。運転資金で1年の据置が付けば、借りてから1年は利息だけで済みます。ここを使うかどうかで、借りた直後の月々の負担が大きく変わります。ただし据置の間も利息は発生し、元金の返済が始まってからの毎月の額は、据置を使わない場合より重くなります。手元の現金がいつ回復する見込みなのかと合わせて決める話です。

利率は基準利率で、返済期間または担保の有無によって異なる利率が適用されると記載されています。担保と保証人については、希望を聞きながら相談するという書き方です。つまり無担保が絶対に無理というわけではなく、事業の内容と希望で決まります。

一般貸付のページには、これ以外に無担保・無保証人で使えるマル経融資や、使いみちによって長期・特別利率で使える特別貸付があるとも書かれています。一般貸付は土台であって、条件に当てはまるなら他の制度のほうが有利になる場合があります。

開業から7年以内なら、新規開業・スタートアップ支援資金を先に見る

開業して間もない個人事業主が運転資金を必要とする場面は多いですが、一般貸付だけを見て終わらせるのは損です。新規開業・スタートアップ支援資金は、新たに事業を始める方、または事業開始後おおむね7年以内の方が対象で、融資限度額は7,200万円です。

この制度の運転資金の返済期間は10年以内で、据置期間が5年以内まで取れます。一般貸付の運転資金が5年以内で据置1年以内なのに比べて、返済の期間も据置も長く取れる形です。開業から数年は売上が読みにくいため、返済の期間が長いほど月々の額が下がり、資金繰りが安定しやすくなります。

さらに利率の面でも差が付きます。基本は基準利率ですが、一定の要件に該当する方が必要とする資金は特別利率になると明記されています。要件として挙げられているのは、女性の方、35歳未満または55歳以上の方、創業塾や創業セミナー(産業競争力強化法に規定される認定特定創業支援等事業)を受けて認定市区町村が発行する証明書を取得した方などです。Uターン等により地方で新たに事業を始める方や、地域おこし協力隊の任期2年目以降の方も要件に挙がっています。

自治体の創業セミナーを受けて証明書をもらうだけで利率の段が変わるのなら、申し込みの前に受けておく価値があります。ここは知っているかどうかで差が出る部分です。開業から7年という線は思ったより長いので、「もう創業ではないから対象外だろう」と自分で判断せず、開業した年月を数えてから決めてください。

売上が落ちている時期には、経営環境変化対応資金という枠がある

客足が落ちている、仕入れ値が上がって利益が薄くなっているという状況で運転資金を借りたいときは、経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付)が候補に入ります。この制度は融資限度額が7,200万円で、運転資金の返済期間は10年以内、据置期間は3年以内です。

対象になるかどうかは、数字の条件で判定されます。公庫のページに挙がっている条件のうち、個人事業主が確かめやすいのは次の2つです。

・最近の決算期における売上高が、前期または前々期に比べて5%以上減少している ・最近3か月の売上高が、前年同期または前々年同期に比べて5%以上減少しており、かつ今後も売上減少が見込まれる

このほか、純利益額や売上高経常利益率が悪化している場合、取引条件の悪化が0.1か月以上ある場合なども条件に挙げられています。条件を満たすかを確かめるには、前期と前々期の確定申告書と、直近3か月の売上の記録が必要です。

注意したいのは、売上が落ちてから慌てて数字を集めると、3か月分の売上を業種別や月別に出す作業が発生する点です。予約や来店の記録が残っていれば、月ごとの売上と件数をすぐ出せます。ここが紙の予約帳やばらばらの表計算に分かれていると、電卓で足す作業から始まります。売上が落ちている時期は店の手も足りないので、この作業が申し込みを遅らせます。

無担保・無保証人で借りたい場合は、マル経融資の道を確かめる

担保も保証人も出せないという条件で運転資金を探しているなら、マル経融資(小規模事業者経営改善資金)を確かめてください。この制度は、商工会議所、商工会、または都道府県商工会連合会の実施する経営指導を受けている小規模事業者で、商工会議所等の長の推薦を受けた方が対象です。

条件は次のとおりです。

・融資限度額 2,000万円 ・返済期間 10年以内(うち据置期間2年以内) ・担保・保証人 無担保・無保証人

限度額は一般貸付より小さいですが、無担保・無保証人と明記されている点が他と違います。利率は特別利率Fで、国民生活事業の利率表の中では低い段に置かれています。

この制度の入口は公庫ではなく商工会議所や商工会です。経営指導を受けて推薦をもらう工程があるため、思い立ってすぐ申し込める形ではありません。地域によって指導の回数や期間の運用が違うので、まず地元の商工会議所に問い合わせて、推薦までにどれくらいかかるかを聞いてください。小規模事業者の支援制度の全体像は中小企業庁の案内からも辿れます。

いま急いで資金が必要ならこの制度は間に合いませんが、半年先を考えるなら、指導を受け始めておくという手があります。

利率は「申告を2期終えているか」と「担保の有無」で段が変わる

運転資金を借りるときに気になるのが利率です。国民生活事業の利率は、公庫のサイトで表として公開されています。令和8年9月1日現在の、無担保で融資を利用する場合の主な数字は次のとおりです。

税務申告を2期終えている方の場合、基準利率は年3.80〜5.40%、特別利率Aが3.40〜5.00%、特別利率Bが3.15〜4.75%、特別利率Cが2.90〜4.50%、特別利率Eが2.40〜4.00%です。税務申告を2期終えていない方の場合は、基準利率が年3.75〜5.35%、特別利率Aが3.35〜4.95%と、わずかに低い段が示されています。

幅があるのは、融資制度、使いみち、返済期間、担保の有無で適用される利率が変わるためです。公庫のページにも、詳しくは支店へ問い合わせるようにと書かれています。この幅の中でどこに着地するかは、申し込む前に自分で確定させることはできません。

ここで押さえておきたいのは3点です。1つ目は、有担保で借りる場合の表が別に用意されていること。2つ目は、経営者保証免除特例制度を使う場合の表も別にあること。3つ目は、マル経融資と生活衛生改善貸付の利率もまた別の区分で示されていることです。同じ公庫でも、どの制度でどの条件で借りるかで表が変わります。

利率は金融情勢によって変わります。この記事に書いた数字は令和8年9月1日現在の公開値で、申し込む時点では違う可能性があります。借入金利は固定で決まるので、記載されている利率と実際の借入金利が異なる場合があると公庫自身が注記しています。最新の値は日本政策金融公庫の金利情報のページで確かめてください。

個人事業主が備える書類は7種類。つまずくのは確定申告書

申し込みの中身に入ります。公庫のインターネット申込では、書類の電子データをあらかじめ用意しておく形になっています。国民生活事業の事業資金をはじめて利用する個人事業主が準備する書類として、公庫のページに挙げられているのは次のものです。

・創業計画書または企業概要書 ・直近期の確定申告書(一式) ・直近期の前期の確定申告書(一式) ・見積書(設備資金を申し込む場合のみ) ・日本公庫電子契約サービス(国民生活事業)利用申込書 ・送金先の預金通帳(表紙、見開き1ページ目) ・代表者の方の本人確認書類 ・許認可証等(許可や届出が必要な事業を営んでいる場合のみ)

公庫は、提出される電子データに不備が多く発生していると明記しており、特に2点を挙げています。1つは、直近期だけでなく2期分が準備できているか。申込の都度、2期分の提出が必要とされています。もう1つは、確定申告書の表紙だけでなく一式が準備できているかです。青色申告の方は青色申告決算書、いわゆる白色申告の方は収支内訳書を含めて一式です。

税務申告が1期しか完了していない方は1期分を用意します。事業を始めて間もなく税務申告が未了の場合は、提出の必要はないと書かれています。

本人確認書類は、運転免許証(両面)、マイナンバーカード(表面のみ)、パスポート(顔写真のページおよび現住所等の記載のあるページ)のいずれかです。マイナンバーカードは表面のみという指定に注意してください。裏面を送ると個人番号が公庫に渡ることになり、受け取る側も困ります。

送金先の預金通帳は表紙と見開き1ページ目です。ネット銀行で通帳がない場合は、金融機関名、店番、預金の種類、口座番号、口座名義人(漢字とカナ)が確認できるマイページ画面の写しなどで代えられると書かれています。

創業計画書と企業概要書は、どちらを出すかで分かれる

書類の中で判断が要るのが、創業計画書と企業概要書のどちらを出すかです。公庫の案内では次のように分かれています。これから事業を開始する場合、または事業を開始して間もない場合は創業計画書。それ以外の場合は企業概要書です。

どちらも公庫のサイトから書式と記入例をダウンロードできます。記入例が付いているので、白紙から書く必要はありません。ここで手が止まる人が多いのは、書式の埋め方ではなく、書く中身が手元にないからです。

企業概要書に書くのは、取扱商品やサービスの内容、その売上の構成、取引先や取引条件、従業員、借入の状況、そして今回の資金の使いみちです。運転資金を申し込むなら、なぜその額が必要なのかを、商売の形に沿って説明する欄が中心になります。

ここで効くのが、日々の商いの記録です。予約で成り立つ店や教室なら、月ごとの予約件数、客単価、新規と再来の割合、季節による波が数字で出ます。これがあると、「繁忙期の前に仕入れと人手を先に出すため、2か月分の支払いをつなぐ運転資金が必要」という説明が、根拠付きの文章になります。記録がないと、「売上が不安なので」という抽象的な理由しか書けません。

融資の可否を決めるのは公庫の審査であって、書類の見た目ではありません。ただし、書ける材料を持っているかどうかは、書類を出す側で決まります。

実際に借入できる融資額は、事業規模や計画の実現可能性、返済能力などで決定されます。できる限り多くの融資を受けるためには、事業規模や必要経費を根拠とともに示し、計画書で資金の必要性を具体的に説明することが大切です。 出典: freee.co.jp

希望額は、月商と支払いの周期から組み立てる

運転資金をいくら申し込むかは、限度額の上限から考えるものではありません。一般貸付の運転資金の上限は4,800万円ですが、個人経営の店がその額を申し込む場面はほとんどありません。組み立ての順番は、限度額ではなく自分の商いの周期からです。

最初に出すのは、毎月出ていく固定の額です。家賃、人件費、水道光熱費、通信費、リース料、借入の返済。次に、売上に連動して出ていく額を出します。仕入れ、材料、外注費。最後に、入金までの日数を確かめます。現金商売なら当日、カード決済が主なら入金は翌月、掛け売りがあればもっと後です。

この3つが揃うと、手元に何か月分の現金を置いておく必要があるかが見えます。支払いが先、入金が後という順番の商売は、その差が大きいほど手元の現金が要ります。運転資金の希望額は、その差を埋める額に、想定外の支出への余裕を足したものです。

公庫の外の資料では、運転資金の目安を月商の3か月分と置く説明がよく見られます。ただしこれは目安であって、業種と入金の周期で変わります。仕入れが売上の大半を占める小売と、人件費が中心の教室では、必要な厚みが違います。目安をそのまま書いて出すより、自分の数字で組み立てた額のほうが、面談での説明が通ります。

据置期間の使い方も、この組み立てと一緒に決めます。設備を入れて売上が立つまで半年かかるなら据置が効きますが、すでに売上がある商いのつなぎ資金なら、据置を短くして総額の利息を抑える選択もあります。

申し込みから入金までを逆算して、動き出す時期を決める

必要な時期に間に合わないと、借りられても意味がありません。公庫の手続きは、相談、申し込み、面談、審査、契約、送金という順に進みます。申し込みはインターネット申込が案内されており、24時間365日受付と書かれています。

相談の段階では、事業資金相談ダイヤルが用意されています。受付時間は平日9時から17時で、これから創業を考えている方、創業して間もない方、個人企業・小規模企業の方は平日9時から19時まで受け付けると書かれています。店を開けている時間帯に電話するのが難しい個人事業主にとって、19時まで受け付ける枠があるのは押さえておきたい点です。

支店窓口やオンラインでの相談は、事前予約をお願いしていると明記されています。予約相談の利点として、窓口で待たずに相談できること、事前に相談内容を入力することで案内がスムーズになること、Microsoft Teamsを利用したオンライン相談ができることが挙げられています。店を離れられない事業主にとって、オンラインで相談できる枠は使いどころがあります。

期間の見込みは、制度と支店の混み具合、書類の不備の有無で変わるため、公庫のページに一律の日数は書かれていません。確実に言えるのは、書類の不備が出ると、その分だけ後ろにずれるということです。公庫自身が「不備が多く発生しています」と書いている確定申告書の一式と2期分は、ここでずれる典型です。

資金が必要な月が決まっているなら、そこから逆算して、書類を揃える期間、面談の日程を取る期間、審査の期間を見込んで動き出してください。手続きの流れと必要書類の一覧は日本政策金融公庫の小規模事業者・個人事業主向けのご利用案内にまとまっています。

面談で聞かれることは3つに集まる

申し込みの後、公庫の担当者と面談があります。ここで聞かれることは、制度が違っても大きく3つに集まります。

1つ目は、いまの商売の中身です。何を売っていて、客はどこから来て、単価はいくらで、月にどれくらいの件数があるか。ここで答えに詰まる事業主は少ないですが、数字で答えられる人は多くありません。「だいたい忙しい」「月によって違う」という答えでは、返済能力の判断材料になりません。

2つ目は、申し込んだ額の使いみちと、その額の根拠です。何にいくら使うのかを分けて答えられるかが見られます。「運転資金として300万円」ではなく、「仕入れの支払いに月80万円、繁忙期の人件費の増分に月40万円、これを2か月分と予備」という形で分けておきます。

3つ目は、返済の見込みです。借りた後、毎月いくら返せるのかを、売上の見込みと支払いの予定から説明します。ここで楽観的な売上見込みだけを並べると、根拠を追加で聞かれます。過去の実績で示せる部分と、これからの見込みの部分を分けて話すほうが通りやすくなります。

面談に持っていくと話が早いのは、月ごとの売上と件数が並んだ表です。作り込んだ事業計画書よりも、実際の記録のほうが説明の力があります。予約や来店の記録がそのまま集計できる形になっていれば、この表は印刷するだけで用意できます。

予約で成り立つ商いは、売上の根拠を予約の記録で示せる

美容室、整体院、学習塾、習い事の教室、個人の相談業のように、予約を受けて成り立つ商いは、融資の説明に使える材料を日々の業務の中で作っています。予約1件ごとに、日付、メニュー、担当者、単価、新規か再来かが残るからです。

この記録が1か所に集まっていれば、月ごとの売上、客単価、新規の割合、季節による波、キャンセルの割合が、そのまま数字として出せます。企業概要書の「取扱商品・サービスの内容」と「売上の構成」の欄は、この集計をそのまま写せば埋まります。経営環境変化対応資金の条件である直近3か月の売上の比較も、集計を切り出すだけで済みます。

逆に、電話で受けた予約を紙の台帳に書き、ネットからの予約は別の画面で見て、常連からの連絡はメッセージアプリに残っているという状態だと、この集計を作る作業が数日かかります。資金が足りない時期に数日を書類作りに使うのは重い負担です。予約の受付から来店後の連絡までを1つの場所で扱うと、何ができるようになるのかはできることのページに一覧があります。

業種によって「予約」の中身は違います。学習塾なら体験授業と面談と振替、美容室ならメニューと担当者、整体院なら回数券の消化。どの形に当てはめるかは業種ごとの使い方に業種別の例が並んでいます。

導入にかかる費用は、融資の申し込みと並行して判断する材料になります。月あたりの予約件数とスタッフの人数で段階が分かれる料金の形が一般的で、具体的な段階は料金のページで確かめられます。他の予約システムとの違いを機能ごとに並べたものは他社との比較にまとまっています。実際の画面を触ってから決めたい場合は、登録せずに操作できるデモを見るが公開されています。導入や解約の条件についての質問はよくある質問に集めてあります。

決済が必須でない業態に合わせて、予約の受付から次の来店までを一続きにしている作りなら、予約の記録と売上の記録が分かれません。融資の書類を作るためにわざわざ集計する工程が消えます。

もう1つ、面談の前に決めておくとよいのが、答える人を1人にすることです。家族で店を回している場合、売上の話は配偶者が把握していて、仕入れの話は本人が把握しているという分かれ方が起きます。面談の場で「それは家内が」と答えが割れると、事業の全体を誰も掴んでいないように見えます。誰が答えるかを決め、その人が全部の数字を言える状態にしてから臨んでください。数字を1人に集める作業そのものが、商売の穴を見つける機会にもなります。

借りたあとに見る数字を、申し込む前に決めておく

運転資金は借りた時点では成果ではありません。借りた現金でつないだ期間に、商売の形が改善したかどうかで結果が決まります。申し込む前に、借りた後に何を見るかを決めておいてください。

見る数字は3つで足ります。1つ目は、毎月の手元の現金の残高です。借りた直後は増えますが、返済が始まってからも一定の水準を保てているかを見ます。2つ目は、月ごとの売上と件数です。件数が同じで売上が落ちていれば単価の問題、単価が同じで件数が落ちていれば集客の問題と、原因が切り分かります。3つ目は、返済の額が月の固定費に占める割合です。ここが大きくなりすぎると、次に何か起きたときに動けなくなります。

この3つを月に1回見る習慣を作ると、次に資金が必要になる時期を数か月前に読めるようになります。読めていれば、書類を揃える時間も面談の日程を取る時間も確保できます。慌てて申し込む状況を避けることが、条件のよい借り方につながります。

記録を付ける場所は、増やさないほうが続きます。予約と売上が同じ場所に残っていれば、月に1回その画面を開くだけで3つの数字が揃います。別の表を新しく作ると、忙しい月に更新が止まり、必要になったときには古い数字しか残っていません。

Q1. 個人事業主が日本政策金融公庫で運転資金を借りるとき、いくらまで申し込めますか?

国民生活事業の一般貸付では、運転資金の融資限度額は4,800万円です。開業からおおむね7年以内なら新規開業・スタートアップ支援資金で限度額7,200万円、売上が前期比5%以上減少しているなどの条件に当てはまれば経営環境変化対応資金で7,200万円という枠もあります。実際の融資額は事業規模と返済能力で決まるため、上限ではなく自分の支払いと入金の周期から必要額を組み立ててください。

Q2. 申し込みに必要な書類は何ですか?

企業概要書(または創業計画書)、直近期と前期の確定申告書の一式、預金通帳の表紙と見開き1ページ目、本人確認書類、電子契約サービスの利用申込書が基本です。設備資金なら見積書、許可が必要な事業なら許認可証も加わります。公庫は不備が多い点として、確定申告書が2期分そろっているか、表紙だけでなく一式そろっているかの2つを挙げています。

Q3. 利率はどれくらいですか?

令和8年9月1日現在、国民生活事業で無担保、税務申告を2期終えている場合の基準利率は年3.80〜5.40%です。特別利率Aは3.40〜5.00%、特別利率Eは2.40〜4.00%と段が分かれています。幅があるのは、融資制度、使いみち、返済期間、担保の有無で適用される利率が変わるためです。利率は金融情勢で変わるので、申し込む前に公庫の金利情報のページで確かめてください。

Q4. 無担保・無保証人で運転資金を借りる方法はありますか?

マル経融資(小規模事業者経営改善資金)は無担保・無保証人と明記されており、融資限度額2,000万円、返済期間10年以内(うち据置期間2年以内)です。ただし商工会議所や商工会の経営指導を受け、その長の推薦を得ることが条件になります。指導から推薦までに期間がかかるため、急ぎの資金には向きません。半年先を見て相談を始めておく制度です。

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